宅建テキストは各出版社から毎年多数発売されています。2019年に16冊を購入して比較検討したところ、宅建独学・初学者に最もおすすめできるのはLEC『2019年版 きほんの宅建士 合格テキスト』でした。
今回レビューする『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』は、『2019年版 きほんの宅建士 合格テキスト』の後継である『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』の2023年版です。
なお、宅建テキスト・問題集・参考書・オーディオブックについては『宅建テキスト・参考書2023:独学向けおすすめ購入レビュー 』にまとめてあります。ぜひご参照ください。Amazonへのリンクから紙面デザインを確認できるものもあります。テキスト選びの参考になさってください。
2023年度宅建試験合格を目指し、がんばりましょう!
今すぐ無料で使える宅建教材
◆今すぐにでも宅建学習を始められる教材としておすすめできるのがAudible版『パーフェクト宅建士聞くだけ 』です。
◆『パーフェクト宅建士聞くだけ 』はAmazonのAudible(オーディブル)というオーディオブックサービス。再生するとテキスト本文を読み上げてくれます。
読み上げ、というとスマホ・タブレットでの読み上げ機能をイメージするかもしれませんが、『パーフェクト宅建士聞くだけ』はプロがナレーションを担当しているので、合成音声とは比べものにならないほど聞きやすいです。
◆再生時間は12時間29分。
1.2倍速でもしっかり聞き取れますので10時間24分に短縮できます。朝・昼・晩各30分ずつ7日間聞けば終えられます!
◆宅建では民法・宅建業法・建築基準法などから出題されます。これらの法律に初めて触れる方は法律用語になじみがないため、いきなりテキストを読んでも挫折しかねません。
用語になじみのないままテキストで学習するより、一度でも用語を耳にしてからテキストを開いたほうがスムーズに学習に入れます!
注:Audible版の定価は『2023年版パーフェクト宅建士聞くだけ(全3巻)』は定価¥12,500。購入せず、Audibleに入会して聞く方がお得です。
◆AmazonのAudibleに初めて登録する方は『パーフェクト宅建士聞くだけ 』のみならず、Audible会員プラン聴き放題対象コンテンツを30日間無料で利用できます。
『パーフェクト宅建士聞くだけ (2023年版・全3巻)』をクリックすると、Audibleに登録したことが無い方は「無料体験を試す」というオレンジのボタンが表示されます。
(画像はAudibleのHPより)
※すでにaudibleを利用したことがある方は「無料体験を試す」ボタンが表示されません。
※※Amazonは30日間返品可です!誤って「¥12,500」をチェックして購入した場合は返品してください!!
管理人の知る限り、実質無料かつこれほど手軽に宅建試験全範囲を1周できる製品版教材はこれだけです。耳からのインプットは記憶の定着にとても役立ちます!
『パーフェクト宅建士聞くだけ』を足がかりにして、スムーズに宅建学習に入りましょう!
注:『パーフェクト宅建士聞くだけ』だけで宅建試験に挑むことはできません。必ず宅建テキスト・問題集と併用してください。
『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』 購入レビュー
『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』 基本データ
LEC『2023年版 きほんの宅建士 合格テキスト』基本データです。
書名 | 2023年版宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト |
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価格 | |
Kindke版の価格 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限・税・その他165頁、 重要論点集47頁 |
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◆本書は4分冊、合計588ページです。テキスト部分の3分冊それぞれの巻末に索引が付いてます。索引は調べ学習に必須です。索引があるテキストを必ず選びましょう。
Kindle版もあります。
ブログ管理人はテキスト書き込み派なのですが、スマホ・タブレット等でいつでもどこでも勉強できるKindle版の手軽さは見逃せません。来年度版では復活してほしいです。
◆発行はLEC。フルカラーです。
重要項目は赤字で書かれています。参考書によくある赤シートをかぶせるとかなり見えにくくはなりますが、赤シートに完全対応してるわけではありません。赤シートも付いてません。
◆付録は3つあります。
- 各項目のインデックスシール(「時効」「代理」「監督・罰則」や「農地法」など):インデックスシールを貼ることで勉強したい項目を素早く開くことができます。これは地味に良い付録です。
- 分冊背表紙シール:各分冊を取り外した後、このシールを背表紙に貼っておきましょう。どの分冊かすぐわかりますし、分冊の保護にもなります。
- 重要論点集:巻末47ページ、分冊可です。今年度版が初めてです。
なお、これまで付いてきた付箋はアンケート特典となりました。当ブログ管理人は「付箋をなしにして価格を抑えて欲しい」旨を言い続けてきたので、付箋なしの要望は通った形になりました。でも価格は残念ながら据え置きです。
ではLEC『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』の詳細レビューにうつります。
読みやすいテキスト構成
◆テキストは、主に①説明文、②要点解説(イラスト付き)、③攻略メモ、④1〜3題の過去問トレーニングから構成されています。
いずれも読みやすいフォントを採用しています。
フォントの大きさも問題ありません。
管理人は老眼が進行していてハズキルーペがないと小さすぎる字は読めないのですが、本書ではハズキルーペも不要です(唯一、「重要事項の説明書面」pp.88-91はちょっと字が小さくてつらいですけど)。
◆各項目には重要度がA・B・C三段階で示されています。とはいえ、Cはごく少ないです。次項とも重複しますが、本書は無駄をかなり省いた構成になっています。基本的にどの項目も重要と思ってまんべんなく学習するのが良いと思います。
◆宅建では権利関係の理解に図が欠かせません。
権利関係の説明で図を用いない宅建テキストはまずないのですが、単にA(本人)、B(代理人)、C(相手方)を人型にしてるだけのものばかり。これだとちょっとわかりにくいときがあるんですね。
本書ではフルカラーを活かして、この点をちょっと工夫してあります。
そんなときは、合格テキストの出番です!しっかりと図が描かれてあります。しかくちゃんが本人。ひし形ちゃんが代理人。まるちゃんは相手と描き分けられているんです。さんかくさんはワルです。まねして描けるようになると飛躍的に伸びると思います。#きほんの宅建士 pic.twitter.com/aiciA6gLFz
— LEC岡山本校 (@LEC_okayama) 2018年12月24日
2019年版へのtwitterですが、この長所は2023年版でも踏襲されています(使い回しとも言えますが、変えない方がいいです)。
画像には載っていないのですが、緑色の△頭でガラの悪そうなサングラスをかけたイラストも登場します。これは詐欺や脅迫をする悪徳業者(悪意)や無権代理人、不法占拠者・背信的悪意者を示しています。他愛ないイラストではあるものの、こういったちょっとした工夫が理解と記憶の定着を助け、得点につながります。
本試験にはまず出ない箇所をカット、無駄を省いた内容
本書のコンセプトの一つは、「重要度が低く試験であまり問われない箇所は思い切ってカット!合格に必要な内容のみ絞り込みました!」、です(本書の「はじめに」p.11より引用)。
その狙いは達成されていると思われます。
宅建初学者にできないことの一つが、「これまでの宅建本試験にほとんど出題されない項目を見極めること」です。
信頼できる資格スクールだとこれをきちんと教えてくれます。資格スクールを利用する大きなメリットは無駄の少ない学習にあります。
『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』は本試験には不要な情報がきっちりカットされている、と言えます。
初学者の方でも見分けられる「見極めポイント」を3つ上げます。
①本書には「民法○○条」という箇所が見当たりません。良いことです(必須と言える農地法3条・4条・5条と宅建業法「35条」と「37条」はちゃんとあります。ただ、「34条の2」はあったほうが良かったかもしれません)。
民法○○条・借地借家法第○○条という条文番号をきっちり書いているテキストもありますが、宅建本試験で正解を導くにはそこまで覚える必要はありません。
②宅建業法での見極めポイントは罰則です。
罰則について記載が並んでいても「完全に深追い厳禁です(本書の宅建業法p.133より引用)」などの注意点がないテキストはおすすめできません。
注意点なしに罰則が羅列されていると罰則全部を覚えなければいけないと思ってしまいます。管理人の宅建受験1年目がそうでした。
でもその必要はありません。あたかも罰則の暗記を強要するかのように書かれているテキストは避けるべきです。
③法令上の制限の見極めポイントは国土利用計画法に「注視」することです。
国土利用計画法の監視区域・注視区域・規制区域については過去10年の宅建本試験でほとんど出題されていません(※監視区域内の事前届出についてのみ出題されています)。したがって、国土法を丁寧に丁寧に解説しているテキストはおすすめできません。
管理人が宅建受験1年目に選んだテキストには、本試験に出ない箇所についても丁寧に記述してありました。
テキストに書いてあるならそれは勉強しておかないといけない、と思うのが受験生心理です。
しかしながら、すでに述べたとおり、宅建本試験で問われないことまで読む暇など受験生にはありません。時間は有限です。
不要な知識をインプットしないことはとても重要なのです。
『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』ではその心配はほぼありません。
他の一部のテキストと比べると内容があっさりしてるように見えるためちょっと物足りなく感じるかもしれませんが、さくさく読みこなして何度も周回し、基礎をがっちり固めましょう。
なお、昨年度版からようやく「400万円以下の低廉な空き屋等の売買・交換の媒介報酬」等についての記載されました(p.142)。当ブログ記事でも扱っておりますので、気になる方はご一読いただければと思います。
【宅建試験重要項目】低廉な空き家等の売買・交換の媒介報酬(宅建業法改正より)
◆『トリセツ』は出版時期が10月後半なので、早くから勉強できることもメリットです。
ただし、『トリセツ』にもデメリットがあります。
最大のデメリットはどこが法改正点なのかわからないことです。
宅建試験は最新法改正点から出題されやすいという明確な傾向があります。法改正点は宅建士として知っておかなければならないからです。
このデメリットは、例年5月下旬に発売される『どこでも宅建士 とらの巻 短期決戦型速習テキスト』で必ず補ってください。宅建試験は法改正点から出題されやすいからです。
◆どのテキストについても言えることですが、テキストの勉強だけでは宅建は合格できません。たいていのテキストはセットで問題集を出版していますが、問題集の問題だけでも不十分です。
『トリセツ 基本テキスト』とリンクしている『トリセツ 基本問題集』をセットで学習したら、『とらの巻』とリンクしている『出る順宅建士 ウォーク問過去問題集』でさらに数多くの過去問に習熟しましょう。
インターネットアフターサービスあり
◆本書のインターネット付属サービスは以下の通りです。
- 著者の友次先生による講義動画45回分
- スマホ対応一問一答
- 法改正情報
- 宅建NEWS(統計情報)
- 誤植情報
1と2は本書QRコードからのアクセスとなります。
3と4はLECのMyページからとなります。
5はLEC書籍の訂正情報WEBサイトでチェックします。
かならず活用しましょう。
長所・短所
- 読みやすい大きさ・種類のフォントが使われていて、テキスト・図表とも視覚の負担がかかりにくい
- 無駄を省いた内容
- Kindle版がある
- 動画講義を含むインターネットサービスがある
- 法改正情報を別途入手する必要がある
宅建合格に向け、まずはこの1冊から始めましょう!
『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』は全44コース。短いコースは1日で2つこなし、遅くとも6月15日までにテキスト・問題集セットで1周完走することを目指しましょう!