【2021年3月13日更新】宅建テキストは各出版社から毎年数多く発売されています。当ブログではそれらの中からいくつか厳選して個別にレビューし、『おすすめできる/できない宅建テキスト2021:詳細レビュー(独学・初学者向け)』にまとめました。
『2021年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』以外の宅建テキストも見ておきたい方はそちらもご一読ください。Amazonへのリンクから紙面デザインを確認できるものもあります。テキスト選びの参考になさってください。
2021年宅建試験合格を目指し、がんばりましょう。
【新着宅建教材案内】
1月26日発売なのでちょっと情報が遅くなってしまいましたが、『2021年版 パーフェクト宅建士聞くだけ (全3巻)』が実質無料で利用できます。おすすめです。
AmazonにAudible(オーディブル)というサービスがあります。いわゆるオーディオブック(本の文章を音声で聴く)です。
Amazon電子書籍サービスのKindleでもスマホ・タブレットの音声読み上げ機能はありますが、Kindle版宅建テキストは画像と認識されるため、音声読み上げ機能に対応していません。
耳からのインプットは記憶の定着にとても効果があります。でも、テキストCDやDVDは高価なものが多いです。
『2021年版 パーフェクト宅建士聞くだけ (全3巻)』も、販売価格は¥12,500と高価です。
でも、AmazonのAudibleを利用すれば、初めて登録する方は30日間無料で『2021年版 パーフェクト宅建士聞くだけ (全3巻)』を利用できます。しかもダウンロードしたものはAudibleを退会したあとでもそのまま利用できます。
このため、¥12,500の『2021年版 パーフェクト宅建士聞くだけ (全3巻)』の利用が実質無料となります(30日以内の退会手続きをお忘れ無く)。
そして、『2021年版 パーフェクト宅建士聞くだけ (全3巻)』の最大のメリットは12時間20分で宅建試験全範囲を一通り学習できること。
1日1時間15分聴けば10日で全範囲を1周できます。
実質無料かつ12時間ほどで宅建試験全範囲を1周できる製品版教材は、管理人の知る限りではこれだけです。
管理人はAudibleに登録したことがあるので、月額利用料¥1,500を払って『2021年版 パーフェクト宅建士聞くだけ (全3巻)』を聴いてみました。
『2021年版 パーフェクト宅建士聞くだけ (全3巻)』のナレーションは日建学院の教材でおなじみの佐藤まり江さんが担当しており、とても聴きやすいです。スマホ・タブレットの音声読み上げ機能とは比べものになりません。Amazonのページでサンプルを聴けますので試してみてください。
なお、紙版テキストの『2021年版パーフェクト宅建士基本書』と見比べながら聴いたところ、テキストをただ読み上げているのではなく、紙版テキストがなくても要点を理解できるよう丁寧に編集されていました。どの宅建テキストを使っている方でも、無料で使える方にとってはとても有用な教材です。
※誤って「1-Clickで購入する」を選択してCDを購入してしまった場合は返品できます。CDが不要でしたら商品が届いたら開封せずに返品手続きをしてください。CDが必要な方は何度も繰り返し聴いて十分に活用しましょう。
おすすめする宅建テキストとは
おすすめするのは「完走しやすい宅建テキスト」
◆宅建独学・初学者へおすすめできるのは、次の3点を備えたものです。
- テキスト部分が600〜650ページ以内と完走しやすく、
- 読みやすく編集されていて、
- リンクしている問題集があるもの
3点について説明します。
①宅建試験は合格者の60%が正解できる問題を得点できれば合格できるよう作問されています。
合格者の60%が正解できる問題のほとんどは基本的事項が問われています。
基本的事項をしっかり学習できるテキストを選び、繰り返し学習することが宅建試験合格への近道です。
そのためには、やたらと学習事項が詰め込まれたテキストより要点が絞られているテキストを使うほうが良いのです。
そして、テキストを買ったら絶対に1ヶ月で完走しましょう!
初めて宅建試験を受ける方にとって宅建の勉強は決して楽ではありませんが、1日20ページほどの学習をノルマにすれば600〜650ページのテキストを1ヶ月で完走できます。
②読みやすく編集されたテキストを選びましょう。
600〜650ページのテキストでも、やたらと小さい字やいろんな種類・いろんな色のフォントがページ内にこれでもか詰め込まれたものは知らず知らずのうちに目に負担がかかります。完走の妨げになりかねません。
③リンクしている問題集がある宅建テキストを選びましょう。
テキストで学習した項目はその日のうちに解きましょう。
はじめのうちは問題が解けなくて当たり前です。わからない問題はテキストの該当ページを見ながら解いて良いのです。
テキストの該当ページを見ながら解くためには、テキストの該当ページが掲載されている、すなわちテキストとリンクしている問題集が必須です。
テキストと問題集はかならずセットで揃えましょう。
おすすめできない宅建テキスト
◆合格に不要な情報までが詰め込まれていたり、フルカラーでもいろんな色・大きさ・種類のフォントを多用していたり、やたらと語呂合わせを多用する宅建テキストはおすすめできません。
初学者の方に絶対におすすめできないのは、宅建合格レベルをはるかに超えた情報まで記載されているテキストを使うことです。
◆宅建独学・初学者はテキストに書いてあることを全て覚えようとします。合格に不要な知識が多分に含まれていることを知らないままに過剰な情報を覚えようと努力し、時間を無駄に消費します。
その結果、テキストを完走できないまま本試験を迎えてしまうことさえあるのです。
◆初学者にはどこが宅建合格に必要でどこが不要なのかを見極めることができません。宅建合格に結びつかないところまで勉強する必要はないのです。
また、ページ数は多くないものの、やたらと語呂合わせを多用するテキストもおすすめできません。10秒以内で覚えられる短くてインパクトのある語呂合わせは効果的ですが、長い語呂合わせはそうはいきません。しまいには語呂合わせを覚えることに懸命になってしまい、知識の定着がおろそかになるからです。時間のムダです。
◆2021年宅建試験まで残り203日です。貴重な時間を無駄にしないよう、完走しやすいテキスト・問題集を使って6月までに最低3周できるようがんばってください。
ではTAC『2021年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』のレビューに移りましょう。
『2021年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』 基本データ
TAC発行『2021年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』基本データです。
書名 | 2021年度版スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト |
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Kindke版の価格 | |
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ページ数 | 権利関係前半185頁、権利関係後半+税・その他194頁 |
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◆2019年度版の『スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問ペーパーベスト』はテキスト部分が4分冊、過去問部分も4分冊、全部で8分冊でした。
一方、2020年版では過去問部分がなくなり、宅建業法、法令上の制限、権利関係前半、権利関係後半+税・その他の4分冊となっています。
2021年度版は2020年度版と同じ構成です。ただし、2021年度版は724ページ(索引含まず)と2020年度版の638ページから大幅に増量されています。ちょっと完走しにくくなってしまいました。
◆Kindle版はありません。
◆発行はTAC出版。2色刷です。
重要項目は黒太字と紫太字で書かれています。参考書によくある赤シートには対応していません。
◆テキスト・過去問部分は二色刷りですが、巻頭の『宅建ワールド 攻略チャート18』のみフルカラーです。宅建本試験50問のあらましを掴めます(出題順ではなく本書の構成順になっています)。
『2021年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』 詳細レビュー
それではTAC『2021年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』について2つのレビューポイントをチェックしましょう。
本試験にはまず出ない箇所をカット、無駄を省いた内容
全体に目を通して思ったことは、本試験にはまず出ない箇所が割合きっちりカットされていて好感がもてる、ということです。
宅建初学者にできないことの一つが、「これまでの宅建本試験にほとんど出題されない情報を見極めること」です。
信頼できる資格スクール・講師はこのことをきちんと教えてくれます。プロを利用する大きなメリットは無駄の少ない学習にあります。
初学者にもできる3つのポイントについてチェックします。
◆1つ目は「民法○○条」と書かれているかどうかです。
民法○○条とか借地借家法第9条・第33条だのと書かれている宅建テキストもありますが、宅建本試験を解く上でそんなことを覚える必要はまったくありません。
(※宅建業法「34条の2書面」「35条書面」と「37条書面」や農地法の3条・4条・5条は覚えましょう)
本書では「民法○○条」とは書かれていませんでした。
◆2つ目は国土利用計画法です。『らくらく宅建塾』のレビューでも書きましたが、国土利用計画法の監視区域・注視区域・規制区域についてはほぼ出題されていません(監視区域内の事前届出についてのみ出題されています)。したがって、国土法を丁寧に解説しているテキストはおすすめできません。
この点についてはp.287 右欄に「規制区域内では・・・無視してよい」(注:どう書いてあるのかを知りたい方はご購入ください)の文章の通り、深入りしていません。余計なインプットではないと判断しました。
◆3つ目は罰則です。罰則も深入りする必要はありません。監督処分と罰則の章p.184「宅建士への罰則 ポイント1」の通りです。不要な情報の記載はありませんでした。
以上から本書は合格に不要な情報はカットしてある宅建テキストであると判断しました。
余談ですが、管理人が宅建受験初年度に選んだテキストには、本試験に出ない箇所についても丁寧に記述してありました・・・
テキストに書いてあるならそれは勉強しておかないといけない、と思うのが受験生です。しかしながら、宅建本試験でまず使うことのないことまで読んでいる暇などありません。
不要な知識をインプットしないことはとても重要なのです。
では読みやすさをチェックしましょう。
タイトル通り「すっきり」していて読みやすい
テキストは、①事例チェック、②本文、③章のまとめから構成されています。
タイトル通りすっきりしていて読みやすいです。
ただし、2色刷のためかテキストの強調箇所と本文・注釈を区切る縦線等の装飾の色があまり区別されていません。強調箇所が埋もれてしまいかねない点はデザイン上のマイナスポイントと言えます。
デザイン上で気になるのはこの点だけです。
ただ、ページ端注釈のフォントは小さいです。老眼が進行している方は老眼鏡やハズキルーペ等を使ったほうがよいかもしれません。
インターネットアフターサービスあり
宅建テキストは、一度購入したらそれでOKというわけではありません。
宅建は毎年4月時点の法改正が試験範囲に入ります。出版時期によってはそこをカバーしていないテキストがあるのはある程度やむを得ません。
この点をフォローするのがインターネットアフターサービスです。
『『2021年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』にはネットのフォローサービスがあります。
フォローサービスは正誤表(本書内に正誤表ページのURL記載)のほかにサポート講義(QRコード記載)があります。
本書を購入したら、かならずチェックしましょう。
長所・短所
- スッキリ読みやすい(ただし強調箇所が埋もれてしまいかねない)
- 無駄を省いた内容
- インターネットアフターサービスあり
- ページ数が増えたため前年度版より完走しにくくなった
資格試験のテキストとして定評のある『スッキリ』シリーズの宅建テキストとしては好感がもてます。
惜しむらくはリンクする問題集がないことです。
中村先生による『スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集 2021年度』も有用です。しかしながら、本書とリンクしていません。
テキストと問題集はリンクしているものを使ったほうが明らかに効率良く勉強できます。
本書をメインテキストとした場合、リンクしていない問題集を別途選択しなければなりません。受験生に負担がかかるため、マイナス要素と言わざるを得ません。
この点をふまえて本書を購入するかどうかご検討ください。