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【宅建テキスト詳細レビュー】2020年版 らくらく宅建塾

2020年版らくらく宅建塾表紙画像

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宅建テキストは各出版社から毎年数多く発売されています。当ブログではそれらの中からいくつか厳選して個別にレビューし、『おすすめできる・おすすめできない宅建テキスト:詳細レビュー【2020宅建試験に向けて】』にまとめました。

『2020年版 らくらく宅建塾』以外の宅建テキストも見ておきたい方はそちらもご一読ください。Amazonへのリンクから紙面デザインを確認できるものもあります。テキスト選びの参考になさってください。

2020年宅地建物取引士資格試験合格を目指し、がんばりましょう。

宅建テキスト選びの考え方

市販テキストで宅建を勉強する方にとって、テキスト選びは何より大切です。

宅建テキスト選びのお手伝いのため、現役宅建士のブログ管理人が実際にテキストを購入して詳細にレビューしました。宅建テキスト選びの参考になれば幸いです。

レビューポイントは主に次の二つです。

  1. 読みやすいフォント・色・紙面構成になっているか
  2. 合格に不要な情報が掲載されていないかどうか

フォント・色・紙面構成はテキストの読みやすさ=視覚への負荷の度合いに直結します。

合格まで長い時間を共にするテキストは、目が疲れないもの、頭に入りやすいものを選ぶべきです。

もう一つは、本試験では問われない・出題されない、すなわち合格に不要な知識まで掲載していないかどうかです。

 

宅建に合格し、現役宅建士となってからあらためて各出版社の宅建テキストを見直すと、宅建本試験にはまず出題されない知識までも掲載しているテキストの存在に気付きました。

そういう知識も含めて勉強したい方にとってはそのテキストで何も問題ありません。

しかしながら、本試験に出題される可能性が低い、というかほぼない事項までインプットするのは受験生にとって有意義と言えるでしょうか?管理人はそうは思いません。

時間は有限な資源です。仕事や学業や家事の合間を縫って勉強する受験生には、本試験に不要な知識までインプットする時間はないのです。

以上、①読みやすいフォント・色・構成になっているか、②合格に不要な情報が掲載されていないかどうか、をレビューのポイントとしました。

今回は宅建学院『2020年版 らくらく宅建塾』です。『らくらく宅建塾』は書店で平積みされているのを良く見かける老舗の宅建参考書です。

『2020年版 らくらく宅建塾』 基本データ

宅建学院発行の『2020年版 らくらく宅建塾』基本データです。 

テキスト基本データ

書名 2020年版 らくらく宅建塾
価格
¥3,300(税込)
Kindke版の価格
分冊の有無
ページ数
523頁(権利関係268頁、宅建業法124頁、法令上の制限・税・その他131頁
発行所
宅建学院
発行日
2019年12月27日(改訂第3版)
2色刷り(重要ポイントに赤字を使用)
付録
(※2019年版には赤シート付属。管理人が購入した2020年版には無し)
ネット情報サービス
著者名
著者の宅建合格点予想実績

 

◆全部で523頁のボリュームです。2019年版より9ページ減りました。昔ながらの分冊なし、まるごと1冊テキストです。索引は巻末に付いてます。

◆Kindle版はありません。

◆発行は宅建学院。以前は週刊住宅新報社から発行されてましたが・・・という話は受験生には不要なインプットなので割愛します。

重要項目が赤字で書かれており、参考書によくある赤シートに対応しています。2019年版には赤シートが付録についていましたが、2020年版にはありませんでした。※もしかしたら管理人が購入したものにたまたま無かっただけかもしれません。

◆表紙の巻頭裏に語呂合わせ、巻末裏には2020年の山かけ表が付されています。

語呂合わせは管理人もお世話になりました。「しのごの言わずに建替えろ!」(区分所有法に出てきます)なんか懐かしいですね。

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『2020年版 らくらく宅建塾』 詳細レビュー

それでは宅建学院『2020年版 らくらく宅建塾』の詳細レビューです。

テキストそのものは読みやすくデザインされている

◆テキストそのものは例年と変わらず、読みやすくデザインされています。フォントの大きさも問題ありません。ハズキルーペも不要です(語呂合わせの表記に小さいフォントが使われている程度ですが、ルーペ無しでも読めました)

◆重要ポイントが赤字になっていて、赤シートを重ねると文字が見えなくなります。赤字を中心に覚えていくと良いでしょう。

◆フルカラー印刷ではないため、最近主流になりつつあるカラフルな紙面ではありません。

とは言っても、図・表が多用されており、理解するには問題ありません。「昔ながらの参考書」タイプのテキストが好みの受験生とは相性が良いかもしれません。

◆『らくらく宅建塾』の特徴のひとつが語呂合わせを多用していること。宅建は語呂合わせで助かる場面がけっこうあります。好みの受験生には向いているでしょう。

例えば、すでに述べた「しのごの言わずに建替えろ!」は区分所有法62条「集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。」についてのものです。

もうこれだけで区分所有建物の建替えには区分所有者及び議決権の各5分の4(しのご)の賛成が必要、ということを覚えられたと思います。

このような、10秒程度でらくらく覚えられる語呂合わせは大歓迎です。

一方、本書の語呂合わせのなかにはなかなか覚えられない語呂合わせがいくつかあります。

例えば本書の35条、37条、建築確認についての語呂合わせは長過ぎてとても覚えにくいです(管理人もこのテキストで受験したことがありますので・・・)

宅建は覚えることがたくさんあります。もちろん語呂合わせも活用すべきです。でも、使うべき語呂合わせとそうでないものは取捨選択することを強くおすすめします。


◆各単元には例題が付されていることがあります。とはいえ、本書はテキストなので収録例題数は少ないです。問題集でカバーしましょう。

宅建本試験に不要な内容が多々見受けられる

本書の「2020年版 ごあいさつ」には、「この本は、苦労して受かりたい方には、おすすめできません。ラクに受かりたい方だけどうぞ。らくらく宅建塾シリーズの歴史の中でも、この2020年版こそ、最高のできばえ!史上空前のわかりやすさを実現しました。」、と書かれています(本書より引用)

しかしながら、『らくらく宅建塾』の内容には、試験合格に不要な箇所が見受けられます。

◆まず目に付くのが「民法○○条」等の表記です。『らくらく宅建塾』には「○○法○○条」という表記が頻出します。

たしかに本試験には「○○法○○条」という表記が毎年出題されています。

しかしながら、本試験問題を解く上で覚えておいた方が良い○○法○○条は農地法3条・4条・5条と宅建業法34条の2・35条・37条くらいです(借地借家法第38条もそうかもしれません)。

令和元年度本試験に登場した○○法○○条は次の通り。

  • 問5(判決文問題)民法113条
  • 問12 借地借家法39条
  • 問21 農地法3条・4条・5条
  • 問22 国土利用計画法23条(事後届出)
  • 問28 宅建業法35条、住宅の品質確保の促進等に関する法律5条、区分所有等に関する法律2条・3条
  • 問29 宅建業法72条
  • 問30 建築基準法6条
  • 問31 建築士法2条
  • 問34 宅建業法37条
  • 問36 宅建業法37条
  • 問37 宅建業法41条
  • 問38 宅建業法37条
  • 問41 宅建業法35条
  • 問42 宅建業法2条
  • 問43 刑法246条

 一見すると○○法○○条も覚えないといけない、と思われるかもしれません。

でも、実際の問題を見たらわかりますが、○○法○○条を覚えずとも解けるように作問されています。

受験生には宅建本試験でまず出題されない知識を頭に入れる暇などありません。

時間は有限です。

不要な知識をインプットしないことはとても重要なのです。

この点、『2020年版 らくらく宅建塾』には不満が残ります。

◆『ゼロからスタート!水野券の宅建士1冊目の教科書2020年版』p.5にはこう書かれています。

宅建士試験では多いときには6、7カ所で改正点に関する知識が問われていることもあります。これは、ほかの国家試験と比べた場合の、大きな特徴、特殊性といえるかもしれません。

2020年度試験は民法改正からかならず出題されると予想されます。にもかかわらず、本書では前書き等で民法改正について触れられていません。

また、本書は36点取ることを目標に掲げています。しかしながら平成30年度試験の合格点が37点だったため、38点を確保しないと安心できなくなっています。

宅建業法は20点満点を目指しつつ民法改正を把握しながら権利関係を学習できるテキストのほうが良いかもしれません。

◆権利関係についてはまだ不満があります。それは重要法改正点のひとつのである連帯債務における「混同」の記述がないことです。

混同は民法440条「連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。」に登場します。今年度試験に出題されるかもしれないポイントにもかかわらず、本書の第11章連帯債務・保証債務(pp.187-205)のどこにも書かれていません(「相続」と言い換えてるものと判断しましたが、定かではありません)

本試験で「混同」と出題文にあった場合、本書で学習した受験生は対応できないかもしれません。ご注意ください。


◆ほかにも気になる点があります。

例えば国土利用計画法の監視区域・注視区域・規制区域です。『2020年版 らくらく宅建塾』では2ページも割いてます(pp.464-465)。

宅建初学者の方は知るよしもないことですし、合格に不要な知識なのでインプットしないでほしいのですが、監視区域は平成11年12月以降は東京都の小笠原村だけ、注視区域は平成10年9月の改正法施行以来、規制区域は国土利用計画法施行(昭和49年)以来指定された区域はありません(土地・建設産業:土地取引規制 - 国土交通省)。

後述しますが、宅建本試験には毎年のように法改正問題が出題されます。宅建士が問われるのは今現在、社会が直面している問題に対する知識だからです。

この考え方からすれば、ほとんど直面していない(だから使われていない)国土利用計画法の監視区域・注視区域・規制区域についてほぼ出題されないのは当然でしょう。テキストで2ページも使って解説する必要性はないのです(監視区域内の事前届出については出題されているのでまったく勉強する必要がないわけではありません)

気になる点はまだありますが割愛します。

繰り返しますが、宅建本試験に出題されないことまで詳しく勉強する必要はありません。この点、『2020年版 らくらく宅建塾』は問題分析が今ひとつと指摘せざるを得ません。

インターネットアフターサービス無し→ハガキにて対応

宅建テキストは、一度購入したらそれでOKというわけではありません。

宅建は毎年4月時点の法改正が試験範囲に入ります。出版時期によってはそこをカバーしていないテキストがあるのはある程度やむを得ません。

宅建テキストの中には、この点をインターネットでフォローしているものがあるのですが、『2020年版 らくらく宅建塾』にはネットでのサービスは見当たりません(※2019年版の正誤表PDFはWEBから入手できますが・・・)

ネットサービスがないのは今の時代としては残念ですが、添付されているハガキ(愛読者係行)を出せば「法改正等による追録(正誤表)」が2020年7月中旬〜7月下旬に発送されます。2020年10月末日まで発送対応とのことですが、もし本書を購入したら早めにハガキを投函しましょう。  

長所・短所

  • 昔ながらのテキストが好みの受験生向け
  • 語呂合わせが好きな受験生向け(取捨選択は必要)
  • 宅建本試験に不要な知識まで記載されているのは気がかり
  • インターネットアフターサービスなし

以上、ちょっと辛口でしたが宅建学院『2020年版 らくらく宅建塾』詳細レビューでした。

2020年版 らくらく宅建塾 (らくらく宅建塾シリーズ)

2020年版 らくらく宅建塾 (らくらく宅建塾シリーズ)

  • 作者:宅建学院
  • 発売日: 2019/12/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

なお、権利関係を含め広範な知識を勉強したい方にはLEC『出る順宅建士合格テキスト』のほうが合っているかもしれません(レビューはこちらです)。

『出る順宅建士合格テキスト』には権利関係の条文名のみならず条文そのものまでをも記載しています。国土法については24ページも使うなど、市販の宅建テキストではもっとも網羅性が高いと言えます。

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おすすめ宅建テキスト・問題集・過去問題集

宅建テキストは「これで受かった!」というネット記事を鵜呑みにして安易に選ばないほうが賢明です。

試験で問われないことまで書かれているテキストは避けたほうが良い、というのがブログ管理人の考えです。

ブログ管理人は自腹で宅建テキスト・問題集を買い込み(かなりの出費ですが・・・)レビューを執筆しています。

これまで、宅建テキスト詳細レビュー 】2020年版宅建士合格のトリセツ基本テキスト(LEC)『2020年版 らくらく宅建塾』【宅建独学者向けテキスト】みんなが欲しかった! 宅建士の教科書 2020年度版 詳細レビュー TAC『2019年度版 スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問スーパーベスト日建学院 『2019年度版 どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト の詳細レビューを書きました。

レビューのまとめはおすすめできる・おすすめできない宅建テキスト:詳細レビュー【2020宅建試験に向けて】 Check!をご参照ください。

※注:レビューのまとめ記事は一部を除き多くが2019年版宅建テキストについてのものです。2020年版のレビューは順次更新します。

どの宅建テキストにも長所短所あるのですが、1冊だけ宅建初学者の方向けに選ぶとすれば、LECの『2020年版 宅建士合格のトリセツ基本テキスト』がおすすめです。ただし、記載されていない事項もありますので詳細レビュー(【宅建テキスト詳細レビュー 】2020年版宅建士合格のトリセツ基本テキスト(LEC) )を必ずお読みください。

なお、姉妹本の問題集に収録されている過去問だけでは絶対量が足りません(市販のどの問題集でもそうです)。問題集以外に本試験過去問を最低10年分はきっちりおさえましょう。

『きほんの宅建士 合格テキスト』の2020年度版が発売されました。


『宅建士合格のトリセツ基本テキスト』で基本をおさえたら問題集・過去問集を繰り返しましょう。

勉強方法ですが、『宅建士合格のトリセツ基本テキスト』を1周してから問題集に取り組む方法と、テキストの各単元を読んだら該当箇所の問題集・過去問に取り組む方法があります。短期間でより効果が上がるのは後者だと思います。

『きほんの宅建士合格問題集』にもKindle版があります。

 

問題集に収録されている過去問だけでは絶対量が足りません(市販のどの問題集でもそうです)。問題集以外に本試験過去問を最低10年分はきっちりおさえましょう。

 

過去問集でおすすめなのは、各問のみならず選択肢それぞれにまで難易度(復習の目安)が付されている『2020年度版みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集』です。

 

過去問集をもうひとつ。例えば"時効"だけ、"重要事項説明"だけなど、特定分野の過去問を集中的に学習したいなら『2020年度版 スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集』がとても便利。苦手分野の克服に役立ちます。こちらも各問の難易度と各選択肢の重要度が記載されています。

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