※次の画像は管理人が購入した2023年版宅建テキスト・参考書を並べたものです。『スッキリわかる宅建士』(下の段左から2番目)は去年からこのデザインに、『パーフェクト宅建士基本書』のデザインは2023年度版からこのデザインに刷新されました。
【2023年6月8日】2023年度宅建試験まであと129日です!
宅建試験に合格するため、テキスト・参考書・問題集選びはとても大切です。
とはいえ、初めて宅建を勉強する「初学者」の方は、どのテキストを選んだら良いかわからないと思います。
どのテキストを選んだらいいかわからないままだと、「書店で平積みされているから」、「ネットのランキング記事で上位だったから」というぼんやりした理由から選んでしまいます(管理人がそうでした)。
でも、市販宅建テキストには宅建初学者におすすめできるものとおすすめできないものが混在しています。
当サイトでは2023(令和5)年度試験対策用宅建テキスト・参考書・問題集10シリーズ41冊を実際に購入し、
- 各テキストにおけるチェックポイントの現況及び内容
- テキストの見やすさ
- リンクしている問題集の有無
- 完走及び周回のしやすさ
について分析し、「宅建初学者におすすめできるものとおすすめできないものに分けて紹介」しています。
出版社・著者からの無償提供・献本は一切受けておらず、宅建テキスト・参考書・問題集を当サイト管理人が自費で購入しています(なかなかの出費です・・・)。
宅建受験のお手伝いが出来れば幸いです。合格目指してがんばりましょう!
※忙しい方は目次6番目宅建3段階学習についてからご覧ください。
当記事を読んで昨年度宅建試験で自己採点39点を取って合格した方からコメントをいただきました!
当記事を記事末までお読みになられた方は、コメント欄の「もっと読む」をクリックしてご参照ください。
<今すぐ無料で使える宅建教材>
◆宅建試験まで5ヶ月を切っています。1日も早く勉強を始めましょう!
今すぐにでも宅建学習を始められる教材としておすすめできるのがAudible版『パーフェクト宅建士聞くだけ 』です。
◆『パーフェクト宅建士聞くだけ 』はAmazonのAudible(オーディブル)というオーディオブックサービスのコンテンツです。再生するとテキスト本文を読み上げてくれます。
読み上げ、というとスマホ・タブレットでの読み上げ機能をイメージするかもしれませんが、『パーフェクト宅建士聞くだけ』は佐藤まり江さん(キャスター、俳優、日建学院の映像教材でおなじみ)がナレーションを担当しているので、合成音声とは比べものにならないほど聞きやすいです。
◆再生時間は12時間29分。
1.2倍速でもしっかり聞き取れますので10時間24分に短縮できます(上の画像は1.2倍速時のもの)。
朝・昼・晩各30分ずつ聞けば7日間で完走できます!
◆宅建試験は民法・宅建業法・建築基準法・税などから出題されます。
これらに初めて触れる方は法律用語になじみがないため、いきなりテキストを読んでも挫折しかねません。
用語になじみのないままテキスト学習を始めるのではなく、一度でも耳にしてからテキストを開いたほうがスムーズに学習に入れます!
◆AmazonのAudibleに初めて登録する方は『パーフェクト宅建士聞くだけ 』のみならず、Audible会員プラン聴き放題対象コンテンツを30日間無料で利用できます。
『パーフェクト宅建士聞くだけ (2023年版・全3巻)』をクリックすると、Audibleに登録したことが無い方は「無料体験を試す」というオレンジのボタンが表示されます。
(画像はAudibleのHPより)
※無料体験にはAmazonアカウントが必要ですが、AmazonアカウントはEメールアドレスがあればすぐに作れます。もちろん無料です!
※※注:Audible版の定価は『2023年版パーフェクト宅建士聞くだけ(全3巻)』は定価¥12,500。購入せず、Audibleに入会して聞く方がお得です。もし誤って「¥12,500」をチェックして購入した場合は返品しましょう。Amazonは30日間返品可です。
※※※すでにaudibleを利用したことがある方は「無料体験を試す」ボタンが表示されません。その際は1ヶ月間¥1,500で利用しても良いかもしれません。
管理人の知る限り、実質無料かつこれほど手軽に宅建試験全範囲を1周できる製品版教材はこれだけです。繰り返し耳からインプットすることで記憶が定着しやすくなります!
『パーフェクト宅建士聞くだけ』を足がかりにして、スムーズに宅建学習に入りましょう!
宅建試験に合格するための宅建テキストの選び方
◆宅建試験はその年度の合格点に達していれば合格できます。宅建が宅地建物取扱主任者から宅地建物取引士になった平成27年度以降の合格点は34〜38点です。
では、合格点を取るためにはどうすれば良いでしょうか?
◆管理人は各年度の「合格点」と「本試験問題」の正解率の関係を調べました。
すると、どの年度についても受験生の2人に1人が正解していた問題を確実に得点できれば合格点をクリアしていたのです。
「宅建試験で合格点を取るためにはどうすれば良いのか?」
この問に対する明確な答えは「受験者2人に1人が取れる問題を確実に得点すること」に他なりません。
◆では、受験者の2人に1人が解ける問題はどういう問題なのでしょうか?
はっきり言って「基礎レベル問題」です。どれもこれも基礎知識がしっかりしていれば正解できる問題です。
宅建試験合格に向けて最も大切なのは「基礎知識をしっかり習得」して「基礎レベル問題を確実に解けるようにすること」なのです。
管理人は宅建試験受験1年目にこのことを理解していませんでした。宅建試験は「難しい問題」を得点しても「かんたんな問題」を得点しても1点です。「じゃあどっちからでも点を取ればいいんじゃないの?」と思い、得点源の宅建業法をおろそかにして2点足りず不合格になってしまいました(近年では最も難しかった平成27年度ではありましたが・・・)。
◆では「基礎レベル問題を確実に解けるようにする」ためにはどんな学習をすれば良いでしょうか?
「基礎レベル問題を確実に得点する」ために必要なのは、基礎知識の徹底です。
基礎知識の徹底に必要なのは反復です。
繰り返し繰り返し、何度も何度も反復学習することが何より大切です。
したがって、宅建学習で何よりも大切なのは「反復学習に最適なテキスト・問題集で基礎を身につけること」なのです。
以上をまとめます。
- 宅建試験は受験者の2人に1人が正答できる基礎レベル問題を確実に得点できれば合格できる
- 基礎レベル問題を確実に得点→基礎知識の徹底が必要
- 基礎知識の徹底→反復学習
◆当記事では市販宅建テキスト10シリーズ41冊(テキスト12冊、分野別問題集13冊、10冊、一問一答問題集5冊、模試型問題集1冊)を実際に購入して紹介しています(41冊については個別に購入レビュー記事を公開し、個別記事へのリンクも記載してあります)。
市販宅建テキストは各出版社それぞれです。ページ数で言えば①600ページ、②700〜1,000ページ、③1,000ページ超の3つにわけられます。
反復学習に向いているのは当然①600ページクラスの宅建テキストです。
その中で「宅建初学者向け」となるとおすすめできるのは2シリーズだけです。
この2シリーズは内容を適切に絞っています。
宅建試験は歴史が長い上、毎年20万人が受験するマンモス試験です。このため資格スクール・出版社がたくさん参入しています。
問題をしっかり分析している社のテキストは内容が適切に絞り込まれています。
特に顕著な出題項目は国土利用計画法(国土法)です。
最後のセクションで説明するので重複しますが、あらかじめお伝えしておきます。
◆国土法には事後届出制と事前届出制がありますが、出題されているのは圧倒的に事後届出制です。
理由は明白。事前届出制の対象となっている監視区域が非常に少なく(東京都の小笠原村のみ)、注視区域にいたっては平成10年9月法改正施行以来指定された区域がないからです(土地・建設産業:土地取引規制 - 国土交通省)。
宅地建物を取引する上で、実務にかかわることがほとんどない事前届出制は重要でしょうか?当然ですが、重要なのは事後届出制です。宅建試験で国土法の出題が事後届出制に大きく偏っているのは実務上の理由から当然なのです。
この情報を知らないまま国土法を学習すると、事後届出制も事前届出制も等しく労力をかけてしまいます。はっきり言って無駄です。
これほど出題傾向がはっきりしているにもかかわらず、国土法の学習ポイントを明記していないテキストもあります。そんなテキストは他の項目でも目配りされていない可能性が極めて高いのです(実際、目配りされてません)。国土法は宅建テキストの善し悪しを図る良い指標なのです。
◆国土法を含め、管理人のチェックポイントをクリアしたのが「おすすめできる宅建テキスト」2シリーズです。
ただし、条件が合う受験生には4シリーズもおすすめの範疇に残ります。
10シリーズのうち残り4シリーズはチェックポイントをクリアしていないため、宅建初学者にはおすすめできません。Amazon売上で上位に入っているものだろうと、他のネット記事で上位に入っているものだろうと、おすすめできないものはおすすめできないのです。ご了承ください。
◆まずは宅建テキスト10シリーズについてのレビューをお読みになり、それから「当記事が提唱している宅建3段階学習」について目を通していただけるとこれからの宅建学習の指針になると思います。
2023年度宅建試験合格に向けてがんばりましょう!
おすすめできる/できない宅建テキスト10シリーズ購入レビュー
◆宅建テキストは数多く出版されています。当記事では主要10シリーズを紹介します。
紹介する10シリーズは、書籍版の分野別問題集・一問一答問題集・年度別問題集のうち「少なくともどれかひとつがあるもの」に絞りました。
◆主要テキスト10シリーズは宅建初学者に「おすすめできる」もの、「条件付きおすすめ」のもの、「おすすめできない」ものに分けてあります。
各テキスト見出しに、おすすめ度の目安として◎、○、△、×を付けました。
◎:最もおすすめ
○:次点でおすすめ
△:条件に合致する受験生にのみおすすめ
×:おすすめできない
おすすめできるものは後述する宅建3段階学習の第2段階に適しています。
『パーフェクト宅建士聞くだけ』を聞き終えたら1日も早くテキスト・問題集での学習に移行しましょう。
おすすめできる宅建テキスト2シリーズ
◎宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト
書名 | 2023年版宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト |
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書籍版価格 | |
Kindke版価格 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限・税・その他165頁、 重要論点集47頁 |
発行所 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | インデックスシール |
ネットサービス | |
著者名 | |
ISBNコード | |
◆管理人が初学者の方に最もおすすめしているのはLEC『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』です。
『トリセツ』をおすすめする理由は次の3つです。
- 内容を適切に絞り込んだ上で「索引付きで600ページ以内」に編集。完走しやすい。反復学習に適している。
- 読みやすくデザインされている。
- 本書とリンクしている問題集があり、しかも収録問題の約9割がAランク問題なので初学者にうってつけ。
◆『2023年版 宅建士 合格のトリセツ基本テキスト』はフルカラーの分冊タイプです。テキスト部分は3分冊合計541ページ。600ページ未満のテキストです。
資格試験では10冊のテキストを1回ずつ読むよりも1冊のテキストを10回繰り返し読む方が効果的と言われています。
とりわけ宅建は基礎知識の徹底が何より大切な資格試験。1,200ページのテキストを3周するより600ページのテキストを6周するほうが効果的です。
本書は2022年版より28ページ増えましたが、それでも市販宅建テキストの中ではトップクラスのコンパクトさです。繰り返し学習に最適な一冊です。
◆2023年版には巻末付録として「重要論点集」47ページ分も収録。こちらも分冊できます。テキストの各項目を学習したらすぐに重要論点集に目を通して要点を把握すると良いでしょう。
テキスト部分と付録を合わせると588ページ。4分冊となります。
◆手に取るとけっこう分厚いですが、これは分冊したときにペラペラにならないよう各分冊を厚紙で挟んでいるからです。
付録に分冊背表紙シールがありますので、購入したらすぐに分けてしまいましょう。インデックスシールも付いてるので、各項目にシールを貼ると目的のページをすぐ開けられます。
※以前は付箋も付録についてましたが2023年版では付箋とスマホ対応一問一答PDFデータがアンケート特典になりました。なお購入者限定特典として無料講義動画45回分を視聴できます。
◆分冊時にボリュームがわかりやすいよう、各分冊は1ページ目から始まります。権利関係〜税・その他までページ番号を通しているテキストもありますが、ページ番号を各分冊ごとに分けた方が分量を把握しやすいですよね。こういった細かい配慮が受験生の負担を減らします。
◆内容もきっちり絞り込まれています。
『トリセツ 基本テキスト』に登場する条文番号は農地法3条・4条・5条と宅建業法35条・37条くらいです。
国土法にいたっては「許可制については出題されることはほぼないと思いますので省略しました(法令上の制限p.77)」とあります。
出題されることがない知識まで勉強する必要は一切ありません。
◆『トリセツ』は「縦線と横線の太さに差がない読みやすいフォント」を「読みやすいサイズ」で採用しています。
とても読みやすいです。
余白もしっかりとってあるので、書き込みながらの学習にも適しています。
◆『トリセツ』は出版時期が10月後半なので、早くから勉強できることもメリットです。
ただし、『トリセツ』にもデメリットがあります。
最大のデメリットはどこが法改正点なのかわからないことです。
宅建試験は最新法改正点から出題されやすいという明確な傾向があります。法改正点は宅建士として知っておかなければならないからです。
とはいえ、多くの宅建テキストは法改正点を明記していません。このデメリットはトリセツに限ったことではないのです。
宅建試験は法改正点から出題されやすいという顕著な特徴があります。法改正点については、2023年5月下旬に発売される『どこでも宅建士 とらの巻 短期決戦型速習テキスト』で必ず補いましょう。
◆本書のインターネットサービスは以下の通りです。
- 著者による講義動画45回分
- スマホ対応一問一答
- 法改正情報
- 宅建NEWS(統計情報)
- 誤植情報
1と2は本書QRコードからのアクセスとなります。
3と4はLECのMyページからとなります。
5はLEC書籍・誤植訂正情報で定期的にチェックします。
3、4、5はどのテキストも備えている標準ですが、1と2は他には見当たらない本書の大きなメリット。かならず活用しましょう。
◆『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』は全44コース。短いコースは1日で2つこなし、30日間でテキスト・問題集セットで1周完走しましょう!
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト
※本書でひとつの項目をテキストで学習したらすぐにその項目の問題を「問題集を使って」解きましょう!
初学者の中には「テキストを1周してから問題集に入りたい」と思う方がいます。でも、1周し終わる頃にははじめに学習したことをすっかり忘れてしまいます。
テキストでのインプット→問題集でのアウトプットを繰り返すことで知識が身に付きます!がんばりましょう!!
<長所・短所>
- 読みやすい種類・大きさのフォントを採用、テキスト・図表とも視覚の負担がかかりにくい
- 無駄を省いた内容
- 動画講義を含むインターネットサービスがある
- 法改正情報を別途入手する必要がある
◆『宅建士 合格のトリセツ』シリーズは『基本テキスト』、4肢択一形式分野別問題集の『厳選分野別過去問題集』・一問一答形式問題集の『頻出一問一答式過去問題集』の3冊構成です。
◆『厳選分野別過去問題集』、『頻出一問一答式過去問題集』について簡潔に紹介しておきます。どちらも『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』と連携しています(購入して確認済み)。
◆『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本問題集』は3分冊、二色刷。
収録しているのは分野別300問。権利関係100問、宅建業法100問、法令上の制限54問、税・その他46問。
問題の重要度はA〜Cの3段階。重要度A(「すべての選択肢について復習してほしい問題」=基礎レベル問題)が300問中268問(89.3%)を占めています。基礎固めに最適です。
個別レビューはこちらです>>>宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集
◆『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集』は分冊なし、二色刷り(分野毎に色が違います)。
収録しているのは800肢。権利関係266肢、宅建業法232肢、法令上の制限181肢、税・その他121肢。
1冊まるごとの問題集です。403ページとページ数は決して多くはないものの、テキスト・分野別問題集と同じA5版なので携行するには厚くて重いです。
→紙書籍版には購入者特典の「アプリ」がありますので、「アプリ」で一問一答を解くことをおすすめします。アプリはスマホ画面に手書きできます。
※Kindle版ではアプリを利用できません!必ず書籍版を購入してください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集
○どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト
書名 | 『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト 2023年度版 』 |
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価格 | |
Kindke版 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限・税・ 鑑定・5問免除科目213ページ |
編著 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | |
ISBNコード | |
◆日建学院『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト 2023年度版 』はテキスト部分で594ページ。3分冊です。分冊それぞれの巻末に索引が付いてます。電子書籍版はありません。
2色刷です。宅建テキストはフルカラーが増えていますが、本書は2色刷りでも見やすくデザインされています。※赤シートには対応してません。
◆各分冊の冒頭には「本試験の傾向分析と対策」と「総論・全体構造と学習法」があります。初学者にはとても参考になります。必ず目を通しましょう。
◆内容についてはおおむね問題ありません。条文番号含め本試験にまず出ない箇所はきっちりカットされています。
国土法について事前届出制・注視区域・監視区域・規制区域について一通り説明されているのは気になりますが、欄外の『重要』に「宅建試験では出題可能性が低いので、まずは、(中略)事後届出制をキッチリ攻略しましょう」(p.504)とあります。この指示に従いましょう。
欄外のHintには「細かい暗記は後回しにしましょう」等のアドバイスが書かれています。インプットすべき事項とそうでない事項の取捨選択が大切ですので、しっかり目を通しましょう。
◆本書は『トリセツ』よりも説明が丁寧です。
例えば日本学生支援機構の奨学金で問題になった連帯保証について、宅建テキストのほとんどが「債権者Aに対して主たる債務者Bのほかは連帯保証人C・連帯保証人D(もしくは連帯保証人E)」という例をあげるにとどまる中、本書には「債権者Aに対し主たる債務者B・連帯保証人C・連帯保証人D・保証人E」として保証人Eの保証債務は分別の利益があるため1/3になると書かれています(p.94、左欄も参照)。
ただし、丁寧さは情報量の多さにつながります。テキスト部分が600ページ未満とはいえ、『トリセツ』より周回しにくいのも事実。
それでも600ページクラスの宅建テキストで『トリセツ』より丁寧なものが欲しい、という受験生にはおすすめできます。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト
<長所・短所>
- 丁寧に書かれている(その分、情報量は多い)
- 600ページ程度の宅建テキストで『トリセツ』より丁寧なテキストを望む受験生向け
- 勉強時間がとりにくい受験生には『トリセツ』のほうが良い
◆日建学院『どこでも学ぶ宅建士』シリーズは、『基本テキスト』・『テーマ別厳選過去問』・『10年間の本試験問題』・『チャレンジ!重要一問一答』・『法改正対応 出るとこポイント超整理』の5冊が発売(『これだけ!まんが宅建士』もあります)。
このうち、『どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問』、『どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答』、『どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』について簡潔に紹介しておきます。
◆『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問』は分冊なし、2色刷。
収録しているのは分野別4肢択一301問。収録順に権利関係94問、宅建業法108問、法令上の制限61問、その他(税・価格・5問免除) 38問。
問題の重要度はS〜Cの4段階。Sランク89問、Aランク143問、Bランク59問。S・A・Bランクの合計は291問となり、301問の96.6%を占めますので、初学者が基礎固め問題集として使うのに適しています。
『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンクしていて、テキスト該当ページまで記載されているので使いやすいです(購入して確認済み)。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問
◆『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答』は分冊なし、2色刷。
収録しているのは820肢。権利関係260肢、宅建業法265肢、法令上の制限179肢、税・価格の評定78肢、5問免除科目51肢。
B6サイズ425ページと携行しやすいです。
『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンクしていること、出題肢の出典(試験年度・問題番号・肢番号)が記載されていること、問題文のキーワードにアンダーラインが引いてあること、法改正対応肢には改マークがあることなど、学習しやすく編集されている一問一答問題集です。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答
◆『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』は2分冊、2色刷。
平成25年度〜令和4年度10年分を収録。令和2年度・3年度12月試験問題も収録しているので、年度別問題は12回分となります。
ただ、残念ながら『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』と連携していません(購入して確認済み)。
法改正問題については削除と改題で対応、問題の各肢にはマークが付いてません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題
条件付きおすすめの宅建テキスト4シリーズレビュー
△ユーキャンの宅建士 きほんの教科書
書名 |
2023年版 |
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価格 | |
Kindke版 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限、税・その他229頁、 でるとこ論点帖100:111頁 |
発行所 | 学び出版 |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | |
編者 | 試験研究会 |
ISBNコード | |
◆『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』は全部で615ページ。4分冊です。分冊それぞれの巻末に索引が付いてます。電子書籍版はありません。
フルカラーです。ものすごくカラフルです。カラフルすぎてかえって疲れます。フルカラーといっても見やすさと両立しているとは言い難いデザインとなっています。
◆本書は宅建試験範囲を全60レッスンに分割して構成しています。1日2レッスンずつこなせば30日で一周できる計算にはなります。受験生が勉強スケジュールをたてやすい構成とは言えます。
◆内容についてはおおむね問題ありません。
条文番号の記載は必要最低限に留まっています。
国土法には「国土利用計画法の土地取引の規制には、事後届出制・事前届出制・許可制がありますが、このうち、事後届出制についての出題がほとんどです。ですから、①事後届での要否の区別と②事後届出の手続きを中心に学習しましょう」(p.142)と学習ポイントが明記されています。適切です。
ただ、宅建士の罰則については、他のテキストのように2〜3ページにもわたって罰則をぎっしり詰め込んでいない点は良かったものの宅建試験に向けた攻略の仕方は欲しかったです。
ちなみにユーキャンの宅建通信講座のテキストでは「深入りすることなく」「具体的な数字までは覚える必要がありません」などと指示されています。明らかに通信講座と市販テキスト(本書)で差別化されています。ここはもうちょっと頑張って欲しかったです。
◆本書を使うかどうかはカラフルなデザインが合うかどうかにかかっています。
購入前にはAmazonで確認(「4点すべてのイメージを見る」をクリックし、拡大すると良いです)したり、書店で手に取ったりして、どんな色使いになっているのか必ず確認してください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 きほんの教科書
<長所・短所>
- 全面リニューアルによって600ページ程度のテキストとなり、内容も適切
- 宅建試験の4分野を全60レッスンに構成、勉強スケジュールを立てやすい
- フルカラーではあるもののカラフルすぎ
◆『ユーキャンの宅建士』シリーズは教科書・問題集・12年過去問題集・一問一答問題集・まんが入門の5冊が発売。このうち、『ユーキャンの宅建士 きほんの問題集』、『ユーキャンの宅建士 過去12年問題集』と『2023年版 ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集』について簡潔に紹介しておきます。
◆『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんの問題集』は3分冊、2色刷。赤シート対応。
収録しているのは分野別4肢択一320問。収録順に権利関係106問、宅建業法94問、法令上の制限70問、税・その他 50問。
問題の学習優先度は高・中・低の3段階。高が320問中196問(61.25%)どまりとなっています。
本書は市販テキストでは珍しく捨て肢表記があります。捨て肢表記のある問題集を使いたい受験生には選択肢に上がります。
ただし、捨て肢を含む問題を数多く収録しているため、初学者が基礎固め問題集として使うには『トリセツ』のほうが良いです。
『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』と連携しています(購入して確認済み)。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 きほんの問題集
◆『2023年版 ユーキャンの宅建士 過去12年問題集』は2分冊、2色刷。
平成23年度〜令和4年度12年分を収録。令和2年度・3年度12月試験問題は収録していませんので、年度別問題は12回分となります。
『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』と連携しています(「業法L11」と該当する編のレッスンナンバーのみ記載ではありますが、無いよりはあったほうが良いです。購入して確認済み)。
法改正問題についてはすべて改題で対応、問題の各肢にはマークが付いてません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 過去12年問題集
◆『2023年版 ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集』は分冊なし、二色刷り。
収録しているのは800肢。権利関係280肢、宅建業法230肢、法令上の制限170肢、税・その他120肢。
439ページで新書判です。携行性には秀でていますが、テキストとはリンクしていません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集
△わかって合格る宅建士 基本テキスト
書名 | 2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト |
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価格 | |
Kindke版 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | |
発行所 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | |
著者名 | |
ISBNコード | |
◆TAC『2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』 は4分冊、フルカラー。
小さなフォントはあまり使われていませんので、読みやすさは問題ありません。色使いもカラフルになりすぎず、概ね読みやすくデザインされているフルカラー宅建テキストです(表は見やすいです)。
◆テキスト部分は661ページ+「厳選過去問プレミアム50」の51ページ。
内容については、権利関係のみならず、宅建業法、法令上の制限についてまでも条文番号がこと細かに付されています。初学者にはオーバースペックです。
国土法はp.534の「Introduction」に「宅建士試験での出題のほとんどを占める」と明記されてはいるもののp.543の「Introduction」に「国土利用計画法の中心テーマは、これまで学習した「事後」届出制です。しかし、「事前」届出制も、今後は要注目といえます。」とあって受験生に事前届出制の学習を強いてます。
このため、本書は宅建初学者が周回しやすいテキストではない、と言わざるを得ません。
◆とはいえ、本書独自の特長もあります。
それは、本文テキストに過去問出題年が表記されていることです。
過去問に出題された事項については、本文テキストに赤下線が引かれ、下線末端の下に「H20」と書かれています。
本文テキストをぱっと見て、赤下線があるところ、しかも「H22・27・28」などと書かれていたら、そこが頻出箇所ということが一目でわかります。「H○○」のフォントこそかなり小さいものの、この点は評価できます。
ただ、この下線は人によっては目障りになりかねません。必ず本書のテキスト部分画像をAmazon等で確認したり、直接手に取って確かめて下さい。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】TACわかって合格る宅建士基本テキスト
◆本書のメリットはもう一つあります。それは、シリーズの分野別過去問題集、年度別過去問題集、一問一答問題集と本書がリンクしていることです。
宅建テキスト・分野別過去問題集・年度別過去問題集・一問一答問題集をすべて出版しているのは次の5シリーズ。
・本書『わかって合格る宅建士』
・『ユーキャンの宅建士』
・『パーフェクト宅建士』
・『みんなが欲しかった!宅建士』
・『どこでも学ぶ宅建士』
このうち、『ユーキャンの宅建士』は一問一答問題集が、『パーフェクト宅建士』は分野別過去問題集が、『みんなが欲しかった!宅建士』と『どこでも学ぶ宅建士』は年度別過去問題集がテキストとリンクしていません。
宅建テキストと分野別過去問題集・年度別過去問題集・一問一答問題集がリンクしているのは『わかって合格る宅建士』シリーズだけです。
初学者には不向きな宅建テキストではありますが、条文番号も含めて学習したい受験生や、分野別過去問題集、年度別過去問題集、一問一答問題集の3冊とテキストがリンクしている市販教材で学習したい受験生にはおすすめとなります。
本書の個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】TACわかって合格る宅建士基本テキスト
シリーズ3冊(『分野別過去問題集』、『過去問12年PLUS』、『一問一答セレクト600』)について簡潔に紹介します。
◆『2023年度版 わかって合格る宅建士 分野別過去問題集』は4分冊、2色刷。
収録しているのは分野別4肢択一305問。収録順に権利関係105問、宅建業法90問、法令上の制限73問、その他関連知識37問。
問題の重要度は★★★〜★の3段階。最重要★★★203問、★★92問。★★★・★★の合計は295問となり、305問の96.7%を占めますので、初学者が基礎固め問題集として使うのに適しています。
『2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンクしていて、テキスト該当ページまでは記載されていませんが、テキストの編・Chap.-Sec.番号(例:第1編「民法等」Chap.3-Sec.1)が書かれています(購入して確認済み)。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】わかって合格る宅建士 分野別過去問題集
◆『2023年度版 わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS』は4分冊、2色刷。
平成23年度〜令和4年度12年分を収録。令和2年度・3年度12月試験問題も収録しているので、年度別問題は14回分となります。
『2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンク。分野別過去問題集と同じく、テキストの編・Chap.-Sec.番号が書かれています(購入して確認済み)。
法改正問題については削除と改題で対応、問題の各肢にはマークが付いてません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS
◆『2023年度版 わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600』は分冊なし、二色刷。
一問一答形式の問題を600問収録しています。本書各項目冒頭の右ページ上に『2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』の該当編・チャプター番号・セクション番号が記載されています。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600
△史上最強の宅建士テキスト
書名 | 2023年版 史上最強の宅建士テキスト |
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発行所 | |
発行日 | |
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◆『2023年版 史上最強の宅建士テキスト』 は本文テキスト628ページ(巻末索引含む)。分冊なしの丸ごと1冊、フルカラーの宅建テキストです。
丸ごと1冊の宅建テキストは本書、『パーフェクト宅建士 基本書』、『らくらく宅建塾』の3つですが、フルカラーは本書のみです。
600ページ前後・丸ごと1冊・フルカラーの宅建テキストが欲しい場合は本書1択となります。
なお、「実力判定過去問SELECT50が巻末に付属していて、過去問部分のみ分離できます。
◆重要項目は黒太字・赤太字・黒太字+黄色強調等で印刷されています。赤字・赤下線等は赤シートに対応しています。赤シートも付属しています。
テキスト本文に読みにくさは感じませんでしたが、欄外に頻出する「白抜き文字を緑背景で囲んだ部分」は見にくいです。改善を求めます。
◆正誤表・法改正・統計データ(統計データは2023年8月以降)がナツメ社のHPから閲覧できます。→2023年版の正誤表はこちらです>>>https://www.natsume.co.jp/wp-content/uploads/2022/12/7314_%E6%AD%A3%E8%AA%A4%E8%A1%A8.pdf
<長所・短所>
- 唯一の600ページ前後・丸ごと1冊・フルカラーの宅建テキスト
- 権利関係のイラストはわかりやすい
- 「白抜き文字を緑背景で囲んだ部分」は見にくい
条文番号の記載はありません。
国土法については、p.477に「規制区域内では、許可が下りなければ土地取引はできない。ただし、現在まで、規制区域に指定されている地域はなし」「宅建試験では事後届出制の出題がほとんど」とあります。
ここは良いのですが、事前届出について注釈が何もないのは気がかりです(事前届出で「出る!」とマークされた重要箇所は1つだけなので、絶対に深入りしないでください)。
分冊ではない丸ごと1冊の宅建テキストは『パーフェクト宅建士 基本書』、『らくらく宅建塾』と本書です。これらのうち、フルカラーで条文番号のない宅建テキストは本書のみです。
丸ごと1冊かつフルカラーの宅建テキストを希望する受験生向けです。
※300問分野別問題集がシリーズにない点も承知の上で購入するかどうかご検討ください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】史上最強の宅建士テキスト
◆『史上最強の宅建士』シリーズは、『テキスト』と『問題集』の2冊が発売。
◆『史上最強の宅建士』シリーズには300問分野別問題集がありません。このことは大きなデメリットです。
しかしながら、一問一答形式問題集の『史上最強の宅建士 問題集』は、一問一答形式問題集としては現状で最多の1473問を収録。4肢択一形式300問問題集だと1200肢になるので、量はカバーされています。
解説ページ(見開き右側ページ)に『史上最強の宅建士 テキスト』の該当箇所が掲載されています。
テキストと同じA5判なので携行性は悪いですが、一問一答形式問題集としては現状で最多の1473問を収録。
フルカラー丸ごと1冊のテキストと一問一答形式問題集でかまわない、という受験生には選択肢に上がります。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】史上最強の宅建士問題集
△パーフェクト宅建士 基本書
書名 | 2023年版 パーフェクト宅建士 基本書 |
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価格 | |
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発行日 | |
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◆『パーフェクト宅建士 基本書』は丸ごと1冊、二色刷の宅建テキスト。
リニューアル前2019年版の総ページ数は729ページと分厚く、完走しにくい宅建テキストでした。
それが、2020年度版・2021年度版はテキスト部分647ページ+「巻末法律用語かんたんナビ+索引」12ページ、合計659ページにリニューアル(2年連続で全く同じページ配分・・・)。
2023年版は、テキスト部分653ページ+巻末法律用語かんたんナビ5ページ+索引7ページ、合計665ページとなっています。
◆全体的にフォントが小さめです。読みやすいかどうかはAmazon等で確認してください。
◆内容のチェックポイントについてです。
本書は条文番号が記載されています。宅建合格のみを目指す受験生には不要な情報です。
本書の国土利用計画法は16ページ、うち事前届出制・および土地取引の許可制に3ページを割いています。
ただし、本書p.554の「直近12年間の出題実績&攻略法」に「出題の中心は、法の中核でもある「土地取引の事後届出制」である。試験対策としては、事後届出制の手続きの流れをまず理解しよう」とあります。事後届出制についてしっかり学習してください。
◆本書(というより『パーフェクト宅建士』シリーズ)の最大の欠点は、分野別問題集とリンクしていないことです。
当サイトでは宅建初学者には、テキストと4肢択一形式300問分野別問題集で基礎を固めることをおすすめしています。しかしながら、本書にはリンクしている4肢択一形式300問分野別問題集がありません。※本書とリンクしているのは年度別過去問題集と一問一答形式問題集です。
どうしても『パーフェクト宅建士』で勉強したい、という明確な理由がある受験生(例えば条文番号がある丸ごと1冊テキストで学習したい方、年度別過去問題集と一問一答問題集がテキストとリンクしていれば十分という方)以外にはおすすめできません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】2023年版 パーフェクト宅建士 基本書
『パーフェクト宅建士』シリーズには『分野別過去問題集』、『過去問12年間』、『一問一答Pocket』、『直前予想模試』があります。
『パーフェクト宅建士』シリーズのうち、『分野別過去問題集』、『過去問12年間』、『一問一答Pocket』について簡潔に紹介します。
◆『2023年版 パーフェクト宅建士 分野別過去問題集』は4肢択一形式の分野別問題集。分冊なしの丸ごと1冊問題集、二色刷です。
権利関係96問、宅建業法102問、法令上の制限57問、税・その他45問、合計で300問を収録しています。
問題の重要度は「最も易しいA」〜「最も難しいC」の3段階。Aランク114問、Bランク143問、Cランク43問。A・Bランク合計は257問となり、300問の85.6%を占めます。
初学者向け300問問題集としては、『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本問題集』が300問中98%がA・Bランク問題(Aランク267問・Bランク27問)ですので、ランク別問題構成にかなり違いがみられます。初学者が基礎固め問題集として使うには『トリセツ』のほうが良いです。
すでに述べた通り、本書は『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』とリンクしていません。おすすめできません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】パーフェクト宅建士 分野別過去問題集
◆『2023年版 パーフェクト宅建士 過去問12年間』は2分冊、2色刷。
平成23年度〜令和4年度12年分を収録。令和2年度・3年度12月試験問題も収録しているので、年度別問題は14回分となります。
『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』とリンクしています。
法改正問題についてはすべて改題で対応、問題の各肢にはマークが付いてません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】パーフェクト宅建士 過去問12年間
◆『2023年版 パーフェクト宅建士 一問一答Pocket』は分冊なし、二色刷。
一問一答形式の問題を1003問収録しています。解答・解説ページに『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』の該当ページが記載されています。条文番号も付されています。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】パーフェクト宅建士 一問一答 Pocket
おすすめできない宅建テキスト4シリーズレビュー
×みんなが欲しかった!宅建士の教科書
書名 | 2023年度版 みんなが欲しかった! 宅建士の教科書 |
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価格 | |
Kindke版の価格 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | ③法令上の制限・税・その他193頁、 |
発行所 | |
発行日 | |
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付録 | |
ネットサービス | |
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◆『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の教科書』は全部で612ページ。フルカラーで3分冊です。分冊それぞれの巻末に索引が付いてます(法令上の制限・税・その他と参考編の索引はひとまとめになっています)。
2023年度版からやっと電子書籍版(Kindle、楽天Kobo)が発売されました。
重要項目は赤字で書かれており、参考書によくある赤シートに対応しています。赤シートも付録についています。
◆条文番号はありませんが、国土法について事後届出制が主に出題される等のポイントが一切書かれていません。
本書を選んでしまうと、事後届出制も事前届出制も等しく学習させられてしまいます。要注意です。
念のためもう一つのチェックポイントも確認しましたが・・・他のテキストには記載されていることが本書には書かれていません。
おすすめできません。
◆2021年度版から引き続き、テキストは、①主説明文、②「板書」と呼んでいるイラスト付き要点解説、③応用知識や補足資料等を記した「ひとこと」、④1〜2題の例題から構成されています。
気になるのはあいかわらず板書が見難いことです。
フルカラーを活かしたとてもカラフルな板書ではありますが・・・
- 主説明文と板書のフォントが違う
- 小さなフォントを多用している
- 色使いが多すぎる
これら3つが相まったため板書はとても見にくいです。
本書のコンセプトは"「読む」というより「見て」わかる本"(はしがきより)なのですが、色・フォントの種類を多用しすぎている「こだわりのカラー図解」はむしろインプットを妨げかねません。見る(読む)のによけいな労力がかかってしまうんですね。
もちろん、これは人によって好みが別れるところです。視力に問題の無い方・色使いにあまり頓着しない方にはカラフルさ・フォントの小ささは苦にならないかもしれません。書店で手に取ったりAmazonの画像イメージを見て検討してください。
毎年、Amazonでの売上が上位となっていますが、なんでこれが売れるのか管理人にはわかりません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった! 宅建士の教科書
◆『みんなが欲しかった!宅建士』シリーズは教科書・問題集・12年過去問題集・一問一答問題集・合格へのはじめの一歩の5冊が発売。
◆『みんなが欲しかった!宅建士の問題集』、『みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集』、『みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集』について簡潔に紹介しておきます。
◆『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の問題集』は3分冊、2色刷。『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の教科書』と連携しています(購入して確認済み)。
収録しているのは分野別313問。収録順に宅建業法109問、権利関係95問、法令上の制限63問、税・その他46問。
問題の難易度はA〜Cの3段階。難易度A(「やさしめの問題(かならずマスターして!)=基礎レベル問題)が300問中154問(49.2%)どまりとなっています。初学者が基礎固め問題集として使うには『トリセツ』のほうが良いです。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった! 宅建士の問題集 本試験論点別
◆『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集』は2分冊、2色刷。
平成23年度〜令和4年度12年分を収録。令和2年度・3年度12月試験問題も収録していますので、14回分の年度別問題を120分間で解くことができます。
ただし、『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の教科書』とは連携していません(購入して確認済み)。
法改正問題については削除と改題で対応、問題の各肢にはマークが付いてます。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集
◆『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集』は分冊なし、二色刷。
一問一答形式の問題を825問収録しています。解答・解説ページ(右側ページ)には『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の教科書』の該当箇所が記載されています。
本書は問題の出典が一切記載されていません。
問題については、「はしがき」に「合格に必要な最低限の内容を中心とした問題で構成されている」とあるのみです。このため、過去問をそのまま掲載しているのか、改題なのか、オリジナル問題なのかもわかりません。
「過去問をベースとして出題されていることがわかる一問一答形式問題集」で学習したい方はそちらを選んだ方がよいです。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集
×らくらく宅建塾
書名 | 2023年版 らくらく宅建塾 |
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書籍版価格 | |
Kindke版価格 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限90頁、税・その他43頁 |
発行所 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネット情報サービス | |
著者名 | |
ISBNコード | |
◆『2023年版 らくらく宅建塾』はテキスト部分525ページ、丸ごと1冊、2色刷り。巻末索引含め532ページとコンパクト宅建テキストです。
◆今年度、初めて電子書籍版が発売されました。
◆重要項目が赤字で書かれており、参考書によくある赤シートに対応しています。
◆本書の特徴は語呂合わせを多用していること。管理人も「しのごの言わずに建替えろ!」(区分所有法、p.129)にはお世話になりました。
語呂合わせは、30秒以内に覚えられ、一度覚えたら二度と忘れないものはおすすめです。しかしながら、本書の語呂合わせは覚えるのに四苦八苦するものが数多いです(管理人は2015年1回目の宅建受験時に本書を使いましたが、そのときは受験生から語呂合わせの募集もしていたほどです。語呂合わせを作るなど、受験生にとっては無駄な時間以外でしかありません)。
本書のような語呂合わせでかわしまくることを推奨するかのようなテキストはおすすめできません。
◆おすすめできない理由は他にもあります。
権利関係では連帯債務における「混同」の記述がありません。当記事で紹介している10冊の宅建テキストのうち、7冊は索引に「混同」が記載され、テキストでも扱っています。2冊は索引に「混同」がないものの、テキストで扱っています。
本書は、索引にもテキストにも「混同」がありません。宅建テキストとしていかがなものかと思います。
国土法についても、注視区域・監視区域・規制区域について「深入りするな」マークを表記してはいるものの、「なぜ深入りしてはいけないのか」についての説明がありません。
このように、本書は問題分析も編集も今ひとつと指摘せざるを得ません。おすすめできません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】らくらく宅建塾
◆らくらく宅建塾シリーズのうち、『過去問宅建塾』と『○×宅建塾』について簡潔に紹介します。
◆『2023年版 過去問宅建塾』は4肢択一形式の分野別問題集。3冊シリーズとなっています(3分冊ではありません)。
1の権利関係は217問、2の宅建業法は234問、3の法令上の制限その他の分野は226問、3冊合計で677問を収録しています。
過去問677問は『2023年度版 スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集』と同じ問題数。これは現行の市販4肢択一形式宅建問題集では最大の問題数となっています。
しかしながら、この問題数の多さは基礎固めにはまったくもって不向きです。
当記事のコメント欄には『過去問宅建塾』を選んでしまって途方にくれた受験生からのご相談をいただきました。ご一読ください。
基礎固めから本書を選択するとかなり苦労します。くれぐれも時間の余裕をもって取り組んで下さい。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】過去問宅建塾〔1〕権利関係、【購入レビュー】過去問宅建塾〔2〕宅建業法、【購入レビュー】過去問宅建塾〔3〕法令上の制限その他の分野
◆『2023年版 ○×宅建塾』は一問一答形式問題集です。解説ページ(見開き右側ページ)に『らくらく宅建塾』の該当箇所が掲載されています。
しかしながら、一問一答形式問題集としては現状で最少の416問のみ収録。テキストを『らくらく宅建塾』にした方以外にはおすすめできません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】○×宅建塾
※当サイトでは基礎固めは300問程度収録の分野別問題集で学習し、基礎固めが終わったら550問収録かつS〜Cランク問題のうちS・A・Bランク問題が94.9%を占める『出る順宅建士 ウォーク問過去問』全3冊で学習することを強くおすすめします。
×スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト
書名 | 2023年度版スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト |
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価格 | |
Kindke版 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 権利関係前半192頁、権利関係後半+税・その他192頁 重要過去問スーパー解説62頁 |
発行所 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | |
著者名 | |
ISBNコード | |
◆『2023年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』は宅建業法、法令上の制限、権利関係前半、権利関係後半+税・その他に加え重要過去問スーパー解説の5分冊。二色刷です。
重要過去問スーパー解説を除くと753ページですので、本書は700〜1000ページの宅建テキストに分類されます。※ただしテキスト部分のみだと600ページ程度のテキストとなります。後述します。
◆発行はTAC出版。テキスト部分は2色刷ですが、冒頭の「宅建ワールド攻略チャート」はフルカラーとなっています。宅建本試験50問のあらましを掴めます(本試験の出題順ではなく本書の構成順になっています)。
◆テキスト部分のフォントは見えやすいものが使われています。大きさも問題ありません。
重要項目は黒太字と紫太字で書かれています。参考書によくある赤シートには対応していません。
◆宅建業法→法令上の制限という順番になっていたり、権利関係が前半・後半で分冊が異なっています。本書独自の仕様ですが、これが良いかどうかはなんとも言えません。
◆内容についてです。
本書には条文番号は書かれていませんでした。※宅建業法「34条の2書面」「35条書面」と「37条書面」や農地法の3条・4条・5条は覚えましょう。
国土法については、p.307右欄に「事前届出は知らなくても大丈夫。事後届出を中心に勉強しよう」、p.308 左欄に「規制区域内では・・・無視してよい」(注:どう書いてあるのかを知りたい方はご購入ください)の文章の通り、深入りしていません。余計なインプットを強いるテキストではないと判断しました。
◆では、なぜ本書は753ページもあるの?と思われるでしょう。
その理由は、本書が収録している項目の区切り毎の「まとめ」「確認テスト」「解答解説」にあります。
これらのページ数を確認したところ、実に110ページ。
したがって、本書はテキスト部分のみだと753-110=643ページなのです。このボリュームは周回しやすい宅建テキストの部類に入ります。
◆しかしながら、残念なことに・・・本書のシリーズである『2023年度版 スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集』は本書とリンクしていません。
※ただし、もし、宅建本試験まで残り1ヶ月で分野別過去問と併用している時間がない、というほど追い込まれていたら本書のみで戦うことはやぶさかではありません(勝算はものすごく低いですが・・・)。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト
◆本書のシリーズには分野別問題集とまとめ集があります。このうち、『2023年度版 スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集』について簡潔に紹介しておきます。
◆『2023年度版 スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集』は4分冊、2色刷。赤シート対応。
収録しているのは分野別4肢択一677問。収録順に宅建業法280問、法令上の制限112問、権利関係187問、税・その他 98問。
収録問題数が多すぎて周回するには不向きです。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集
※『2023年度版 スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集』より、550問収録かつS〜Cランク問題のうちS・A・Bランク問題が94.9%を占める『出る順宅建士 ウォーク問過去問』全3冊で学習することを強くおすすめします。
×出る順宅建士 合格テキスト
書名 | 2023年版 出る順宅建士 合格テキスト |
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価格 | |
Kindke版の価格 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | |
発行所 | |
発行日 | ②:2022年12月30日 ③:2023年1月5日 |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | |
著者名 | LEC総合研究所 宅建士試験部 |
ISBNコード | |
◆最近の宅建テキストは分冊版が目立ちますが、LEC『2023年版 出る順宅建士 合格テキスト』は分冊なし、3冊シリーズとなっている宅建テキストです。
このテキストは次の3冊から成っています。
- 権利関係(438頁)
- 宅建業法(309頁)
- 法令上の制限・税・その他(475頁)ページ数はいずれもテキスト部分+索引です(巻頭の「はしがき」や「本書の使い方」は含まず)。
総ページ数はなんと1222ページ。
ブログ管理人が知る限り、市販の宅建テキストでは最大の分量を誇ります。
本書は3冊とも条文番号のみならず、一部ではあるものの条文まで記載しています。質・量ともボリュームが多すぎるため、宅建初学者にはまったくおすすめできません。
もし初学者が本書を利用するとすれば、600ページ程度の宅建テキストに載っていないことを調べるための「参考書」に用途を限定してください。メインテキストとして選んだら消化不良を起こします。
詳細は個別レビューを参照してください>>>【購入レビュー】出る順宅建士 合格テキスト
<長所・短所>
- 市販宅建テキストで最高の情報量を誇る
- 時間に余裕のある受験生向け
- インターネットアフターサービスあり
- 初学者がさくさく読み進められるテキストではない
◆『出る順宅建士 合格テキスト』初学者にはまったくおすすめできませんが、4肢択一問題集の『出る順宅建士 ウォーク問過去問』は、3段階学習のセクションで説明した通り受験生必須です。
『出る順』シリーズの個別レビューはこちらです。
【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集1 権利関係
【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集2宅建業法
【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集3 法令上の制限・税・その他
【購入レビュー】出る順宅建士 逆解き式! 最重要ポイント555
宅建テキストと問題集(分野別・一問一答・年度別)のリンクの有無について
主要宅建テキストと問題集(分野別・一問一答・年度別)のリンクの有無について一覧表にしました。
「分野別」は分野別問題集、「一問一答」は一問一答問題集、「年度別」は年度別問題集です。
「有」はリンクあり、「無」はリンクなし、「ー」未は教材未発売です。
テキストのマークは当記事によるおすすめ度です→◎:おすすめ、○:次点でおすすめ、△:条件付きおすすめ、×:おすすめしない)
テキスト名 | 分野別 | 一問一答 | 年度別 |
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◎宅建士合格のトリセツ 基本テキスト |
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○どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト |
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△ユーキャンの宅建士 きほんの教科書 |
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△わかって合格る宅建士 基本テキスト |
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△史上最強の宅建士 テキスト |
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×パーフェクト宅建士 基本書 |
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×みんなが欲しかった! 宅建士の教科書 |
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×らくらく宅建塾 | |||
×スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト |
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×出る順宅建士 合格テキスト |
◆各シリーズの項目でお伝えした通り、テキストと問題集のリンクは『わかって合格る宅建士基本テキスト』がベストです。
◆年度別問題集については特にこだわらなければどの社のものを用いても良いと思います。
その際は、①何年分・何回分の過去問を収録しているか、②法改正には改題で対応しているのか削除で対応しているのか、③問題文にマークはあるか、を考慮しながら自分に合ったものを選択してください。
◆当記事では宅建試験合格に向けた3段階学習を提案しています。合格に直結する情報もお伝えしています。次のセクションをぜひご参照ください。
宅建3段階学習について
◆当記事では、市販テキストで学習する独学・初学者向けに3段階の学習を提案しています。
- 試験全体を把握する第1段階
- 基礎を固める第2段階
- 過去問を習熟する第3段階
第1段階:『パーフェクト宅建士聞くだけ』を使って宅建試験全範囲を1週間〜10日間で把握する
◆宅建の試験範囲はとても広いです。本試験で出題される50問の内訳は「民法等」14問、「宅建業法」20問、「法令上の制限」8問、「その他関連知識」8問です。
出題される法律は、民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法、宅建業法、都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、所得税、印紙税、不動案取得税、固定資産税、不動産鑑定評価基準、不当景表法、住宅金融支援機構法などなど。
これらの法律からどんな問題が出題されるのか、すなわち出題範囲についてざっと把握しておかないと学習スケジュールの立てようもありません。
したがって、宅建学習の第1段階は「宅建試験全範囲をざっと把握すること」、となります。
宅建テキストを「とりあえず」、「なんとなく」購入する前に、1週間〜10日間で宅建試験全範囲をおおまかにつかんでおきましょう。
第1段階に最適な教材は、先に紹介した『パーフェクト宅建士聞くだけ』です。
最適である理由は次の3つ。
- 無料で利用できる(これが何より)
- 12時間29分(1.2倍速なら10時間24分)で宅建試験全範囲を把握できる
- 耳から聞くことで知らない法律用語がなじみやすくなる
いきなりテキストを読み始めると、読み方もわからない法律用語の連発に挫折しかねません。
宅建試験全範囲を一度耳から聞いておくとテキストでの学習をスムーズに進めやすくなります!
第2段階:周回しやすいメインテキストと300問分野別問題集を使って基礎を固める
第1段階を1週間ほどで終えたら第2段階の「基礎固め」に移行します。
市販宅建テキストと問題集のうち、基礎知識の徹底に適している600ページ程度の宅建テキストと、そのテキストとリンクしている300問程度の分野別問題集です。反復学習しやすいからです。
700〜1,000ページの宅建テキストは一見するとバランスが良さそうに思えますが、反復学習用としては600ページの宅建テキストに劣ります。情報量が多いとインプットに時間がかかります。当然、反復するのに時間がかかります。
1,000ページ超のテキストは宅建の学習範囲を超えています。初学者が手にするテキストではありません。
また、いきなり500問以上の4肢択一形式問題を使うのも初学者向きではありません。500問の問題集を6周するより、300問の問題集を10周するほうが効果的だからです。
まずは600ページ程度のテキストを1日20ページおよび300問分野別問題集を1日10問を目安に始めましょう。
その日学習した範囲は、夜寝る前にぱらぱらめくって見直します。翌朝にも前日学習した範囲をぱらぱらめくって見直し(5分でも10分でもかまいません)、それから新しい項目を学習しましょう。
この学習を30日間繰り返し、テキストと問題集を完走します。
分野別問題集の4肢択一形式問題を解くときは、4つの肢すべてについて根拠を明確にしながら正誤判定できるようにしましょう。問題集での勉強は正解を当てることが目的ではありません。解答番号を覚えて終わりでは何にもなりません。
最初は時間がかかってもかまいません。4つの肢すべてについて根拠を明確にしながら正誤判定する癖をつけてください。
それから第3段階に移行しましょう。
第3段階:法改正点をおさえながら過去問を習熟する
◆第3段階の学習は法改正点をきっちりおさえた上で数多くの過去問を習熟することです。
第2段階学習で300問を周回して基礎固めを終えたものの、質量ともにまだ足りません。
質の目標は法改正点の把握です。
宅地建物に関する法律は毎年のように改正されます。改正点をおさえないままだと実務に差し障ります。したがって宅建士がそれらの法改正点を熟知しておくのは当たり前のこと。だから宅建試験でも新たな法改正点を出題範囲に含んでいるのです。
そして、宅建試験は新たな法改正点から出題される傾向がとりわけ強い、という顕著な特徴があります。
法改正点は本試験までに絶対におさえておかなければいけないのです。これが質の目標です。
◆量の目標は500問+令和4年度宅建試験50問の合計550問です。問題数があまり多すぎると周回しにくくなります。周回数が少なくなると習熟が不十分になります。
学習の第3段階目で紹介するテキストは法改正点が明記されています。このテキストを一読して法改正点をチェックしたら550問に対応する問題集を解きます。
問題を解くときは全ての肢について第3段階目で用いる問題集を解く前にテキストを読み、550問全て(少なくともBランク問題まで)の肢問について根拠を明確にしながら正誤判定できるよう仕上げましょう。
以上、第3段階の学習は法改正点をきっちりおさえた上で数多くの過去問を習熟することです。
宅建3段階学習におすすめのオーディオブック・テキスト・問題集
◆宅建学習第1段階「1週間から10日間で宅建試験全範囲をざっと把握すること」に用いるのは『パーフェクト宅建士聞くだけ』です。
いきなりテキストを読むと読み方すらわからない法律用語の連発に挫折しかねません。
法律用語はもちろん、宅建試験全範囲を耳から聞いておくとテキストでの学習をスムーズに進めやすくなります!
◆宅建学習の第2段階「宅建試験の基礎を固める」に最適なのは、600ページ程度の宅建テキストのうち最もインプットしやすい『宅建士 合格のトリセツ基本テキスト』と最もアウトプットしやすい『宅建士 合格のトリセツ基本問題集』です。
『トリセツ基本問題集』はAランク問題が89%(300問中267問)を占めていて宅建初学者基礎知識で本試験問題を解く訓練をするのに一番良いです。
これら2冊(もしくは先にお伝えした宅建テキスト10シリーズのどれか)を使い、テキスト・問題集セットで1ヶ月以内(遅くとも7月下旬まで)に完走してください。
◆第3段階に最適なのは『どこでも宅建士 とらの巻』と『出る順宅建士 ウォーク問過去問』です。
『とらの巻』で法改正点を確認し、『ウォーク問過去問』で数多くの過去問を習熟します。どんなに遅くとも8月から第3段階に入りましょう。
『とらの巻』は例年5月下旬発売と市販テキストでは発売日がもっとも遅いですが、その分、法改正点が網羅されています。例年、テキストには最新改正点のみならず過年度改正点にもマークが施されています。
また、別冊付録の直前暗記集『どこでも宅建士 とらの子』がものすごく便利です。『とらの子』は宅建基本知識を切り離せる小冊子です。どこでも持ち歩き、ボロボロになるまで使い倒しましょう。
『とらの巻』も非常にコンパクトなテキストです。ただし『トリセツ』と違って余白はほとんどありません。みっちり詰まったテキストです。
その分、説明は『トリセツ』よりも丁寧です。
『トリセツ』で学習した知識を『とらの巻』で再インプットかつ補強しましょう。
『とらの巻』には『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』の該当ページが記載されています。『とらの巻』とリンクしている『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』でアウトプットし、過去問を習熟しましょう。
『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』は1巻〜3巻で合計550問を収録。重要度は特A・A・B・Cの4段階です。
最大のメリットは各問について合格者正解率(と不合格者正解率)を記載していることです。
繰り返しますが、宅建試験は合格者正解率66%以上の問題を確実に得点できれば合格します。『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』の合格者正解率66%以上の問題は絶対得点できるようにしてください。
さらに、ウォーク問550問のうち、特A・A・Bの522問(550問のうち94.9%)も必ず得点できるように仕上げてください。
問題を解くときは、肢問ひとつひとつまで根拠を持って正誤判定できるようにします。「なんとなくこれが正解」「たぶんこれが違う」といった曖昧な知識のままでは合格できません。
◆『ウォーク問』でアウトプットを繰り返し、知識が定着して正答率が100%に近づいたら、『過去30年良問厳選問題集』を使って120分で50問を解いてみましょう。
この問題集は本試験で実際に出題された過去問を本試験形式(1回50問)に構成しています。
このため市販予想模試にありがちな奇問珍問(例えば「次のうち、どれが地目にあてはまるか」などという本試験では絶対に出ない問題)が収録されていません。2020年版から発売されて以来、毎年おすすめしています。
解けなかった問題は解説を読み、テキスト(『『トリセツ』及び『とらの巻』)でチェックし、3回、4回、5回と周回しておきましょう。
宅建テキストについての基礎知識(種類及び内容のチェックポイント)
◆当記事で紹介したものも含め、書店・ネットの宅建コーナーにはじつにたくさんの宅建「教材」が並んでいます。
書店に行ってはみたものの、いろいろあって何を選んだらよいか途方にくれた方も少なくないと思います。
これまでにお伝えしたことと一部重複しますが、改めて宅建テキストについて説明しておきます。
宅建テキストの種類について
◆宅建テキストは次の3つのポイントから種類が分かれます。
- ページ数
- 分冊できるかどうか
- フルカラーかどうか
◆宅建テキストはページ数からおおまかに3種類に分類されます。
- 600ページ程度(多くても700ページ未満)
- 700〜1,000ページ
- 1,000ページ超
600ページ程度(多くても700ページ未満)の宅建テキストは収録内容を厳選し、情報をコンパクトにまとめてあります。
ただし、中には初学者向けではないものも混ざってますので、ぜひレビューをお読み下さい。
1,000ページを超える宅建テキストは、法律の条文番号はもちろん条文そのものまで収録するに留まらず、宅建試験では問われることのない内容まで収録しています。参考書としての利用価値は高いのですが、試験対策用として情報が多すぎます。試験範囲を大幅に超えた内容を詰め込んでいます。初学者がこのテキストで学習すると消化不良を起こします。
700〜1,000ページの宅建テキストは条文全部を掲載したりはせず、ページ数が膨れ上がらないよう編集されてはいるものの、600ページ程度の宅建テキストよりかなり情報量が多いです。
◆宅建テキストには分冊できる「分冊タイプ」と分冊できない「丸ごと1冊タイプ」の2種類があります。
まるごと1冊タイプはどの項目でも勉強できるのが利点です。
欠点は日頃持ち歩くには厚くて重いことです。常に携行して勉強するには邪魔になりかねません。
携行性でメリットがあるのは分冊タイプのテキストです。分冊にすることで厚み・重さを軽減し、持ち歩きやすさが格段に上がります。
ただし、分冊タイプだと「宅建業法を勉強したいけど今日は権利関係しか持ってこなかった」というときに困ります。
分冊タイプ・丸ごと1冊タイプどちらも一長一短ありますので、持ち運びについての欠点はKindleなどの電子書籍版を購入してスマホで読めるようにしてカバーすると良いでしょう。
◆宅建テキストにはフルカラーと二色刷があります。
一般的にフルカラーのほうが視覚的に内容を把握しやすいです。
ただし、フルカラーテキストでもフォントが全体的に小さいため読みにくいものや、小さなフォントと大きなフォント・多くの色・多くの種類のフォントを詰め込みすぎたため読みにくいものがあります。
フルカラーだからといって無条件で良いものとは限りません。もちろん二色刷だからと言って読みにくいわけでもありません。
当記事ではテキストの見やすさもチェックしています。見にくいものは見にくい、とお伝えします。
ただし、見やすさの判断は受験生一人一人違います。
当記事でお伝えする情報を参考にしていただきながら、リンク先のAmazon HP等からテキストのイメージ・サンプルをチェックしたり書店で手に取るなどして自分にとって読みやすく編集されているものをお選びください。
宅建テキストの内容について
◆宅建テキストにはいくつかの種類がありますが書かれいることももちろん大切です。
1日10時間くらい勉強時間を取れる専業受験生ならともかく、仕事や学業で忙しい社会人・学生や家事に追われる主婦・主夫はそんなに勉強する時間はありません。
宅建試験合格に必要なのは、「合格に必要な情報をきちんと記載し、合格に不要な情報を適切にそぎ落としている宅建テキスト」です。
とはいえ、どの宅建テキストが宅建試験合格に必要なテキストなのかを初学者が見極めることは難しい、というより無理です。初めて宅建試験に触れるのですから当たり前です。
◆そこで、誰にでもできる「初学者向け宅建テキスト内容の2つのチェックポイント」をお伝えします。※このチェックポイントを指摘したのは数ある宅建テキストレビュー記事でも当ブログが初めてです(2019年からお伝えしています!なお、個別レビューではもう1つのポイントもお伝えしています)。
- 条文番号「○○法○○条」の記載は原則不要(宅建業法34条の2・35条・37条、農地法3条・4条・5条を除く、なお条文番号も学びたい受験生はこの限りではない)
- 国土利用計画法の学習ポイントを明記しているかどうか
◆宅建試験では問題文に「○○法○○条」と条文番号が書かれていることがあります。
でも、宅建試験は問題文を読めば何が問われているのかがわかるように作問されているため、宅建初学者が条文番号自体を覚えておく必要はありません。
ただし、頻出項目の「宅建業法34条の2・35条・37条、および農地法3条・4条・5条」は覚えておきましょう。※条文番号も含めて勉強したい受験生や、宅建合格を皮切りに上位法律系資格取得を目指す方はこの限りではありません。
◆すでにお伝えしましたが、国土利用計画法(国土法)についてもう一度説明しておきます。
国土法には事後届出制と事前届出制がありますが、出題されているのは圧倒的に事後届出制です。
理由は明白。事前届出制の対象となっている監視区域が非常に少なく(東京都の小笠原村のみ)、注視区域にいたっては平成10年9月法改正施行以来指定された区域がないからです。
宅地建物を取引する上で、実務にかかわることがほとんどない事前届出制は重要でしょうか?当然ですが、重要なのは事後届出制です。宅建試験で国土法の出題が事後届出制に大きく偏っているのは実務上の理由から当然なのです。
この情報を知らないまま国土法を学習すると、事後届出制も事前届出制も等しく労力をかけてしまいます。はっきり言って無駄です。
これほど出題傾向がはっきりしているにもかかわらず、国土法の学習ポイントを明記していないテキストもあります。そんなテキストは他の項目でも目配りされていない可能性が極めて高いのです(実際、目配りされてません)。国土法は宅建テキストの善し悪しを図る良い指標なのです。
●以上を踏まえて、宅建初学者におすすめするのは
- 600ページ程度のコンパクトな宅建テキスト
- 自分にとって読みやすい宅建テキスト
- 宅建試験合格に必要な情報をきちんと記載し、合格に不要な情報を適切にそぎ落としているテキスト
です。いずれもインプットのしやすさに直結します。
◆さらに言えば、リンクしている問題集があるテキストを選ぶのが鉄則です。
リンクの仕方で多いのは「問題集にテキストの該当箇所が記載されている」ものです。
問題集でわからないことはすぐにテキストに戻って確認する癖をつけてください。わからない問題をわからないままにしておくと、本試験で痛い目を見ます。
◆ここまでお読み下さり、ありがとうございました!
当記事では10シリーズの宅建テキスト・問題集の購入レビューと3段階学習についてお伝えしました。
よろしければブックマーク、ツイッター等のSNSで他の宅建受験生にもお知らせいただけると励みになります!よろしくお願いいたします!
2023年度宅建試験合格に向けてがんばりましょう!!
◆なお、宅建合格率は15〜18%ですが、市販テキストで受験した方の合格率は6〜8%程度と言われてます。
一方、通信講座の中には毎年高い合格率をキープしているものがあります。フォーサイト宅建講座の合格率は例年70%以上。市販宅建テキスト・問題集での学習が不安な方は検討してみても良いと思います。