『ユーキャンの宅建士』シリーズの3冊の問題集
- 『ユーキャンの宅建士 きほんの問題集』
- 『ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集』
- 『ユーキャンの宅建士 過去12年問題集』
の購入レビューです。
ユーキャンの宅建士 きほんの問題集
※2024年版の購入レビューとなります。
『2024年版 ユーキャンの宅建士 きほんの問題集』基本データです。
書名 | 『2024年版 ユーキャンの宅建士 きほんの問題集 |
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価格 | |
Kindke版 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 宅建業法191頁、 法令上の制限・ 税・その他247頁 |
発行所 | 学び出版 |
発行日 | |
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ネットサービス | |
編著 | |
『2024年版 ユーキャンの宅建士 きほんの問題集』はA5サイズ。
3分冊の4肢択一形式分野別問題集です。
見開きの左ページに問題、右ページに各肢の解答・解説が記載されています。
二色刷り、赤シート対応です。
全体にフォントが小さめな上、欄外の「アプローチ」「ステップアップ」等にはさらに小さなフォントが使われていて見にくいです。
見やすさの感じ方には個人差がありますので、購入の検討はAmazonや書店で確認してからにしてください。
4肢択一問題を320問収録しています。
テキストとリンクしている問題集としては標準的な問題数です。ただし、これだけでは問題数としては不足しています。
あくまで「基礎を習得するための問題集」であることを意識しながら活用しましょう、と言いたいのですが基礎固め用としては「やや難あり」です。
320問の分野別内訳です(昨年版と変わらず)。
- 権利関係→106問
- 宅建業法→94問
- 法令上の制限→70問
- 税・その他→50問
統計についての問題はありません。統計データについては法改正情報とともに「はじめに」に記載されているURLにて追録されます。かならずチェックしましょう。
問題の学習優先度は高・注・低の3段階(本書の利用法より)。
問題の学習優先度別の内訳は次の通りです。
- 権利関係→高:89問、中:17問、低:0問
- 宅建業法→高:76問、中:17問、低:1問
- 法令上の制限→高:51問、中:17問、低:2問
- 税・その他→高:28問、中:20問、低:2問
320問の学習優先度構成は高:244問、中:71問、低:5問でした。
高・中ランク合計で315問と320問中98.4%を占めています(昨年版と変わらず)。
ちなみに『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別基本問題集』は300問中A・Bランク問題が98%(【購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集 2024年版 )。
本書は、分野別問題集の中では『トリセツ』並に基礎問題率が高いです。この点については基礎固め用分野別問題集として遜色ないように見えます。
しかしながら、本書の収録問題には「捨て肢」が数多く含まれています。
本書で収録された捨て肢は72問中87肢。学習優先度低の問題が捨て肢を含むならともかく、捨て肢は学習優先度高で44問中52肢、学習優先度中で23問中29肢。
当サイトではテキストとリンクしている300問程度の4肢択一分野別問題集は基礎固めに用いることを推奨していますが・・・本書は捨て肢を含む問題がAB問題に相当する優先度高・中の315問中67問21.3%も含まれています。
捨て肢はとりわけ権利関係に集中しています。
権利関係106問のうち、捨て肢は39問中48肢。これは問題の21.3%、肢問424の11.3%を占めます。
注:捨て肢とされているものの中には基本問題としか思えないものも複数含まれていて・・・どうしたものでしょうね。
本試験での捨て肢対策として採用したものと思われますが、基礎知識で解ける基礎問題を確実に得点できるよう訓練する=基礎固め用問題集としては「やや難あり」と判断せざるを得ません。
本書の見開き左側問題文ページに3回分のチェック欄があります。3回と言わず最低でも5回は周回して基礎を習得し、次の問題集に移行すると良いでしょう。
本書は『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』とリンクしています(注:必ず同一年度のテキストと問題集を揃えて下さい!)。右ページ下に『きほんの教科書』の該当箇所が記載されています(「L12-2」ならレッスン12の大見出し2)。
問題を解いていてわからないことがあったらすぐにテキストの該当箇所を開く癖をつけましょう。
法改正情報・正誤等ネットサービスがあります。必ずご確認ください。
当サイトでは問題を解くときはかならず「すべての選択肢について」根拠を明らかにしながら正誤判定できるようにする」ようお伝えしています。
ただし、もし本書を選んだ場合は捨て肢には深入りしないほうが懸命です。
本書を問題集として選ぶかどうかは『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』を使うかどうか次第です。問題集を先に選ぶのではなく、テキストをどれにするかについてまず熟考することを強くおすすめします。
※書誌情報を確認したところ、2024年版・2025年版ともに672ページと同一でしたので、ECサイトへのリンクを2025年版に変更しました。
ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集
※2023年版の購入レビューとなります。
本書は見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。
付録の赤シート対応を右ページにかぶせながら左ページの問題を解いていきましょう。
解答ページ問題番号の下に2回分のチェック欄があります。2回といわず、6回、7回と周回しましょう。
本書は全部で439ページ。サイズは新書版。現在出版されている市販宅建一問一答問題集の中では『出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集』に次ぐ小ささ。
常に持ち歩いて隙間時間に問題を解くのに適しており、これが本書最大のメリットです。
収録問題集は800問です。
宅建試験は4肢択一形式の問題が50問、すなわち肢問が200問出題されます。
したがって、本書が収録している一問一答形式問題800問は宅建試験5回分の問題数に相当します。
800問の内訳です。
- 権利関係→280問
- 宅建業法→230問
- 法令上の制限→170問
- 税・その他→120問
問題には重要度別に★★★〜★が付されています。★★★が最重要問題です。
800問(肢)のうち★★★が67.9%、★★が30.6%、★が1.5%です。他の一問一答、とくにLEC『トリセツ』と日建学院『どこでも』に比べると重要度の高い問題の割合が少ないです。
宅建一問一答問題集には、すべて過去問から収録しているものとオリジナル問題を収録しているものがあります。
本書は収録問題の一部がオリジナル予想問題となっています。チェックしたところ、権利関係の29問(29肢)がそうでした。
過去問のみの一問一答問題集で学習したい受験生は他のものを購入しましょう。
本書で収録している過去問については、問題番号の下に出題年のみが記載されています。いちいち探さないと実際の過去問にたどりつけないため、これはマイナスポイントです。
でも本書最大のマイナスポイントは他にあります。
それは『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんのテキスト』とリンクしていないこと(注:この点は2024年版でも改善されませんでした)。
テキストとのリンクを期待して購入すると当てが外れます。くれぐれもご注意ください。
宅建問題集には本書のような一問一答形式と4肢択一択一があります。4肢択一形式だと正解番号を覚えてしまう危険性があるため、一問一答形式を薦める考えの方がいます。
基礎知識の獲得は一問一答のほうがしやすいのは確かです。とはいえ、4肢択一形式の問題であっても、それぞれの肢を一問一答と見なして取り組めば同じことです。
一方、本試験問題を解く訓練は4肢択一に軍配が上がります。
一問一答問題集と4肢択一問題集のどちらにも特長があります。
鉄則としてこれだけは言えることは、「問題を解くときは、かならず「すべての選択肢について」根拠を明らかにしながら正誤判定できるようにすること」に他なりません。
一問一答問題集であっても、必ず根拠を明らかにしながら正誤判定できるよう、心がけましょう。
※2024年版の発売が2月でしたので、2025年版も同じ時期の発売になると思われます。このためECサイトへのリンクは2024年版となります。2025年版が必要な受験生は発売までお待ち下さい。
ユーキャンの宅建士 過去12年問題集
※2023年版の購入レビューとなります。
『ユーキャンの宅建士 過去12問題集』の特徴は以下の通りです。
- 年度別過去問の収録年数:12年
- 年度別過去問の収録回数:12回
- 法改正への対応:削除および改題(改題には「改題」マークあり)
- 問題の各肢にマークはあるか?:無し
- テキストとリンクしているか?:している
宅建年度別過去問を12年間・12回分を収録しています。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は10月試験のみ収録。
宅建年度別過去問集の中には、12年間・12回分収録しているもの(令和2・3年度12月試験を未収録)、10年間・12回分(12月試験を収録しているが平成25年以降しか収録していない)もの、12年間・14回分収録しているもの(令和2・3年度12月試験も収録)があります。
本書は12年間・12回分の年度別過去問を収録しています。年度別過去問をより多く解いておきたい受験生は12年間・14回分を収録しているもののほうが良いです。
法改正によって成立しなくなった問題については「すべて改題で対応」しています。
年度別過去問には「120分間という本試験の時間内でのペース配分をつかむ」という役割があります。
この役割を重視する受験生にとっては、法改正にはできるだけ改題で対応して50問(実際は問48統計を除く49問)を提供してある年度別過去問集を利用するほうが良いでしょう。※ただし、改題によって難易度が変わりうることは頭にいれておいてください。
問題の各肢にはマークがありません。
宅建年度別過去問集には、各肢に問題の難易度を付しているものがあります。
中には「深入り厳禁」を含めた重要度マークを付しているものもあります。宅建試験では、肢問の中に難解なものを混ぜていることがあります。難解なので、正答率はとても低いです。このような肢問は合否にほとんど関わらないため、捨て肢(すてあし)と呼ばれています。
捨て肢マークは学習する上ではとても有益です。宅建試験合格にとって大切なことは「多くの受験生が正答する問題を確実にとること」です。捨て肢にこだわって重箱の隅をつつくようなマイナーな論点にこだわるより、例年出題されている頻出項目をきっちりとることのほうがよほど重要だからです。
とはいえ、問題の各肢にマークが付されていると、繰り返し解く際の目印になってしまって正解肢を覚えやすくなってしまうことも事実です。
それが嫌な受験生は、本書のような各肢にマークのない年度別過去問集を選択すると良いでしょう。
※2024年版の発売が1月でしたので、2025年版も同じ時期の発売になると思われます。このためECサイトへのリンクは2024年版となります。2025年版が必要な受験生は発売までお待ち下さい。