賃貸不動産経営管理士講習を受けた方が良いかどうか迷う受験生がいると思います。
当ブログの結論は「講習は受けておいたほうが良い」です。
この記事では講習受講・修了で受けられる5問免除で得られるメリットについて紹介します。
【2020年9月12日追記】賃貸不動産経営管理士講習についての情報をアップデートしました。
【2020年4月1日追記】令和元年度までの賃貸不動産経営管理士講習受講による免除問題数は4問でした。このため、記事内容は4問免除が前提となっている箇所があります。ご了承くださりますよう、お願いいたします。
賃貸不動産経営管理士講習とは
賃貸不動産経営管理士試験を実施する賃貸不動産経営管理士協議会では毎年賃貸不動産経営管理士講習を開催しています。
講習のお申し込み-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)
賃貸不動産経営管理士講習の概要です。
・講習は事前学習と1日のスクーリング(講習時間:9:00〜17:30、受付開始:8:50)
・遅刻・途中退出不可
・誰でも受講可
・受講料 18,150円(税込み)
・公式テキスト必須(公式テキストは税込み4,054円)
※講習修了にて賃貸不動産経営管理士試験での5問免除が認められる
講習を「修了」することで得られる最大のメリットは賃貸不動産経営管理士試験で5問免除されることです。
ブログ管理人は時間の都合がつかなかったので講習を受けられませんでした。ブログ管理人が受験した平成29年度は5問免除ではなく4問免除で、講習は2日間。平成28年度までの問題がそれほど難しくなかったため、メリットを感じませんでした(そう言いながら免除問題のうち1問外しましたけれど)。
幸い合格したので賃貸不動産経営管理士講習を受けなくても試験には受かると言えるのですが、合格するのに必要な得点率からは、講習を受けられる方は絶対受けておいたほうが合格に有利にはたらくことがわかりました。
4問免除のメリット
※令和2年度試験から50問となりますが、合格点が何点になるか過去のデータがないため、ここでは令和元年度試験までのデータを用いています。
平成29年度試験の合格点は27点でした。
賃貸不動産経営管理士の問題数は40問です。40問解いて合格するのに必要なのが27点、つまり平成29年度試験合格に必要な正解率は67.5%(27/40)でした。
ところが講習を受講すると、試験問題数は36問、合格点は23点(23/36)、合格に必要な正解率は63.8%(23/36)になります。つまり、受講者の正解率は非受講者よりも低くてすむのです。
講習を受けない場合の合格点範囲を21点から30点と仮定し、講習受講者と非受講者が合格に必要な正解率の違いを表にしました。
講習非受講の場合の合格点30点というのは賃貸不動産経営管理士試験ではまだありませんが、あくまで仮定としてあげておきました。
講習非受講の場合の合格点30点の場合、講習受講者の合格点は26点になります。両者が合格するのに必要な最低の正解率は、非受講者が75%(30/40)、受講者が72.2%(26/36)となります。
以下、順に表をご覧下さい。
合格点 | 非受講者 | 受講者 | ポイント差 |
---|---|---|---|
30点 | |||
29点 | |||
28点 | |||
27点 | |||
26点 | |||
25点 | |||
24点 | |||
23点 | |||
22点 | |||
21点 |
合格点が低くなればなるほどポイント差が開いていきます。
そうです。おわかりの通り合格点が低い、すなわち試験が難しいときほど正解率の差は合否に大きく影響するのです。
ちなみに平成26年度試験の合格点は21点、4問免除だと17点です。4問免除なら36問の半分を正解できれば合格できるのです。
賃貸不動産経営管理士試験の合格点は毎年調整されます。
合格点に1点足りなければ不合格です。その1点を獲得する上で、講習受講者と非受講者には表に見られるとおりの差が試験を受ける前からついているのです。
これは、受講者にとって大きなメリットと言えます。
講習は受けた方が良い・・・のか?
「結論は明白です。賃貸不動産経営管理士講習は受けた方が良いです。賃貸不動産経営管理士講習を受けた受験生のほうが合格率が高いからです。」
平成29年度試験までの結果から、管理人はそう主張していました。
しかしながら、令和元年度試験の結果からはそうは言えなくなってしまいました。
年度 | 講習修了者 | 非受講者 |
---|---|---|
平成25年度(2013年度) | ||
平成26年度(2014年度) | ||
平成27年度(2015年度) | ||
平成28年度(2016年度) | ||
平成29年度(2017年度) | ||
平成30年度(2018年度) | ||
令和元年度(2019年度) | ||
平成29年度試験での賃貸不動産経営管理士講習を受けた方の合格率は53.47%、それに対し講習を受けなかった方の合格率は46.47%でした。
その差はちょうど7ポイントです。
この7ポイントを大きいと見るか小さいと見るかで考えは変わります。
ブログ管理人は、合格得点率からみても合格率の7ポイント差は大きいと考えました。
しかしながら、合格率の差は平成30年度試験、そして令和元年度試験と急激に縮まり・・・令和元年度試験での合格率の差はわずか2.16ポイントになってしまいました。
管理人はこう書いていました。
「人によってはなるべくコスト(費用と時間)をかけずに試験に合格したいと思うことでしょう。
でも、自分がその資格を必要とするなら、かけるべき対価を払うのは至極妥当なことではないでしょうか?賃貸不動産経営管理士講習はその対価の一つだと思います。
賃貸不動産経営管理士試験はまだ合格率が高く、試験の難易度も宅建に比べるとかなり低い、合格しやすい不動産系資格です。
時間とお金に都合をつけられるなら、講習を受けて早めに合格を勝ち取りましょう!」
ですが、令和2年1月10日の今、そう言い切って良いのかどうか逡巡しています。
ただ、心配なことが1点あります。
それは、令和2年度試験から現行の40問90分から50問120分に試験問題数と試験時間がかわることです。
新試験への対応を講習で扱うなら講習を受講するメリットはまだあるかもしれません。
そうでないのなら、メリットはあまり見いだせないかもしれません。
※令和2年度賃貸不動産経営管理士講習の概要は賃貸不動産経営管理士協議会HPの賃貸不動産経営管理士講習(試験の一部免除)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)をご覧下さい。
注:令和2年度賃貸不動産経営管理士講習はの申込は2020年9月4日で全て終了しています。
賃貸不動産経営管理士試験対策
賃貸不動産経営管理士試験通信講座
通信講座等の教材を使えば、独学であれこれ調べながら学習するよりはるかに効率良く学習できます。良い講師・スクールの教材は問題分析が緻密なため、無駄な学習をせずに済むからです。
市販テキストでの独学が不安だったり学習の進捗状況を自分で管理するのが苦手な受験生や、そもそも賃貸不動産経営管理士試験の勉強をどこから手を付けたらよいのか考えあぐねている受験生、PC・タブレット・スマホでの学習のほうが向いている受験生は通信講座の利用を検討しても良いでしょう。
ここでは3社について紹介しておきます。
ちなみにおすすめテキスト・問題集を3冊揃えるだけで1万円弱かかりますので、紹介する通信講座のうちスタディングとスタケンの価格は決して高すぎることはありません。アガルートアカデミーは合格すれば支払金額全額返金および合格祝い金2万円制度を使って元がとれます。
◆スタディングの賃貸不動産経営管理士講座 は短期合格セミナー・基本講座(ビデオ・音声による18講座約8時間30分)・WEBテキスト・スマート問題集・セレクト過去問集が利用できるコース(¥11,800、税別)と、さらに実践力アップ講座(ビデオ・音声約2時間)・実践力アップ問題集も利用できるコース(¥13,800→9月30日まで¥12,800、税別)があります。
スタディングの問題集は、問題を解答する毎に成績を記録。間違えた問題だけをまとめる機能もあるので、学習の進捗状況が管理しやすいです。
スタディングは無料で機能を試せます。無料で試してから自分に合う教材かどうか吟味すると良いでしょう。
令和元年度に受講していて残念ながら不合格だった方に再受講割引として【2020年度更新版】賃貸不動産経営管理士 合格コース があります。
◆スタケンの賃貸不動産経営管理士WEB講座は¥13,800(税別)
→PCでもスマホでも。WEB受講型宅建講座『スタケン』(宅建講座案内ページへのリンクですが、一番上の「賃管講座はこちら>」をクリックすると賃貸不動産経営管理士WEB講座につながります)。
スタケンにはオリジナル模試3回分と質問サポートが料金に含まれています付いていますが、スタディングにはどちらもありません。模試と質問機能を重視するならスタケンのほうが良いでしょう。
◆去年の賃貸不動産経営管理士試験合格率は36.8%まで落ち込みました。そんな逆風の中、合格率83.3%という極めて高い成果をあげたのがアガルートアカデミーの賃貸不動産経営管理士試験講座です。
→アガルートアカデミー 賃貸不動産経営管理士試験講座
賃貸不動産経営管理士試験講座総合カリキュラムは以下となっています。
- 総合講義:オリジナルのフルカラーテキスト付き動画講義(講座単体価格は税別¥39,800)
- 4時間の動画による過去問解析講座(講座単体価格は税別¥29,800)
- 解説講義付き直前ヤマ当て模試(模試単体価格は税別¥10,800)
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アガルートアカデミー 賃貸不動産経営管理士試験講座の価格は、正直言ってスタディング・スタケンより高いです。
とはいえ、すでに述べた通りアガルートの令和元年度試験合格率は83.3%。
金額は他の講座より高いものの、合格時には「支払金額全額返金」および「合格祝い金2万円」の特典がありますので合格すれば元はとれます。(※特典を受けるには条件がありますので必ずHPでご確認ください)。
なお、アガルートでは各種割引制度が用意されています。
①アガルートの賃貸不動産経営管理士総合講義・総合カリキュラムを受講したことがある方、②宅建・行政書士・管理業務主任者・マンション管理士各試験の合格者、③賃貸不動産経営管理士試験を受験したことがある方、④他の予備校・通信講座・スクール等の有料講座で学習していた方は10%〜20%割り引くとのことです。
詳細はアガルートHPでご確認ください。
賃貸不動産経営管理士試験対策テキスト・問題集【2020年度版】
2020年版おすすめテキスト・問題集です。購入したら正誤表を必ずご確認ください。
おすすめの理由はこちらの記事をご参照ください。
【賃貸不動産経営管理士試験】おすすめテキスト・問題集 - 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ
『賃貸不動産経営管理士基本テキスト(2020年度版)』
『賃貸不動産経営管理士過去問題集(2020年度版)』
『賃貸不動産経営管理士直前予想問題集(2020年度版)』重要数字攻略ドリルは特におすすめです。予想問題は弱点のあぶり出しと補強に使うのが良いと思います。
『賃貸不動産管理の知識と実務 改訂4版:賃貸不動産経営管理士公式テキスト』
『2020年度版賃貸不動産経営管理士 要点と〇×問』が9月に発売されました。229ページとコンパクトな分量ながら、要点まとめと一問一答326問が収録されています。常に持ち歩いてスキマ時間に知識を確認するのに用いると良いでしょう。
賃貸不動産経営管理士試験日・関連記事・過去問
◆令和2年度(2020)賃貸不動産経営管理士試験は2020年11月15日に実施予定です。
→令和2年度(2020)賃貸不動産経営管理士試験日・申し込み日程・試験概要について
◆令和2年度(2020)賃貸不動産経営管理士試験の申し込みは2020年8月17日から始まりました。申込締切は9月24日です。
→令和2年度(2020)賃貸不動産経営管理士試験受付・申し込みは8月17日から:資料請求申込と受験案内書について
◆賃貸不動産経営管理士試験当日(2020年11月18日)17:00頃から予想合格ライン・合格点ボーダーと解答速報が各資格スクールより公表されると思われます。当ブログでは情報を入手次第、こちらの記事にてお知らせいたします。
→令和2年度(2020)賃貸不動産経営管理士試験合格ライン・合格点ボーダー予想および解答速報
◆賃貸不動産経営管理士試験過去問平成30年度・平成29年度・平成28年度問1〜問40の解説はこちらのページにリンクしてあります(※平成29年度はこのページです)。
【過去問】平成30年度賃貸不動産経営管理士試験問1〜問40
【過去問】平成29年度賃貸不動産経営管理士試験問1〜問40
【過去問】平成28年度賃貸不動産経営管理士試験問1〜問40
平成29年度試験問題と同様に、平成30年度問題でも公式テキストからの出題が大多数でした。
◆賃貸不動産経営管理士試験の合格率の推移についてはこちらの記事をご参照ください。
→2019年度賃貸不動産経営管理士試験合格率は36.8%、難易度は確実に上昇
◆賃貸不動産経営管理士は2021年6月に国家資格化が見込まれています。
→賃貸不動産経営管理士、2021年6月に国家資格へ
2020年度試験は50問120分となることで難易度が上がります。さらに、国家資格となったあとは資格の権威化を見据えて合格率をさらに絞るかもしれません(あくまで管理人個人の意見です)。
2020年度賃貸不動産経営管理士試験で合格を勝ち取っておきましょう!