『過去問宅建塾』は分野別4肢択一形式過去問題集。「権利関係」、「宅建業法」、「法令上の制限 その他の分野」の3冊があります。当記事は『過去問宅建塾〔1〕権利関係』のレビューです。
※記事の画像と内容は2023年版についてとなりますが、ページ数は2025年版も同じです。
『過去問宅建塾〔1〕権利関係』基本データ
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2023年版 |
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Kindke版 | ※2025年版は未発売 |
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◆『過去問宅建塾〔1〕権利関係』はA5サイズ。
分冊なし、丸ごと1冊権利関係の過去問題集です。
◆見開きの左ページに問題、右ページに各肢の解答・解説が記載されています。問題によっては解答・解説が3ページにわたることもあります。
右ページの解答・解説の赤字を隠すための赤シートが付録についています。
◆二色刷りです。右ページの解答・解説に赤シートをかぶせると赤の強調文字が判別できなくなります。
◆本書には読みにくい小さなフォントがあまり登場しません(問題の補助となる図で使用されるくらいです)。読みにくさを感じることはないと思われます(注:赤シートをかぶせるとかなり読みにくくなります)。
とはいえ読みやすさの感じ方には個人差がありますので、購入を検討する際はAmazonや書店で確認してからにしてください。
※下の「Amazonで探す」ボタンから2025年版のAmazonページに移行できます。
『過去問宅建塾〔1〕権利関係』 レビュー
◆宅建4肢択一形式過去問題集は大きくわけて2種類あります。
ひとつは権利関係・宅建業法・法令上の制限その他の全分野の過去問を300問ほど収録したもの。これには丸ごと1冊問題集と分冊可問題集があります。
もうひとつは権利関係・宅建業法・法令上の制限その他の全分野の過去問を600問以上収録したもの。これには分冊可問題集と、各分野で1冊の問題集に編集したタイプがあります。
『過去問宅建塾〔1〕権利関係』は後者の各分野で1冊の問題集に編集したタイプとなります。
このタイプの過去問題集は、本書と『出る順宅建士 ウォーク問過去問』が該当します。
◆本書は4肢択一形式の宅建権利関係の過去問題集。権利関係の問題を217問収録(2023年版データ)しています。
◆問題の重要度は「カンターン」「普通」「難しい」「超難」の4段階に分けられています。「過去問宅建塾の特長と使い方」(vページ)に「初めて解くのに超難問を間違ったと悩む必要はないし、3回目なのにカンターンな問題を間違うようでは理解不足だ」とあります。
しかしながら難易度の説明はこれしかありません。
『出る順宅建士 ウォーク問過去問』には正答率が記載されているのでそれを目安にできますが、本書には正答率の記載もなし。受験生が難易度レベルをつかみにくい点は不親切と指摘せざるをえません。
◆権利関係217問の重要度別の内訳は次の通りです。
- カンターン→34問
- 普通→105問
- 難→74問
- 超難→4問
217問の重要度構成のうち、「カンターン」と「普通」は計139問で64%、「難」は74問で34.1%でした。
ちなみに『2025年版 宅建士 合格のトリセツ 基本問題集』の権利関係は115問中Aランク106問(92.1%)、Bランク8問(7%)、Cランク1問(0.9%)という構成(【購入レビュー】宅建士合格のトリセツシリーズ2025年版:テキスト・問題集・一問一答 - 賃より)。『トリセツ』のほうが初学者にとってより取り組みやすい問題集となっています。
◆当サイトでは、宅建初学者が最初に手にする宅建テキストとセットの分野別問題集は、Aランク問題中心の300〜350〜350問程度のものをおすすめしています。基礎問題を中心に1ヶ月程度で1周しやすいため基礎固めに向いているからです。
しかしながら、本書は権利関係だけで217問も収録しています。全分野では3冊合計677問にもなります。これでは基礎固めには不向きです。
実際に、テキストに『らくらく宅建塾』、分野別問題集に『過去問宅建塾』1・2・3を選択してしまい途方に暮れてしまった受験生の方から相談のコメントを受けています(当サイトの宅建テキスト・参考書おすすめする/しない16選全購入レビューのコメント欄をご参照ください)。宅建学習を始める時期が遅くなればなるほど、本書の収録問題集は重荷になる一方です。
『らくらく宅建塾』シリーズ問題集は基礎固めには不向きです。それでも用いるのであれば日々の学習計画をしっかり立てた上で実行してください。
◆本書の見開き左側問題文ページのタイトル上には5回分のチェック欄があります。最低でも5回は周回・・・できるようがんばってください。
◆本書は『らくらく宅建塾』とリンクしています(注:『らくらく宅建塾』・『過去問宅建塾』はどちらも最新年度のものを揃えること)。
解答・解説ページの各肢に『らくらく宅建塾』の該当ページが記載されています。問題を解いていてわからないことがあったらすぐにテキストの該当箇所を開く癖をつけましょう。
◆本書を問題集として選ぶかどうかは『らくらく宅建塾』を使うかどうか、そして過去問宅建塾3冊をこなせるかどうか次第です。
問題集を先に選ぶのではなく、テキストをどれにするかについてよく考え、しっかりご検討ください。