管理人が購入した『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』の表紙画像です。画像の転載・引用は一切禁止です。
宅建テキストは各出版社から毎年数多く発売されています。当ブログではそれらの中から厳選して個別にレビューし、おすすめ宅建テキスト2023年版購入レビュー【独学向け】にまとめました。
住宅新報出版社『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』以外の宅建テキストも見ておきたい方はそちらもご一読ください。Amazonへのリンクから紙面デザインを確認できるものもあります。テキスト選びの参考になさってください。
2023年宅建試験合格を目指し、がんばりましょう!
『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』 基本データ
『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』基本データです。
書名 | 2023年版 パーフェクト宅建士 基本書 |
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Kindke版 | |
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◆『パーフェクト宅建士 基本書』は初版発行が1991年5月という「老舗」の宅建テキスト。
今どきは非主流となった分冊なしの丸ごと1冊の宅建テキストです。分冊が好きではない方は選択肢に上がります。
◆リニューアル前2019年版の総ページ数は729ページと分厚く、完走しにくい宅建テキストでした。
それが、2020年度版・2021年度版はテキスト部分647ページ+「巻末法律用語かんたんナビ+索引」12ページ、合計659ページにリニューアル(2年連続で全く同じページ配分・・・)。
2023年版は、テキスト部分653ページ+巻末法律用語かんたんナビ5ページ+索引7ページ、合計665ページとなっています。
◆2021年度版の本書冒頭の「受験オリエンテーション」には、宅建は「100人のうち15人くらい、試験問題50問中35問前後を正解すれば合格」とありました。とはいえ、35点前後ではまったく安心できないため、当ブログの2021年度版本書購入レビューに「しかしながら、令和2年度10月試験の合格点は38点でしたので、受験生は最低でも38点、できれば40点以上を目指しましょう。」と書いたためか、2022年度版には「100人のうち15人くらい、試験問題50問中35〜38問前後を正解すれば合格」とありました。これは2023年版も同じです。宅建本試験では最低でも38点、できれば40点以上を目指しましょう。
『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』 詳細レビュー
それでは『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』について2つのレビューポイントをチェックしましょう。
条文番号も含めて学習したい受験生向けとして唯一おすすめできる宅建テキスト
宅建初学者にできないことの一つが、「これまでの宅建本試験にほとんど出題されない情報を見極めること」です。
信頼できる資格スクール・講師はこのことをきちんと教えてくれます。プロを利用する大きなメリットは無駄の少ない学習にあります。
初学者にもできる2つのポイントについてチェックします。
◆1つ目は「民法○○条」と条文番号が書かれているかどうかです。
民法440条とか借地借家法第9条・第33条だのと書かれている宅建テキストもありますが、宅建本試験を解く上でそんなことを覚える必要はまったくありません。
しかしながら・・・本書では条文番号が書かれています。
本文テキストよりも小さいフォントとはいえ、「(民法○○条)」と書かれてあれば当然目に入ります。目に入ったことは覚えようとします。
繰り返しますが、宅建士試験で覚えておくべき条文は宅建業法34条の2・35条・37条、農地法3条・4条・5条くらいです。宅建本試験を解く上で覚える必要がない情報など最初から記載しないほうが受験生にとって大切です。
ただし、テキスト部分が650ページ前後とコンパクトかつ受験生にとってこれまた負荷にしかならないやたら長い語呂合わせを多用しない宅建テキストの中で、条文番号も含めて学習したい受験生にとって、本書は唯一おすすめできる宅建テキストです。
◆それ以外にブログ管理人がチェックポイントとしている国土利用計画法には16ページを割いています。
国土法は試験では得点源です。というのは押さえておくべきポイントとそうでないポイントがはっきりしているからです。
後者について指摘します。
宅建初学者の方は知るよしもないことですし、合格に不要な知識なのでインプットしないでほしいのですが、監視区域は平成11年12月以降は東京都の小笠原村だけ、注視区域は平成10年9月の改正法施行以来、規制区域は国土利用計画法施行(昭和49年)以来指定された区域はありません(土地・建設産業:土地取引規制 - 国土交通省)。
宅建本試験には毎年のように法改正問題が出題されます。宅建士が問われるのは今現在、社会が直面している問題に対する知識だからです。
この考え方からすれば、ほとんど直面していない(だから使われていない)国土利用計画法の監視区域・注視区域・規制区域についてほぼ出題されないのは当然でしょう。テキストで詳しく解説する必要性は少ないのです(監視区域内の事前届出については出題されているのでまったく勉強する必要がないわけではありません)。
問題分析の結果を受験生に伝える努力を怠らない宅建テキストならどこかに注釈があります。例えば『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』第3編p.78には「監視区域は現在、東京都の小笠原村のみ。規制区域に関しては、今まで一度も指定されたことはありません。注視区域も平成10年の法改正で創設されてから今まで指定された区域はありません。よって、試験問題もほとんどが事後届出制で、まれに事前届出制が出題される程度です」とあります。
このような、受験生にとって有益なアドバイスがない点は否めません。とはいえ、本書p.554の「直近12年間の出題実績&攻略法」に「出題の中心は、法の中核でもある「土地取引の事後届出制」である。試験対策としては、事後届出制の手続きの流れをまず理解しよう」とあります。事前届出制・および土地取引の許可制は3ページのみとなっています。事後届出制についてしっかり学習してください。
◆もう1つのチェックポイントである宅建士の罰則については、リニューアル前は3ページにわたって36も詰め込んでいました。とてもじゃありませんが覚えきれませんし、全部覚える必要もなかったため、問題分析の結果を読者に伝える配慮が欠けていると指摘せざるを得ませんでした。
リニューアル後は、「直近12年間の出題実績&攻略法」に「罰則の内容も多岐にわたる。全部を覚えるのはムダが多いので・・・」(p.386)とあり、主なものについてだけ記載されています。この改善点は2021年版から引き継がれています。
テキストは2色刷
テキストは2色刷で強調には黒太字と赤太字が用いられています。これはリニューアル前と変わっていません。
ただし、リニューアル前は全体としてフォントが小さいため読みにくかった点はずいぶん改善されています。一部に小さいフォントを用いてはいるものの、宅建テキストとしては標準的と言えるでしょう。
とはいえ、本書でも読みにくいと感じる方はいるかと思います。Amazonで本書のイメージを見ることができますので、購入前にご確認ください。
インターネットアフターサービスあり
宅建テキストは、一度購入したらそれでOKというわけではありません。
宅建は毎年4月時点の法改正が試験範囲に入ります。出版時期によってはそこをカバーしていないテキストがあるのはある程度やむを得ません。
この点をフォローするのがインターネットアフターサービスです。
住宅新報出版HPにてチェックしたところ『2023年版 パーフェクト宅建士 基本書』については今のところ誤植等はありません(2023年4月8日現在)。
なお、読者特典として重要統計データを無料でダウンロードできます(2023年8月予定)。
分野別4肢択一問題集は本書とリンクしていない
宅建テキストはリンクしている問題集とセットで学習するのが鉄則です。
しかしながら、『パーフェクト宅建士』シリーズの分野別4肢択一問題集の『2023年版 パーフェクト宅建士 分野別過去問題集』は本書とリンクしていません。
※『2023年版 パーフェクト宅建士 分野別過去問題集』はなぜか本書よりフォントが大きので読みやすいのですが・・・本書とリンクしていないのは残念です。編集労力を怠っているとしか言いようがありません。
本書とリンクしているのは一問一答問題集の『2023年版 パーフェクト宅建士 一問一答 Pocket』と年度別過去問集の『2023年版 パーフェクト宅建士 過去問12年間』です(すべて購入して確認済みです!)。くれぐれもご注意ください。
長所・短所
- リニューアルによってテキスト部分が650ページ前後となり、完走しやすくなった
- 650ページ以内の宅建テキストで条文番号も含めて学習したい受験生向け
- 分野別過去問題集が本書とリンクしていない
繰り返します。『2023年版 パーフェクト宅建士 分野別過去問題集』は本書とリンクしていません。ご注意ください。