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宅建テキスト・参考書おすすめする/しない15選購入レビュー

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【2024年11月30日】

当記事では宅建市販テキスト・参考書・オーディオブック(問題集・漫画も)50冊以上を全て購入、おすすめする/おすすめしない宅建テキスト・参考書15選を忖度一切なしで徹底レビューしています。

宅建は30万人以上が申し込む超大型資格試験。

受験規模が大きいため市販宅建テキスト・参考書は20冊以上も発売されています。書店やネットで選ぼうとしてもどれが良いのか途方に暮れる受験生は少なくないでしょう。

当サイト管理人は2015年に初めて宅建を受験しました。当時のテキストは2色刷りが大半。オールモノクロのテキストすらありました。

それが今やフルカラーテキストは当たり前になり、付属ハガキで出版社に請求していた法改正・統計情報はインターネット提供が主流に進歩。

さらには動画やアプリが特典に付いているもの、著者自らが動画講義を配信しているものさえ登場しています。

一方、不足した論点を長年補充しないままだったり、シリーズの直前模試を買わないと法改正・統計を入手できないテキスト・参考書もあります。

当記事ではおすすめできるテキストのみならずおすすめできないテキストもレビューします。論点が不足していれば指摘します。法改正・統計情報を提供していないければ指摘します。そんなテキストはおすすめできないからです。

このため情報量は他のネット記事より多めです。

情報量が多い分、記事の文字数は多くなりますが「当記事を読む時間は「自分に合った参考書を選ぶための投資」と思ってお付き合いいただければ幸いです。

宅建試験の合格率は15〜17%。市販宅建テキストでの合格率はその半分とも言われています。

それでも「良い宅建オーディオブック・テキスト・参考書を選び、問題集とともに1年間繰り返し繰り返し学習すれば合格ラインに達することは可能」です。

宅建試験合格目指してがんばりましょう!

宅建テキスト・参考書おすすめする/しない購入徹底レビュー

宅建テキスト・参考書おすすめする/しない購入徹底レビュー

 

<更新情報>
11月6日 総合資格学院『必勝合格 宅建士テキスト』のレビューを追加しました。
11月13日 テキスト見出し先頭におすすめ度を追加しました。「おすすめ」には◎、「条件付きおすすめ」には○、「おすすめしない」には×が付いてます。
11月17日 TAC『わかって合格る宅建士 基本テキスト』のレビューを2025年度版にアップデートしました。
11月23日 日建学院『どこでも!学ぶ宅建士 基本テキスト』のレビューを2025年度版にアップデートしました。

注1:テキストを教科書と置き換えた場合、学校教育の場では教科書と参考書は法律で明確に区別されています(教科書の発行に関する臨時措置法第2条)。

一方、学校教育以外の場ではテキスト・教科書・参考書に区別はありません。当記事でもテキストと参考書を区別せずに「テキスト・参考書」もしくは「テキスト」、「参考書」と表記します。

注2:次のセクション「宅建テキスト・参考書の選び方【初学者・既学者別】」をお読みになったら目次に戻り、気になる宅建テキスト・参考書にジャンプすると効率良く知りたいテキストの情報を得られます。

知りたいテキストの情報を得たら、ぜひ「本試験までの学習スケジュール・問題集選びのアドバイス」をお読みください。テキストは問題集(特に5月までは一問一答)とセットで学習しないとインプットがおろそかになります。必ず問題集も視野に入れながらテキストを選ぶようにしてください。

宅建テキスト・参考書の選び方【初学者・既学者別】

宅建テキスト・参考書は論点を体系的に学ぶメインテキスト

◆これから宅建試験を受けようとするとき、多くの方は書店の宅建コーナーに行ったりAmazonなどのECサイトを閲覧するでしょう。

Amazonの検索窓に「宅建」と入力してクリックすると市販宅建教材が462冊表示されます(2024年10月6日時点)。

これらからマンガを除いた残りが宅建テキスト・参考書と宅建問題集に大別されます。


◆宅建試験には民法、借地借家法、宅地建物取引業法、住宅瑕疵担保履行法、都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、不動産取得税、固定資産税、地価公示、景品表示法、住宅金融支援機構法、土地、建物などの論点が出題されます。

これらの宅建試験で出題される論点を体系的に学ぶための教材が宅建テキスト・参考書です。

そして宅建試験で過去に出題された問題を中心に演習する教材が宅建問題集です。

どちらも宅建試験合格に欠かせない、宅建学習の両輪です。

  • 論点を体系的に学ぶ教材→宅建テキスト・参考書
    300〜1200ページのメインテキスト
  • 問題演習用教材→宅建問題集
    基礎固め用一問一答問題集
    過去問習熟用分野別4肢択一問題集


注:宅建問題集は「基礎固め用の一問一答問題集」及び本試験で実際に出題された4肢択一形式の過去問題を350〜500問程度収録した「過去問習熟用分野別4肢択一過去問題集」が必要です。

出版社の中にはいち早くこの動きを察知し、一問一答問題集を基礎固め用主力問題集とするところも現れています。

一問一答問題集を隙間学習用の補助教材と位置付けるのは時代遅れです!

◆テキストと問題集を使って学習するのは何のためでしょうか?

もちろん宅建試験の合格するためです。

では宅建試験の合格するためには具体的にどの問題を正解できればいいのでしょうか?

その答えは受験者正解率60%以上の問題です。

宅建試験は受験者正解率60%以上の問題を確実に取れればその年の合格基準点に達します。

受験者正解率60%以上の問題とは易問と標準問です。ただし本試験では平静さを欠いてしまい、ふだんなら難なく解ける問題を落としがちです。

このため、「やや難問を含む受験者正解率50%以上の問題」を確実に解くことを意識しながら学習することが肝要です。

そのためにテキスト・参考書、そして問題集で学習するのです。
※「本試験までの学習スケジュール・問題集選びのアドバイス」も必ずお読みください。

◆話をテキスト・参考書に戻します。

市販宅建テキスト・参考書は概ね300〜1200ページ程度のページ数となっています。

テキスト・参考書はページ数が多いものと少ないもので900ページほどの差があります。

ページ数が多いものほど網羅性が高くなりますが、収録論点も増えます。より長い学習時間が必要です。

ページ数が少ないものほど論点を絞りこんでいます。ただし、論点を絞りすぎると合格に必要な内容を保てなくなります。

おおむね300ページを切ると収録論点が合格レベル未満まで減らされた「入門書」や説明文を省いて要点整理に特化した「まとめ集」となります。

入門書は収録論点が少なく、まとめ集は説明が足りません。マンガも同様です。いずれもメイン教材にはなりません。

当記事で紹介するのは「問題集・入門書・まとめ集・マンガ以外」の宅建テキスト・参考書です(オーディオブック1選を含みます)。

※「テキスト・参考書とセットで学習すべき問題集」についても紹介します

今のところ15シリーズの宅建テキスト・参考書を紹介しています(もうちょっと増やす予定です)。

全て購入した上でレビューしています。

条番号なしメインテキストは初学者向け

◆宅建テキスト・参考書は大きくわけると2種類になることをご存じでしょうか?

大きく分けると2種類、それは「条番号あり宅建テキスト」と「条番号なし宅建テキスト」です。

◆「条番号」とは、例えば「民法96条」といった条文の番号のことです。宅建テキストにはこの「条番号」を掲載しているものと掲載していないものがあります。

では条番号ありの宅建テキストと条番号なしの宅建テキストのどちらを選ぶのが良いのでしょうか?

それは、今、この記事をお読みになっている方が宅建初学者か宅建既学者かによります。

◆宅建受験生は宅建試験を初めて受験する「初学者」宅建試験を既に受験した「既学者」に分かれます。

宅建初学者の中には「資格試験のための法律学習は初めて」、「大学で法律科目を履修したけどほとんど忘れてしまった」という方が少なくありません。

これらの方には内容を絞った宅建テキストをおすすめします。

「内容を絞った宅建テキスト」のほうが宅建学習にかかる負荷は少なく済みます

一方、内容を絞るより網羅性を高めた宅建テキストもあります。

網羅性を高めるには小さい字でページを埋め尽くす、もしくは読みやすいレイアウトでページ数を多くするかのどちらかになります。

どちらにせよ「内容を絞った宅建テキスト」のほうが最初から最後まで読み通しやすい=完走しやすいのは間違いありません。もちろん、完走しやすいテキストのほうが繰り返し繰り返し学習する=周回するのに適しています。

市販宅建テキストでは条番号なしテキストのほうが情報量が少ない傾向にあります。

ちなみに宅建試験合格のために覚えておくべき条番号はたった6つ(宅建業法34条の2・35条・37条、農地法3条・4条・5条)だけです。条番号がびっしり掲載されている宅建テキストは初学者には不要です。

宅建初学者には条番号なし・ページ数少なめの宅建テキストをおすすめします。

条番号ありメインテキストは既学者向け

◆一方、宅建既学者(宅建試験で1度不合格となった方、私もそうでした)が市販テキストを使って宅建試験に再挑戦する場合、どのテキストを選んだら良いでしょうか?

初学者向けテキストを周回してなにがなんでも基礎をがっちり固める、というのがひとつの方法です。

ただし、既学者はすでに宅建試験の範囲や出題される問題の難易度レベルは知っています。分野別問題集も1回は完走していることでしょう(もし1回も完走していないのであれば、初学者向けテキスト+一問一答問題集からやり直しましょう)。

同じことをまた1年間繰り返すのはけっこう苦痛です。

そこで、これまでの知識をレベルアップするため条文に当たって法律をしっかり学習することをおすすめします。

◆条文に当たりながら学習するには条番号あり宅建テキストが必須です。

2024年11月8日時点で紹介している条番号ありテキストはLEC『出る順宅建士 合格テキスト』、TAC『わかって合格うかる宅建士 基本テキスト』、『らくらく宅建塾』、総合資格学院『必勝合格 宅建士テキスト』の4冊です。

なお、受講生合格率60%超の通信講座アガルート宅建講座には、宅建試験に出題される宅建業法についてひとつずつ学習する「宅建業法逐条ローラー」という教材があります。これは宅建業法の学習にとても効果的です。

宅建初学者及び基礎から見直したい既学者はアガルート初学者向宅建講座宅建既学者はアガルート既学者向け宅建講座の利用を検討しても良いと思います。

初学者は条番号ありテキストを調べ用辞書として活用

注:当記事では初学者が条番号ありテキストを用いることは決しておすすめしませんが、条番号ありテキストのうち網羅性が高いものは、初学者用調べ用辞書として活用できます。

調べ用辞書が必要な初学者は条番号ありテキストのレビューを参照なさってください。

ページ配分および法改正・統計情報について

◆当記事では分野毎のページ配分についてもお伝えします。※ネットで「宅建 テキスト」で検索するとヒットする宅建テキスト紹介記事のどれにも書かれていない情報です。

分野毎のページ配分は、そのテキストがどの分野を重視(あるいは軽視)して編集しているかの指標となります。

管理人は実際に購入・入手した宅建テキスト13シリーズ15冊について権利関係・宅建業法・法令上の制限税その他の3分野が占めるパーセンテージの平均を算出、この値からの差が3分野とも10ポイント以内なら平均からそれほど外れておらずバランスがとれていると判定し、「バランス型」宅建テキストとしました。

なんでこんな数値を出すかというと、宅建テキストの中にはとても偏った配分をしているものがあるからなんです。

いずれかの分野が10ポイント以上多い/少ない場合はその旨について記載します(現在作業中、各テキストに随時追記していきます)。

◆宅建試験はその年度の法改正点から出題される傾向がとても強いです。

他試験は宅建士足る資質があるかどうかを判定する試験です。法改正点を把握していることは宅建試験攻略で必須事項です。

問48では統計問題が出題されます。

対応するにはその年度の統計情報の把握が必須です。

しかしながら、宅建テキスト・参考書によっては法改正・統計情報の記載がない場合があります。

というより、記載のないテキスト・参考書のほうが多いです。

このためたいていのテキスト・参考書では法改正・統計情報を「追録」で提供していますが・・・中にはそうしていないものがあります。

そんなテキスト・参考書で学習したら取れる点も取れません。

当記事では各テキスト・参考書の法改正・統計情報への対応についてもお伝えします。

また誤植が他のテキスト・参考書と比べてやたら多いものについてもお伝えします(現在作業中、各テキストに随時追記していきます)。


ではテキストのレビューにうつります。レビューは発売月の早い順から掲載していきます。

【2024年11月12日】テキストではありませんが、良い教材なのでオーディオブック1選を追加しました。

宅建テキスト15選購入レビュー

◎全宅建受験生におすすめ:パーフェクト宅建士 聞くだけ(無料)

全宅建受験生に最もおすすめするのは『パーフェクト宅建士 聞くだけ』です。

初めて宅建試験を受ける「宅建初学者」には次の3つの理由でおすすめします。

  1. 無料である(もしくは3ヶ月99円)
  2. 「聞くだけ」なので学習ハードルが低い
  3. 76項目のうち80.2%が15分未満なのでさくっと学習できる

◆宅建では「善意」「悪意」、「心裡留保」、「錯誤」、「復代理」といった法律用語がふつうに飛び交います。

宅建テキストを買ったものの、これらの用語に慣れることができなくてテキストを放置することもありえます。管理人は他資格のテキストを買ってはみたけれど・・・どうにも合わなくて処分したことが一度ならずあります。

まずは無料教材で宅建学習への適性を確認し、それからテキストを購入してもぜんぜん良いと思います。

無料教材で最もおすすめするのがAmazonオーディオブックサービス「Audible」の『パーフェクト宅建士聞くだけ』です。

PC画面のスクリーンショット

PC画面のスクリーンショット


Audibleを初めて利用する方は登録のみで30日間無料で利用できます。

『パーフェクト宅建士 聞くだけ』は今使っているスマホ・タブレットからAudibleアプリ(無料)で聞いても良いし、PCブラウザからストリーミング再生もしくはライブラリーで聞けます。

たいへん手軽に宅建学習を始められます。

◆『パーフェクト宅建士 聞くだけ』の現行ver.は2024年版。

2024年版なのを気にするかもしれませんが、まずは宅建に登場する法律用語に耳慣れることが目的なので心配ありません。

『パーフェクト宅建士 聞くだけ』2024年版は「権利関係」、「宅建業法」、「法令上の制限・その他」の3巻。収録時間は3巻合計で12時間32分です。

3巻に収録されているのは全76項目。

76項目のうち80.2%(61項目)は15分未満です

通勤・通学・休憩中・就寝前など、ちょっとした空き時間にさくっと学習できます。

無料期間中に全部聞こうとせず、まずは1日1回15分程度から聞いてみると良いでしょう。

それを2日、3日、1週間と続けていくうちに学習習慣が身に付いていきます。

◆ナレーションはニュースキャスター・エッセイスト・モデルで女優の佐藤まり江さんが担当。

スマホの音声読み上げ機能とはぜんぜん違い、とても聞きやすいです!

※宅建試験を受けたことがある「宅建既学者」には基礎知識確認用無料教材としておすすめです。

 

まずは受験生が一番苦手で最も挫折しやすい権利関係で試してみると良いと思います。

◎宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト2025年版(10月発売)

宅建士合格のトリセツ基本テキスト

宅建士合格のトリセツ基本テキスト

画像・内容を2025年版にアップデートしました。

  1. 条番号の有無:無し
  2. ページ数(索引含まず):権利関係221頁、宅建業法154頁、法令上の制限・税・その他173頁、重要論点集47頁:テキスト部分合計548ページ
  3. ページ配分:バランス型(権利関係やや多め)
  4. 読みやすい
  5. 動画サービスの有無:有り

LEC『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』(以下『トリセツ』)のおすすめポイントは次の4つ。

  1. とても読みやすくデザインされている。
  2. 内容を適切に絞り込んだ上でテキスト部分を550ページ以内に編集。完走しやすい。反復学習に適している。
  3. テキスト完全準拠の動画サポート(※2024年版は8時間41分8秒)が特典に付帯。学習しやすい。
  4. 例年10月発売なので早期からの学習にも対応しています。


◆『トリセツ』はフルカラーの分冊タイプです。権利関係、宅建業法、法令上の制限・税・その他、重要論点集の4分冊です。

次の画像の通りたいへん読みやすいです。

(画像はAmazonより)

(画像はAmazonより)

◆テキスト本文・図表・欄外注釈などのフォントには非明朝タイプのフォント(ヒラギノ丸ゴシック?)を採用し、読みやすさを確保。色使いも抑えられています。

テキスト本文はフォントの大きさもちょうど良いです。

欄外はフォントサイズがやや小さいものの、白抜きと黄色で視認性は問題ありません(唯一、「重要事項の説明書面」pp.88-91は字が小さくてつらいです)


◆本書は分冊タイプの宅建テキスト。

分冊時にボリュームがわかりやすいよう、各分冊は1ページ目から始まります。

権利関係〜税・その他までページ番号を通しているテキストもありますが、ページ番号を各分冊ごとに分けた方がどこを学習しているのか把握しやすいです。

こういったちょっとした配慮が学習しやすさに貢献します。

◆本書の「はじめに」p.11には「重要度が低く試験であまり問われない箇所は思い切ってカット!合格に必要な内容のみ絞り込みました!」とあります。その通り、本書は極力内容をしぼった構成になっています。

初学者向け宅建テキストの多くはもちろん内容をしぼっています。それでも600ページを超えるものが多い中、本書はテキスト部分を550ページに集約(注:巻頭特集・はじめに・目次・索引・用語集および巻末の重要論点集を除外したテキスト部分)。

『宅建士 出るとこ集中プログラム』、『宅建士 とらの巻』には及ばないものの、条番号なし宅建テキストでは3番目に少ないページ数。とても完走しやすく周回しやすい宅建テキストです。

本書特典は無料講義動画です。本書の構成は44コースですが、全44コースとガイダンスの合計45動画(※2024年版は8時間41分8秒)が付帯

テキストを読んだらそのコースの動画を視聴し、再度テキストに戻って本書を再読してから一問一答を解くと良いでしょう。注:講義動画の内容は『宅建士出るとこ集中プログラム』著者𠮷野先生のYoutube吉野塾のほうが良いです。

「ちょこっとトレーニング」と題した過去問ベース一問一答問題を187問収録。PDFダウンロードをスマホで閲覧できますが、これはアンケート特典です。PDF入手にはアンケート及び個人情報の入力が必須です。注:サービス開始は2024年12月16日からとなっていますが、11月9日時点でダウンロード可でした。

ま付録の重要論点集には知識確認用の短い○×・穴埋め問題が173問収録。

本書1冊だけで一問一答式問題が360問もあります。

単に○×判定するのではなく、根拠を明確にしながら正誤判定することを心がけてください。すべて100%正解できるまで何度も繰り返し解きましょう。

◆本書の発売は2024年10月中旬。早期から学習できるのもメリットです。

ただし2024年試験の情報は掲載されません。2024年度本試験問題は必ず解いておきましょう。

◆デメリットが1点あります。法改正・統計情報(8月以降に提供)を入手するにはLEC Myページへの登録が必須なことです。

登録にはメールアドレス・氏名・生年月日の登録が必須です。個人情報の提供がイヤな方は別ルートから法改正・統計情報を入手しましょう。

◆付録は分冊時に背表紙に貼るシール(分冊背表紙シール)とインデックスシール。

分冊してシールを貼ってみたところ、携行性がぐっと上がりました。

ただし、シールを全部貼るのに30分はかかります。

シールを貼る手間をかけずにいつでもどこでもスマホで学習したい受験生はKindleのほうが良いでしょう

※宅建初学者は最初の30日を権利関係に集中するためパーフェクト宅建士聞くだけ 権利関係(初回登録30日無料)と一緒に学習すると用語に慣れやすいです。

◎この1冊で合格!水野健の宅建士 神テキスト 2025年度版(10月発売)

この1冊で合格!水野健の宅建士 神テキスト

この1冊で合格!水野健の宅建士 神テキスト

画像・内容を2025年版にアップデートしました。

  1. 条番号の有無:無し
  2. 権利関係216頁、宅建業法152頁、法令上の制限・価格・税・5問免除科目199頁:索引を除くテキスト部分合計567ページ(一問一答ページは含みます、索引は7頁495項目)
  3. ページ配分:バランス型
  4. 読みやすさ:字は小さめだが読みやすい
  5. 動画サービスの有無:問題集に有り

テキスト部分は昨年版から8ページ増量したものの、2025年版も600ページ未満。要点を絞ったコンパクトな宅建テキストです。

『この1冊で合格!水野健の宅建士 神テキスト』(以下、『神テキスト』)。をおすすめする理由は次の4つです。

  1. テキストのフォントはやや小さいものの、テキスト本文、図解、学習ポイント提示、詳しい解説などを盛り込みながら読みやすくデザインされている。
  2. 情報量が多いにもかかわらずテキスト部分567ページに編集。
  3. 姉妹本『神問題集』との合計収録問題数は2669肢。『神テキスト』・『神問題集』の2冊で十分な問題演習量を確保。
  4. 『神問題集』収録分野別4肢択一問題全332問についてYoutube動画を配信済み。動画は昨年版問題集のものですが、2025年版問題集での問題の入れ替えは軽微(権利関係50問中2問、後日全問について確認して追記します)なため2025年版にも十分使えます。


◆『神テキスト』はフルカラーの1冊丸ごとテキスト。

非明朝タイプのフォントを採用、『トリセツ』に比べると文字は小さいですが読みやすいです。

強調箇所は赤太字に加え、とくに大切な箇所を黒太字黄色下線で表記。学習しやすく編集されています。

※次の図のフキダシ右下に「神問題集 第1章・問10〜13」とあるように2025年版リニューアルによって神問題集へのリンクが記載されました。

画像はAmazonより

画像はAmazonより

本文テキストはもとより、全体としてやや小さいフォントを使っているため、『トリセツ』よりページに文字が詰まっています。

『トリセツ』にくらべると完走・周回はややしにくいものの、解説はより丁寧です。

テキストを開いてまず目に付くのは水野先生のイラスト付きの「会話」です。各項目の冒頭で、その項目での学習ポイントを会話形式で提示しています。

初学者にとってこの学習ポイント提示これから学習することの羅針盤となる必須情報。これがあるとないでは大違いです(どの市販テキストとは言いませんが、これがないと例えば国土法で事前届出・事後届出のどちらを重点的に学習すべきかを知らないままテキストを読み進めることとなります)。

学習を進めていくと、「冒頭の会話」を含めて水野先生のイラストが頻繁に登場します。これは補足事項・覚え方・注意点・学習法などが書かれている「重要ポイント」です。水野イラストの「重要ポイント」を意識しながら学習すると良いでしょう。

図も豊富です。特に権利関係では冒頭で4ページも使って権利関係の考え方を一通り図示。さらに各項目でも図を用いながらわかりやすく説明されています。

1例として権利関係の「強迫」(p.41より)をあげておきます。

画像はAmazonより

画像はAmazonより

このように、本書は豊富な図解および適切な重要ポイント提示および解説を両立しつつ、テキスト本文を567ページでまとめた良テキストとなっています。

◆『神テキスト』にはさらなる大きなメリットがあります。

それは一問一答問題が373問(昨年版345問より28問増量)も収録されていることです。

『神問題集』は分野別4肢択一問題332問を収録していますが、実は一問一答問題も992問収録しています。

『神テキスト』・『神問題集』を合わせると一問一答問題だけで373+992=1365問。これだけの問題数があれば、一問一答問題集を別途購入する必要はありません。

記事末で問題集についても触れますが、当記事ではテキスト以外に基礎固め用に一問一答問題集、習熟用に4肢択一分野別問題集(『出る順宅建士 ウォーク問過去問』の権利関係、宅建業法、法令上の制限・税・その他の3冊)での学習をおすすめしています。

でも『神テキスト』・『神問題集』を併用すればこの2冊で問題演習量は十分確保できます。

ちなみに『宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答過去問題集』は800肢を収録。

『出る順宅建士 ウォーク問過去問』3巻は直近年度過去問50問を除くと4肢択一問題500問=2000肢を収録。

これらを併せると800+2000=2800肢ですが、『宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答過去問題集』800肢のうち430肢は『出る順宅建士 ウォーク問過去問』3巻と重複(2024年版調べ)。実質の演習量は2370肢となります。

一方、『神テキスト』は一問一答345肢を収録。『神問題集』は4肢択一332問全問に一問一答3肢を収録しているため、332×7=2324肢。一問一答は全てオリジナル問題なので重複なし。したがって、『神テキスト』+『神問題集』の収録肢数は373+2324=2697に登ります。必要十分な問題演習量を確保しています。

◆さらには『神問題集』収録4肢択一問題について水野先生がYoutube動画を配信しています。

2024年10月12日現在権利関係全99問、宅建業法全111問、法令上の制限・税価格全122問を配信済み。332問の動画時間26時間26分53秒はとても大きな学習サポートとなっています(※2025年版では問題の入れ替えがありますが、権利関係の問1〜50で確認したところ2問のみでしたので、問題入れ替えは軽微になると思われます。全問について確認後追記します)

『トリセツ』問題集(『宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』)にも動画解説が特典付帯しますが、こちらは各編の重要問題の解説に留まります。おまけと言ったら失礼ですが、受験生からすれば全問の解説が欲しいところ。

一方、『神問題集』は全332について動画で解説。質・量とも圧倒しています。

宅建試験対策としてテキスト1冊+問題集1冊に集約したい受験生は『神テキスト』+『神問題集』が選択肢の第一候補となります。

水野塾『神問題集』演習講座・権利関係問1〜問5のリンクを埋め込んでおきます。参考になさってください。

www.youtube.com


『神テキスト』の1項目を読んで一問一答を解いたらテキストからリンクされている『神問題集』該当問題の問題を解き、動画を視聴して問題を復習し、再度テキストに戻って本書を再読、一問一答も復習するという流れで学習を進めていくと良いでしょう。

【2024年10月19日追記】
本書の昨年版は令和6年度宅建試験出題範囲の法改正に一部対応していませんでした。法改正情報については本書カバーそでに出版元KADOKAWAのHPへの掲載が記載されているものの、昨年版は正誤表でした。

当記事では本書を『神問題集』とセットで活用することを強くおすすめしておりますが、『神問題集』には特典として「宅建試験ドットコムによる過去問解説PDFを掲載」しています。

宅建試験ドットコムには「法令・制度改正情報のページ→法令・制度改正情報|宅建試験ドットコム」に加え、本書及び『神問題集』に記載がみられない「統計問題対策のページ→令和6年(2024年)試験 需給統計問題(問48)対策|宅建試験ドットコム」があります。どちらも無料で閲覧できますので、令和7年度対策は令和7年版統計問題のページをを利用すると良いでしょう。

なお、統計については水野先生のブログにも掲載されます。昨年版は10月に2024統計対策 | 水野健の宅建・合格魂!養成ブログが公開。2025年10月になったら当記事に追記します。

※本書は昨年版が初版です。2025年版では問題集へのリンク記載というリニューアルが実施されました。法改正・統計情報含め来年度版ではさらに使い勝手の良いテキスト・問題集となることを期待します。

◆本書は10月発売。昨年度版は1月発売だったのを大幅前倒しして早期からの学習に対応しました。


※宅建初学者は最初の30日を権利関係に集中するためパーフェクト宅建士聞くだけ 権利関係(初回登録30日無料)と一緒に学習すると用語に慣れやすいです。

みんなが欲しかった!宅建士の教科書 2025年度版(10月発売)

みんなが欲しかった!宅建士の教科書

みんなが欲しかった!宅建士の教科書

画像・内容を2025年版にアップデートしました。

  1. 条番号:無し
  2. 宅建業法160頁、権利関係244頁、法令上の制限・税・その他202頁:索引を除くテキスト部分合計606ページ(一問一答ページ含む、索引は6頁523項目)
  3. ページ配分:バランス型
  4. 読みやすさ:昨年版からは改善されたが・・・(好みによる)
  5. 動画サービスの:無し


『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』(以下、『みんほし』)は、一言であらわすと「まとめ表主体の宅建テキスト」です。

『みんほし』はフルカラーの3分冊テキスト。

2025年版でフルリニューアルされています。

昨年版ではいろんな種類のフォントを使い、しかも色・大きさが様々だったのでとてもごちゃごちゃしていたのが、2025年版では明朝系および手書きフォントを一掃。

テキスト全体の視認性が向上しました。

また、昨年版までとりわけ見難かったまとめ表の「板書」が「チェック」に刷新。


この「チェック」が『みんほし』の主体となります。

画像はTAC CYBER BOOK STOREの無料立ち読みより。

実物を手に取って見比べると、まとめ表「チェック」には『神テキスト』より小さなフォントが頻出します(画像の「・・・とは?」の紫のアンダーラインおよび「例えば」の緑のアンダーラインの箇所など)。

さらに言えば「チェック 欠格事由4」は文字背景箇所だけでも9色も使っています(白抜き除く)。

昨年までのまとめ表「板書」はフォントの種類に加え、大きさと色も多用されていたのが読みにくさの大きな要因でした。

2025年版のまとめ表「チェック」では、フォントの種類はともかく、大きさ・色の多用はまだ継続しています。

視力に問題の無い方やデザインに頓着しない方は苦にならないかもしれませんが、管理人には無理でした。購入を考えている方は必ず実物を手にして、他のテキストと比較検討してください。

◆『みんほし』にはさらに欠点があります。

本書には各Sectionに重要度ランクが提示されていません。

宅建試験は重要度ランク高いの論点の学習優先度は高く、重要度の低い論点の学習優先度は低くなります(当たり前ですね)。

これでは試験によく出るポイントもあまり出ないポイントも同じ比重で学習させられてしまい、メリハリのある学習ができません。

特に超直前期はAランク項目主体の学習が最優先となるにもかかわらず、です。

◆本書はAmazonで売れ筋です。書店でもよく平積みされています。

でも、「Amazonの宅建テキストページのはじめの方にあるから」、あるいは「書店で平積みされていたから」と安易に本書を選択すると、何に注意しながら学習したら良いのか、どこが出題ポイントなのかわからないまま学習することになります。

◆特典は収録している157問の一問一答およびQ&Aをスマホで確認できることと重要数字暗記対策用アプリ。ただし動画サポートは一切なし。アプリの追加機能は有料コンテンツ(・・・・)となります。

まとめ表「チェック」主体で学習したい受験生ならともかく、もっと読みやすいテキストや動画サポートのあるテキストに比べると本書をおすすめする理由はありません。


◆正誤・法改正・統計についてはTACのCyber Book Storeにて提供されます。

※法改正・統計情報は本書記載のパスワードが必要です。

◆本書は例年Amazon売上上位の人気宅建テキスト。でも売れているからといって初学者が学習しやすいテキストとは限りません

購入する前に他の宅建テキストと比べてみてください。

※宅建初学者は最初の30日を権利関係に集中するためパーフェクト宅建士聞くだけ 権利関係(初回登録30日無料)と一緒に学習すると用語に慣れやすいです。

ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 2025年版(10月発売)

ユーキャンの宅建士きほんの教科書

ユーキャンの宅建士きほんの教科書

2025年版にアップデートしました。

  1. 条番号:無し
  2. 権利関係229頁、宅建業法153頁、法令上の制限158頁、税・その他77頁、でるとこ論点帖100 112頁:索引を除くテキスト部分合計617ページ
  3. ページ配分:バランス型(やや法令上の制限、税・その他多め)
  4. 読みやすさ:色が派手なため読みにくい(好みによる)
  5. 動画サービス:無し


『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』(以下、『ユーキャン』)はテキストの色使いが人によって好みがわかれる宅建テキストです。

◆『ユーキャン』はフルカラーの4分冊テキスト。

しかしながら、フルカラーの使いどころは好みが分かれます。カラフルすぎるからです。特に赤太字の強調箇所が連続すると読みにくさを感じてしまいます。

画像はAmazonより

画像はAmazonより

画像は解像度の関係から粗く見えます。実物の印刷はもちろんきれいですが、それ故赤と黄色がすごく目立って目がちかちかします。

必ず手に取って確かめて検討することを強くおすすめします。

◆テキスト部分は617ージ。2021年までの『ユーキャンの宅建士 速習レッスン』から100ページほど減ったおかげで完走・周回しやすい宅建テキストとなりました。

◆『みんほし』とは違い、各レッスン冒頭には3段階(高、中、低)の学習優先度があります。

また、本書は宅建試験範囲を全60レッスンに分割。1日2レッスンずつこなせば30日で一周できる計算にはなり、受験生が勉強スケジュールをたてやすい構成ではあります。

また、「このレッスンが終わったら「きほんの問題集」の問題○にチャレンジ!」と分野別問題集の該当番号が記載されています

宅建テキストと問題集のリンクは、たいていは問題集にテキストの該当箇所が掲載してあるだけのものが多いなか、テキストから分野別問題集へのリンクを備えているのは数少ないですこれは本書のメリットではありますが、このリンクは『トリセツ』と『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』にも備わっていますので大きな差別化とまでは言えません。

動画サポートは一切ありません

10月から学習したい受験生のうち、動画サポート不要で色使いも気にならない方は選択肢の一つに上がるでしょう、とだけお伝えしておきます。

※宅建初学者は最初の30日を権利関係に集中するためパーフェクト宅建士聞くだけ 権利関係(初回登録30日無料)と一緒に学習すると用語に慣れやすいです。

合格しようぜ!宅建士 基本テキスト2025年版(10月発売)

合格しようぜ!宅建士 基本テキスト

合格しようぜ!宅建士 基本テキスト

画像・内容は2025年版です。

  1. 条番号の有無:有り
  2. 権利関係302頁、宅建業法190頁、法令上の制限・地価公示・不動産鑑定評価・税・免除科目229頁:索引を除くテキスト部分合計721ページ(索引は2頁178項目)
  3. ページ配分:バランス型
  4. 読みやすさ:読みやすい
  5. 動画サービスの有無:有り

◆『合格しようぜ!宅建士 基本テキスト』(以下、『合格しようぜ』)は本文テキストに非明朝タイプのフォントを採用しています。

二色刷りです。文字の大きさ、字間、行間とも問題なく、テキスト自体はとても読みやすいです。

◆分冊なし、1冊丸ごと751ページの宅建テキスト。

ページ数が多く、厚くて重いです。

ページ数の多さは良く言えば丁寧さの裏返しなのですが・・・本書は正直言って冗長です。やたらと無駄に長いです。

冗長となっている大きな原因は、論点と関係あること関係ないことを織り交ぜながら「会話形式」で進行することにあります。

登場キャラは犬と猫とペンギンの三者。これら三者が会話しています。その合間に図表等で要点を示しています。

会話形式というのは一見わかりやすく感じるので表現手段として否定はしません。

しかしながら、本書は宅建テキストです。ただでさえ多岐に渡る論点があるというのに、会話形式で本文を進行させるとページ数をよけいに食います。

他にもページ数を食う理由があります。

次の画像は本書p.29です。一番下に「宅建業とは(2条)」という表があります。

画像はAmazonより

画像はAmazonより

管理人がこれまでレビューしてきた宅建テキストには1度記載された図表は再掲された例はありません。

ところが・・・次の画像をご覧下さい。

画像はAmazonより

画像はAmazonより

画像の下のほうにp.29に記載されていた「宅建業とは(2条)」の表が再掲されています。


会話の流れを止めないためとはいえ、一度掲示した表を再掲しています。こんな宅建テキスト初めて見ました。

他のテキストなら2ページ程度で終わる論点を『合格しようぜ』だと5ページも使うケースが多々みられます。

効率良く学習したい受験生にはたいへん不向きな宅建テキストです。

◆一方で、「効率とかあまり気にしない。むしろくだけた言い回しのテキストのほうが学習しやすい」という受験生には本書は合っているかもしれません。

必ず本書の内容を書店で確かめてから購入するかどうか検討してください。

◆無料特典は以下の3つ。

  1. 著者の大沢講師による音声講義(spotify及びYoutubeのPodcastで2024年10月16日より順次公開)
  2. 鳥海講師によるYoutube講義(2024年10月19日時点ではまだ1つだけ、これから順次公開予定)
  3. 全文電子版&Webアプリ(CLUB Impressへの会員登録が必要、メールアドレス・氏名・誕生月情報が必須のため、管理人はまだ登録していません)

法改正・統計情報もCLUB Impressに会員登録しないと入手できませんが、登録にはメールアドレス・氏名・生年月日の登録が必須。

個人情報の提供がイヤな方は別ルートから法改正・統計情報を入手しましょう(※正誤表は会員登録なしで提供しています)

※宅建初学者は最初の30日を権利関係に集中するためパーフェクト宅建士聞くだけ 権利関係(初回登録30日無料)と一緒に学習すると用語に慣れやすいです。

わかって合格る宅建士 基本テキスト 2025年度版(11月発売)

わかって合格る宅建士基本テキスト2025年版カバー表

わかって合格る宅建士基本テキスト2025年版カバー表

画像・内容を2025年版にアップデートしました。

  1. 条番号の有無:有り
  2. 権利関係270頁、宅建業法203頁、法令上の制限190頁、その他関連知識86頁、厳選過去問51頁:テキスト部分合計749ページ
  3. 動画サービスの有無:無し


『わかって合格うかる宅建士 基本テキスト』(以下、『わかうか』)は条番号ありテキスト。出版側は初学者向けに編集しているものの、情報量が多いため初学者には荷が重い宅建テキストです。

動画サービスは一切ありません。

◆『わかうか』はフルカラーの4分冊テキスト。

本文テキストは明朝系、それ以外は非明朝系のフォントを採用。

※2024年11月17日時点だと2025年版の画像はAmazon、TACともにまだないため画像は2024年版TAC立ち読みページより、2025年版との変更点は「能力 (2)の4行目の下線部の「無効」の下の本試験既出年のH24がなくなっていたことだけでした。なお2024年版のAmazonのサンプルページは著作権保護コンテンツとなっているため引用していません) 


◆昨年版で大幅リニューアルされ、「はじめて論点表」(各Chapterの冒頭1-2ページ)および(「基本的かつ必須の項目」(本書冒頭p.5)に「はじめてアイコン」が加わりました。

これらは初学者が「まずどこから勉強すればよいか」(本書冒頭p.5)を伝えるための施策です。

したがって、本書のターゲット層は宅建初学者に他なりません。

しかしながら、2つの理由から本書は宅建初学者向けとは言い難いです。

第一に、本書には条番号が書かれています。条番号があるだけ情報量が増え、学習に負荷がかかります。

第2に、本書は分量が多いです。テキスト部分だけで749ページと『トリセツ』548ページの1.37倍。完走しにくい宅建テキストです。

◆『わかうか』はもともとページ数多めの宅建テキストでしたが、昨年版のリニューアルによってさらにページ数が増えました。

例えば第1編(権利関係)Capter1のSection1「"契約"ってなんだろう〜契約の成立要件など〜」は、昨年版の内容に「申込みと承諾」「期間の計算」が加わり、3ページから5ページに増えました。

宅地造成等規制法は10ページから21ページ(盛土規制法)に増えました。

もちろん必要な情報を伝えるための増量は当然です。とくに盛土規制法は法改正の重要ポイントです。

しかしながら、こうした「情報の追加」が積もり積もった結果、テキスト部分が90ページほど多くなりました。

本書は一昨年版の時点でも初学者向けのスペックとは言えませんでしたが、2024年度版の「初学者向けリニューアル」施策と相まってますます初学者が完走しにくいテキストになっています。


◆一問一答が40肢収録されています。この数ではおまけ程度にしかなりませんが、そえでもないよりはマシです。巻末の「厳選過去問プレミアム」4肢択一式50問とともに、根拠を明らかにしながら正誤判定し、正解率100%になるまで仕上げましょう。


◆法改正・統計情報・正誤表に加え、「令和6年度本試験 補充論点」がTACサイバーブックストアから無料でダウンロードできます。テキストに記載されていますので必ず目を通し、データを入手しましょう。


◆なお本書は「直近6回分過去問網羅率100%」を謳っていますが、令和4年問3肢1で出題された「後見監督人」が記載されていません。

したがって、本書の「網羅率」は、あくまで「正解肢のみについての網羅率」であることは強調しておきます。

◆『わかうか』は初学者にはおすすめできないのですが、他の宅建テキストにはあまり見られない本書独自の長所があります。本文テキストに過去問出題年が表記されていることです。

過去問に出題された事項については、本文テキストに赤下線が引かれ、下線末端の下に「H○○、R○○」と書かれています。

本文テキストをぱっと見て、赤下線があるところ、しかも「H22・27・28」などと書かれていたら、そこが本試験での頻出箇所ということが一目でわかります。※本書で表示している出題年は令和5年までです。令和6年度本試験補充論点はWebダウンロードサービスとなります。

◆また、本書は『わかって合格うかる宅建士』シリーズの分野別4肢択一過去問題集、一問一答集、年度別過去問題集、厳選過去問8回模試と連携しています。4種の問題集全てと連携しているのは管理人が知る限りでは『わかうか』シリーズのみ。

わかって合格る宅建士基本テキスト2025年版カバー裏

わかって合格る宅建士基本テキスト2025年版カバー裏

 

動画サービスもなく、『トリセツ』、『神テキスト』、『ユーキャン』、『みんほし』より完走・周回しにくいけれど、条番号があって、他の初学者向けよりも詳しく書かれているテキストで11月中旬から学習したい方には唯一の選択肢となります。

※宅建初学者は最初の30日を権利関係に集中するためパーフェクト宅建士聞くだけ 権利関係(初回登録30日無料)と一緒に学習すると用語に慣れやすいです。

どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト 2025年度版(11月発売)

どこでも学ぶ宅建士基本テキスト

どこでも学ぶ宅建士基本テキストカバー表

 

画像・内容を2025年版にアップデートしました。

  1. 条番号の有無:無し
  2. 権利関係225頁、宅建業法163頁、法令上の制限136頁、税・鑑定39頁、5問免除科目44頁
  3. 読みやすさ:読みやすい
  4. 動画サービスの有無:無し


『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』(以下『どこでも』)は二色刷の1冊丸ごとテキスト(2023年版は3分冊でした)。

次の画像の通り、読みやすくデザインされています(画像はAmazonサンプルページより)

 

 

◆テキスト本文は明朝体ですが、それ以外の太字強調・図表などは非明朝タイプのフォントを採用。読みやすいです。

◆重要度ランクはS(特に重要)、A(重要)、B(できれば押さえておきたい)、C(余裕があったらチャレンジ)の4段階。直前期はSAを絶対押さえるなどメリハリの利いた学習に対応しています。

◆『わかうか』同様、出題年度を表記しています。本試験頻出箇所がわかるので、こちらもメリハリの利いた学習に寄与しています。

ただし、『わかうか』との違いが2点あります。

1つは、『わかうか』がテキスト文中に表示しているのに対し、『どこでも』で表示されているのは各項目の見出し。

もう1つは、『わかうか』がテキストで表示しているのは令和5年度本試験までなのに対し、『どこでも』は令和6年本試験までカバー

『わかうか』ほどピンポイントで出題年を表記してはいないものの、令和6年度までカバーしているのは大きなメリットです。

『どこでも』の最大の特長は説明が丁寧で指示が明確なことです。

日本学生支援機構の奨学金で問題になった連帯保証について、宅建テキストのほとんどが「債権者Aに対して主たる債務者Bのほかは連帯保証人C・連帯保証人D(もしくは連帯保証人E)」という例をあげるにとどまる中、本書には「債権者Aに対し主たる債務者B・連帯保証人C・連帯保証人D・保証人E」として保証人Eの保証債務は分別の利益があるため1/3になる、というように連帯保証人と保証人が混在する事例をあげて説明しています。

指示については、例えば国土法については欄外の『重要』に「宅建試験では出題可能性が低いので、まずは、(中略)事後届出制をキッチリ攻略しましょう」とあります。

また『ニャカ先生のひとことコメント』には「具体的な数字を覚えていなくても〜中略〜知っていれば解ける問題が多いから、数字を丸暗記する必要はないよ!」等のアドバイスが書かれています。インプットすべき事項とそうでない事項の取捨選択はとても大切ですのでしっかり目を通しておきましょう。

本書のそれぞれのアイコンには役割があります。学習していくうちに慣れますので、ポイントしっかりおさえるのに役立てましょう。

どこでも学ぶ宅建士基本テキストカバーそで

どこでも学ぶ宅建士基本テキストカバーそで

◆特典として本書全文のPDF無料ダウンロードサービスがあります。※2024年11月23日時点では利用不可でした。使い勝手は利用可能になってから追記します。

◆訂正・追録および法改正・統計情報は日建学院HPにて2025年8月末頃公開予定です。訂正事項は定期的にチェックしておきましょう。

◆本書は同シリーズの4肢択一分野別問題集『どこでも!学ぶ宅建士 テーマ別過去問題集 2025年版』と一問一答問題集『どこでも!学ぶ宅建士 チャレンジ一問一答 2025年版』と連携しています(連携の方向は問題集→テキスト)。

どこでも学ぶ宅建士基本テキストカバー裏

どこでも学ぶ宅建士基本テキストカバー裏

◆本書には動画サポートが一切ありません

それでも動画サポートは不要だが600ページ程度・条番号なし・本試験出題表示あり・丁寧なテキストが欲しいという受験生にはおすすめです

※宅建初学者は最初の30日を権利関係に集中するためパーフェクト宅建士聞くだけ 権利関係(初回登録30日無料)と一緒に学習すると用語に慣れやすいです。

スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト(11月発売)

スッキリわかる宅建士中村式戦略テキスト

スッキリわかる宅建士中村式戦略テキスト

2025年版の発売前のため、画像・内容は2023年版および2024年版のものとなります。

  1. 条番号の有無:無し
  2. 権利関係219頁、宅建業法158頁、法令上の制限・税・鑑定・5問免除科目213頁(2023年版データ)
  3. 読みやすさ:読みやすい
  4. 動画サービス:無し

『スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』(以下、『スッキリわかる』)は二色刷の分冊タイプ。

次の画像の通り、たいへん読みやすくデザインされています(画像はTAC出版サンプルページより)


非明朝タイプのユニバーサルデザインフォント系を採用。フォントは大きめ、色は二色刷のためたいへんすっきりしています。とても読みやすいです。

◆本書はテキスト+過去問という形式になっています。宅建業法、法令上の制限、権利関係前半、権利関係後半+税・その他に加え重要過去問スーパー解説の5分冊。


過去問重要過去問スーパー解説を除いたテキスト部分は753ページ。

ただしテキスト各項目には区切り毎の「まとめ」「確認テスト」「解答解説」が合計110ページなのでテキスト部分のみだと643ページとなります。

◆他の宅建テキストと大きく違うのは学習項目の順番。宅建業法→法令上の制限→権利関係の順番となっています。しかも権利関係が前半・後半で2分冊。

どちらも本書独自の仕様ですが、これが良いかどうかはなんとも言えません。

また本書には動物キャラクターが多数登場します。それぞれのキャラに名前が付いていて、中には宅建士や成年被後見人がいたりします・・・が、キャラクターが多すぎてむしろ邪魔になりかねません。テキストそのものは読みやすいだけにモヤモヤします。

◆本書単体ではちょっと・・・というテキストですが、『スッキリ解ける宅建士 論点別12年過去問題集』は分野別4肢択一問題677問を収録。市販宅建問題集では最多の問題です。

より多くの問題を解いておきたい受験生にとっては選択肢に上ります(が、分野別4肢択一問題集は後述する『出る順宅建士 ウォーク問過去問題集』をおすすめします)。

◆動画サポートは著者の中村講師によるYoutubeチャンネルです。

www.youtube.com


ただし、目次の順に従って動画を配信しているわけではなく、「わかりにくい箇所や試験に出る重要論点」Amazonの紹介文より)に絞っているとのこと。

2024年度版については宅建業法17動画、法令上の制限7動画、権利関係7動画がバラバラに並んでいます(2024年9月3日時点)。

これだけでは少ないので2023年度以前の動画を見る必要があるかもしれませんが、順序立てて並んでいないためどれを視聴したら良いのかわかりません。

このため、動画サポートは『トリセツ』、『出るとこ』、『神問題集』より質・量とも劣ると指摘せざるを得ません。ランキングでの動画評価は△としました。

それでも動画サポートはあるにこしたことはありません。

読みやすく動画サポートあり宅建テキスト及び最多問題数収録分野別問題集で学習したい受験生には向いているでしょう。

※宅建初学者は最初の30日を権利関係に集中するためパーフェクト宅建士聞くだけ 権利関係(初回登録30日無料)と一緒に学習すると用語に慣れやすいです。

必勝合格 宅建士テキスト(11月発売)

必勝合格 宅建士テキスト

必勝合格 宅建士テキスト

※2023年版のレビューとなります。

  1. 条番号の有無:有り
  2. ページ数(索引含まず):権利関係308頁、宅建業法178頁、法令上の制限157頁、税・その他113頁:テキスト部分合計756ページ
  3. ページ配分:バランス型
  4. 読みやすい
  5. 動画サービスの有無:有り ※応募者にDVD郵送

 

◆総合資格学院『必勝合格 宅建士テキスト』(以下『必勝合格』)は二色刷の1冊丸ごとタイプです。

本文テキストは明朝タイプ、図表・強調箇所・欄外は非明朝タイプのユニバーサルデザインフォント系を採用しています。

字間・行間は詰まっていないので読みやすさは損なわれてはいませんが、全体としてフォントがやや小さめです。特に欄外の文字はかなり小さいです。

◆分冊なし、1冊丸ごと769ページの宅建テキストです(※令和6年版は819頁)。はじめに、目次、索引等を除いたテキスト本文は756ページ。

ページ数多め、条番号あり宅建テキストです。

◆ページ数が多いのは「重要ポイント」ひとつひとつについて条文ベースのまとめ及びその解説を掲載しているためです。

各単元の冒頭にはその単元で扱う項目の「重要ポイント」を集約。

画像は総合資格学院出版サイトより

 

次いで「重要ポイント」各項目の中心論点を枠で囲んだ「条文・原則」で提示。必要に応じて図表とともに解説を加えています。

画像は総合資格学院出版サイトより

「条文・原則」の中にはほぼ条文そのものが書かれていることもありますが、たいていは条文・判例に基づきつつも読みやすくアレンジしています。

◆欄外には用語解説、「講師からのアドバイス」、そして本試験出題履歴を記載。出題履歴の多寡によって出題頻度が視覚的にわかります。


◆重要度表記は各単元毎ではなく各項目毎に記載。

例えば国土利用計画法だと
<事後届出制>
・土地取引の事後届出←重要度A
・届出の対象となる土地取引の面積(面積要件)←重要度A

<注視区域に置ける事前届出制>
・土地取引の事前届出←重要度C
・注視区域←重要度C

<勧告>
・事後届出制の場合←重要度A
・事前届出制の場合←重要度C

となっています。本書の重要度表記は一般的な宅建テキスト・参考書よりきめ細かいです。

◆本書は条文・判例をベースとした条番号あり宅建テキスト・参考書です。

ただ・・・初めて宅建を学習する方が講義もなくいきなり本書で学習するのは厳しいかな、というのが第一印象です。

むしろ、条文ベース・丁寧な重要度表記・出題頻度がすぐわかること等の本書の特長から、ある程度学習が進んだ宅建初学者が参考書として用いるには適していると判断しました。

◆本書のネットサービスは法改正・追録・正誤情報(最新情報がある場合のみ)。定期的に出版社サイトをチェックしましょう。

◆特典は応募者対象となり、以下の4つが郵送されるとのことです。
・講義DVD「重要ポイント解説」
・無料模試体験版
・「宅建士模試」受験料20%オフ
・最新法改正資料

個人情報を提供したくない場合は応募しなくても良いでしょう。講義動画や法改正情報は他のテキストでも入手できますので。

注:本書及び出版社サイトを見た限り統計情報の提供はありません。税・その他の最後のページは統計ですが最新情報は掲載されていません。必ず各自で統計情報を入手してください。

○出る順宅建士 合格テキスト(12月発売)

出る順宅建士合格テキスト

出る順宅建士合格テキスト

2025年版の発売前のため、画像・内容は2023年版および2024年版のものとなります。

  1. 条番号の有無:有り
  2. 権利関係430頁、宅建業法303頁、法令上の制限・税・その他473頁(2024年版データ)
  3. 読みやすさ:読みやすい
  4. 動画サービス:無し

『出る順宅建士 合格テキスト』(以下、『出る順』)は二色刷の3冊シリーズ。

 

このテキストは次の3冊から成っています。

  1. 権利関係(430頁)
  2. 宅建業法(303頁)
  3. 法令上の制限・税・その他(473頁)
    ※ページ数はいずれもテキスト部分のみ(巻頭の「はしがき」、「本書の使い方」および巻末索引は含まず)。

総ページ数は1206ページにもなります。

 

ブログ管理人が知る限り、市販の宅建テキストでは最大の分量を誇ります。

本書は3冊とも条文番号のみならず、条文・判例まで記載しています。また、宅建試験にはあまり出題されない論点も収録しています。

このため質・量ともボリュームともたいへん多く、宅建初学者にはまったくおすすめできません。ヘタしたら試験までに3冊とも完走できないかもしれません。

ただし、、宅建業・不動産業に従事している方で5問免除の宅建登録講習をLEC 東京リーガルマインドで受講する方は本書と同一内容の教材を使用。内容はお墨付きです。

宅建既学者、不動産業に従事されている方、条文についても学習したい宅建受験生、そして宅建はもちろんさらに上位の法律系資格を目指す上級者にはおすすめです(この条件付きのためおすすめ度は○となっています)。

※初学者が本書を利用するとすれば、「600ページ程度の宅建テキストに載っていないこと」を調べるための「辞書」に限定して下さい。メインテキストに選んだらまず間違いなく消化不良を起こします。

史上最強の宅建士テキスト(12月発売)

史上最強の宅建士テキスト

史上最強の宅建士テキスト

2025年版の発売前のため、画像・内容は2023年版・2024年版のものとなります。

  1. 条番号の有無:無し
  2. 権利関係218頁、宅建業法147頁、法令上の制限・税・その他250頁、実力判定過去問SELECT50 55頁:テキスト部分合計615ページ
  3. ページ配分:バランス型
  4. 読みやすい
  5. 動画サービスの有無:無し

◆『史上最強の宅建士テキスト』(以下『史上最強』)はフルカラーの1冊丸ごとタイプです。

次の画像の通り読みやすいですAmazonのサンプルページより)

 

本文テキストは明朝系、それ以外は非明朝タイプのユニバーサルデザインフォント系(表中の手書き風フォントを除く)となっています。


フルカラー印刷です。


重要項目は黒太字、赤太字、黒太字+黄色強調等で印刷されていて、それぞれが何を指すのかについても冒頭で説明されています。

赤字・赤下線等は赤シートに対応しています。赤シートも付属しています。

テキスト本文に読みにくさは感じませんが、欄外に頻出する「白抜き文字を緑背景で囲んだ部分」は小さい上に手書き風フォントのため、やや見にくいです。


◆本書テキスト部分の赤の下線部は「宅建試験に確実に合格するための情報」、画像にはありませんが「民法改正に関する出題予想は緑線」で示しており、「本書の赤線と緑線の約75% を覚えれば確実に合格できる」とのことです。

とはいえ、これら以外にもマスターすべきことはたくさんありますので、赤線・緑線の周辺知識及び欄外の知識もしっかり学習しましょう。

◆本書のアピールポイントはカバー率。

本書によるとカバー率とは「試験の単語や問題など、その本でどの程度カバー(正解・的中)しているかという割合のことで、単語集や問題集の信頼性を表す指標の1つ」とのことです。

ただし、これは誤解されやすい指標です。

受験生からすれば「カバー率97.3%」だったら「宅建試験50問200肢の97.3%すなわち194〜196肢」を正解・的中するものと解釈しがちです(管理人も「そりゃすごいよね」と思ったほどです)

しかしながら、実際のところカバーしているのは正解肢の正誤判定のみと思われます(※本書に明記されていないため推定にしてあります)

そこで、本試験問題で検証してみました。

令和4年度問3肢1「成年後見人は、後見監督人がいる場合には、後見監督人の同意を得なければ、成年被後見人の法律行為を取り消すことができない」についてです。

この肢の正誤を判断するには後見監督人(この場合は成年後見監督人)の同意が必要な成年後見人の行為に関する知識が必要です。

が、本書の成年被後見人の項にはそもそも「成年後見監督人」の記載そのものがなく、令和4年度問3肢1についての正誤判定はできませんでした。少なくとも同肢について本書はカバーしていない、ということになります(なお、本書には未成年後見監督人の記載はあります。でも未成年後見監督人と成年後見監督人はまったく違います)

ちなみに令和4年度問3の正解肢は肢4ですが、これについては制限行為能力者の章の未成年者の項に記載してあることで正誤判定できます。

したがって、本書の「カバー率」はあくまで正解肢のみについてのものと思われます。このことは頭に入れておいたほうが良いでしょう。

もっとも、本試験ではテキスト・参考書がカバーしていないことが毎年必ず出題されます。

そもそも全ての肢についてまでカバーしている宅建テキスト・参考書は存在しないのです。

重要なのは宅建本試験に繰り返し出題される重要論点・頻出論点をしっかり学習することです。まずは本書の赤線及び周辺知識をしっかり身につけましょう。

◆実は管理人が重視する本書のアピールポイントはカバー率ではありません。

本書は収録している一問一答が非常に多いのです。

本書各章末には「過去問で集中講義」と題した過去問ベースの一問一答が7〜18肢が載っています。

各分野の収録一問一答の肢数は次の通り

  • 宅建業法:148肢
  • 権利関係:176肢
  • 法令上の制限:206肢
  • 税・その他:106肢

合計なんと636肢も収録、これは下手な一問一答問題集を優に超える問題量です。

本書1冊さえあれば基礎固め用一問一答問題集は(アプリ付帯や10月発売などのメリットがない限り)不要です。

ちなみに本書のシリーズには『史上最強の宅建士問題集』があるのですが、こちらは一問一答問題集。2023年版で1473肢を収録しています。

ただ、1473肢というのは基礎固め用としては逆に収録問題数が多くて繰り返し周回するには不向き。

むしろ『史上最強テキスト』の一問一答を、テキスト本文とともに何周も繰り返すほうが良いでしょう。

◆本書で気になることが1点あります。

宅建試験には例年繰り返し出題されたり10年で8回出題されたりする重要論点・頻出論点があります。

このため、多くの宅建テキスト・参考書では論点に重要度ランクを設けています。学習にメリハリを付けるためです。

宅建学習では例年繰り返し出題されるAランク問題から学習し、数年に1度程度しか出題されないCランク問題にはあまり注力しないのが定石です。

ですが、本書にはその指標となる重要度ランクがありません。どの論点が重要でどの論点が重要じゃないのかについて本書では判断できません。

これは大きなデメリットと指摘せざるを得ません。

◆正誤表、法改正・統計情報は出版社(ナツメ社)HPから提供されます。例年きちんと提供されていますので、本書を購入したら2週間に1度程度は必ずチェックしましょう。

◆動画サービス、アプリ提供は無し、Kindle版もありません。デジタル化は遅れています。

◆とはいえ、フルカラーの1冊まるごとタイプ、条番号なし、分野毎のページ数もバランスがとれていて読みやすく、テキスト部分600ページちょっと。完走・周回しやすい宅建テキストに分類されます。

しかも一問一答問題を600肢以上も収録。

正誤表、法改正・統計情報の提供もぬかりありません。

『史上最強の宅建士テキスト』は、動画・アプリ・Kindle等のデジタル教材が一切不要な宅建初学者がテキスト+一問一答問題集による基礎固めをこれ1冊でカバーできる宅建テキスト・参考書である、と判断しました。

ただし、本書には各論点の重要度表記がありません。どの論点が宅建試験で重要・頻出なのかについては別途確認しておく必要があります。

また、一問一答を解いていてより詳しい解説および解説に図表等が必要な場合は、別の一問一答問題集を用意しましょう。

×らくらく宅建塾(12月発売)

らくらく宅建塾

らくらく宅建塾

2025年版の発売前のため、画像・内容は2023年版および2024年版のものとなります。

  1. 条番号の有無:有り
  2. 権利関係268頁、宅建業法124頁、法令上の制限90ページ、その他の分野43頁(2023年版データ)
  3. 読みやすさ:読みやすい
  4. 動画サービスの有無:無し


『らくらく宅建塾』(以下『らくらく』)は条番号あり宅建テキスト。2024年版からフルカラーとなりました。でも中身はほぼほぼ変わっていませんでした。

テキスト本文は明朝体ですが、それ以外の太字強調・図表などのフォントには非明朝タイプのユニバーサルデザインフォント系を採用。文字そのものは読みやすいです。

ただ、表は1)すべてユニバーサルデザインフォント系のもの(「キーポイント」「ココが出る!」など)と2)明朝系フォントとユニバーサルデザインフォント系が混在するものが混在。しかも2)の背景カラーはピンクだったりブルーだったりします。

以前の二色刷のほうが書き込みしやすかったですし、むしろカラー化しなかったほうが良かったかもしれません。

◆『らくらく宅建塾』の大きな特徴のひとつが語呂合わせを多用していること

「しのごの言わずに建替えろ!」は区分所有法62条「集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。」についてのものです。

これだけで区分所有建物の建替えには区分所有者及び議決権の各5分の4(しのご)の賛成が必要、ということに結びつけられます。

このような30秒以内でらくらく覚えられ、宅建試験まではもちろん、試験が終わっても記憶に残る語呂合わせは大歓迎です。

◆一方、本書の語呂合わせのなかにはなかなか覚えられない語呂合わせがいくつもあります。例えば本書の35条、37条、建築確認についての語呂合わせは長過ぎてとても覚えにくいです。

覚えることに四苦八苦させられ、しかもすぐ忘れてしまうような語呂合わせに時間をかける余裕はありません。

中には自分で語呂合わせを作り出す受験生もいるのではないでしょうか?そんなことはしないようくれぐれもご注意ください。

宅建試験の範囲はとても広いです。覚えることがたくさんあります。もちろん語呂合わせも活用すべきですが、きちんと理解してしっかり覚えたほうが得点しやすい論点(宅建業法35条、37条)もあります。語呂合わせを多用するのはいかがなものかと思います。

◆また、本書には権利関係の「相隣関係」の記述がありません。

相隣関係は令和5年度問2で出題されました。法改正もあって出題が予想されていたにもかかわらず、です。管理人がこれまで購入したテキストで相隣関係(それと連帯債務の「混同」)の記述がないテキストは本書のみ。そういう方針と言われればそれまでですが、それなら相隣関係(混同も)が記述されているテキストでの学習をおすすめします。

誤植も多いです。

各当記事で紹介している宅建テキスト15冊(『出る順宅建士 合格テキスト』3冊含む)における2024年版の正誤表を確認したところ、訂正無しが7冊、訂正1箇所が1冊、訂正3箇所が4冊、訂正箇所4箇所が1冊、訂正7箇所が1冊、訂正11箇所が1冊。『らくらく』は訂正11箇所とワーストでした。

法改正・統計情報の提供がありません。

本書の宅建業法重要事項説明の項目を確認したところ、建物状況調査(インスペクション)は法改正に対応していませんでした。

このような法改正については追録で提供する旨を記載しているにもかかわらず、2024年10月2日時点になっても追録に記載されているのは正誤表のみ。

法改正・統計情報をシリーズ本から入手するには直前予想模試『ズバ予想宅建塾 直前模試編』を買うしかありません。

一方、『ズバ予想宅建塾 直前模試編』を購入しない方は自力で法改正・統計情報を入手しなければならず、たいへん不親切です。


◆動画サポートは一切ありません。アプリもなし。

◆『らくらく』は老舗宅建テキスト。平積みしている書店をよくみかけます。本書で合格したという方も少なくないでしょう。管理人自身も宅建受験1年目に本書を使いました(近年では最も難しかった平成27年度試験の合格点31点に2点足りず・・・当時は綴じ込みハガキを送ると法改正・統計情報を無償で郵送してくれたんですけどね)

しかしながら、相隣関係(及び混同)の記述なし、誤植も多い、法改正・統計情報の提供もないのでは初学者向け宅建テキストとしておすすめする理由がありません。もちろん既学者におすすめできるはずもありません。

2025年版以降での改善を強く望みます。

◎宅建士出るとこ集中プログラム(2月発売)

宅建士出るとこ集中プログラム

宅建士出るとこ集中プログラム

2025年版の発売前のため、画像・内容は2024年版のものとなります。

  1. 条番号の有無:無し
  2. 権利関係129頁、宅建業法89頁、法令上の制限、税・価格評定、5問免除116頁(2024年版データ)
  3. ページ配分:バランス型
  4. 読みやすさ:読みやすい
  5. 動画サービスの有無:有り

◆『宅建士 出るとこ集中プログラム』(以下、『出るとこ』)の特長は以下の3点。

  1. 読みやすくデザインされている。
  2. 内容を本試験で8割以上得点できるよう「出るとこだけに」絞り込み。「索引付きで350ページ以内」に編集。とても完走しやすい。反復学習に適している。
  3. テキストベースのYoutube動画を配信。

◆『出るとこ』は二色刷の1冊丸ごとテキスト。

次の画像の通り、読みやすくデザインされています(画像はAmazonサンプルページより)

◆テキスト本文は明朝体ですが、それ以外の太字強調・図表などのフォントには非明朝タイプのユニバーサルデザインフォント系を採用。読みやすいです。

強調色や見出しには青色を用いています。青色には集中しやすい効果があると言われています。全体的に落ち着いた雰囲気の宅建テキストとなっています。

◆本書の「はじめに」iページには「宅建試験の超重要論点をコンパクトにまとめ、本試験で8割以上得点できるよう内容を構成しました。過去問を詳細に分析し、出るとこだけに絞りました。」とあります。

実際、本書は『トリセツ』以上に内容を絞った構成となっています。

内容を絞りに絞ったことにより、本書のボリュームはわずか342ページ(索引含む)。

現時点で最も完走しやすく最も周回しやすい宅建テキストです。

◆『トリセツ』のような完全準拠の動画は用意されていませんが、著者の吉野先生ご自身のYoutubeチャンネルにて本書ベースのは無料動画「重要論点まるかじり」シリーズを配信。合計57動画(717分51秒)が初めての宅建学習をサポートします注:動画データは2024年版です。

吉野塾の「2024年版重要論点まるかじり」シリーズ・権利関係第1回のリンクを埋め込んでおきます。参考になさってください。

www.youtube.com


テキストを1回読んだら該当項目の動画を視聴し、再度テキストに戻って本書を再読してから一問一答を解くと良いでしょう。

一問一答問題261問を収録。単に○×判定するのではなく、根拠を明確にしながら正誤判定することを心がけてください。100%正解できるまで何度も繰り返し解きましょう。

◆本書でひとつ気になるのは各論点に重要度ランクがないこと。ただし、各セクションの「学習のポイント」にどの論点で何に気をつけて学習すべきか指示があります。

指示は「しっかり理解しましょう!」、「任意代理が試験の出題の中心です」、「条件・起源は、出題頻度はあまり高くないため、深追いしないようにしましょう」、「細かい処分内容や罰則にとらわれないことが大切です」など。重要度ランクこそありませんが、重点的に学習するところとそうじゃないところのメリハリをつけられるよう配慮されています。

◆『出るとこ』のデメリットは発売が2月と他のテキストより遅いことです。その分、当該年度の試験情報も盛り込んで編集されているのはメリットと言えます。

とはいえ、早期から学習したい受験生にとって出版時期の遅さはどうしてもマイナス要素にならざるをえません。

早々に学習を始めたい方は2024年版を購入して法改正情報を逐次追記したり、新たに収録される吉野塾2025年版動画講義を視聴して補うと良いでしょう。もちろん他の宅建テキストを選択しても良いです。

※2025年版が予約可になり次第、リンクをアップデートします。それまでは2024年版へのリンクとなります。2025年版へのリンクではありませんので、購入にあたってはくれぐれもご注意ください。※ちなみに表紙の色はX(旧ツイッター)のアンケートで決定しています。

◎どこでも宅建士 とらの巻(5月発売)

どこでも宅建士とらの巻

 

2025年版の発売前のため、画像・内容は2024年版のものとなります。

  1. 条番号の有無:無し
  2. 権利関係167頁、宅建業法143頁、法令上の制限101頁、税・価格の評定34頁、5問免除対象科目22頁:テキスト部分合計467頁、他に別冊付録「とらの子」31頁(2024年版データ)
  3. ページ配分:バランス型
  4. 読みやすさ:読みやすい
  5. 動画サービスの有無:無し


LEC『どこでも宅建士 とらの巻』(以下『とらの巻』)は条番号なし、分冊なしの一冊丸ごとテキストです。

読みやすくデザインされています。フォント、色使いはともに『出る順宅建士 合格テキスト』と共通。『出る順』から条番号、条文等を消去してコンパクトにまとめたテキストという印象です(画像はhttps://online.lec-jp.com/images/goods/pdf/TD04810_t.pdfより)


おすすめポイントは次の3つです。

  1. 法改正情報が網羅されている。
  2. 内容が『トリセツ』以上に絞り込まれている。直前期学習に向いている。
  3. LEC『出る順宅建士 ウォーク問過去問題集』へのリンクを記載。

 

法改正情報については、次の図の通り(画像はhttps://online.lec-jp.com/images/goods/pdf/TD04810_t.pdfより)


『とらの巻』は例年5月下旬発売と市販テキストでは発売日がもっとも遅いですが、その分、テキストには最新改正点のみならず過年度改正点にもマークが施されています。

しかもインデックスまでマークされているので、背表紙から改正点にアクセスできるよう配慮されています。

このように『とらの巻』は法改正点が網羅されていることが最大のメリット。

宅建試験の大きな特長のひとつは「法改正点が出題されやすいこと」です。どこが法改正点なのかを把握することは必須となっています。

やみくもにテキストを増やすことには反対ですが、法改正点を詳細にチェックしておきたい場合、あるいは6月から宅建学習を始める場合は『とらの巻』一択となります。

6月以降から学習を始める場合、残り時間はかなり少ないです。

7月下旬までに『とらの巻』と『一問一答問題集』を最低3周したら本書とリンクしている『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』で過去問習熟に移行すると良いでしょう。ただし1日3〜4時間程度の学習時間は必要です。


◆『とらの巻』には直前暗記集『どこでも宅建士 とらの子』が付録についています。これは直前期に基礎事項を確認するのにものすごく便利です。どこでも持ち歩き、ボロボロになるまで使い倒しましょう。

◆条文なし宅建テキスト1冊と一問一答問題集(もしくは『神問題集』)を使い倒して5月まで学習したら、6月から『とらの巻』+『出る順宅建士 ウォーク問過去問』で4肢択一問題の習熟に移行すると良いでしょう。『とらの巻』には『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』の該当ページが記載されています。

『とらの巻』は467ページと非常にコンパクトです(メモ、索引除く)。ただし『トリセツ』と違って余白は少なく、ページ内は字が詰まっています。

その分、説明は『トリセツ』よりも丁寧です。

『トリセツ』等の宅建テキストで学習し、なお余裕がある場合は『とらの巻』知識の再確認および補強すると良いでしょう。

テキスト・問題集の範囲外は気にしない!

注:テキスト・過去問の範囲外のことは気にしないよう心掛けて下さい!

宅建試験では毎年必ずテキストに載っていないことが出題されます。良いテキストと問題集を使ってしっかり勉強してきた受験生さえ知らない論点は正解率が著しく低いです。合否に影響しません。

『出るとこ』著者の吉野先生はこうポストしています。

 

これは直前期に限ったことではありません。「テキストや問題集の内容を飛び越えない」ことはとても大切です。

宅建試験にはどのテキストにもどの問題集にも書かれていないことが毎年必ず出題されます。それらへの対応は考えなくていいです。

また、むやみに教材を増やさないこともとても大切です。増やすとすれば『とらの巻』と予想問題集1〜2冊程度、隙間時間用教材に留めておきましょう。

入門書・まとめ集は原則不要

◆『みんなが欲しかった!宅建士合格へのはじめの一歩』や『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』といった300ページ以内の薄めのものは、収録している論点をとても少なくして読みやすく編集し、宅建試験のあらましを短期間でつかむことを目的としています。これらは「入門書」に分類されます。

また、『宅建士 出るとこ予想  合格(うか)るチェックシート』や『どこでも!学ぶ宅建士 法改正対応 出るとこポイント超整理』など要点整理に特化したものは「まとめ集」となります。

入門書は収録論点が少なく、まとめ集は説明が足りません。どちらもメイン教材にはなりませんので入門書・まとめ集は原則として不要です。

◆同様に宅建マンガも原則不要です。

ただし、宅建マンガは学習が進んでから読むと効果を発揮します。

宅建マンガについての情報及び効果的な使い方については宅建マンガ6選についてまとめた記事ご参照ください。

本試験までの学習スケジュール・問題集選びのアドバイス

◆宅建試験合格には頻出論点をしっかり学習し、易問・標準問・やや難問の正解率を100%にまで上げることが宅建合格への何よりの近道です。

そのための宅建テキスト・問題集の組み合わせとスケジュールをかんたんに提案しておきます。


<初学者向け問題集の選び方>

◆テキストを決めたら、次は基礎固め用問題集を1冊決めましょう。

宅建問題集は次の4種があります。

  • 過去に出題された4肢択一問題を分野別・項目別に配置した「分野別4肢択一問題集」
  • 4肢択一問題をばらして1肢ずつにし、分野別・項目別に配置した「一問一答問題集」
  • 各年度に出題された問1〜問50(実際は統計を除く49問)を10〜12年分収録した「年度別過去問題集」
  • 各出版社が独自に問題を予想し、4肢択一問題を問1〜問50の本試験形式で配置した「予想問題集」

 

このうち、基礎固めに最も適しているのは一問一答問題集です。

宅建試験は4肢択一問題が50問出題されます。中には「正解の肢はいくつあるか」という個数問題も含まれます。

個数問題は、選択肢のどれが正しくてどれが誤っているのかを全ての肢について答える必要があります。

4肢択一問題集を使って4肢全てについて根拠をもって正誤判定できれば良いのですが、初学者の中には4肢択一問題の正解肢だけ(中には正解肢の番号だけ)を覚えてしまう傾向が見受けられます

でも正解肢だけを覚えたところで実力はぜんぜん上がりません。

4肢択一だと「どれが正解肢なのかを当てる」ことで満足してしまうおそれがあります。

大切なのは、肢ひとつずつについてその問題がなぜ○なのか、なぜ×なのか根拠を明確にしながら正誤判定できるまで繰り返すこと

この訓練には4肢択一問題集より一問一答問題集が適しています。まずは一問一答問題集を1冊だけ選びましょう。

◆一問一答問題集は収録問題が少ないと演習量が足りず、多すぎると周回しにくいです。

一問一答問題集は750〜900肢以内のものが良いでしょう。

1日25〜30肢程度をノルマにすれば1ヶ月で完走できるからです。

あまり時間が取れない方でも1日15肢をノルマにすれば2ヶ月以内に完走できます。

なんとなく○、なんとなく×、答えを見たら○だった×だった、などというレベルで問題を解くのではなく、「正解の問題はここをこう変えれば不正解になる」、「不正解の問題はここをこう変えれば正解になる」というレベルまで知識を高め、6月からの分野別4肢択一問題集(『出る順宅建士 ウォーク問過去問』)習熟に備えてしっかり学習しましょう。

◆750〜900肢収録の一問一答問題集は以下の4冊。

  • 『みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集』(2023年版は851肢収録、ランク記載は基本レベルと応用レベルのみで応用レベルは5.6%)、2024年版は2023年10月16日発売
  • 『合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集』(2024年版は800肢収録、ランク記載は★★★、★★、★の3ランク、うち★★★ランク92.6%)、2024年版は2023年10月16日発売、2025年版は2024年10月18日発売予定
  • 『ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集』(2023年版は800肢収録、ランク記載は★★★、★★、★の3ランク、うち★★★ランク67.9%)、2024年版は2024年2月2日発売
  • 『どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!一問一答』(2023年版は833肢収録、ランク記載はS、A、B、Cの4ランク、うちSAランク86.5%)、2024年版は2024年3月5日発売


基礎固め用に適する条件は、何より発売日が早いこと、出題ランクがしっかりしていること最頻出ランクを多く収録していることです。

『みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集』は発売日こそ早いけれどランク分けが基本レベルと応用レレベルの2つしかなく、しかもレベル分けの説明がありません。除外です。

したがって残り3冊から選ぶことになりますが、『ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集』は★★★ランクが67.9%と少ないため基礎固めにはやや不向き。発売日も遅いです。

『どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!一問一答』はSAランクが86.5%と高い割合ではあるものの発売日がさらに遅く、問題文にアンダーラインが引かれていたりアイコンが付されていたりと修飾されています。これらの修飾は問題を解くときに邪魔です。

したがって一問一答問題集は★★★ランクが92.6%と最も高く、発売日は10月、さらにスマホアプリが付帯し、問題文にはアンダーライン等の修飾が一切ない『合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集』一択となります。

宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集

宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集

 

※『神テキスト』を選んだ方は『神テキスト』の一問一答と『神問題集』の一問一答で学習すると良いです。こちらは1日25肢、2ヶ月での完走を目標にしてください。

※※テキスト・一問一答問題集での学習は、一問一答問題集の正解率が100%になるまで何度も何度も繰り返しましょう。


※※※本試験で30点以上取れている既学者はウォーク問での習熟に備えて、これまで使ってきた問題集を復習し、AB問題の正解率を100%にしておきましょう。

テキスト・一問一答問題集での基礎固めを終えたら分野別4肢択一問題集による過去問の習熟に移行します。

分野別4肢択一問題集は『出る順宅建士 ウォーク問過去問題集』(以下、『ウォーク問』)を用います。

出る順宅建士ウォーク問過去問題集

出る順宅建士ウォーク問過去問題集

『ウォーク問』の特長は収録問題の多さのみならず、LECが長年蓄積している各問の正解率データ(受験者正解率、合格者正解率、不合格者正解率)を各問に記載していることです。

すでにお伝えしたとおり、宅建試験は受験者正解率データを意識した学習がとても大切です。

受験者正解率データを意識した学習の実践には正解率データが記載されている問題集での学習が必須。現時点でベストの分野別4肢択一問題集が『ウォーク問』なのです。

◆『ウォーク問』は①権利関係、②宅建業法、③法令上の制限・税・その他の3巻合計で550問収録。

問題のランク分けは次の4段階。

  • 特Aランク:最も重要な問題
  • Aランク:かなり重要な問題
  • Bランク:まあまあ重要な問題
  • Cランク:参考程度の問題

◆各巻の収録問題数です。※2023年版データとなりますが、メジャーリニューアルがない限り傾向は概ね変わりません。
①権利関係:169問(重要問題は特A・A・Bランク150問
②宅建業法:180問(95.6%が特Aランク・Aランク問題、Cランク問題なし、したがって180問全てが合否に関わる重要問題
③法令上の制限・税・その他201問(重要問題は特A・A・Bランクの192問

◆本書の問題文ページの下には3回分のチェック欄があります。3回と言わず、6回、7回、それ以上周回し、すべての肢について正解率100%になるまで仕上げましょう。

 

※『神テキスト』を選んだ方は『神問題集』の4肢択一を動画を見ながら習熟しましょう。

※『トリセツ』を選んだ方は『トリセツ』4肢択一分野別過去問題集も選択肢に入ります。というのは『トリセツ』分野別過去問題集は2025年版で400問に増量したからです(収録350問+令和6年度本試験問題50問)。

『ウォーク問』は解説に図表がほとんどないため、基礎固めがしっかりしていない受験生には不向きという欠点があります。一方、『トリセツ』分野別過去問題集は図表の解説に加え、2025年版では全ての肢についてまで『トリセツ』テキストへのリンクが施されるなどリニューアルが充実し、より習熟しやすくなりました。

学習時間を捻出しにくい受験生は『トリセツ』分野別過去問題集のほうが良いかもしれません。

 



<学習スケジュール:2025年度テキスト購入まで>

まずは30日間で権利関係を一通り終えましょう。

権利関係は宅建初学者が一番苦手とし、最も挫折しやすい分野です。

学習するのに時間がかかる論点でもあります。

30日間を乗り切るため、テキストとの併用をおすすめするのが『パーフェクト宅建士聞くだけ』です。

権利関係には制限行為能力者、善意、悪意、心裡留保、錯誤といった用語が当たり前のように飛び交います。耳で慣れておきましょう。

 

<2025年度テキスト発売〜2025年5月>

『パーフェクト宅建士 聞くだけ』を初回登録して無料で聴けるようにしたらテキストと一問一答問題集を購入します。

おすすめの組み合わせは次の4つです。

  1. 『トリセツ基本テキスト』と『トリセツ一問一答』
  2. 『神テキスト』と『神問題集』
  3. 『宅建士出るとこ集中プログラム』と『トリセツ一問一答』
  4. 『宅建士出るとこ集中プログラム』と『神問題集』

まずは30日間で権利関係を完走、次の1ヶ月で宅建業法と法令上の制限その他を完走することが目標です。


1.『トリセツ基本テキスト』と『トリセツ一問一答』

1論点について

・『パーフェクト宅建士 聞くだけ』を聞く
・テキストを読む
・動画を視聴する
・該当する論点の一問一答(テキストの一問一答を解いたら問題集の一問一答を)を解く。解く際は根拠を明らかにしながら問題を正誤判定することを必ず心掛ける。わからなかったら解説を読む。解いた問題は問題文のチェックボックスの下に日付を書き、正解できたら日付を丸で囲む。不正解は日付のみ。
・テキストに戻って再読する

『トリセツ基本テキスト』の論点は44。そのうち権利関係は17コース57ポイントです。


権利関係は最低でも1日2ポイントはこなし、30日間で終えましょう。

宅建業法と法令上の制限・その他は27コースなので、1日1コースがんばりましょう!

2.『神テキスト』と『神問題集』

1論点について

・テキストを読む
・該当する論点の一問一答(テキストの一問一答を解いたら問題集の一問一答を)を解く。解く際は根拠を明らかにしながら問題を正誤判定することを必ず心掛ける。わからなかったら解説を読む。解いた問題は、テキストならQ1、問題集なら(1)の左隣)に日付を書き、正解できたら日付を丸で囲む。不正解は日付のみ。
・テキストに戻って再読する

なお、『神問題集』の動画はテキスト+一問一答での基礎固めを終えてからのほうが良いです。

『神テキスト』の論点は63ありますので、1ヶ月で終えるための目標は1日2〜3論点、2ヶ月なら1〜2論点です。最低でも1日1論点はがんばりましょう!

3.『宅建士出るとこ集中プログラム』と『トリセツ一問一答』

1論点について

・テキストを読む
・Youtube宅建吉野塾:重要論点まるかじりを視聴する
・該当する論点の一問一答(テキストの一問一答を解いてから問題集の一問一答)を解く。解く際は根拠を明らかにしながら問題を正誤判定することを必ず心掛ける。わからなかったら解説を読む。解いた問題は、テキストならQ1、問題集なら(1)の左隣)に日付を書き、正解できたら日付を丸で囲む。不正解は日付のみ。
・テキストに戻って再読する

『出るとこ集中プログラム』の論点は65ありますので、1ヶ月で終えるための目標は1日2〜3論点、2ヶ月なら1〜2論点です。最低でも1日1論点はがんばりましょう!

 

4.『宅建士出るとこ集中プログラム』と『神問題集』

1論点について

・テキストを読む
・Youtube宅建吉野塾:重要論点まるかじりを視聴する
・該当する論点の一問一答(テキストの一問一答を解いてから問題集の一問一答)を解く。解く際は根拠を明らかにしながら問題を正誤判定することを必ず心掛ける。わからなかったら解説を読む。解いた問題は、テキストならQ1、問題集なら(1)の左隣)に日付を書き、正解できたら日付を丸で囲む。不正解は日付のみ。
・テキストに戻って再読する

なお、『神問題集』の動画はテキスト+一問一答での基礎固めを終えてからのほうが良いです。

『出るとこ集中プログラム』の論点は65ありますので、1ヶ月で終えるための目標は1日2〜3論点、2ヶ月なら1〜2論点です。最低でも1日1論点はがんばりましょう!


◆1ヶ月もしくは最低でも2ヶ月でテキスト・一問一答問題集を終えたら、2025年5月まで何周も周回します。それこそテキスト・問題集がボロボロになるまで習熟しましょう。

※テキスト・問題集を購入したら必ず定期的に正誤・追録の有無をネットで確認しておきましょう。

どのテキストを選んでも『宅建士 出るとこ集中プログラム』はYoutube宅建吉野塾:重要論点まるかじりを視聴しておいて損はありません。

<2025年6月〜>
2025年6月になったら『ウォーク問』または『神問題集』または『トリセツ』分野別過去問題集に移行し、4肢択一問題を習熟します。

全ての肢について根拠を明確にしながら正誤判定します。

正答できなかった肢は解説を読み、テキストに戻って復習します。テキストに解説が載っていない場合は問題集の解説をテキストの該当箇所にメモしておきましょう。

どの問題集についてもABランク問題(『ウォーク問』特A・A・B問題)は正解率100%になるまでとことん周回します。

※『神問題集』には動画講義があります。問題を5問解いたら動画解説を視聴して解き方・考え方・知識をインプットし、該当箇所のテキストをチェック。翌日、もう一度解いて、できなかった問題はできるまで繰り返します。

※※法改正点チェック用に『とらの巻』を準備しても良いです。『とらの巻』の付録「とらの子」は要点整理にとても有用です。もちろんネットで法改正の追録をチェックしていれば『とらの巻』はかならずしも必要ではありません。

◆例年、6月にはLECの無料模試『ゼロ円模試』の案内が公開されます。『ゼロ円模試』は7月に実施されます。基礎固め学習の成果を測るためチャレンジしましょう。

LEC『ゼロ円模試』HPはこちらです(まだ2024年対応です)。

※このセクションは随時アップデートします。

宅建試験日程

宅建試験は毎年10月第3日曜に実施されます。

例年通りなら2025年度宅建試験については以下となります。

宅地建物取引士資格試験・試験日・申込日程
試験日 令和7年10月19日(日)13:00〜15:00
試験時間 120分(途中退出不可)
試験案内
配布期間
令和6年7月1日〜7月15日(予定)
受験申込 郵送およびインターネット
受験申込
受付期間
・インターネット:令和7年7月1日9:30〜7月31日21:59(予定)
・郵送:令和7年7月1日〜7月15日当日消印受付有効(予定)
合格発表 令和7年11月26日 


宅建試験は不動産適正取引推進機構が実施します。必ず同機構HP(一般財団法人 不動産適正取引推進機構)を確認してください。インターネット申込みも同機構HPから行います。

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