【2023年12月8日更新】当サイトでは宅建市販テキスト・参考書・問題集・漫画10シリーズ40冊以上を実際に全て購入。個別にレビューを公開し、宅建独学・初学者におすすめできるものとできないものに峻別して紹介しています。
◆宅建は20万人以上が受験する超大型資格試験。
受験規模が大きいため市販宅建テキスト・問題集・漫画は数十冊も発売されています。書店やネットで選ぼうとしてもどれが良いのか途方に暮れる受験生は少なくないと思います。
◆当サイトでは主要宅建テキスト・問題集・漫画50冊以上を実際に購入・分析してレビューを公開しています。
このレビューを通じて詳細に分析したところ、初めて宅建を学習する方向けのテキスト・問題集はごく限られていることがわかりました。
ごく限られているおすすめのものだけを紹介すれば事足りるかもしれませんが、どんな違いがあるのかについて知っていただき、納得の上でテキスト・問題集を購入していただければ、という思いがあります。
さらに言えば、テキスト・問題集を購入する前に、無料の教材(3段階学習法の第1段階でおすすめするオーディオブック=『パーフェクト宅建士聞くだけ』)を使ってみて宅建を受けるかどうかを決めていただきたいです。
このオーディオブックはAmazon Audible版です。Audibleに初めて登録する方は30日間無料(もしくは不定期キャンペーン2ヶ月間99円)で利用できます。
宅建には民法、宅建業法、建築基準法など多岐に渡る法律知識が登場します。
法律学習には向き不向きがあります。業務命令等でどうしても宅建が必要な方はともかく、そうじゃない方はまずは宅建試験合格に向けて来年の10月までがんばれそうかどうかを早めに見極めてほしいと思います。ちなみに当サイト管理人は簿記がどうにも性に合わず、休止中です・・・
◆この記事では2023年12月4日時点で市販宅建テキスト・参考書・問題集・漫画40冊のレビューをまとめ、宅建初学者に「おすすめするもの」と「おすすめしないもの」に分けて紹介しています。
購入したもののまだレビューしていないものが16冊ありますし、今年はLEC水野先生の新著が2冊出版されます(『神問題集』は発売済み、詳細は【購入レビュー】この1冊で合格!水野健の宅建士 神問題集 2024年度版をご参照ください!)ので、58冊ほど紹介できると思います。
◆宅建テキストを紹介するネット記事はたくさんありますが、Amazonの商品ページを転載しているだけのものが目に付きます。テキストを購入せずに記事を書いてるのでしょうね。
一方、当サイトは実際に数多くの教材を購入して全て目を通しています。より多くの教材を網羅するとともに、内容の詳細さについても自信を持っております。
しかしながら、より多く詳しく紹介すればするほど文章量が増えてしまいます。当記事は現時点で40,000字超・・・
最後まで目を通す時間がない方、すぐにでもおすすめテキストを知りたい方は、次のセクションの「宅建合格のための3段階学習法」だけでもよいのでぜひお読みください。
時間がある方はその後の宅建テキストについての基礎情報および各教材についてのレビューに目を通し、自分に合った教材を選んでいただければと思います。
皆様の令和6年度(2024)宅建試験合格に少しでも役立てば幸いです。
- 宅建合格のための3段階学習法について
- 宅建テキストの基礎知識
- 条文番号なし宅建テキスト:6シリーズレビュー
- 条文番号あり宅建テキスト:4シリーズレビュー
宅建合格のための3段階学習法について
◆宅建試験の合格点をクリアするにはどうすれば良いでしょうか?
その答えはシンプルです。
合格者正解率66%以上の問題を確実に得点すること、そのための学習を怠らないことです。(詳細は当サイトの『【宅建合格のために】合格者正解率(正答率)50%以上の過去問を確実に解こう!』を参照)
宅建合格には難問を得点する必要はありません。
宅建合格に必要なのは合格者正解率66%=「宅建合格者の3人に2人以上が正解する」問題、すなわち基本的な問題を取りこぼさないことです。
直近10回の宅建試験で最も低かった合格基準のは平成27年度の31点。近年では最も難しかった試験でしたが、それでも合格者3人のうち2人が正解できた問題を取れれば合格できました。
ちなみに平成30年度試験は合格者正解率75.9%以上の問題、つまり合格者4人のうち3人が正解できた問題さえ取りこぼさなければ合格基準点37点で合格できました。
宅建で合否を分けるのは正解率が低い問題ではありません。合否を分けるのは正解率が高い基本的な問題なのです。
正解率が高い基本的な問題さえ取りこぼさないことが宅建合格への近道なのです。
◆では宅建試験で基本的な問題を取りこぼさないための学習とは具体的に何をすれば良いのでしょうか?
すべきことは次の3つです。
- 宅建試験の範囲を把握する
- 基礎をしっかり固める
- より多くの過去問を習熟しつつ法改正点をおさえる
この考えに沿った3段階学習法およびそれぞれの段階に適したオーディオブック・テキスト・問題集を紹介します。
第1段階:『パーフェクト宅建士聞くだけ』を使って宅建試験全範囲を1週間〜10日間で把握する
◆宅建本試験で出題されるのは50問。
内訳は「民法等」14問、「宅建業法」20問、「法令上の制限」8問、「その他関連知識」8問です。
出題される法律は・・・民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法、宅建業法、都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、所得税、印紙税、不動案取得税、固定資産税、不動産鑑定評価基準、不当景表法、住宅金融支援機構法などなど。
まずはこれら「宅建試験出題範囲を把握すること」から宅建学習を始めましょう。
◆第1段階に最適な教材は『パーフェクト宅建士聞くだけ』です。
最適である理由は次の3つ。
- 無料で利用できる(これが何より)
- わずか12時間29分(1.2倍速なら10時間24分)で宅建試験全範囲を把握できる
- 耳から聞くことで知らない法律用語になじみやすくなる
何のとっかかりもないままテキストをいきなり読み始めると・・・見たことも聞いたこともない法律用語の連発に心が折れかねません。
せっかく買ったテキストを第1章を開いただけで二度とテキストを開かないことだってありえます。
お金を出してテキストを買う前に、まずは無料の教材を使って宅建にふれてみてください。
◆『パーフェクト宅建士聞くだけ』は1.2倍速でもきれいに聞けます。1.2倍速で朝・昼・晩に30分ずつ聞くと7日間で聞き終えられます。
もし7日間で終えられなかったら、遅くとも2週間で聞き終えましょう。宅建テキストを買うのはそれからでかまいません。聞き終えたらまたこの記事に戻ってきてくださいね。
まずは『パーフェクト宅建士』聞き、宅建試験の範囲を把握することから宅建学習を始めましょう。
※もし全範囲を聞くのが難しいようでしたら権利関係だけでも聞いてみてください。それなら4時間32分で済みます。
第2段階:周回しやすいメインテキストと300問分野別問題集(もしくは800肢一問一答問題集)を使って基礎を固める
◆第1段階の『パーフェクト宅建士聞くだけ』を1週間〜10日ほどで終えたら第2段階の「基礎固め」に移行します。
基礎固めの第1歩は「30日間でテキストと問題集を完走すること」です。
そのために必要なのは600ページ程度のメインテキストと、そのテキストとリンクしている300問程度の分野別問題集です。
◆宅建テキストは何十冊も出版されていますが、ページ数で分けると3グループに集約できます。
・600ページ前後
・700〜800ページ
・1200ページほど
これらのうち基礎固めに向いているのは「600ページ前後」のテキストです。ページ数の少ないテキストのほうが反復学習しやすいからです。
※600ページ前後のテキストだからと言ってなんでも良いわけではありません。中には2023年度試験問2で出題された相隣関係をまったく掲載していないものがあります。そのテキストは600ページ未満ではありますが、合格に必要な知識を収録していないので論外です。もちろんおすすめしていません。
◆宅建問題集(4択形式)は300問程度のものと500問以上のものに分けられます。
基礎固めに向いているのは「300問程度の問題集」です。500問の問題集を6周するより、300問の問題集を10周するほうが基礎固めに効果的だからです。
とりわけ基礎固めに最適なのは、基礎知識で解きやすい易問(重要度・難易度ランクA)をより多く収録している問題集です。
◆これらの条件に合致する第2段階に最適な教材は『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』および『宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』です。
最適である理由は次の3つ。
- とても読みやすく編集されている上、テキスト部分が550ページと分量が少ないので完走・周回しやすい
- テキスト・問題集(分野別および一問一答とも)両方にそれぞれの該当箇所が記載されている→双方向でリンクしている 注:一問一答問題集とも双方向でリンクしているのは管理人が確認した中では『トリセツ』だけです。
- 当記事で紹介している問題集のうち、難易度Aランク問題の収録割合が最も多い
なお、『宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答過去問題集』は当記事で紹介している一問一答問題集のうち「出題頻度が高い問題」の収録割合が最も多いです。
※いきなり4肢択一問題集を解くのが不安な方は一問一答問題集から解き始めると良いです。
◆第2段階学習の1日の目安は『600ページ程度のテキスト1日10〜20ページ」+「300問分野別4肢択一式問題集1日5〜10問」(800肢一問一答問題集なら1日15〜30問)です。できれば1ヶ月以内に、遅くとも2ヶ月以内にテキスト・問題集ともに完走しましょう。
※復習はものすごく大切です。その日学習した範囲は、夜寝る前にぱらぱらめくって見直します。
翌朝にも前日学習した範囲をぱらぱらめくって見直します(5分でも10分でもかまわないので必ず!)。ここまでをルーティンとし、ルーティンが済んだら新しい項目の学習に取りかかります。
この学習を繰り返し、テキストと問題集を30日間で完走しましょう!
注:分野別問題集の4肢択一形式問題を解くときは、4つの肢すべてについて根拠を明確にしながら正誤判定できるようにしましょう。
問題集での勉強は正解を当てることが目的ではありません。解答番号を覚えて終わりでは何にもなりません。
最初は時間がかかってもかまいません。というより時間がかかって当然です。4つの肢すべてについて根拠を明確にしながら正誤判定する癖を必ずつけてください。
慣れてきたら「正解肢のどこを変えれば不正解肢になるのか」、「不正解肢のどこを変えれば正解肢になるのか」考えてみましょう。理解がより深まります!
◆2024年5月までは基礎固めに費やしてぜんぜんかまいません。
一問一答問題集の正解率が100%になったら4肢択一分野別問題集に移行、4肢択一分野別問題集AB問題の正解率が100%になったら第3段階に移行しましょう。時期の目安は2024年5月末です。
第3段階:より多くの過去問を習熟しつつ法改正点をおさえる
◆第2段階の基礎固めでようやく宅建試験を受験するベースが出来上がりました。
次の第3段階の学習では「より多くの過去問を習熟しつつ法改正点をおさえる」ことで、本試験受験に向けたの準備を整えます。
◆習熟用宅建問題集は550問を収録している『出る順 ウォーク問過去問』と667問・677問を収録しているその他2つがあります。
これらのうち、第3段階に向いているのは550問問題集です。というより、『ウォーク問』が最適です。
最適である理由は次の2つ。
- 600問以上を収録した問題集よりも完走・周回しやすい
- 習熟用宅建問題集のうち、唯一合格者正解率データを記載している
667問・677問問題集より、550問を収録している『ウォーク問』のほうが問題集の完走および周回に向いてます。
そして、こちらのほうがむしろ重要なのですが、『ウォーク問』には合格者正解率・合格者不合格率・受験者正解率の3つのデータが問題それぞれに記載されています。
とりわけ、合格者正解率が宅建合格にとって非常に重要なのは当記事ですでにお伝えした通りです。必ずこの3冊で過去問を習熟しましょう。
◆『ウォーク問 過去問題集』の最低でも1日19問、できれば35問解くことを目標にしましょう。
できれば2024年6月中に550問を完走し、残りの期間で何度も周回して特A・A・B問題の正解率を100%に仕上げましょう。
◆法改正点は『どこでも宅建士 とらの巻』、法改正情報を掲載している直前予想模試、さらには『トリセツ』の法改正情報のいずれか、もしくは全部を使っておさえましょう。
『どこでも宅建士 とらの巻』は例年5月下旬発売と市販テキストでは発売日がもっとも遅いですが、その分、法改正点が網羅されています。例年、テキストには最新改正点のみならず過年度改正点にもマークが施されています。
また、別冊付録の直前暗記集『どこでも宅建士 とらの子』がものすごく便利です。『とらの子』は宅建基本知識を切り離せる小冊子です。どこでも持ち歩き、ボロボロになるまで使い倒しましょう。
※Amazonおよび楽天へのリンクは2024年版が予約可になってから設置します。
◆直前予想模試の中には法改正情報を掲載していないものがあるので注意が必要です。
おすすめするのは日建学院もしくはTACの直前予想模試です。前者は新旧対照表を用いているので法改正点がわかりやすいです。後者は法改正点を最も多く記載しています。
LECの直前予想模試(『出る順宅建士 当たる!直前予想模試』)の2023年版には法改正情報が掲載されていませんでした。2024年版もそうなる可能性があります。
※Amazonおよび楽天へのリンクは2024版が予約可になってから設置します。
◆2024年9月後半になったら最新統計情報も必ず入手してください。これは『トリセツ』テキストにダウンロードの案内が掲載されています。かならずダウンロードしておきましょう。
◆ここからようやく宅建テキスト・問題集・漫画のレビューとなりますが、その前に宅建テキストについてもう少しお伝えしなければならないことがあります。テキスト選びに必要な知識です。必ずお読みください。
宅建テキストの基礎知識
宅建テキストは大きく分けると2種類
◆書店・ネットの宅建コーナーにはじつにたくさんの宅建テキスト・問題集・その他教材が並んでいます。
フルカラーのもの、分冊できるもの、分厚いものもあれば薄めのものもあります。いろいろあって何を選んだらよいか途方にくれた方も少なくないと思います。
ページ数についてはすでにお伝えした通りですが、それ以外のことで宅建テキストを大きく分けると2種類になります。
「条文番号(及び条文)を記載している宅建テキスト」と、「条文番号を記載していない宅建テキスト」です。
どちらのテキストでも合格する方がいます。だったら条文番号を載せていないテキストのほうがインプットする情報量が少なくて済みます。効率良く学習できるのは自明です。
◆ただし条文番号(及び条文)を学習することは決して悪いことではありません。
条文番号・条文について学習したい受験生はもちろん、宅建合格はあくまで通過点であってより上位の法律系資格試験合格を目指す受験生は条文番号が記載されている宅建テキストで学習するほうが良いです。
ただし、当記事の読者として想定しているのは初めて宅建を受ける受験生です。
その多くは法律学習に慣れていない、というより法律学習そのものが初めての方が多いと思います。
初めて宅建を受ける方には「完走のしやすさ・周回しやすさ」を優先できるよう、条文番号を記載していない宅建テキストでの学習を強くおすすめします。
まずは「自分がどこまで学習したいのか」によって条文番号が記載されている宅建テキストにするか、記載されていない宅建テキストにするかを決めましょう。
宅建テキストの選び方
◆条文番号が記載されているテキストと記載されていないテキストのどちらにするか決まりましたか?
宅建合格が目標なら条文番号は不要です。
宅建合格は通過点、さらに上位の法律系資格を目指す方は条文番号が記載されているテキストが良いでしょう。
決めた方は次のステップに移り、テキストの候補を絞りましょう。
◆次のステップは「読みやすさ」です。
宅建テキストは「自分にとって読みやすいもの」を選びましょう。
一般的に、小さい字がぎっしり詰まったテキストは読みにくいですよね。
白黒オンリーだったりするとなおさらです。
じゃあフルカラーのほうが読みやすいかと言うと、そうとも限りません。
カラフルすぎると目が疲れます。
いろんな色・いろんな種類・いろんな大きさのフォントが混在しているとごちゃごちゃして非常に読みにくいです。
読みやすさはインプットしやすさに直結します。学習効率に大きく影響します。
当記事では、管理人が実際にテキストを購入し、
・小さな文字がぎっしり詰まってないか、
・フォントの種類が多すぎないか、
・書き込みできる余白はあるか
といったポイントについて読みやすさをチェックしています。
記事内にはAmazonへのリンクを掲載しています。たいていのテキストはAmazonに遷移するとサンプルページを閲覧できます(発売前のものは閲覧できないものもあります)。
サンプルを確認して自分自身が読みやすいものを選びましょう。
◆読みやすさをチェックしたら、次は問題集との連携をチェックしましょう。
鉄則はテキストと問題集が連携しているものを選ぶことです。
問題集でわからないことがあったとき、いちいちテキストの該当箇所を調べる手間をかけていられません。
テキストを読んでいて「問題を解いてみたくなった」ときにすぐ問題番号がわかると効率的です。
当記事ではテキストと問題集がリンクしているかどうかについて、全て購入した上でチェックしています。
チェック対象の問題集は、分野別4肢択一式問題集、一問一答式問題集、年度別問題集、直前予想模試です。
テキストの中には一問一答問題集とはリンクしていても分野別4肢択一式問題集とはリンクしていないものあります。各テキストおよび問題集のレビューにてご確認ください。
◆ここまでをまとめます
<宅建テキストの選び方>
- 条文番号の有無をチェック(初学者には条文番号なしのテキストをおすすめ)
- 読みやすさをチェック(文字の大きさ、文字の詰め込み具合、色は多すぎないか、フォントの種類は多すぎないか)
- 問題集との連携の有無をチェック(テキストと連携していない問題集は論外)
◆当記事で紹介する宅建テキスト10シリーズは、条文番号記載なし6シリーズと条文番号記載あり4シリーズです。
それぞれ宅建初学者におすすめする順番に掲載しています。
それぞれのシリーズで発売されている分野別問題集・一問一答問題集・年度別問題集についても紹介しています。
◆基礎固めに向いている問題集は、「重要度が高く解きやすいAランク問題の割合が高いもの」です。
紹介する問題集はすべて目を通してランク別問題数まで集計しています。
◆漫画については、シリーズ内のものは該当シリーズに含め、シリーズ外のものは記事末にまとめて紹介する予定です。随時追加していきます。
宅建漫画は大きく2種類に分けられます。「漫画主体のもの」と「漫画とテキストを併用しているもの」です。
宅建漫画としておすすめできるのは「漫画主体のもの」だけです。
「漫画とテキストを併用しているもの」はテキストに漫画要素を加えただけでテキストの内容を薄めたにすぎません。不要です。
◆入門書・直前予想模試・模試型問題集は随時追加していきます。
◆宅建テキストについては主要情報として8点を箇条書きにしてあります。
このうち「内容について」は、わかりやすいチェックポイントとして国土利用計画法(国土法)についてお伝えします。これは数あるネットの宅建テキスト記事の中でも当サイトのオリジナル情報です。
※国土法には事後届出制と事前届出制がありますが、出題されているのは圧倒的に事後届出制です。
理由は明白。事前届出制の対象となっている監視区域が非常に少なく(東京都の小笠原村のみ)、注視区域にいたっては平成10年9月法改正施行以来指定された区域がないからです。
宅地建物を取引する上で、実務にかかわることがほとんどない事前届出制は重要でしょうか?当然ですが、重要なのは事後届出制です。宅建試験で国土法の出題が事後届出制に大きく偏っているのは実務上の理由から当然なのです。
何も知らないまま国土法を学習すると、事後届出制も事前届出制も等しく労力をかけてしまいます。合格に不要な情報もインプットしたい方はともかく、初学者にはそこまで学習する余裕はありません。
これほど出題傾向がはっきりしているにもかかわらず、国土法の学習ポイントを明記していないテキストもあります。
そんなテキストは他の項目でも目配りされていない可能性が極めて高いのです(実際、目配りされてません)。
国土法は初学者向け宅建テキストの善し悪しを図る良い指標なのです。
国土法の評価は、○(適切)、△(不満点あり)、×(不適切)の3段階としました。
注:当サイトで紹介するページ数は、分野別にページ数を実際にカウントしてから全分野を合計したものです。Amazon等に記載しているページ数とは異なることをご了承ください。
条文番号なし宅建テキスト:6シリーズレビュー
1位 宅建士 合格のトリセツ シリーズ(おすすめ)
宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト
- 条文番号:無
- テキスト部分のページ数:550頁
- 色使い:フルカラー
- 読みやすさ:読みやすい
- 分冊の有無:有 4分冊
- 電子書籍の有無:有 Kindle版と楽天Kobo版
- 問題集との連携:『厳選分野別過去問題集』、『頻出一問一答式過去問題集』と双方向連携
- 内容について(国土法):○
◆管理人が初学者の方に最もおすすめしているのはLEC『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』です。
『トリセツ』をおすすめする理由は次の3つです。
- 内容を適切に絞り込んだ上で「索引付きで600ページ以内」に編集。完走しやすい。反復学習に適している。
- 読みやすくデザインされている。
- 本書と連携している問題集があり、しかも収録問題の約9割がAランク問題なので初学者にうってつけ。
◆『2024年版 宅建士 合格のトリセツ基本テキスト』はフルカラーの分冊タイプです。テキスト部分は3分冊合計550ページ。
第2段階学習向け600ページ未満のテキストです。
宅建は基礎知識の徹底が何より大切な資格試験。1,200ページのテキストを5周するより600ページのテキストを10周するほうが効果的です。
昨年版よりも9ページ増えましたが、それでも市販宅建テキストの中ではトップクラスのコンパクトさです。繰り返し学習に最適な一冊です。
◆2024年版には巻末付録として「重要論点集」47ページ分を収録。こちらも分冊できます。
◆手に取るとけっこう分厚いです。分冊したときにペラペラにならないよう各分冊を厚紙で挟んでいるからです。
付録に分冊背表紙シールがありますので、購入したらすぐに分冊しておきましょう。
インデックスシールも付いてるので、各項目にシールを貼ると目当ての項目をすぐ開けられます。
※以前は付箋も付録についてましたが2023年版から付箋とスマホ対応一問一答PDFデータがアンケート特典になりました。
◆購入者限定特典として無料講義動画45回分を視聴できます。他のテキストにはない本書の大きなメリットです。
◆分冊時にボリュームがわかりやすいよう、各分冊は1ページ目から始まります。権利関係〜税・その他までページ番号を通しているテキストもありますが、ページ番号を各分冊ごとに分けた方が分量を把握しやすいです。
こういった細かい配慮が受験生の負担を減らします。
◆国土法にいたっては「許可制については出題されることはほぼないと思いますので省略しました(法令上の制限p.79)」とあります。
出題可能性が低い事項まで勉強する必要は一切ありません。
◆『トリセツ』は「縦線と横線の太さに差がない読みやすいフォント」を「読みやすい大きさ」で採用しています。
とても読みやすいです。
余白もしっかりとってあるので、書き込みながらの学習にも適しています。
◆2024年版トリセツテキストにはとても大きな改善点がありました!
それは、各コースの最初のページに『宅建士合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』のみならず『宅建士合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集』の該当番号を表示したことです!
昨年までも『トリセツ』テキストと問題集はリンクしていたのですが、分野別問題集(および一問一答問題集)にテキストの該当コースが記載されているだけ。つまり問題集→テキストという方向でしかリンクされていなかったのです。
今年度版はテキスト→問題集という方向にもリンクが施されました。管理人が知る限り、宅建テキストで初めてテキストと分野別問題集・一問一答問題集のリンクが双方向になったのです。
テキスト→問題集という方向のリンクは、TACの『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』とユーキャンの『宅建士 基本の教科書』には採用されていたものの、2024年版では分野別問題集のみで一問一答問題集へのリンクはありません。
テキストと分野別問題集・一問一答問題集のリンクが双方向になったことでより受験生に便利となり、数ある宅建テキストの中でも『トリセツ』が一歩優位に立ちました。
◆本書の欠点はどこが法改正点かわからないことです。「本書ご購入者のための特典」の「2024年法改正情報」(冒頭「用語集」の次のページ)をダウンロートして必ず補ってください。
※『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』は全44コース。
1日で2コースずつこなせば22日間で1周完走できます。
22日間じゃなくてもかまいませんので、「テキスト1日20ページ・分野別過去問題集1日10問(もしくは一問一答問題集30肢)」を目安に毎日取り組み、30日間で絶対完走しましょう。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト 2024年版をご参照ください。
宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集
- ページ数:権利関係201頁、宅建業法201頁、法令上の制限・税・その他207頁
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:有
- 分野毎の収録問題数:権利関係100問、宅建業法100問、法令上の制限54問、税・その他46問
- テキストとの連携の有無:有 『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』とリンク
◆『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』はA5サイズ。権利関係、宅建業法、法令上の制限・税・その他の3分冊です。
◆見開きの左ページに問題、右ページに各肢の解答・解説が記載されています。右ページを隠しながら問題を解きましょう。
◆付録として「分冊背表紙シール」と「チェックシート(100問×3枚)」がついてます。
◆問題の難易度はA〜Cの3段階。
- Aランク→「すべての選択肢について復習してほしい問題」
- Bランク・Cランク→「難しい選択肢はあるけれど正解までたどりついてほしい問題」
本書は300問のうちABランク問題が98%、とりわけAランク問題がじつに89%を占めています。
当記事で紹介している4肢択一式分野別問題集ではAランク問題の割合が最も高い、宅建初学者の基礎固め問題集に最適です。
◆2024年版での改善点は次の2点です。
(1)全問アプリが付いたこと
(2)無料解説動画が6回分増えたこと
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集 2024年版をご参照ください。
宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集
- サイズ:テキストと同じA5判
- ページ数:権利関係145頁、宅建業法112頁、法令上の制限85頁、税・その他55頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係266問、宅建業法232問、法令上の制限181問、税・その他121問
- テキストとの連携の有無:有 『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』とリンク
◆収録問題数は800問(800肢)。
問題(肢)に年・問題番号・肢番号が付されています。過去問ベースの一問一答問題集です。
◆問題は見開きの左ページに、解答・解説は右ページにあります。付録の「解答かくしシート」を右ページにかぶせながら問題を解くとよいでしょう。
解答・解説には「一言解説」が付されています。「一言解説」は「問題を解く上でのポイント」です。問題を解いたら必ず目を通しておきましょう。
◆問題は出題頻度によって★★★〜★マークあり。
- ★★★→「出題頻度が高い問題」
- ★★→「出題頻度がそこそこ高い合否を分ける問題」
- ★→「出題頻度が低い問題」
800問(肢)のうち★★★が92.6%(741問)。
出題頻度の高い問題がほとんどを占めており、当記事で紹介している一問一答問題集の中では最も初学者の基礎固めに向いてます。
◆2024年版の大きな改善点が2つあります。
それは、分冊タイプになったこと、そして付属アプリが12月から利用できるようになったことです。
本書は全部で397ページ。『トリセツ』の基本テキスト及び分野別過去問題集と同じ大きさ(A5版)です。
昨年版は1冊まるごと分冊なしの上A5判なので他社が出版している一問一答問題集より大きく重かったことが欠点でした。
その欠点を補うためか、2024年版は3分冊となり、携行性が良くなりました。
アプリについては12月から利用可のためまだ試していません。以下はその紹介となります。
※アプリの利用方法とアクティベーション方法は本書を購入して確認してください。
◆昨年版については実際にアプリをダウンロード→アクティベーション→ユーザー登録して使ってみたところ・・・このアプリ、なんとスマホ画面に手書きできます!!iPhoneでもOKです!!
管理人のiPhone8 Plus画面のスクリーンショットです。
赤の書き込みが手書き部分です。iPhone画面に直接指で書き込めます。
ペンマークをタップすると消しゴムアイコンが現れ、線・文字・図を消せます。
とてもシンプルなペン機能ですが、解答時にポイントとなる箇所をマークできるだけでも学習効果がぐっと上がります。
1セクションを解き終えると正解率・理解度・誤り理由・解答時間の一覧が表示されます。
※スクリーンショット撮影のため、解答は全て○を選択してすぐ次の問題に移行しました。
間違えた問題には解説が表示されます。理解度と間違えた理由についても選択が表示されて記録できます。
正解した問題は理解度のみ表示され、こちらも選択して記録できます。理解度が完璧になるまで習熟しましょう。
注:昨年の電子書籍版にはアプリが付属していませんでした。2024年版についてはまだ判明していません。12月になったら検証しますのでお待ち下さい。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集 2024年版をご参照ください。
2位 どこでも学ぶ宅建士 シリーズ(次点でおすすめ)
どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 条文番号:無
- テキスト部分のページ数:594頁ページ
- 色使い:二色刷り
- 読みやすさ:読みやすい
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:無
- 問題集との連携:『どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問』、『どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答』と連携
- 内容について(国土法):○
◆日建学院『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト 2023年度版 』はテキスト部分で594ページ。3分冊です。分冊それぞれの巻末に索引が付いてます。電子書籍版はありません。
2色刷です。宅建テキストはフルカラーが増えていますが、本書は2色刷りでも見やすくデザインされています。※赤シートには対応してません。
◆各分冊の冒頭には「本試験の傾向分析と対策」と「総論・全体構造と学習法」があります。初学者にはとても参考になります。必ず目を通しましょう。
◆内容についてはおおむね問題ありません。条文番号含め本試験にまず出ない箇所はきっちりカットされています。
国土法については欄外の『重要』に「宅建試験では出題可能性が低いので、まずは、(中略)事後届出制をキッチリ攻略しましょう」(p.504)とあります。この指示に従いましょう。
欄外のHintには「細かい暗記は後回しにしましょう」等のアドバイスが書かれています。インプットすべき事項とそうでない事項の取捨選択が大切ですので、しっかり目を通しましょう。
◆本書は『トリセツ』よりも説明が丁寧です。
例えば日本学生支援機構の奨学金で問題になった連帯保証について、宅建テキストのほとんどが「債権者Aに対して主たる債務者Bのほかは連帯保証人C・連帯保証人D(もしくは連帯保証人E)」という例をあげるにとどまる中、本書には「債権者Aに対し主たる債務者B・連帯保証人C・連帯保証人D・保証人E」として保証人Eの保証債務は分別の利益があるため1/3になると書かれています(p.94、左欄も参照)。
ただし、丁寧さは情報量の多さにつながります。テキスト部分が600ページ未満とはいえ、『トリセツ』より周回しにくいのは事実。
それでも600ページ未満の宅建テキストでより丁寧なものが欲しい、という受験生にはこちらをおすすめします。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト(まだ昨年版)をご参照ください。
どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- ページ数:権利関係189頁、宅建業法217頁、法令上の制限123頁、税・その他78頁
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:権利関係94問、宅建業法108問、法令上の制限61問、税・価格の評定20問、5問免除18問
- テキストとの連携の有無:有 『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンク
◆4肢択一問題を301問収録しています(表紙には「300問」とありますが301問収録でした)。
◆問題の重要度はS〜Cの4段階に分けられています(本書の利用法より)。
- S:特に重要!合格者は絶対落とさない
- A:必ず取りたい
- B:合否の分かれ目!取れれば合格は目前
- C:難問だけど、取れれば儲けもの
301問のうち、S・Aランク問題が77.1%を占めています。
分野別問題集の中では『トリセツ』に次いでAランク問題の割合が高いです。基礎固め用分野別問題集に使えます。
◆本書の各選択肢には「よく出る」「釣り針(ひっかけ)」「難」「禁止(無視してOK)」のアイコンが付されているものがあります。
本書ではS・Aランク問題中31肢が「禁止(無視してOK)」すなわち捨て肢でした。
S・Aランク問題は合格に直結する基礎問題です。捨て肢に惑わされることなく得点できるようにしておきましょう。
◆本書の大きな特長は合格者正答率と不合格者正答率が記載されていることです。
合格者正答率50%以上の問題(つまり合格者の2人に1人が正答できた問題)は難易度ランクにかかわらず重要な問題です。かならず正答できるようにしてください。
◆解説各肢には条文番号が付されています。条文に当たってまで調べたい受験生には参考になりますが、宅建試験で覚えておくべき条文番号は宅建業法34条の2・35条・37条および農地法3条・4条・5条くらい。条文番号は無視して学習しましょう。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問(まだ昨年版)ご参照ください。
どこでも宅建士 チャレンジ!重要一問一答
※2024年版はまだ発売されていないため、レビューは2023年版のものとなります。
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係135頁、宅建業法135頁、法令上の制限85頁、税・価格の評定41頁、5問免除科目25頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係260問、宅建業法265問、法令上の制限179問、税・価格の評定78問、5問免除科目51問
- テキストとの連携の有無:有 『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンク
◆収録問題数は表紙に「820問」とありますが、数えたら833問(833肢)ありました。
解答・解説欄に年・問題番号・肢番号が付されています。問題の出典に当たりたいときに必須です。
問題は見開きの左ページに、解答・解説は右ページにあります。付録の赤シート対応です。赤シートを右ページにかぶせながら問題を解くとよいでしょう。
◆問題文のキーワードには赤のアンダーラインが引かれています。
また、「この問題の着目点」アイコンが付されているものもあります。アイコンは3種類あります。本書でご確認ください。
◆一部の問題だけですが、解答・解説に+α(プラスアルファ)=補足的な知識が付されているものがあります。読み飛ばすことなく必ずチェックしておきましょう。
◆問題には各項目毎に出題実績に応じた重要度別にS・A・B・Cが付されています(各項目冒頭ページに記載)。
問題は各項目毎にA〜Cの重要ランクが付されています。
- S→特に重要
- A→重要
- B→できればきちんと押さえたい
- C→余裕があったらチャレンジしたい
833問(肢)のうちS・Aランクが86.5%。重要度の高い問題が多くを占めている一問一答問題集となっています。初学者向きと言えます。
◆本書は全部で425ページ。B6判なのでコンパクトです。常に携行するのに邪魔にならないサイズです。
◆他社の一問一答集にはテキストとリンクしていないものや問題の出典がまったくわからないものがあります。
本書はテキストとリンクしており、さらに問題の出典も明記しています。しかも問題文と解答・解説にも一手間かけられています。学習しやすく編集されており、テキストと一緒に用いることで効率的に学習できる一問一答集と言えます。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答(まだ昨年版)ご参照ください。
どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題(年度別問題集)
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 収録問題回数:12回
- テキストとの連携の有無:無
◆宅建年度別過去問を10年間・12回分を収録。
収録年度は平成25年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「削除と改題の両方で対応」しています。
平成24〜平成29年度に出題された民法条文規定についての問題は、改正民法が施行された令和2年度以降は出題されていません。改正民法施行によって役割を終えた問題ですので、こちらは削除での対応がベターでしょう。本書でも削除されています。
他の民法改正点については改題で対応しています。
ただし、中には改題したほうが良い問題を改題せずに掲載しているものもありました。令和4年度問28は宅建業法の重要事項説明についての出題でしたが、重要事項説明の交付については法改正によって電磁的方法による提供ができるようになりましたのでこの点をふまえて改題しておくほうが受験生にとって親切です。本書はそのまま掲載しています。※他社の年度別問題集では改題されていました。
本書における法改正問題への対応は削除と改題の両方が採用されているものの、改題した方が良いと思われる問題をそのまま掲載するなど、改題の基準が不明瞭でした。
◆本書には各問の正答率が記載されています。正答率が高い問題は多くの受験生が正答できた問題となります。
ただし、この正答率が受験生全体による正答率なのか、合格者による正答率なのかについて何も書かれていません。
本書と同シリーズの『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問』には合格者正答率と不合格者正答率が記載されています。本書の正答率は、『テーマ別厳選過去問』の合格者正答率と不合格者正答率の間となっていますのでおそらく受験者正答率と思われますが、来年度版にはどちらの数値なのか明記してほしいです。
◆本書は『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンクしていません。
ただし、本書と同じ日建学院の『これで合格!宅建士 直前予想模試』(当記事にもレビューを掲載)は『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンクしています。
より多くの年度別過去問を解いておきたい受験生は本書も役立ちますが、『基本テキスト』を使っている受験生は直前予想模試で事足りるでしょう。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題(まだ昨年版)ご参照ください。
2024年度版 これだけ!まんが宅建士
◆市販の宅建漫画の編集形式は2種類あります。
ひとつは各項目が漫画形式で進行し、テキスト・図表の占める割合が少ないもの。
もうひとつは各項目の導入に漫画を用い、テキスト・図表の占める割合が多いもの。
本書、日建学院『2024年度版 これだけ!まんが宅建士』は前者の各項目が漫画形式で進行するタイプの宅建漫画です。
◆本書はテキスト・図表も漫画内に配置されているため、1冊まるごと宅建漫画と言ってもさしつかえないほど漫画度が最も高い宅建漫画となっています。
収録しているのは宅建業法18項目、法令・税その他17項目、権利関係22項目。各項目に6ページを割り当てています。
項目数が多いためボリュームは347ページ。当記事で紹介予定の宅建漫画6冊のうち2番目の多さです。
とはいえ、フキダシの文字数はさほど多くなく(例えば『HUNTER×HUNTER』のような文字の詰め込みはありません)、比較的読みやすい宅建漫画です。
市販宅建漫画をどれか1冊をおすすめするとすれば、当サイト管理人は本書を挙げます。市販宅建漫画のうち、漫画としての完成度が最も高いからです。
価格等の書誌情報は2024年度版 これだけ!まんが宅建士(日建学院)【購入レビュー】をご参照ください。
3位 ユーキャンの宅建士 シリーズ(カラフルなテキストが好みなら)
ユーキャンの宅建士 きほんの教科書
- 条文番号:無
- テキスト部分のページ数:625頁
- 色使い:フルカラー
- 読みやすさ:カラフルすぎる
- 分冊の有無:有 4分冊
- 電子書籍の有無:無
- 問題集とのリンク:『ユーキャンの宅建士 きほんの問題集』、『ユーキャンの宅建士 過去12年問題集』とリンク
- 内容について(国土法):○
◆『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』は全部で625ページ。4分冊です。分冊それぞれの巻末に索引が付いてます。電子書籍版はありません。
フルカラーです。ものすごくカラフルです。カラフルすぎてかえって疲れるのが管理人の評価です。フルカラーといっても見やすさと両立しているとは言い難いデザインとなっています。
ただ、カラフルさが気にならない方にとっては選択肢に上がる宅建テキストです。
◆本書は宅建試験範囲を全60レッスンに分割して構成しているため、受験生が勉強スケジュールをたてやすい構成となっています。
◆内容についてはおおむね問題ありません。
国土法には「国土利用計画法の土地取引の規制には、事後届出制・事前届出制・許可制がありますが、このうち、事後届出制についての出題がほとんどです。ですから、①事後届での要否の区別と②事後届出の手続きを中心に学習しましょう」(p.1429と学習ポイントが明記されています。適切です。
ただ、宅建士の罰則については、他のテキストのように2〜3ページにもわたって罰則をぎっしり詰め込んでいない点は良かったものの宅建試験に向けた攻略の仕方は欲しかったです。
ちなみにユーキャンの宅建通信講座のテキストでは宅建士の罰則について「深入りすることなく」「具体的な数字までは覚える必要がありません」などと指示されています。明らかに通信講座と市販テキストで差別化されています。市販テキストでも頑張って欲しかったです。
◆本書を使うかどうかはカラフルなデザインが合うかどうかにかかっています。
購入前にはAmazonで確認(「4点すべてのイメージを見る」をクリックし、拡大すると良いです)したり、書店で手に取ったりして、どんな色使いになっているのか必ず確認してください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2024年版
ユーキャンの宅建士 きほんの問題集
- ページ数:権利関係213頁、宅建業法191頁、法令上の制限・税・その他247頁
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:権利関係106問、宅建業法94問、法令上の制限70問、税・その他50問
- テキストとの連携の有無:有 『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』とリンク
320問の学習優先度構成は高:244問、中:71問、低:5問でした。
高・中ランク合計で315問と320問中98.4%を占めています(昨年版と変わらず)。
ちなみに『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別基本問題集』は300問中A・Bランク問題が98%(【購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集 2024年版 )。
本書は、分野別問題集の中では『トリセツ』並に基礎問題率が高いです。この点については基礎固め用分野別問題集として遜色ないように見えます。
しかしながら、本書の収録問題には「捨て肢」が数多く含まれています。
とりわけ基礎固めの要である高ランク問題のうち44問に捨て肢が含まれていたのはいかがなものかと思います。
本試験対策として捨て肢を採用したものと思われますが、基礎知識で解ける基礎問題を確実に得点できるよう訓練する=基礎固め用問題集としては「やや難あり」と判断せざるを得ません。
本書を問題集として選ぶかどうかは『2024年版 ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』を使うかどうか次第です。問題集を先に選ぶのではなく、テキストをどれにするかについてまず熟考することを強くおすすめします。
権利関係における捨て肢の割合など詳細は購入レビューをご参照ください>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 きほんの問題集
ユーキャンの宅建士これだけ!一問一答集
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係158頁、宅建業法126頁、法令上の制限80頁、税・その他63頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係280問、宅建業法230問、法令上の制限170問、税・その他120問
- テキストとの連携の有無:無
◆収録問題数は800問(800肢)。収録問題の一部がオリジナル予想問題となっています。過去問のみの一問一答問題集で学習したい受験生は他のものを購入しましょう。
◆本書で収録している過去問については、問題番号の下に出題年のみが記載されています。いちいち探さないと実際の過去問にたどりつけないため、これはマイナスポイントです。
問題は見開きの左ページに、解答・解説は右ページにあります。付録の赤シート対応です。赤シートを右ページにかぶせながら問題を解くとよいでしょう。
◆問題には重要度別に★★★〜★が付されています。★★★が最重要問題です。
800問(肢)のうち★★★が67.9%。他の一問一答、とくにLEC『トリセツ』と日建学院『どこでも』に比べると重要度の高い問題の割合が少ないです。
◆本書は全部で439ページ。サイズは新書判。現在出版されている市販宅建一問一答問題集の中では『出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集』に次ぐ小ささ。
常に持ち歩いて隙間時間に問題を解くのに適しており、これが本書最大のメリットです。
◆一方、本書は『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんのテキスト』とリンクしていません。これが本書最大のデメリットです。テキストとのリンクを期待して購入すると当てが外れます。くれぐれもご注意ください。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集 (まだ昨年版)をご参照ください。
ユーキャンの宅建士 過去12年問題集(年度別問題集)
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 収録問題回数:12回
- テキストとの連携の有無:有 『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』とリンク
◆宅建年度別過去問を12年間・12回分を収録。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は10月試験のみ収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「すべて改題で対応」しています。
◆本書の解答・解説には各問の正答率が記載されています。この正答率は合格者正答率です。合格者正答率が60%以上の問題は確実に取りましょう。
◆本書は『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』とリンクしています。
本書の解答・解説には、各問について『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』の該当箇所(例:業法L11)が記載されています。ただ、該当箇所をもっと明確にしてアクセスしやすくしたほうが受験生に親切です。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 過去12年問題集(まだ昨年版)をご参照ください。
4位 史上最強の宅建士 シリーズ(条文番号なし1冊丸ごとテキストが欲しい方向け)
史上最強の宅建士テキスト
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 条文番号:無
- テキスト部分のページ数:628頁
- 色使い:フルカラー
- 読みやすさ:読みやすい(欄外を除く)
- 分冊の有無:無(実力判定過去問のみ分離可)
- 電子書籍の有無:無
- 問題集との連携:『史上最強の宅建士 問題集』と連携
- 内容について(国土法):△
◆『2023年版 史上最強の宅建士テキスト』 は本文テキスト628ページ(巻末索引含む)。分冊なしの丸ごと1冊、フルカラーの宅建テキストです。
丸ごと1冊の宅建テキストは本書、『パーフェクト宅建士 基本書』、『らくらく宅建塾』の3つですが、フルカラーは本書のみです。
600ページ台・丸ごと1冊・フルカラー・条文番号なし・連携した問題集がある宅建テキストが欲しい場合は本書1択となります。
◆重要項目は黒太字・赤太字・黒太字+黄色強調等で印刷されています。赤字・赤下線等は赤シートに対応しています。赤シートも付属しています。
テキスト本文は読みやすいものの、欄外に頻出する「白抜き文字を緑背景で囲んだ部分」は見にくいです。
◆国土法については、p.477に「規制区域内では、許可が下りなければ土地取引はできない。ただし、現在まで、規制区域に指定されている地域はなし」「宅建試験では事後届出制の出題がほとんど」とあります。
ここは良いのですが、事前届出について注釈が何もないのは気がかりです(事前届出で「出る!」とマークされた重要箇所は1つだけなので、絶対に深入りしないでください)。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】史上最強の宅建士テキスト(まだ昨年版)をご参照ください。
史上最強の宅建士問題集(一問一答)
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- サイズ:テキストと同じ
- ページ数:宅建業法137頁、権利関係191頁、法令上の制限107頁、税・その他71頁、頻出TOP90宅建暗記カード153
- 分野毎の収録問題数:宅建業法399問、権利関係516問、法令上の制限331問、税・その他277問
- テキストとの連携の有無:有 『史上最強の宅建士テキスト』とリンク
◆収録問題数は1473問(肢)。
◆『史上最強の宅建士テキスト』と同じA5判。一問一答問題集としては大きく厚いです暗記カードのみ分冊可。分冊しても常時携行するには重いです。
◆二色刷でオレンジ気味の赤を強調色にしています。付録の赤シート対応です。
◆本書は、見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。
◆各問題には試験年度・問題番号・肢番号が記載されています。出典問題に当たりたいときに至極便利です。
法改正で改題した問題には肢番号の次に「改」と付されています。
問題には過去問以外にもオリジナル予想問題も含まれ、[予想問題]と付されています。
◆本書には問題の重要度ランキングはありません。
◆各項目の見出しには★なし〜★★★★★までの6段階で平成10年以降の宅建試験出題回数が示されています。ただ、見出しには「宅地建物取引士資格登録 ★」/宅地建物取引士資格登録簿 ★★★」などとあるため★毎の集計ができません。
もし、本書で宅建試験に挑むと決めた方は、頻出項目★★★★★〜★★★はかならず100%解けるように仕上げましょう。
◆◆本書は『史上最強の宅建士』シリーズ唯一の問題集。『史上最強の宅建士テキスト』をメインテキストに選んだ方は本書で学習することとなります。
また、収録問題数は市販宅建一問一答問題集では最多です。より多くの一問一答を解きたい方には選択肢となるかもしれません。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】史上最強の宅建士問題集(まだ昨年版)をご参照ください。
5位 みんなが欲しかった!宅建士 シリーズ(おすすめしない)
みんなが欲しかった!宅建士の教科書
- 条文番号:無
- テキスト部分のページ数:590頁
- 色使い:フルカラー
- 読みやすさ:「板書」が非常に見にくい
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:有 Kindle版と楽天Kobo版
- 問題集との連携:『みんなが欲しかった!宅建士の問題集』、『みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集』、『みんなが欲しかった!宅建士の直前予想問題集』と連携
- 内容について(国土法):×
◆『2024年度版 みんなが欲しかった!宅建士の教科書』はテキスト部分590ページ。フルカラーで3分冊です。分冊それぞれの巻末に索引が付いてます。
昨年度版からようやく電子書籍版(Kindle、楽天Kobo)が発売されました。
◆本書はフォントの種類・フォントの大きさ・いろんな色が混在していてごちゃごちゃしています。
とりわけ頻繁に登場する「板書」(イラスト付き要点解説)がとても読みにくいです。
視力に問題の無い方やデザインに頓着しない方は苦にならないかもしれませんが、管理人には無理でした。購入を考えている方はAmazonの画像イメージを見て検討してください。
◆内容も今ひとつです。国土法は事後届出制が主に出題される等のポイントが一切書かれていません。
本書を選んでしまうと事後届出制も事前届出制も等しく学習させられてしまいます。
本書は国土法に限らず、各項目の学習ポイントが提示されていません。
何に注意しながら学習したら良いのか、どこが出題ポイントなのかわからないまま学習することになります。
本書は例年Amazon売上上位の人気宅建テキストです。でも、売れているからといってそれが初学者におすすめできるテキストとは限りません。
購入する前に他の宅建テキストと比べてみてください。
各分野のページ数など詳細は個別レビューをご覧下さい>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった! 宅建士の教科書
みんなが欲しかった! 宅建士の問題集 本試験論点別
- ページ数:宅建業法219頁、権利関係193頁、法令上の制限127頁、税・その他93頁頁
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:有 Kindle版と楽天Kobo版
- 分野毎の収録問題数:宅建業法109問、権利関係95問、法令上の制限63問、税・その他46問
- テキストとの連携の有無:有 『みんなが欲しかった! 宅建士の教科書』とリンク
◆315問を収録。
◆本書の問題の難易度はA〜Cの3段階に分けられています。
- Aランク→「やさしめの問題(かならずマスターして!)」
- Bランク→「ふつう程度の問題(このレベルまでは頑張ってマスターしよう)」
- Cランク→「難しい問題(学習が進んでいない人は後回しでも・・・)」
◆315問中、Aランク問題の割合は158問(50.2%)。
ABランク問題こそ全体の95.6%となっているものの、Aランク問題が少ないため初学者の基礎固め用としては不向きです。
◆本書は小さなフォントを多用しており、読みにくい箇所がたくさんあります。これらの点を考慮しながら購入するかどうかご検討ください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった! 宅建士の問題集 本試験論点別
みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集
- サイズ:コンパクト
- ページ数:宅建業法175頁、権利関係175頁、法令上の制限71頁、税・その他49頁、参考編23頁
- 分野毎の収録問題数:宅建業法309問、権利関係299問、法令上の制限131問、税・その他93問、参考編32問
- テキストとの連携の有無:有 『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』とリンク
◆収録問題数は864問(864肢)。
◆見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。
解答・解説ページには『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の教科書』の該当箇所(例:「6 手付金の保全措置」)が記載されています。
◆フォントが小さいです。分野毎に強調文字の色を変えているのですが、宅建業法のオレンジは読みにくいです。
◆問題は「基本」レベルと「応用」レベルがあり、「応用」レベルはグレーで表記されています。ただしレベル分けの説明は一切ありません。しかも応用レベル問題は全体の5.9%しか収録されておらず、何のためのレベル分けなのかわかりません。
◆本書は問題の出典が一切記載されていません。
問題についての説明は、「はしがき」に「合格に必要な最低限の内容を中心とした問題で構成されている」、「本書の特長と使い方」に「問題は「宅建士の教科書」に記載の基本的な知識を中心に出題されている」とあるのみです。このため、過去問をそのまま掲載しているのか、改題なのか、オリジナル問題なのかわかりません。
◆『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』をメインテキストに使っている方は本書で学習しても良いかもしれませんが、他のテキストを使っている方、とくに「過去問の出典が明記されている一問一答形式問題集」で学習したい方はそちらを選んだ方がよいです。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集 2024年版
みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 収録問題回数:14回
- テキストとの連携の有無:無
◆宅建年度別過去問を12年間・14回分を収録。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「削除と改題で対応」しています。
◆本書は『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』とリンクしていせん。リンクを当てにして購入しないよう、ご注意ください。
◆本書は合格点の高い年度・回から順に問題・解説を並べています。目当ての年度の問題を解きたい場合、探すのが少々めんどうです。
価格等の書誌情報など詳細は【購入レビュー】みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集 (まだ昨年版)をご参照ください。
6位 スッキリわかる宅建士 シリーズ(おすすめしない)
スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 条文番号:無
- テキスト部分のページ数:643頁
- 色使い:二色刷り
- 読みやすさ:読みやすい
- 分冊の有無:有 5分冊
- 電子書籍の有無:無
- 問題集との連携:無
- 内容について(国土法):○
◆『2023年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』はテキスト+過去問という形式になっています。宅建業法、法令上の制限、権利関係前半、権利関係後半+税・その他に加え重要過去問スーパー解説の5分冊。二色刷です。
過去問重要過去問スーパー解説を除いたテキスト部分は753ページ。
ただし、テキスト各項目には区切り毎の「まとめ」「確認テスト」「解答解説」が合計110ページ。テキスト部分のみだと643ページとなります。
テキスト部分は2色刷ですが、冒頭の「宅建ワールド攻略チャート」はフルカラーとなっています。宅建本試験50問のあらましを掴めます(本試験の出題順ではなく本書の構成順になっています)。
◆テキスト部分のフォントは読みやすいものが使われています。重要項目は黒太字と紫太字で書かれています。大きさも問題ありません。
◆宅建業法→法令上の制限という順番になっていたり、権利関係が前半・後半で分冊が異なっています。本書独自の仕様ですが、これが良いかどうかはなんとも言えません。
◆国土法については、p.307右欄に「事前届出は知らなくても大丈夫。事後届出を中心に勉強しよう」、p.308 左欄に「規制区域内では・・・無視してよい」(注:どう書いてあるのかを知りたい方はご購入ください)の文章の通り、深入りしていません。余計なインプットを強いるテキストではないと判断しました。
◆本書の致命傷は・・・本書のシリーズである『2023年度版 スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集』とリンクしていないことです。
よほど本書に思い入れがある方はともかく、宅建初学者にはおすすめできません。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト(まだ昨年版)をご参照ください。
スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- ページ数:宅建業法349頁、法令上の制限125頁、権利関係255頁、その他関連知識113頁頁
- 分冊の有無:有 4分冊
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:宅建業法109問、権利関係95問、法令上の制限63問、税・その他46問
- テキストとの連携の有無:有 『みんなが欲しかった! 宅建士の教科書』とリンク
◆『12年過去問題集』というタイトルから年度別問題集と間違うかもしれませんが、本書は4肢択一式分野別問題集です。
◆合計677問を収録。市販の宅建4肢択一式分野別問題集としては『過去問宅建塾』と並び最大の問題数です。
◆問題の重要度はA〜Pの4段階に分けられています(本書の利用法より)。
- A=「絶対やろう」!絶対にマスターしておくべき問題
- B=「できればやっておきたい!」:できればマスターしておくべき問題
- C=「時間に余裕があったら」:無理してマスターしなくてもよい問題
- P=「パス」:むしろ見てはいけない(こういう問題にこだわると合格が遠のく)
Pは「捨て問」に相当します。深入り厳禁です。
◆677問のうちABCランク問題は656問。このうちAランク問題の割合は42%。初学者の基礎固めには不向きです。
ただでさえ677問という収録問題数の多さは基礎固めにはまったくもって不向きな上、Aランク問題の割合も少ないです。
さらに言うと、本書は『2023年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』とはリンクしていません。おすすめできません。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集(まだ昨年版)をご参照ください。
条文番号あり宅建テキスト:4シリーズレビュー
1位 わかって合格る宅建士 シリーズ(問題集とテキストのリンクを重視する方向け)
わかって合格る宅建士 基本テキスト
2024年版の紹介となります。
- 条文番号:有
- テキスト部分のページ数:747頁
- 色使い:フルカラー
- 読みやすさ:読みやすい
- 分冊の有無:有 4分冊
- 電子書籍の有無:無
- 問題集とのリンク:『わかって合格る宅建士 分野別過去問題集』、『わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600』、『わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS』とリンク
- 内容について(国土法):×
◆TAC『2024年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』 は4分冊、フルカラー。
小さなフォントはあまり使われていませんので、読みやすさは問題ありません。色使いもカラフルになりすぎず、概ね読みやすくデザインされているフルカラー宅建テキストです(表は見やすいです)。
◆テキスト部分は747ページ+「厳選過去問プレミアム50」52ページ。
テキスト部分は昨年よりなんと87ページも多くなりました。
例えば第1編(権利関係)Capter1のSection1「"契約"ってなんだろう〜契約の成立要件など〜」は、昨年版の内容に「申込みと承諾」「期間の計算」が加わり、3ページから5ページに増えました。
宅地造成等規制法は10ページから21ページ(盛土規制法)に増えました。
もちろん、必要な情報を伝えるための増量は当然です。とくに盛土規制法は法改正の重要ポイントです。
しかしながら、こうした「情報の追加」が積もり積もってページが大幅増加してしまいました。
本書は昨年版の時点でも初学者向けのスペックとは言えませんでしたが、今年度版の「初学者向けリニューアル」施策と相まってますます初学者が完走しにくいテキストになってしまいました。
◆当サイト独自の評価点にしている国土利用計画法についてもチェックしました。
p.587の「Introduction」に「宅建士試験での出題のほとんどを占める」と明記されてはいますが、p.596の「Introduction」に「国土利用計画法の中心テーマは、これまで学習した「事後」届出制です。しかし、「事前」届出制も、今後は要注目といえます。」とあり、受験生に事前届出制の学習を強いてます。宅建初学者にはおすすめできません。
◆それでも本書を「条文番号記載ありテキストで1位」にしているのは、本書独自の2点の特長のためです。
1点目は本文テキストに過去問出題年が表記されていることです。
過去問に出題された事項については、本文テキストに赤下線が引かれ、下線末端の下に「H20」と書かれています。
本文テキストをぱっと見て、赤下線があるところ、しかも「H22・27・28」などと書かれていたら、そこが頻出箇所ということが一目でわかります。
ただ、この下線は人によっては目障りになりかねません。必ず本書のテキスト部分画像をAmazon等で確認したり、直接手に取って確かめて下さい。
2点目は、シリーズの分野別過去問題集、年度別過去問題集、一問一答問題集と本書がリンクしていることです。テキストと3種類の問題集すべてがリンクしているシリーズは他にありません。
テキストと問題集3冊すべてがリンクしているシリーズで学習したい方は本書が唯一の選択肢となります。
※テキストには分野別過去問題集への問題番号も施されています。大きなメリットです。
価格等の書誌情報及び各分野のページ数など詳細は【購入レビュー】TACわかって合格る宅建士基本テキストをご覧下さい。
※『わかって合格』シリーズの2024年版はすべて表紙が刷新されます。なお、年度別過去問題集および一問一答問題集がそれぞれテキストとリンクしているかどうかは2024年版発売前のため不明です。
わかって合格る宅建士 分野別過去問題集
2024年版の紹介となります。
- ページ数:権利関係211頁、宅建業法182頁、法令上の制限148頁、その他76頁
- 分冊の有無:有 4分冊
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:権利関係105問、宅建業法90問、法令上の制限73問、その他関連知識37問
- テキストとの連携の有無:有 『わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンク
◆305問を収録。各選択肢に「頻出」「ひっかけ」「難」のアイコンが付されているものがあります。
◆問題の重要度は★★★〜★の3段階に分けられています。★★★が最重要です。「本書の特長」(ⅳページ)に「まずは最重要の★★★から解くなど、学習の進捗度に応じてチャレンジしましょう」とあります。
305問中、★★★(Aランクに相当)が65.6%、★★(Bランクに相当)が31.1%を占めています。ABランク問題の割合こそ98.7%となりますが、当記事でもっともおすすめしている『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本問題集』はABランク問題が98.3%、うちAランク問題は全体の89.3%です。
本書よりも『トリセツ』のほうが初学者にとってより取り組みやすい問題集となっています。
◆本書で気になるのは出題年度が他の分野別問題集よりも古いことです(目次には各問題の出題年度・問題番号・改題の有無が記載されているのでご確認ください)。
例えば8種制限(pp.352-381)の出題年度は、ページ順にH13、H9、H9,H13,H14、H17、H15、H22、H14、H9、H14、H11。
改題しているとはいえ、近年の問題を中心に学習したい方には不向きと言わざるを得ません。
ただし、この編集方針は年度別問題集『2023年度版 わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS』との重複を避けるよう、受験生に配慮して編集した結果なのかもしれません。
そうであるならば年度別過去問とは違う問題を解いておきたい受験生に向いていると言えますが、本当のところはわかりません。
価格等の書誌情報は【購入レビュー】わかって合格る宅建士 分野別過去問題集 をご覧下さい。
わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- サイズ:コンパクト
- ページ数:民法等171頁、宅建業法127頁、法令上の制限101頁、税・その他45頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係213問、宅建業法173問、法令上の制限155問、税・その他70問
- テキストとの連携の有無:有 『わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンク
◆収録問題数は表紙には600問(600肢)とありますが、実際は611問(611肢)でした。
本書は年・問題番号・肢番号が一切ありません。過去問そのものを確認したいときにはものすごく手間がかかります。これはデメリットです。
問題は見開きの左ページに、解答・解説は右ページにあります。付録の「こたえかくすシート」を右ページにかぶせながら問題を解くとよいでしょう。
◆左ページの問題文には下線が引かれています。この下線は「問題の正誤を判定する際、どこに注意して検討すべきなのか、そのヒントとして、鍵となる語句」に引かれています。
解説には4種類のアイコン(「覚える」、「理解」、「ひっかけ」、「比較」)が付されています。それぞれの意味は本書を購入してご確認ください。
◆問題には重要度別にA〜Cのランクが付されています。
611問(肢)のうちAランクが56%。他の一問一答、LEC『トリセツ』・日建学院『どこでも』・ユーキャン『これだけ』に比べると重要度の高い問題の割合が少ないです。
◆本書は全部で447ページ。B6判とコンパクトな部類の宅建一問一答集です。
◆本書のメリットは、①テキストとリンクしていること、②問題文および解答・解説に一手間を加えて学習できるよう丁寧に編集していること、の2点です。
しかしながら、この「丁寧さに」加えて条文番号が記載されているため情報量が多く、宅建初学者にはむしろ不向きな一問一答集となっています。
◆ただし、本書を含めたTAC『わかって合格る宅建士』シリーズは、テキストと本書の他にもテキストと問題集、テキストと年度別問題集がそれぞれリンクしています。
テキストと問題集・年度別問題集・一問一答集がリンクしている教材で学習したい場合は、今のところ唯一の選択肢となりますが・・・条文番号も含めて勉強したい受験生、時間に余裕のある受験生、そして宅建を足がかりに法律系上位資格取得を目指す受験生にのみおすすめします。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600 (まだ昨年版)をご参照ください。ただし、本書の2024年版は1,000肢収録とのことです。
わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS(年度別問題集)
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 収録問題回数:14回
- テキストとの連携の有無:有 『わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンク
◆宅建年度別過去問を12年間・14回分を収録。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「削除と改題の両方で対応」しています。
平成24〜平成29年度に出題された民法条文規定についての問題は、改正民法が施行された令和2年度以降は出題されていません。改正民法施行によって役割を終えた問題ですので、本書でも削除されています。
◆本書は『わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンクしています。
本書の解答・解説ページには、各問について『わかって合格る宅建士 基本テキスト』の該当箇所(編・Chapter・Section)が記載されています。『わかって合格る宅建士 基本テキスト』と一緒に学習すると効率的です。
価格等の書誌情報などの詳細は【購入レビュー】わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS(まだ昨年版)をご参照ください。
2位 パーフェクト宅建士 シリーズ(詳しい1冊丸ごとテキストが欲しい方向け)
パーフェクト宅建士 基本書
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 条文番号:有
- テキスト部分のページ数:653頁
- 色使い:二色刷り
- 読みやすさ:強調箇所が黒太字、文字数も多めのため読みやすさは今ひとつ
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:無
- 問題集との連携の有無:『パーフェクト宅建士 一問一答Pocket』、『パーフェクト宅建士 過去問12年間』、『パーフェクト宅建士直前予想模試』と連携
- 内容について(国土法):○
◆『パーフェクト宅建士 基本書』は丸ごと1冊、二色刷の宅建テキスト。条文番号が記載されています。
600ページ台の宅建テキストでは最も詳しいです。例えば「後見監督人」について記載されているのは当記事で紹介する10冊のうち本書のみ。後述する『トリセツ』より詳しいテキストが欲しい方は本書が選択肢に上がります。
◆しかしながら、読みやすさは今ひとつ。
ページの文字数が多めであること、本文テキストの強調文字が黒太字になっているため、視認性は決して良くありません。Amazon等で読みやすさを確認してください。
◆国土利用計画法は16ページ。事後届出制に13ページ、事前届出制・および土地取引の許可制に3ページを割いています。
国土法のボリュームは多めですが、本書p.554「直近12年間の出題実績&攻略法」には「出題の中心は、法の中核でもある「土地取引の事後届出制」である。試験対策としては、事後届出制の手続きの流れをまず理解しよう」とあります。指示に従って学習しましょう。
◆本書(というより『パーフェクト宅建士』シリーズ)の最大の欠点は、分野別問題集とリンクしていないこと。
一問一答および年度別問題集のみならず直前予想模試とも連携しているのに、なぜ分野別問題集と連携していないのか不思議です。
このことを了承した上で購入するかどうか検討してください。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】2023年版 パーフェクト宅建士 基本書(まだ昨年版)をご参照ください。
パーフェクト宅建士 分野別過去問題集
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- ページ数:権利関係193頁、宅建業法205頁、法令上の制限115頁、税・その他91頁
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:権利関係96問、宅建業法102問、法令上の制限57問、その他関連知識45問
- テキストとの連携の有無:無
◆300問を収録。
◆本書の問題の難易度はA〜Cの3段階に分けられています。区分の根拠は「最も易しいのがA、最も難しいのがC」としかありません。A〜C各段階での学習目標をきちんと示して欲しいものです。
◆300問中、Aランク問題の割合は38%にすぎません。
Aランク問題よりBランク問題を多く収録していることは気になります。初学者が取り組みやすい問題集とは言い難いです。
◆本書最大の欠点はテキストとリンクしていないこと。購入する前にしっかり吟味することを強くおすすめします。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】パーフェクト宅建士 分野別過去問題集(まだ昨年版)をご参照ください。
パーフェクト宅建士一問一答Pocket
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係184頁、宅建業法198頁、法令上の制限92頁、税・その他55頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係348問、宅建業法364問、法令上の制限190問、税・その他101問
- テキストとの連携の有無:有 『パーフェクト宅建士 基本書』とリンク
◆収録問題数は表紙には1000問(1000肢)とありますが、実際は1003問(1003肢)でした。
本書は、見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。解答・解説には条文番号が付されています。
問題及び解説の要チェックポイントには赤の下線が付されています。
解答は赤字で○×のどちらかが書かれています。
赤の下線および解答の○×は赤シートをかぶせると見えなくなります。
さらに、解説の強調箇所は黒の太字で書かれています。
問題を解くときは右ページに赤シートをかぶせておくと良いです。
◆問題に年・問題番号が付されています。問題の出典に当たりたいときに必須です。
◆本書は、各問(肢)の解答に『2023年版パーフェクト宅建士 基本書』の該当ページが記載されています。一問一答問題集の中ではテキストの該当ページをもっとも探しやすいです。大きなメリットです。
◆問題には重要度別にRankA〜Cが付されています。Rank Aは「必ず解きたい問題を揃えました」(「本書の使い方」より)とのことです。
1003問(肢)のうちAランクが71.4%。他の一問一答、LEC『トリセツ』・日建学院『どこでも』よりは少ないですが、ユーキャン『これだけ』よりも重要度の高い問題の割合が多いです。初学者向け・・・と言いたいところですが、本書は条文番号を記載しています。
◆『パーフェクト宅建士 基本書』をメインテキストに選んだ方は本書を問題集として使わざるを得ません。『パーフェクト宅建士 分野別過去問題集』が基本書とリンクしていないからです。
解説には条文番号が付されているので、条文にあたって学習した方には役立ちます。条文まで学習したいかどうか、テキストおよび本書を購入する前にかならずご検討ください。
価格等の書誌情報および分野毎のページ数などの詳細情報は【購入レビュー】パーフェクト宅建士 一問一答 Pocket (まだ昨年版)をご参照ください。
パーフェクト宅建士 過去問12年
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 収録問題回数:14回
- テキストとの連携の有無:有 『パーフェクト宅建士 基本書』とリンク
◆宅建年度別過去問を12年間・14回分を収録。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「すべて改題で対応」しています。
◆本書は『パーフェクト宅建士 基本書』とリンクしています。
本書の解答・解説ページには、各問について『パーフェクト宅建士 基本書』の該当箇所が記載されています。『パーフェクト宅建士 基本書』と一緒に学習すると効率的です。
価格等の書誌情報など詳細は【購入レビュー】パーフェクト宅建士 過去問12年間(まだ昨年版)をご参照ください。
3位 出る順宅建士 シリーズ(初学者にはオーバースペック、ただしウォーク問は全受験生におすすめ)
出る順宅建士 合格テキスト 1 権利関係、2 宅建業法、3 法令上の制限・税・その他
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- 条文番号の記載の有無:有(条文・判例も記載)
- 各巻のページ数:3冊合計1222ページ
- 色使い:二色刷り
- 読みやすさ:読みやすい
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:有 Kindle版と楽天Kobo版
- 問題集との連携:有 『出る順宅建士ウォーク問過去問』、『出る順宅建士一問一答○×1000肢問題集』、『出る順宅建士 当たる!直前予想模試』と連携
- 内容について:×
◆最近の宅建テキストは分冊版が目立ちますが、LEC『2023年版 出る順宅建士 合格テキスト』は分冊なし、3冊シリーズとなっている宅建テキストです。
このテキストは次の3冊から成っています。
- 権利関係(438頁)
- 宅建業法(309頁)
- 法令上の制限・税・その他(475頁)ページ数はいずれもテキスト部分+索引です(巻頭の「はしがき」や「本書の使い方」は含まず)。
総ページ数はなんと1222ページ。
ブログ管理人が知る限り、市販の宅建テキストでは最大の分量を誇ります。
本書は3冊とも条文番号のみならず、条文・判例まで記載しています。質・量ともボリュームが多すぎるため、宅建初学者にはまったくおすすめできません。
◆国土法の章は24ページ。うち22ページが説明です。事前届出制には6ページも費やしています。そこまでの情報は不要です。
◆もし初学者が本書を利用するとすれば、600ページ程度の宅建テキストに載っていないことを調べるための「辞書」に限定して下さい。
メインテキストに選んだらまず間違いなく消化不良を起こします。
◆一方、宅建はあくまで通過点に過ぎず、もっと上位の法律系資格を目指している方、条文についても学習したい宅建受験生は本書が選択肢に上がります。
また、宅建業・不動産業に従事している方で5問免除の宅建登録講習をLEC 東京リーガルマインドで受講する方は本書と同一内容の教材を使用するとのことです。LEC宅建登録講習を受講予定の方は本書を購入しないようご注意ください。
価格等の書誌情報など詳細は【購入レビュー】出る順宅建士 合格テキスト (まだ昨年版)をご参照ください。
出る順宅建士ウォーク問①権利関係、②宅建業法、③法令上の制限・税・その他
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- ページ数:①権利関係342頁、〔2〕宅建業法364頁〔3〕法令上の制限・税・その他の分野410頁頁
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:有 Kindle版、楽天Kobo版→注:2024年版の電子書籍は2023年11月14日時点ではAmazon・楽天Koboともに未掲載です。
- 分野毎の収録問題数:〔1〕権利関係169問、〔2〕宅建業法180問、〔3〕法令上の制限その他の分野201問
- テキストとの連携の有無:有 『出る順宅建士 合格テキスト』とリンク
※3冊まとめてのレビューとなります。
◆本書は権利関係、宅建業法、法令上の制限その他の分野の合計3冊による4肢択一式分野別問題集となっています。
B6判と一般的な宅建テキスト・問題集のA5判より小さくコンパクトです。
◆3冊合計550問を収録。市販の宅建4肢択一式分野別問題集としては2番目に多い問題数です。
『出る順宅建士 ウォーク問過去問』は過去問習熟用の問題集です。基礎固めをしないまま本書を解くことは決しておすすめしません!
◆『ウォーク問』の特長は、収録問題集の多さのみならず、LECが長年蓄積している各問の正解率データ(合格者正解率と不合格者正解率)を各問に記載していることです。
宅建試験は合格者正解率66%以上の問題をきちんと得点できれば合格できます。基礎固めを終えた受験生は合格者正解率66%以上の問題の正解率を必ず100%にしましょう(無論、特A・A・Bの正解率も100%にしなければなりません)。
◆『ウォーク問』は、収録問題のレベルを次の4段階に分けています。これは第1〜3巻で共通しています。説明しておきます。
- 特Aランク:最も重要な問題
- Aランク:かなり重要な問題
- Bランク:まあまあ重要な問題
- Cランク:参考程度の問題
◆550問のうちSAランク問題の割合は72.9%です。
SAランク問題の割合は初学者の基礎固めに適しています。
しかしながら550問という収録問題数の多さは基礎固めには不向きです。
300問分野別問題集・一問一答問題集で基礎を固めた上で、本書で過去問を習熟する、という使い方をおすすめします。
本書に取り組むのであれば、少なくとも5月末までに基礎を固めておくことを強くおすすめします。
価格等の書誌情報など詳細は以下のリンクからご参照ください(まだ昨年版です)。
【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集1 権利関係
【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集2宅建業法
【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集3 法令上の制限・税・その他
出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係125頁、宅建業法165頁、法令上の制限・税・その他129頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係280問、宅建業法400問、法令上の制限・税・その他320問
- テキストとの連携の有無:有 『出る順宅建士 合格テキスト』とリンク
◆2023年版 出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集』は横10.2cm×縦17cm。新書判の縦を1cmほど短くしたコンパクトサイズの一問一答形式問題集です。
見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。二色刷りで赤シート対応です。
◆収録問題数は1000問(1000肢)。
重要度別に★★★〜★が付されています。
★★★は「出題頻度が高く、多くの受験生が正解できる問題」、★★は「出題頻度はそこそこ高く、合格者であれば正解できる問題。合否を分ける問題です」、★は「出題頻度が低い問題、または合格者であっても正解できない問題。合否にあまり影響しない問題です」(「本書の効果的利用法」より)とのことです。
1000問(肢)のうち★★★が59.7%。他の一問一答、LEC『トリセツ』・日建学院『どこでも』・ユーキャン『これだけ』に比べると重要度の高い問題の割合が少ないですが、TAC『わかって合格る』よりは多いです。
◆ただし、本書の問題は「過去問ではなく、この問題集のためにLEC講師陣が作成したもの」(「はしがき」より)です。過去問の一問一答で学習したい受験生の選択肢からは外れます。
◆本書の特典はアプリです。
アプリのダウンロードおよびアクティベーション方法は本書に記載されています。本書を購入してから指示にしたがってください。
実際にアプリをダウンロード→アクティベーション→ユーザー登録してアプリ画面を確認しました。
管理人のiPhone8 Plus画面で問題を開いたときのスクリーンショットです。
この画面の右上にペンマークのアイコンがあります。次の画面のスクリーンショットの通り、画面に直接赤文字・線を指で書き込めます。
ペンマークをタップすると消しゴムアイコンが現れ、線・文字・図を消せます。
とてもシンプルなペン機能ですが、解答時にポイントとなる箇所をマークできるだけでも学習効果がぐっと上がります。
1セクションを解き終えると正解率・理解度・誤り理由・解答時間の一覧が表示されます。
※スクリーンショット撮影のため、解答は全て○を選択してすぐ次の問題に移行しました。
間違えた問題には解説が表示されます。理解度と間違えた理由についても選択が表示されて記録できます。
正解した問題は理解度のみ表示され、こちらも選択して記録できます。理解度が完璧になるまで習熟しましょう。
◆くれぐれも注意していただきたいのは、Kindle版にはアプリが付属していないことです。アプリ目当てで本書を購入する際は必ず紙書籍版を選択してください(Amazonの商品説明の「続きを読む」をクリックするとこのことが記載されています)。
価格等の書誌情報など詳細は【購入レビュー】出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集(まだ昨年版)をご参照ください。
10シリーズ通じて最下位 らくらく宅建塾シリーズ(一切おすすめしません)
らくらく宅建塾
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。なお本書は2024年版からリニューアルされますので昨年版は絶対に購入しないでください。
- 条文番号:有
- テキスト部分のページ数:525頁
- 色使い:二色刷り
- 読みやすさ:読みやすい
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:有 Kindle版
- 問題集との連携:『過去問宅建塾』、『○×宅建塾』、『ズバ予想宅建塾[直前模試編]』と連携
- 内容について:国土法のみならず×
◆『2023年版 らくらく宅建塾』はテキスト部分525ページ、丸ごと1冊、2色刷り。巻末索引含め532ページとコンパクトな宅建テキストです。
◆本書の特徴は語呂合わせを多用していること。管理人も「しのごの言わずに建替えろ!」(区分所有法、p.129)にはお世話になりました。
語呂合わせは、30秒以内に覚えられ、一度覚えたら二度と忘れないものはおすすめです。しかしながら、本書の語呂合わせは覚えるのに四苦八苦するものが数多いです(管理人は2015年1回目の宅建受験時に本書を使いましたが、そのときは受験生から語呂合わせの募集もしていたほどです。語呂合わせを作るなど、受験生にとっては無駄な時間以外でしかありません)。
本書のような語呂合わせでかわしまくることを推奨するかのようなテキストはおすすめできません。
◆おすすめできない理由は他にもあります。こちらのほうが致命的です。
権利関係では連帯債務における「混同」の記述がありません。
当記事で紹介している10シリーズの宅建テキストのうち、7冊は索引に「混同」が記載され、テキストでも扱っています。2冊は索引に「混同」がないものの、テキストで扱っています。
本書は、索引にもテキストにも「混同」がありません。
さらに、相隣関係の記述もありません。相相隣関係は権利関係分野では出題ランクが低いものの、2013年以降4回も出題されています。しかも2023年法改正で出題される可能性が高いにもかかわらず、です。
→【2024年11月14日追記】2023年度宅建試験の問2に相隣関係が出題されました!
宅建テキストとしていかがなものかと思います。おすすめできません。
国土法も不親切です。注視区域・監視区域・規制区域について「深入りするな」マークを表記してはいるものの、「なぜ深入りしてはいけないのか」についての説明がありません。
他にもおすすめできない点がありますが、きりがないのでやめておきます。
価格等の書誌情報など詳細は【購入レビュー】らくらく宅建塾 (まだ昨年版)をご参照ください。ただし、すでに述べた通り本書は2024年版でリニューアルが予定されています。
過去問宅建塾〔1〕権利関係、〔2〕宅建業法、〔3〕法令上の制限その他の分野
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- ページ数:〔1〕権利関係458頁、〔2〕宅建業法192頁〔3〕法令上の制限その他の分野222頁頁
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:有 Kindle版
- 分野毎の収録問題数:〔1〕権利関係217問、〔2〕宅建業法234問、〔3〕法令上の制限その他の分野226問
- テキストとの連携の有無:有 『らくらく宅建塾』とリンク
※3冊まとめてのレビューとなります。
◆本書は権利関係、宅建業法、法令上の制限その他の分野の合計3冊による4肢択一式分野別問題集となっています。
◆3冊合計677問を収録と市販の宅建4肢択一式分野別問題集としては最大の問題数を収録。
しかしながら、この収録問題数の多さは基礎固めにはまったくもって不向きです。下手したら1回も完走できないかもしれません。
◆問題の重要度は「カンターン」「普通」「難しい」「超難」の4段階に分けられています。「過去問宅建塾の特長と使い方」(vページ)に「初めて解くのに超難問を間違ったと悩む必要はないし、3回目なのにカンターンな問題を間違うようでは理解不足だ」とあります。
しかしながら難易度の説明はこれしかありません。
『出る順宅建士 ウォーク問過去問』には正答率が記載されているのでそれを目安にできますが、本書には正答率の記載もなし。受験生が難易度レベルをつかみにくい点は不親切と指摘せざるをえません。
◆当記事には『過去問宅建塾』を選んでしまって途方にくれた受験生からご相談をお寄せいただいたこともあります。記事末コメント欄をご一読ください。
価格等の書誌情報など詳細は以下(まだ昨年版)をご参照ください。
【購入レビュー】過去問宅建塾〔1〕権利関係
【購入レビュー】過去問宅建塾〔2〕宅建業法
【購入レビュー】過去問宅建塾〔3〕法令上の制限その他の分野
○×宅建士塾
※2024年版発売前のため、レビューは昨年版のものとなります。
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係127頁、宅建業法118頁、法令上の制限73頁、その他29頁
- 分野毎の収録問題数:宅建業法303問、権利関係297問、法令上の制限126問、税・その他93問、参考編32問
- テキストとの連携の有無:有 『らくらく宅建塾』とリンク
◆本書は全部で349ページ。縦は四六判と同じですが、横は四六判より短く新書判より長い、独自の大きさの判となっています。
◆収録問題数は416問(416肢)。他社の一問一答問題集は少ないもので600問でしたので、それを下回る収録問題の少なさです。
◆見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。
「問題」および「解答・解説」にはそれぞれマンガ(もしくは図)が付されています。これが本書のセールスポイントです。
権利関係は図で整理することが鉄則なのでマンガを含むわかりやすい図はあったほうが良いです。しかしながら全ての問題にまで必要とは思えません。必要以上の装飾がほどこされていると、学習を進める上でむしろノイズになると言わざるを得ません。
◆問題の出典についての説明は一切ありません。過去問に遡ることは不可能です。
◆解答・解説ページには『2023年度版 らくらく宅建塾』および『2023年度版 マンガ宅建塾』の該当ページが記載されています。これは便利です。というか、便利なのはこれだけ。
本書冒頭p.iiiには「本書作成にあたっては、内容を十分に吟味しておりますが、マンが・イラストの部分において、必ずしも法律的に正確な表現になっていなかったり、また誇張した表現があります。受験に当たっては必ず弊社刊「らくらく宅建塾」、その他の参考書等を併用することをお勧めいたします」とあります。原則として「らくらく宅建塾」以外のテキストで学習している方には不要です。
価格等の書誌情報など詳細は購入レビュー】○×宅建塾(まだ昨年版)をご参照ください。
※当記事は2023年11月24日14:34時点ではここまでとなります。随時レビュー等を追加していきますので、ブックマークしていだけると励みになります。よろしくお願いいたします。
2024年宅建試験合格目指してがんばりましょう!!