市販模試の中には、宅建試験にはまず出題されないような「オリジナル問題」を収録しているものがあり、むしろ害にしかならないものすら見受けられます。その点、LEC『2022年版出る順宅建士過去30年良問厳選問題集』は過去問をベースとした模試型問題集ですので、安心して取り組めます。毎年おすすめしています。
LEC『2022年版出る順宅建士過去30年良問厳選問題集』 基本情報
LEC『2022年版出る順宅建士過去30年良問厳選問題集』基本情報です。
書名 | 2022年版出る順宅建士過去30年良問厳選問題集 |
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◆本書は50問の「模試」を6回分(統計については別の5問免除問題を出題)と令和3年度10月実施及び12月実施宅建本試験問題50問を収録しています。計8回分の模試として利用できます。
◆8回分すべてに解答用マークシート用紙が付いてます。繰り返し解く場合はあらかじめコピーしておきましょう。
◆模試は難易度別に基礎編・中級編・上級編があり、それぞれ2回分ずつ収録。
◆問48は本試験では統計問題が出題されます。模試では問48は5問免除問題に差し替えられています。
◆解答には各問について合格者正解率、不合格者正解率、受験者正解率が記されています。
◆本書は多くの宅建テキストと同様A5サイズです。『出る順』テキストと同じサイズで揃えてありますが、できれば本試験と同じA4サイズで出版してほしかったです。
LEC『2022年版出る順宅建士過去30年良問厳選問題集』レビュー
◆LECから「過去問ベース」の模試集である『出る順宅建士過去30年良問厳選問題集』が初めて発売されたのは2020年。昨年の2021年版に引き続き今年2022年版も発売されました。
◆本書は実際に宅建試験に出題された過去問から抜粋して本試験スタイル50問に揃えたものです。そのため、「予想模試」ではなく「模試型」過去問題集と謳っています。
本書の大きな特長は次の2点です。
- 過去問からそのまま(民法改正に対応して改題されているものを含む)出題されているため、市販予想模試で出題されがちである「珍妙な難問奇問が見当たらない」こと
- LECのデータ(合格者正解率・不合格者正解率・受験者正解率)が十分に活用されていること
宅建は原則として過去問対策が何より大切です。
特に大切なのが合格者正解率60%以上の問題を確実にものにすることです。なぜなら、宅建試験は合格者正解率60%以上の問題をきっちり得点しさえすれば合格できるからです。
例として令和元年度〜令和3年度10月までの4回の宅建試験について、合格者正解率60%以上の問題数と合格点を見てみましょう(正解率データはLECのHPより)。
- 令和元年度試験合格者正解率60%以上の問題数:38問、合格点35点
- 令和2年度10月試験合格者正解率60%以上の問題数:44問、合格点38点
- 令和2年度12月試験合格者正解率60%以上の問題数:40問、合格点36点
- 令和3年度10月試験合格者正解率60%以上の問題数:38問、合格点34点
ご覧の通り、合格者正解率60%以上の問題をクリアできれば宅建試験には余裕で合格できるのです。
◆ただし、年度毎の過去問を繰り返しているとどうしても答えそのものを覚えてしまいます。
その点、本書は過去30年間の宅建過去問からチョイスして50問を組み上げているので、「年度別過去問を覚えてしまう」という宅建対策上ありがちな弱点をカバーしています。
さらに、「合格者正解率」の違い=難易度別の模試型過去問を解くことによって、自分の学習レベルがどのあたりなのかについて確認することができます。
◆本書は難易度別の基礎編・中級編・上級編を収録しています。
基礎編・中級編・上級編の難易度を検証するため、各編1回分について合格者正解率60%以上の問題が何問あるかを確認したところ、次の通りでした。
- 基礎編①:47問
- 中級編①:39問
- 上級編①:32問
このように、合格者正解率60%以上の問題数によって難易度が調整されているのは明らかです。合格者正解率60%以上の問題は確実に正解できるようにするとともに、「すべての選択肢について根拠を明らかにしながら正誤判定できる」よう確実に仕上げましょう。
◆なお、市販宅建テキスト・問題集については『購入レビュー:おすすめできる/できない宅建テキスト2021 - 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ』にまとめてあります。宅建受験しのお役に立てれば幸いです。