【2024年5月27日更新】
宅建テキストは各出版社から毎年多数発売されています。2019年に16冊を購入して比較検討したところ、宅建独学・初学者に最もおすすめできるのはLEC『2019年版 きほんの宅建士 合格テキスト』でした。その後、『きほんのテキスト』は『トリセツ』となりましたが、当サイトでは一貫してこのテキストを宅建独学・初学者向けに最もおすすめしてきました。
この記事では『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト 2024年版』、『宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集 2024年版』、『宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集 2024年版』を実際に購入しましたので、ページ数、内容、付録などについてレビューします。
※2024年版トリセツテキストには大きな改善点がありました!
2024年度宅建試験合格を目指し、がんばりましょう!
注:初めて宅建を学習する方がいきなりテキスト・問題集で学習し始めることはおすすめしません。
宅建学習も英語学習と共通点があります。英語学習の基礎の基礎は単語を覚えること。宅建も同じです。宅建用語を当たり前に使えないと問題を解けません。
善意、悪意、過失、制限行為能力者、区分所有者、相殺、錯誤、被相続人などは当たり前に登場します。取消と無効も当たり前に登場しますが、明確に違います。どれもこれも基礎の基礎です。
まずは宅建用語に慣れることから学習をスタートし、はじめの10日間をかけて宅建試験全体の解像度を上げておく(用語に慣れる、どの法律からどんなことが出題されるのか、どの法律から何問出題されるのか、などなど)ことを何よりもおすすめします。
教材は30日間無料で利用できる『パーフェクト宅建士 聞くだけ』がベストです。13時間未満で宅建試験範囲をざっとカバーできます。
テキストを開く前に耳学習で宅建用語に慣れておきましょう!
宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト
LEC『2024年版 きほんの宅建士 合格テキスト』基本データです。
書名 | 2024年版宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト |
---|---|
価格 | |
Kindke版の価格 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限・税・その他170頁、 重要論点集47頁 |
発行所 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | |
著者名 | |
◆Amazonでの登録情報によると本書は628ページとなっています。しかしながら、巻頭特集・はじめに・目次・用語集および巻末の重要論点集を除いたテキスト部分(権利関係、宅建業法、法令上の制限・税・その他の合計)は550ページです。
テキスト部分の3分冊それぞれの巻末に索引が付いてます。索引は調べ学習に必須です。索引があるテキストを必ず選びましょう。
◆Kindle版もあります。紙書籍版より¥100安いです。
ブログ管理人はテキスト書き込み派なのですが、スマホ・タブレット等でいつでもどこでも勉強できるKindle版の手軽さは見逃せません。
◆発行はLEC。フルカラーです。
重要項目は赤字で書かれています。参考書によくある赤シートをかぶせるとかなり見えにくくはなりますが、赤シートに完全対応してるわけではありません。赤シートも付いてません。
◆付録は3つあります。
- 各項目のインデックスシール(「時効」「代理」「監督・罰則」や「農地法」など):インデックスシールを貼ることで勉強したい項目を素早く開くことができます。これは地味に良い付録です。
- 分冊背表紙シール:各分冊を取り外した後、このシールを背表紙に貼っておきましょう。どの分冊かすぐわかりますし、分冊の保護にもなります。
- 重要論点集:巻末47ページ、分冊可です。昨年度版で初めて登場し、2024年版にも引き継がれました。
2022年版までは付箋も付録についていたのですが、2023年版から読者アンケート特典となりました。
◆テキスト本文・図表・欄外注釈などのフォントには非明朝タイプのユニバーサルデザインフォント系のフォントを採用。読みやすいです。
テキスト本文はフォントの大きさもちょうど良いです。管理人は老眼鏡がないと小さすぎる字は読めないのですが、本書は老眼鏡不要です(唯一、「重要事項の説明書面」pp.88-91はちょっと字が小さくてつらいですけど)。
◆テキストは主に①説明文、②要点解説(イラスト付き)、③攻略メモ、④1〜3題の過去問トレーニングから構成されています。
各項目には重要度がA・B・C三段階で示されています。とはいえ、Cはごく少ないです。次項とも重複しますが、本書は無駄をかなり省いた構成になっています。基本的にどの項目も重要と思ってまんべんなく学習するのが良いと思います。
◆宅建では権利関係の理解に図が欠かせません。
権利関係の説明で図を用いない宅建テキストはまずないのですが、単にA(本人)、B(代理人)、C(相手方)を人型にしてるだけのものばかり。これだとちょっとわかりにくいときがあるんですね。
本書ではフルカラーを活かして、この点をちょっと工夫してあります。
そんなときは、合格テキストの出番です!しっかりと図が描かれてあります。しかくちゃんが本人。ひし形ちゃんが代理人。まるちゃんは相手と描き分けられているんです。さんかくさんはワルです。まねして描けるようになると飛躍的に伸びると思います。#きほんの宅建士 pic.twitter.com/aiciA6gLFz
— LEC岡山本校 (@LEC_okayama) 2018年12月24日
2019年版へのtwitterですが、この長所は2023年版でも踏襲されています(使い回しとも言えますが、この長所は変えない方がいいです)。
画像には載っていないのですが、緑色の△頭でガラの悪そうなサングラスをかけたイラストも登場します。これは詐欺や脅迫をする悪徳業者(悪意)や無権代理人、不法占拠者・背信的悪意者を示しています。他愛ないイラストではあるものの、こういったちょっとした工夫が理解と記憶の定着を助け、得点につながります。
◆本書のコンセプトの一つは、「重要度が低く試験であまり問われない箇所は思い切ってカット!合格に必要な内容のみ絞り込みました!」、です(本書の「はじめに」p.11より引用)。
その狙いは達成されていると思われます。
宅建初学者にできないことの一つが、「これまでの宅建本試験にほとんど出題されない項目を見極めること」です。
信頼できる資格スクールだとこれをきちんと教えてくれます。資格スクールを利用する大きなメリットは無駄の少ない学習にあります。
『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』は本試験には不要な情報がきっちりカットされています。
初学者の方でも見分けられる「見極めポイント」を3つ上げます。
①本書には「民法○○条」という条文番号が見当たりません。良いことです(必須と言える農地法3条・4条・5条と宅建業法「34条の2書面」、「35条」、「37条」はちゃんとあります)。
民法○○条・借地借家法第○○条という条文番号をきっちり書いているテキストもありますが、宅建本試験で正解を導くにはそこまで覚える必要はありません。
②宅建業法での見極めポイントは罰則です。
罰則について記載が並んでいても「完全に深追い厳禁です(本書の宅建業法p.149より引用)」などの注意点がないテキストはおすすめできません。
注意点なしに罰則が羅列されていると罰則全部を覚えなければいけないと思ってしまいます(管理人の宅建受験1年目がそうでした。無駄なことをしてしまいました)。
でもその必要はありません。あたかも罰則の暗記を強要するかのように書かれているテキストは避けるべきです。
③法令上の制限の見極めポイントは国土利用計画法に「注視」することです。
国土利用計画法の監視区域・注視区域・規制区域については過去10年の宅建本試験でほとんど出題されていません(※監視区域内の事前届出および2023年度試験では「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」について出題されましたが、正解肢は事後届出からの出題でしかも至極簡単でした)。したがって、国土法を丁寧に丁寧に解説しているテキストはおすすめできません。
管理人が宅建受験1年目に選んだテキストには、本試験に出ない箇所についても丁寧に記述してありました。
テキストに書いてあるならそれは勉強しておかないといけない、と思うのが受験生心理です。
しかしながら、すでに述べたとおり、宅建本試験で問われないことまで読む暇など受験生にはありません。時間は有限です。
不要な知識をインプットしないことはとても重要なのです。
『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』ではその心配はほぼありません。
他の一部のテキストと比べると内容があっさりしてるように見えるためちょっと物足りなく感じるかもしれませんが、さくさく読みこなして何度も周回し、基礎をがっちり固めましょう。
なお、2022年度版からようやく「400万円以下の低廉な空き屋等の売買・交換の媒介報酬」等についての記載されました(宅建業法p.142)。当ブログ記事で詳しく扱っておりますので、気になる方はご一読いただければと思います。
【宅建試験重要項目】低廉な空き家等の売買・交換の媒介報酬(宅建業法改正より)
◆本書には一問一答問題が185問収録されています。正解率100%になるまで繰り返し解きましょう。
◆2024年版トリセツテキストにはとても大きな改善点がありました!
それは、各コースの最初のページに『宅建士合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』のみならず『宅建士合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集』の該当番号を表示したことです!
昨年までの『トリセツ』もテキストと問題集はリンクしていました。ただし、リンクの仕方は分野別問題集(および一問一答問題集)にテキストの該当コースが記載されているのみ。問題集→テキストという方向でしかリンクされていませんでした。
テキスト→問題集という方向のリンクは、TACの『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』とユーキャンの『宅建士 基本の教科書』には採用されていたものの、2024年版では分野別問題集のみで一問一答問題集へのリンクはありません。問題集とのリンクに関しては『トリセツ』が一歩優位に立ったと言えます。
※ただし、当サイトでは書籍版一問一答問題集は必須とは考えていません。アプリやWebで無料で利用できるものがあるからです。
すでに使っている方は気付かないかもしれませんが、これは2024年版最大のメリットと言えます。
テキスト・問題集は原則としてリンクしているものを使うべきですが、『トリセツ』はリンクのレベルを一段階引き上げました。
◆『トリセツ』のデメリットにも触れておきます。
『トリセツ』は出版時期が2024年10月後半と2024年対策用宅建テキストとしては最も早くから発売されます。ということは2023年度宅建試験の内容は含まれないことになります。発売時期が早いのは早くから勉強できることなのでメリットがある一方、最新試験問題を反映していないことはデメリットにつながります。
また、最大のデメリットはどこが法改正点なのかわからないことです。
宅建試験は最新法改正点から出題されやすいという明確な傾向があります。法改正点は宅建士として知っておかなければならないからです。
トリセツには法改正点が明記されていません。このため、本書を選んだ受験生は自分で法改正情報を入手してインプットしなければなりません。
このデメリットは「本書ご購入者のための特典」の「2024年法改正情報」で必ず補ってください。
◆どのテキストについても言えることですが、テキストの勉強だけでは宅建は合格できません。たいていのテキストはセットで問題集を出版していますが、300問程度の問題集では不安です。
かと言って、いきなり500問以上を収録している問題集で学習するのは禁物です。
まずはテキストとセットで一問一答集もしくは300問程度の問題集を何周もこなして基礎をがっちり固めてください。
『トリセツ 基本テキスト』だと、テキストと双方向でリンクしている『宅建士合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集』および『宅建士合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』とセットでまずは基礎を固めましょう(2024年5月くらいまでに基礎固めを終えると次のステップが楽になります)。
基礎学習ががっりち固まったら、『出る順宅建士 ウォーク問過去問題集』でさらに数多くの過去問に習熟しましょう(2024年6月頃から過去問習熟ステップに移行できると良いでしょう)。
◆本書のインターネット付属サービスは以下の通りです。
- 著者の友次先生による講義動画45回分
- 法改正情報
- 宅建NEWS(統計情報)
- 誤植情報
1は本書QRコードからのアクセスとなります。
2と3はLECのMyページからとなります。
4はLEC書籍の訂正情報WEBサイトでチェックします。
かならず活用しましょう。
★読者アンケートに答えると「キャラ付箋」および「スマホ対応一問一答PDFデータ」がもらえます。
<長所・短所>
- 読みやすい大きさ・種類のフォントが使われていて、テキスト・図表とも視覚の負担がかかりにくい
- 無駄を省いた内容
- 動画講義を含むインターネットサービスがある
- 法改正情報を別途入手する必要がある
宅建合格に向け、まずはこの1冊から始めましょう!
宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集
LEC『2024年版 きほんの宅建士 厳選分野別過去問題集』基本データです。
書名 | 2024年版 宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集 |
---|---|
価格 | |
Kindke版の価格 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限・税・その他207頁 |
発行所 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | |
著者名 | |
◆『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』は、全問の見開き左ページの右上に『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』の該当する編・コース番号が記載されています。
メインテキストを『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』にする方は本書を用いて学習すると良いでしょう。
◆『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』はA5サイズ。権利関係、宅建業法、法令上の制限・税・その他の3分冊です。
◆見開きの左ページに問題、右ページに各肢の解答・解説が記載されています。右ページを隠しながら問題を解きましょう。
◆付録として「分冊背表紙シール」と「チェックシート(100問×3枚)」がついてます。
チェックシートがあると進捗状況を把握しやすいとはいえますが、問題文ページの下に3回分のチェック欄があります。チェックシートをなしにして50円でも安くしたほうが受験生のためになると思います。
◆宅建問題集の中では読みやすいフォントを用いてます。小さな字はほとんどなく、必要に応じて図も掲載されています。初学者がとっつきやすい問題集と言えるでしょう。
◆赤シートには対応していません。
◆全部で300問を収録しています。テキストとリンクしている問題集としては標準的な問題数です。ただし、300問では合格に達する演習問題数としては足りません。あくまで「基礎を固めるための問題集」であることを意識しながら活用しましょう。
◆300問の内訳です(出題数は昨年版と同じです)。
- 権利関係→100問
- 宅建業法→100問
- 法令上の制限→54問
- 税・その他→46問
統計についての問題はありません。
◆問題の難易度はA〜Cの3段階です。
- Aランク→「すべての選択肢について復習してほしい問題」
- Bランク・Cランク→「難しい選択肢はあるけれど正解までたどりついてほしい問題」
◆本書の特長は問題の89.3%をAランクが占めていることです。
- 権利関係→Aランク問題82問、Bランク問題16問、Cランク問題2問
- 宅建業法→Aランク問題93問、Bランク問題6問、Cランク問題1問
- 法令上の制限→Aランク問題53問、Bランク問題0問、Cランク問題1問
- 税・その他→Aランク問題40問、Bランク問題4問、Cランク問題2問
300問中、Aランク問題は268問(268÷300=0.893)、89.3%を占めています。
一方、Cランク問題はわずか6問にすぎません。
ABランク問題は268問+26問=合計294問と、300問中98%を占めています。
したがって、本書は300問全部について「すべての選択肢について復習してほしい」問題ばかりと言っても良いでしょう。宅建初学者が最初に学習するのにもってこいの問題集です。
一方、本書だけでは演習問題数が足りません。とくにBランク問題の演習が不足しています。この点を補うため『ウォーク問』への移行をおすすめしています。
※問題を解くときは、かならず「すべての選択肢について」根拠を明らかにしながら正誤判定できるようにしましょう。個数問題・組み合わせ問題への対応にもつながります。
◆本書の問題文ページの下には3回分のチェック欄があります。できれば3回と言わず、テキスト(『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』)の該当箇所とともに6回、7回と周回して基礎を習得し、『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』に移行すると良いでしょう。
◆2024年版での改善点は次の2点です。
(1)全問アプリが付いたこと
(2)無料解説動画が6回分増えたこと
無料解説動画については、昨年版は24回だったのが2024年版は30回に増えました。
これら2点の改善点はどちらも購入者特典です。購入したらかならずチェックしましょう。
◆今年度版にはKindle版があります。問題集に書き込みながら学習したい方は紙書籍版必須ですが、スマホ・タブレットでいつでも問題を解けるKindle版も活用するとより良いでしょう。必要に応じて適宜選択してください。
◆訂正情報は必ず定期的にチェックしてください(書籍・誤植訂正情報 - 宅建士|LEC東京リーガルマインド)。法改正情報は2024年8月下旬公開予定です。時期がきたら統計情報と合わせてかならず入手しましょう。
宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集
LEC『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集』基本データです。
書名 | 2024年版 宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集 |
---|---|
価格 | |
Kindke版の価格 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | |
発行所 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | 解答解説ダウンロード |
著者 | |
◆『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集』は、各論点冒頭ページに『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』の該当する編・コース番号が記載されています。
メインテキストを『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』にする方で、書籍版一問一答問題集で学習したい方は本書を用いると良いでしょう。
ただ、一問一答問題集はアプリやWebで無料で利用できるものもあります。必ずしも購入しなくても良い場合もありますので、購入前にしっかり検討してください。
◆収録問題数は800問(800肢)。
800問の内訳は昨年版と共通です。
- 権利関係→266問
- 宅建業法→232問
- 法令上の制限→181問
- 税・その他→121問
◆問題には出題頻度別に★★★〜★が付されています。
★★★は「出題頻度が高い問題」、★★は「出題頻度がそこそこ高い合否を分ける問題」、★は「出題頻度が低い問題」(「本書の使い方」より)です。
800問(肢)のうち★★★が92.6%(741問)、★★が5.5%(44問)、★が1.9%(15問)。
★★★の収録問題数がわずかに減ったものの、昨年版と変わらず出題頻度の高い問題がほとんどを占めている一問一答問題集となっています。初学者向きと言えます。
※昨年版は★★★739問、★★44問、★16問でした。
◆2024年版の大きな改善点は、分冊タイプになったことです。
昨年版は1冊丸ごとの問題集だったため、携行性するのに重かったのがデメリットだったので、2024年版はトリセツの基本テキスト・分野別過去問題集と同じく3分冊できます。
例えばテキスト・分野別問題集・一問一答集について権利関係の分冊のみを持ち歩いて集中することもできます。利便性が大きく向上しました。
分冊化に伴い、「分冊背表紙シール」が付録に付いてます。
◆大きな改善点はもうひとつあります。付属のアプリが12月から利用できるようになったことです。
昨年版は付属アプリは4月1日からしか利用できませんでした。一方、2024年版は4ヶ月も前倒しで利用できます。とても良いことです。
◆なお、昨年版より価格が上がっています。紙書籍版は220円、Kindle版は275円値上がりしました。
◆本書は、見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。
解答・解説には「一言解説」が付されています。「一言解説」は「問題を解く上でのポイント」です。問題を解いたら必ず目を通しておきましょう。
◆赤シートには対応していません。
付録の「解答かくしシート」を右ページにかぶせて左ページの問題を解いていきましょう。
◆問題番号の下に3回分のチェック欄があります。3回といわず、6回、7回と周回しましょう。
◆本書の出題ページは397ページ。『トリセツ』の基本テキスト及び分野別過去問題集と同じ大きさ(A5版)です。
他社が出版している一問一答問題集はA5より小さなサイズのため携行性に優れています。
一方、本書はそれらに比べて大きいです。分冊可になったためかなり改善されたものの、携行性については他社の小さいサイズの一問一答問題集のほうが良いものもあります。
この点を補うのが本書特典のアプリです。
※アプリの利用方法とアクティベーション方法は本書を購入して確認してください。
◆実際にアプリをダウンロード→アクティベーション→ユーザー登録して使ってみました(注:画像は昨年版のアプリ画面です)。
びっくりしたのはスマホ画面に手書きできることです。
以下は管理人のiPhone8 Plus画面のスクリーンショットです。
画面右上のペンマークが赤の書き込みです。iPhone画面に直接指で書き込めます。
ペンマークをタップすると消しゴムアイコンが現れ、線・文字・図を消せます。
とてもシンプルなペン機能ですが、解答時にポイントとなる箇所をマークできるだけでも学習効果がぐっと上がります。
1セクションを解き終えると正解率・理解度・誤り理由・解答時間の一覧が表示されます。
※スクリーンショット撮影のため、解答は全て○を選択してすぐ次の問題に移行しました。
間違えた問題には解説が表示されます。理解度と間違えた理由についても選択が表示されて記録できます。
正解した問題は理解度のみ表示され、こちらも選択して記録できます。理解度が完璧になるまで習熟しましょう。
◆宅建問題集には本書のような一問一答形式と4肢択一択一があります。4肢択一形式だと正解番号を覚えてしまう危険性があるため、一問一答形式を薦める考えの方がいます。
基礎知識の獲得は一問一答のほうがしやすいのは確かです。とはいえ、4肢択一形式の問題であっても、それぞれの肢を一問一答と見なして取り組めば同じことです。
一方、本試験問題を解く訓練は4肢択一に軍配が上がります。
◆一問一答問題集と4肢択一問題集のどちらにも特長があります。
鉄則としてこれだけは言えることは、「問題を解くときは、かならず「すべての選択肢について」根拠を明らかにしながら正誤判定できるようにすること」に他なりません。
一問一答問題集であっても、必ず根拠を明らかにしながら正誤判定できるよう、心がけましょう。
根拠を明確にできないまま漫然と正解不正解を「当てる」のではなく、わからない問題は解答・解説で理解してから再度問題に戻り、根拠を明確にできるまで繰り返し解く癖を付けてください。それが合格への近道です。がんばりましょう!
■当サイトでおすすめする市販宅建テキストについては宅建テキスト2024【4シリーズ全購入レビュー】をご参照ください!