【2024年4月27日】『神問題集』の解説動画について『神問題集』のセクションに追記しました。第1弾は問1〜問5。水野先生の名解説は知識の定着の強い味方です!
記事タイトルは「宅建士 神テキスト・神問題集」としましたが、書名は『この1冊で合格!水野健の宅建士 神テキスト 2024年度版』・『この1冊で合格!水野健の宅建士 神問題集 2024年度版』です。この2冊は宅建講師としてつとに有名な水野健先生が執筆。校閲担当は宅建みやざき塾宮嵜晋矢先生という豪華な顔ぶれによる宅建テキスト・問題集です。
※記事末では宅建ヒアリング教材を紹介しています。テキストを開く前に耳学習で宅建用語に慣れておくとテキスト学習にスムーズに入りやすくなります!
30日間無料で利用できますので入手しておきましょう!
『この1冊で合格!水野健の宅建士 神テキスト 2024年度版』
書名 |
この1冊で合格!水野健の宅建士 |
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価格 | |
Kindke版 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限・価格・税・ 5問免除科目197ページ |
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付録 | |
ネットサービス | |
著者名 | 執筆協力:宅建試験ドットコム |
◆『この1冊で合格!水野健の宅建士 神テキスト 2024年度版』はA5サイズ。
分冊タイプが多くなった宅建テキストでは数少ない1冊丸ごと宅建テキストです。
◆「はじめに」「目次」「索引」を除くテキスト本体のページ数は559ページ。コンパクトに要点がまとめられている宅建テキストです。
◆電子書籍版もあります。こちらもそろえるとスマホ・タブレットがあればいつでも学習できます。
◆印刷はフルカラー。色使いをおさえているので『ユーキャンきほんの教科書』のような「どぎつさ」はありません。見やすくデザインされています。(『ユーキャン』は目がちかちかします)
◆テキスト本文と強調箇所や欄外注釈などのフォントを変えてむしろごちゃごちゃしたテキストが散見される中、すべて同じフォントで統一しています。
フォントは明朝体ではなくユニバーサルデザインフォント系。読みやすいです。
ただしフォントサイズは小さめ。読みにくいと感じる方(特に高齢受験生)もいると思いますが、情報を盛り込むため割り切ったのでしょうね。この点については後述します。
◆各項目は優先度S(最優先)、A(重要)、B(普通)、C(後回し)のランク別。
まずはページ順に学習して完走し(できれば2月中に1周できると後が楽になります!)、2周目以降はランク別にSから集中的に学習すると良いでしょう。
◆テキストを開いてまず目に付くのは水野先生のイラスト付きの「会話」です。各項目の冒頭で、その項目での学習ポイントを会話形式で提示しています。
受験生にとってこの学習ポイント提示はこれから学習することの羅針盤となる必須情報。これがあるとないでは大違いです(どの市販テキストとは言いませんが、これがないと例えば国土法で事前届出・事後届出のどちらを重点的に学習すべきかを知らないままテキストを読み進めることとなります)。
学習を進めていくと、「冒頭の会話」を含めて水野先生のイラストが頻繁に登場します。これは補足事項・覚え方・注意点・学習法などが書かれている「重要ポイント」です。水野イラストの「重要ポイント」を意識しながら学習すると良いでしょう。
◆本書には「民法○○条」という条文番号はありません(必須と言える農地法3条・4条・5条と宅建業法「34条の2書面」、「35条」、「37条」はちゃんとあります)。
民法○○条・借地借家法第○○条という条文番号をきっちり書いているテキストもありますが、宅建本試験で正解を導くにはそこまで覚える必要はありません。
条文番号以外に初学者でもできる不要な情報の有無のチェックポイントは宅建業法の罰則と国土利用計画法(国土法)です。
罰則について記載が並んでいても学習上のポイントを提示していないテキストは要注意です。注意点なしに罰則が羅列されていると罰則全部を覚えなければいけないと思ってしまうからです(管理人の宅建受験1年目で使ったテキストがそうでした。罰則を全部覚える必要なんてなかったのに・・・無駄なことをしてしまいました)。
国土法も同様です。国土法は事後届出がもっとも出題されているため、学習は事後届出中心となります。また、監視区域・注視区域・規制区域については過去10年の宅建本試験でほとんど出題されていないので、深追い厳禁です(※監視区域内の事前届出および2023年度試験では「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」について出題されましたが、正解肢は事後届出からの出題でしかも至極簡単でした)。しかしながら、こういった国土法の重要ポイントを提示することなくずらずらと記載しているテキストもあるのです。
本書では罰則・国土法についてきちんと重要ポイントを提示しています。もちろん、これらのみならず、他の項目も同様です。
冒頭の会話および各重要ポイントにしたがって安心して学習を進めていけるテキストと判断しました。
◆本書は各項目の重要ポイントはもちろんですが、豊富な図表が理解の助けとなります。
特に権利関係では4ページも使って権利関係の考え方を一通り提示しています。この図を読み込んでおくと権利関係の学習がスムーズに進みやすくなります。
◆本書は豊富な図解および適切な重要ポイント提示および解説を両立しつつ、テキスト本文を559ページでまとめた良テキストです。
ただし、お伝えした通り、本書はフォントが小さめです。受験生によっては読みにくさを感じてしまうでしょう。管理人は老眼鏡が必須です(他のテキストを読むときも老眼鏡を使ってはいますが・・・)。
また、本書は次に紹介する『神問題集』とはリンクしていません。ただ、リンクしていないのは今回初版のため、リンクを記載すると誤植が生じるおそれがあるので保留したとのことです(水野先生のブログやツイッターより)。◆本書は1)小さめなフォントと2)問題集とリンクしていないことの2点がデメリットです。
しかしながら、1)適切な重要ポイント提示と解説、2)豊富な図解、3)559ページとコンパクトにまとまっている、というメリットの他、さらなる大きなメリットがあります。
本書の大きなメリットは345問も収録されている一問一答問題です。
『神問題集』は4肢択一問題332問を収録していますが、実は一問一答問題も992問収録しています。
本書と合わせると、一問一答問題だけで345+992=1337問。これは市販一問一答問題集で最も問題数が多い『史上最強の宅建士問題集』に次ぐ収録数です。
『神テキスト』・『神問題集』の2冊で学習する受験生は別途一問一答問題集を購入する必要はないでしょう。
◆本書のデメリットは次の2つです。
- 小さめのフォント
- 問題集とリンクしていない
このデメリットを補ってあまりあるのが次の4つのメリットです。
- 適切な重要ポイント提示と解説
- 豊富な図解
- 345問の一問一答
- これら3つの特長がありながら559ページとコンパクト
『神問題集』の紹介後にお伝えしていますが、初学者にも、既学者・リベンジ組にもおすすめできる宅建テキストです。
『この1冊で合格!水野健の宅建士 神問題集 2024年度版』
書名 |
この1冊で合格!水野健の宅建士 |
---|---|
価格 | |
Kindke版 | |
分冊の有無 | |
ページ数 | 法令上の制限・各種税等・免除科目248ページ |
発行 | |
発行日 | |
色 | |
付録 | |
ネットサービス | |
著者名 | 執筆協力:宅建試験ドットコム |
◆『この1冊で合格!水野健の宅建士 神問題集 2024年度版』はA5サイズ。
LEC東京リーガルマインド講師・宅建水野塾主宰の水野先生による初の4肢択一形式分野別過去問題集です。過去問ベースとなっており、法改正対応等が必要な問題は改題されています。
◆収録しているのは1)権利関係、2)宅建業法、3)法令上の制限・各種税等・免除科目。
各分野はそれぞれ分冊可。
見開きの左ページに問題、右ページに各肢の解答・解説が記載されています。
◆本書の基調カラーは赤。
右ページの解答・解説の強調文字も赤となっており、付録の赤シート対応です。
◆他社の300問分野別問題集と最も違うのは、左ページの4肢択一問題の下に一問一答が記載されていること。
このことによって一般的な300問分野別問題集より1.9倍多い問題を収録しています(1.9倍の理由は後述)。早期から取り組むことを強くおすすめします。
◆全体にフォントが小さめです。老眼の方はちょっとつらいかもしれません。
見やすさの感じ方には個人差がありますので、購入を検討する際はAmazonで書誌情報や誌面を確認したり、書店で手に取ってみてからにしましょう。
◆本書は4肢択一問題を332問を収録しています。
テキストとリンクしている問題集としては標準的な問題数です。ただし、対応する『神テキスト』とはリンクしていません。
問題集からテキストへの連携を重視する方にとっては本書は選択肢から外れます。
一方、すでにテキスト・問題集を持っている方からすれば、テキストへの記載がないことは余計な記載に煩わされることがないので好都合とも言えます。
【2023年12月3日追記】テキストとのリンクについてはX(旧ツイッター)にて、水野先生から直接「初版でページ数が不明で誤植が出る可能性が大きいので記載してない」(原文のまま)とのリプライをいただきました。
◆当サイト管理人は、300問クラス問題集では宅建試験合格に向けての問題数が少ないと考えており、あくまで基礎固めとして用いることをおすすめしています。
しかしながら、本書はちょっと様相が異なります。
というのは、本書は収録332問全問に、さらに一問一答を3問付加しているからです。
本書の収録問題の肢数は2,321にもなるのです(個数問題・組み合わせ問題でアイウおよびアイウエオの過去問を複数収録しているため、肢数は単純に332×4ではないことを実際に購入して確認しています)。
300問4肢択一形式問題集の収録肢数は1,200。本書はその1.9倍の問題を収録していることとなります。
ちなみに当サイトでは3段階学習法を提唱しており、3段階目は『出る順宅建士 ウォーク問過去問1〜3』を推薦しています。『ウォーク問』3冊で計550問を収録しているので肢数は2200。
したがって、問題の量で言えば本書は「ウォーク問3冊分」を超えているのです。ただの300問クラス分野別過去問題集じゃないのです。
◆もちろん、本書の特長は収録問題の多さだけではありません。
説明が丁寧です。
2023年12月1日現在、当サイト管理人が購入した300問クラス分野別問題集は5冊。うち、本書を含め4冊が2020年10月試験問10を収録しています。長くなるので『トリセツ』と『みんほし』における肢4の解説を引用します。。
・「所有権は消滅時効にかかりません。」(『2024年版 宅建士合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』権利関係編p.21より)
・「所有権は消滅時効にかかりません。」(『2024年度版 みんなが欲しかった!宅建士の問題集 本試験論点別』p.251より)
一方、本書の説明は以下となっています(権利関係編p.23より)。
・「所有権が消滅時効にかかることはありません。時効取得により喪失することはあっても、自然に権利が消滅することはありません。」
極端な例を挙げたかもしれませんが、本書は全般に説明が丁寧です。図や表も多用しています。
さらには単なる解説に留まらない「Ken's Point」という「練習問題に関連した解き方のコツや補足情報」(はじめに p.4より)を掲載。中には図表で紙面を占有されたためKen's Pointが掲載されていない問題もありものの、「水野先生の言葉」で各問題のポイントを伝えています。これは秀逸です。必ずチェックしておきましょう。
◆332問の分野別内訳です。
- 権利関係→99問
- 宅建業法→111問
- 法令上の制限・各種税等・免除科目→122問
うち、法令上の制限70問、各種税等・免除科目52問
統計についての問題はありません。
◆問題の重要度は★★★〜★の3段階に分けられています。3段階の重要度に関する説明はありませんでしたが、重要度別構成からすると★★★が最重要と判断しました。
なお、本書は4肢択一問題の肢それぞれについても★が付いています。「はじめに」p.4に「★はとくに重要な選択肢です。しっかり理解しよう!」とあります。
重要肢とそうじゃない肢とでメリハリを付けた学習を心がけましょう。
◆問題の重要度別の内訳は次の通りです。
- 権利関係→★★★60問、★★26問、★13問
- 宅建業法→★★★85問、★★20問、★6問
- 法令上の制限→★★★34問、★★32問、★4問
- 各種税等・免除科目→★★★28問、★★20問、★4問
332問の重要度構成は★★★207問、★★98問、★27問でした。※本書では「あえて」★問題を収録している場合があるとのことです(法令上の制限・各種税等・免除科目の問題080)。
ちなみに『2024年版 宅建士 合格のトリセツ 基本問題集』は300問中Aランク268問、Bランク26問、Cランク6問という構成です(購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集 2024年版より)。
本書は★★★問題が全体の62.3%。一方『トリセツ』はAランク問題が全体の89.3%。問題の重要度構成では『トリセツ』のほうが初学者向けと言えます。
ただし、本書の大きなメリットは一問一答を含めた収録問題数の量の多さ、そして説明の丁寧さにあります。
◆当サイトが宅建テキスト・問題集をおすすめする基準は「初学者向けかどうか」ということにあります。
収録問題の多さおよび問題の難易度構成からすれば本書は『トリセツ』よりも完走・周回しにくい問題集と判断します。決して初学者向けとは言えません。
しかしながら、本書および『神テキスト』が収録する問題数からすれば、本書から『ウォーク問』に移行する必要はありません。
問題集を本書1冊に集約できるのは何よりのメリットと言えます。
※2024年4月2日追記 水野先生が4月1日から本書の全問題解説演習ゼミ(解説動画)配信を開始しました!
水野先生ブログ(2024年4月1日)からの引用です→「一問一答は×の肢は一言解説で大丈夫でも〇の肢にはページの文字数の都合もあって解説が入ってません。答えは×だと思ったのに解答は〇になっているのは何故?という疑問を持つ方は多いはずです。
これから週一回定期的に毎回5問程度(30分くらい)ずつアップして参ります。
動画見ながら問題演習する際は解答する時間は特に設けないので一時停止して解答したら解説を聞くというやり方がよいかと思います。あと、わからない問題だけ確認できるようにチャプターもつけます。」
チャプター付きなので解きたい問題の解説のみの視聴もできます!
第1回は権利関係編問1〜問5。まずはご覧ください!理解度がぐっと上がりますよ!!※2024年4月27日時点で問40まで動画公開済みです!
動画解説は『トリセツ』に一日の長があったのですが、神問題集演習ゼミ配信によってを初学者であっても本書及び『神テキスト』とのセット学習が視野に入ってきます。
◆もちろんリベンジ組には特におすすめです。
とりわけ2023年版テキストおよび300問分野別問題集さらには一問一答問題集や『ウォーク問』もこなしてきた受験生には、本書と神テキストでリスタートしても良いと思います。
◆本書はインターネットサービスとして、正誤表、法改正情報、さらには令和2〜令和4年度宅建本試験過去問5回分の過去問解説PDFが付属しています。かならず参照しておきましょう。
◆本書の見開き左側問題文ページのタイトル下には3回分のチェック欄があります。3回と言わず何度も何度も、本書がぼろぼろになっても周回して「95%以上正解できるようになる」(「はじめに」p.2より)まで仕上げましょう。
まとめ
◆当サイトでは、これまで初学者の基礎固め用テキスト・問題集として『宅建士合格のトリセツ』をおすすめしてきました。ただ、トリセツはあくまで「基礎固め」であって、次のステージは過去問習熟が控えています。過去問習熟用には『ウォーク問』(そして参照用テキストとして『とらの巻』)をおすすめしてきました。
『トリセツ』→『ウォーク問』の弱点は、テキストと問題集を各1冊に集約できないことです。ここをどうにかならないかとずっと考えていました。
そこへ登場したのが『神テキスト』と『神問題集』。
メインテキストとメイン問題集を各1冊に集約できるのであれば、とくに金銭的な制約のある受験生には大きな助けになるに違いありません。とりわけ『神テキスト』と『神問題集』をセットで用いるなら、両者を合わせた収録問題数は宅建学習に十分な演習量と言えます。他の問題集に移行する必要はありません。
当サイトでは、『神テキスト』『神問題集』をメインテキスト・メイン問題集を各1冊に集約したい受験生におすすめします。
注:初めて宅建を学習する方がいきなりテキスト・問題集で学習し始めることはおすすめしません。
宅建学習も英語学習と共通点があります。英語学習は単語を覚えることが基礎の基礎ですよね?
宅建も同じです。宅建は法律用語を覚えることが基礎中の基礎です。
善意、悪意、過失、制限行為能力者、区分所有者、相殺、錯誤、被相続人などは基礎の基礎です。
取消と無効の違いを説明できますか?これも基礎の基礎。
まずは宅建用語に慣れることから学習をスタートし、はじめの10日間をかけて宅建試験全体の解像度を上げておく(用語に慣れる、どの法律からどんなことが出題されるのか、どの法律から何問出題されるのか、などなど)ことを何よりもおすすめします。
教材は無料で入手できる『パーフェクト宅建士 聞くだけ』がベストです。無料かつ13時間未満で宅建試験範囲をざっとカバーできます。
昨年版ですので「宅地造成等規制法」は聞かなくてもかまいません。「宅地造成等規制法」は「盛土規制法」に改正されます。「盛土規制法」は最新教材で学習してください。