管理人が購入した『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』の表紙画像です。画像の転載・引用は一切禁止です。
宅建テキストは各出版社から毎年数多く発売されています。当ブログではそれらの中から厳選して個別にレビューし、おすすめ宅建テキスト2023年版購入レビュー【独学向け】にまとめました。
『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』以外の宅建テキストも見ておきたい方はそちらもご一読ください。Amazonへのリンクから紙面デザインを確認できるものもあります。テキスト選びの参考になさってください。
2023年宅建試験合格を目指し、がんばりましょう!
『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』 基本データ
『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』基本データです。
書名 | 2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題 |
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Kindke | |
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◆本書の特長は各問の正答率が記載されていることです。正答率が高い問題は多くの受験生が正答できた問題となります。
ただし、この正答率が受験生全体による正答率なのか、合格者による正答率なのかについて何も書かれていません。
本書と同シリーズの『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問』には合格者正答率と不合格者正答率が記載されています。本書の正答率は、『テーマ別厳選過去問』の合格者正答率と不合格者正答率の間となっていますのでおそらく受験者正答率と思われますが、来年度版にはどちらの数値なのか明記してほしいです。
◆宅建年度別問題集のチェックポイントは次の5点です。
- 年度別過去問を何年分収録しているか
- 年度別過去問を何回分収録しているか
- 法改正による改題にどう対応しているか?
- 問題の各肢にマークはあるか?
- テキストとリンクしているか?
これら5点についてみていきましょう。
『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』 購入レビュー
◆『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』についての5つのチェックポイントについての結果は以下の通りです。
- 年度別過去問の収録年数:10年
- 年度別過去問の収録回数:12回
- 法改正への対応:削除および改題(改題には改マークあり)
- 問題の各肢にマークはあるか?:無し
- テキストとリンクしているか?:していない
宅建年度別過去問を10年間・12回分収録している
◆『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』は宅建年度別過去問を10年間・12回分を収録しています。
収録年度は平成25年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録。
宅建年度別過去問集の中には、12年間・12回分収録しているもの(12月試験を未収録)や、12年間・14回分(12月試験も収録)ものがあります。
それらに対し、本書は10年間・12回分の年度別過去問を収録しています。2回分少ないため、年度別過去問をより多く解いておきたい受験生は12年間・14回分収録しているもののほうが良いでしょう。
法改正には削除と改題で対応している
◆ 『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』は法改正によって成立しなくなった問題については「削除と改題の両方で対応」しています。
管理人個人としては、「法改正により出題内容そのものが成立しなくなった問題」は削除すべきと考えています。例えば平成24〜平成29年度に出題された民法条文規定についての問題は改正民法が施行された令和2年度以降は出題されていません。改正民法施行によって役割を終えた問題ですので、削除での対応がベターでしょう。
しかしながら、「120分間という本試験の時間内でのペース配分をつかむ」ことを重視する受験生にとっては、法改正にはできるだけ改題で対応して50問(実際は問48統計を除く49問)を提供してある年度別過去問集を利用するほうが良いでしょう。※ただし、改題によって難易度が変わりうることは頭にいれておいてください。
とはいえ、法改正によって今後出題される可能性が高いものについては改題しておいたほうが受験生にとって親切です。
宅建年度別過去問集の現行の対応は、削除、改題、そのまま、それぞれを組み合わせたものとなっていて統一されていないのが現状です。
◆本書の対応は削除と改題の両方です。
平成24〜平成29年度に出題された民法条文規定についての問題は、改正民法が施行された令和2年度以降は出題されていません。改正民法施行によって役割を終えた問題ですので、こちらは削除での対応がベターでしょう。本書でも削除されています。
他の民法改正点については改題で対応しています。
ただし、中には改題したほうが良い問題を改題せずに掲載しているものもありました。令和4年度問28は宅建業法の重要事項説明についての出題でしたが、重要事項説明の交付については法改正によって電磁的方法による提供ができるようになりましたのでこの点をふまえて改題しておくほうが受験生にとって親切です。本書はそのまま掲載しています。※他社の年度別問題集では改題されていました。
本書における法改正問題への対応は削除と改題の両方が採用されているものの、改題した方が良いと思われる問題をそのまま掲載するなど、改題の基準が不明瞭でした。
問題の各肢にはマーク無し
◆『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』の問題の各肢にはマークがありません。
宅建年度別過去問集には、各肢に問題の難易度を付しているものがあります。
中には「深入り厳禁」を含めた重要度マークを付しているものもあります。宅建試験では、肢問の中に難解なものを混ぜていることがあります。難解なので、正答率はとても低いです。このような肢問は合否にほとんど関わらないため、捨て肢(すてあし)と呼ばれています。
捨て肢マークは学習する上ではとても有益です。宅建試験合格にとって大切なことは「多くの受験生が正答する問題を確実にとること」です。捨て肢にこだわって重箱の隅をつつくようなマイナーな論点にこだわるより、例年出題されている頻出項目をきっちりとることのほうがよほど重要だからです。
◆ただし、問題の各肢にマークが付されていると、繰り返し解く際の目印になってしまって正解肢を覚えやすくなってしまうことも事実です。それが嫌な受験生は、本書のような各肢にマークのない年度別過去問集を選択すると良いでしょう。
テキストとリンクしていない
◆『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題』は、『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンクしていません。
本書の解答・解説ページには、各問について日建学院のオプション講座の該当番号が記載されています。ただし、この講座は有料で¥30,000もします。¥30,000払ってもオプション講座を受講したい受験生には何も言うことはありませんが・・・市販テキストでがんばる受験生におすすめできるかというと・・・
テキストとリンクしておいて欲しかったです。
インターネットアフターサービスあり
◆本書は、読者特典として統計問題の改題(12回分)をWebダウンロードサービスにて提供するとのことです(2023年8月末頃予定)。
統計は毎年新しいデータから出題されます。かならずおさえておきましょう。
長所・短所
- 正答率が記載されている
- 過去問が12回分しか収録されていないので、より多くの年度別過去問を解きたい受験生には向かない
- 『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンクしていない