『史上最強の宅建士テキスト』の購入レビューをお伝えします。
『史上最強の宅建士テキスト』2025年版基本データ
『史上最強の宅建士テキスト』 2025年版の基本データです。
書名 | 2025年版 史上最強の宅建士テキスト |
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ページ数※ | ②権利関係217頁 実力判定過去問55頁 |
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『史上最強の宅建士テキスト』2025年版詳細レビュー
◆『史上最強の宅建士テキスト』 は本文テキスト+巻末「過去問SELECT50」。巻末「過去問SELECT50」のみ分離可。
テキスト部分は分野別の分冊なし。丸ごと1冊宅建テキストです。
◆Kindle版はありません。
◆フルカラー印刷です。
次の画像の通り読みやすいです(Amazonのサンプルページより)。
本文テキストは明朝系、それ以外は非明朝系フォント(表中の手書き風フォントを除く)となっています。
重要項目は黒太字、赤太字、黒太字+黄色強調等で印刷されていて、それぞれが何を指すのかについても冒頭で説明されています。
赤字・赤下線等は赤シートに対応しています。赤シートも付属しています。
テキスト本文に読みにくさは感じませんが、欄外に頻出する「白抜き文字を緑背景で囲んだ部分」は小さい上に手書き風フォントのため、やや見にくいです。
◆本書テキスト部分の赤の下線部は「宅建試験に確実に合格するための情報」、画像にはありませんが「民法改正に関する出題予想は緑線」で示しており、「本書の赤線と緑線の約75% を覚えれば確実に合格できる」とのことです。
とはいえ、これら以外にもマスターすべきことはたくさんありますので、赤線・緑線の周辺知識及び欄外の知識もしっかり学習しましょう。
◆『史上最強』のアピールポイントはカバー率。
本書によるとカバー率とは「試験の単語や問題など、その本でどの程度カバー(正解・的中)しているかという割合のことで、単語集や問題集の信頼性を表す指標の1つ」とのことです。
ただし、これは誤解されやすい指標です。
受験生からすれば「カバー率97.3%」だったら「宅建試験50問200肢の97.3%すなわち194〜196肢」を正解・的中するものと解釈しがちです(管理人も「そりゃすごいよね」と思ったほどです)。
しかしながら、実際のところカバーしているのは正解肢の正誤判定のみと思われます(※本書に明記されていないため推定にしてあります)。
◆本試験問題で検証してみました。
令和4年度問3肢1「成年後見人は、後見監督人がいる場合には、後見監督人の同意を得なければ、成年被後見人の法律行為を取り消すことができない」についてです。
この肢の正誤を判断するには後見監督人(この場合は成年後見監督人)の同意が必要な成年後見人の行為に関する知識が必要です。
が、本書の成年被後見人の項にはそもそも「成年後見監督人」の記載そのものがなく、令和4年度問3肢1についての正誤判定はできませんでした。少なくとも同肢について本書はカバーしていない、ということになります(なお、本書には未成年後見監督人の記載はあります。でも未成年後見監督人と成年後見監督人はまったく違います)。
ちなみに令和4年度問3の正解肢は肢4ですが、これについては制限行為能力者の章の未成年者の項に記載してあることで正誤判定できます。
したがって、本書の「カバー率」はあくまで正解肢のみについてのものと思われます。このことは頭に入れておいたほうが良いでしょう。
もっとも、本試験ではテキスト・参考書がカバーしていないことが毎年必ず出題されます。
そもそも全ての肢についてまでカバーしている宅建テキスト・参考書は存在しないのです。
重要なのは宅建本試験に繰り返し出題される重要論点・頻出論点をしっかり学習することです。まずは本書の赤線及び周辺知識をしっかり身につけましょう。
◆実は管理人が重視する本書のアピールポイントはカバー率ではありません。
本書は収録している一問一答が非常に多いのです。
本書各章末には「過去問で集中講義」と題した過去問ベースの一問一答が7〜18肢が載っています。
各分野の収録一問一答の肢数は次の通り
- 宅建業法:149肢
- 権利関係:174肢
- 法令上の制限:197肢
- 税・その他:106肢
合計なんと626肢も収録、これは下手な一問一答問題集を優に超える問題量です。
本書1冊さえあれば基礎固め用一問一答問題集は、アプリ付帯や10月早期発売などのメリットがない限り、不要です。
ちなみに本書のシリーズには『史上最強の宅建士問題集』があるのですが、こちらは一問一答問題集。2023年版で1473肢を収録しています(2025年版も購入済みなので後日アップデートします)。
ただ、1473肢というのは基礎固め用としては逆に収録問題数が多くて繰り返し周回するには不向き。
むしろ『史上最強テキスト』の一問一答を、テキスト本文とともに何周も繰り返すほうが良いでしょう。
◆本書のデメリットが1点あります。重要度ランク表記がありません。
宅建試験には例年繰り返し出題されたり10年で8回出題されたりする重要論点・頻出論点があります。
このため、多くの宅建テキスト・参考書では論点に重要度ランクを設けています。学習強度にメリハリを付けるためです。
宅建学習では例年繰り返し出題されるAランク問題から学習し、数年に1度程度しか出題されないCランク問題にはあまり注力しないのが定石です。
ですが、本書にはその指標となる重要度ランクがありません。どの論点が重要でどの論点が重要じゃないのかについて本書では判断できません。
来年度以降の改善を期待します。
◆正誤表、法改正・統計情報は出版社(ナツメ社)HPから提供されます。例年きちんと提供されていますので、本書を購入したら2週間に1度程度は必ずチェックしましょう。
◆動画サービス、アプリ提供は無し、Kindle版もありません。デジタル化は遅れています。
◆とはいえ、フルカラーの1冊まるごとタイプ、条番号なし、分野毎のページ数もバランスがとれていて読みやすく、テキスト部分600ページちょっと。完走・周回しやすい宅建テキストに分類されます。
しかも一問一答問題を600肢以上も収録。
正誤表、法改正・統計情報の提供もぬかりありません。
『史上最強の宅建士テキスト』は、動画・アプリ・Kindle等のデジタル教材が一切不要な宅建初学者がテキスト+一問一答問題集による基礎固めをこれ1冊でカバーできる宅建テキスト・参考書である、と判断しました。
ただし、本書には各論点の重要度表記がありません。どの論点が宅建試験で重要・頻出なのかについては別途確認しておく必要があります。
注:一問一答を解いていてより詳しい解説および解説に図表等が必要な場合は、別の一問一答問題集を用意しましょう。
※他のテキストについては宅建独学テキストおすすめ2025ランキング(初学者・既学者別) をご参照ください!