※令和5年10月21日時点ではまだ2023年版宅建問題集のレビュー内容となっています。すでに到着している2024年版宅建問題集がありますので、近日中に内容をアップデートします。
宅建問題集(4肢択一分野別問題集、一問一答問題集、年度別問題集)合計27冊のレビューです。
全て実際に購入し、
- ページ数
- 分冊の有無
- 分野毎の収録問題数
- テキストとの連携の有無
などについて紹介しています。
合格に直結する大切な宅建問題集選びの参考になさってください。
◆宅建初学者に最初におすすめするのがAudible版『パーフェクト宅建士聞くだけ 』です。
◆『パーフェクト宅建士聞くだけ 』はAmazonのAudible(オーディブル)というオーディオブックサービスのコンテンツです。
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『パーフェクト宅建士聞くだけ 』の再生時間は12時間29分。
朝の通勤通学時間・昼休み・夕方の帰宅時間に各25分ずつ聞けば10日間で聴き終えられます。
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◆宅建試験は民法・宅建業法・建築基準法・税などから出題されます。
これらに初めて触れる方は法律用語になじみがないため、いきなりテキストを読んでも挫折しかねません。
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各巻の再生時間などの詳細は個別レビューに>>>【購入レビュー】2023年版 パーフェクト宅建士聞くだけ(全3巻)
- 宅建問題集の種類について
- 宅建問題集(4肢択一形式分野別)購入レビュー(9シリーズ13冊)
- 宅建問題集(一問一答形式)購入レビュー(9シリーズ9冊)
- 宅建年度別問題集購入レビュー(5シリーズ5冊)
- 宅建試験に合格するために
- 宅建3段階学習について
宅建問題集の種類について
◆宅建試験対策の問題集(過去問題集)は大きく分けると2種類になります。
- 分野別問題集
- 年度別問題集
◆分野別問題集は、宅建試験で出題される民法の権利関係、宅建業法、法令上の制限、税・その他の4分野について、各出版社の方針によって3〜4分野に分けて編集されたものです。
分野別問題集はさらに2つに分けられます。
1つは宅建本試験と同じく4肢択一形式で出題される「4肢択一形式分野別問題集」。
4肢択一形式分野別問題集は実際に宅建試験に出題された問題から300問〜700問弱を収録したものがあります。
もう1つは一問一答形式で出題される「一問一答形式分野別問題集」です。こちらは、過去問を採用しているものとオリジナル問題を採用しているものがあります。
◆年度別過去問題集は、宅建試験各年度50問をほぼそのまま掲載し、解答・解説を加えたものです。
「ほぼそのまま」というのは、法改正が必要な問題について、法改正を施して掲載しているもの、削除しているもの、両方を採用しているものがあるからです。
年度別過去問題集は必ずしも必要とは限りません。年度別過去問題集は2時間で50問を解く訓練に用いますが、それなら直前予想模試でも事足りるからです。
注:直前予想模試のレビューは別記事とさせていただきます(準備中)。
◆当記事では、これらの宅建問題集について合計27冊をまとめて紹介します。すべて購入した上でのレビューです。
宅建問題集選びの参考になれば幸いです。
※情報はAmazon等へのリンクも含め2023年版のものです(すこしずつ2024年のリンクに差し替えていきます)。2024年版のうち、予約できるものは発注済みです。届き次第アップデートします。ご了承ください。
宅建問題集(4肢択一形式分野別)購入レビュー(9シリーズ13冊)
◆宅建問題集のうち、4肢択一形式分野別問題集は、300問程度のものと550問以上のものに大別できます。
300問程度の問題数では過去問習熟には足りません。あくまで基礎固めに用います。
550問以上の問題集は過去問習熟に用います。ただし、本試験まで時間がないときに購入しても1周すらできないかもしれません。だったら300問問題集を繰り返し周回するほうが良いです。
◆4肢択一形式分野別問題集については以下の5点をお伝えします。
- ページ数
- 分冊の有無
- 電子書籍の有無
- 分野毎の収録問題数
- テキストとの連携の有無
4肢択一形式分野別問題集で重要な指標となるAランク問題(もしくはSAランク問題)の占める割合についてお伝えします。
宅建では、一般にCランク問題は合否に関わりません。このため、Cランク問題の収録数は概ね少なくなっています。
一方、Aランク問題とBランク問題の収録数は問題集によってかなり違います。
初学者の基礎固めに適しているのは、基礎知識で解きやすいAランク問題が多めの問題集です。
◆なお、問題を解くときは、かならず「すべての選択肢について」根拠を明らかにしながら正誤判定できるようにしましょう。個数問題・組み合わせ問題への対応にもつながります。
1.宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集
- ページ数:権利関係201頁、宅建業法201頁、法令上の制限・税・その他207頁
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:有
- 分野毎の収録問題数:権利関係100問、宅建業法100問、法令上の制限54問、税・その他46問
- テキストとの連携の有無:有 『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』とリンク
◆『2023年版 宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』はA5サイズ。権利関係、宅建業法、法令上の制限・税・その他の3分冊です。
◆見開きの左ページに問題、右ページに各肢の解答・解説が記載されています。右ページを隠しながら問題を解きましょう。
◆付録として「分冊背表紙シール」と「チェックシート(100問×3枚)」がついてます。
チェックシートがあると進捗状況を把握しやすいとはいえますが、問題文ページの下に3回分のチェック欄があります。チェックシートをなしにして50円でも安くしたほうが受験生のためになると思います。
◆問題の難易度はA〜Cの3段階。
- Aランク→「すべての選択肢について復習してほしい問題」
- Bランク・Cランク→「難しい選択肢はあるけれど正解までたどりついてほしい問題」
本書は300問のうちAランク問題が89%を占めています。当記事で紹介している4肢択一式分野別問題集ではAランク問題の割合が最も高いです。宅建初学者の基礎固め問題集に最適です。
個別レビューはこちらです>>>宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集
2.どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問
- ページ数:権利関係189頁、宅建業法217頁、法令上の制限123頁、税・その他78頁
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:権利関係94問、宅建業法108問、法令上の制限61問、税・価格の評定20問、5問免除18問
- テキストとの連携の有無:有 『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンク
◆4肢択一問題を301問収録しています(表紙には「300問」とありますが301問収録でした)。
◆問題の重要度はS〜Cの4段階に分けられています(本書の利用法より)。
- S:特に重要!合格者は絶対落とさない
- A:必ず取りたい
- B:合否の分かれ目!取れれば合格は目前
- C:難問だけど、取れれば儲けもの
301問のうち、S・Aランク問題が77.1%を占めています。
分野別問題集の中では『トリセツ』に次いでAランク問題の割合が高いです。基礎固め用分野別問題集に使えます。
◆本書の各選択肢には「よく出る」「釣り針(ひっかけ)」「難」「禁止(無視してOK)」のアイコンが付されているものがあります。
本書ではS・Aランク問題中31肢が「禁止(無視してOK)」すなわち捨て肢でした。
S・Aランク問題は合格に直結する基礎問題です。捨て肢に惑わされることなく得点できるようにしておきましょう。
◆本書の大きな特長は合格者正答率と不合格者正答率が記載されていることです。
合格者正答率50%以上の問題(つまり合格者の2人に1人が正答できた問題)は難易度ランクにかかわらず重要な問題です。かならず正答できるようにしてください。
◆解説各肢には条文番号が付されています。条文に当たってまで調べたい受験生には参考になりますが、宅建試験で覚えておくべき条文番号は宅建業法34条の2・35条・37条および農地法3条・4条・5条くらい。条文番号は無視して学習しましょう。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問
3.ユーキャンの宅建士 きほんの問題集
- ページ数:権利関係213頁、宅建業法191頁、法令上の制限・税・その他247頁
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:権利関係106問、宅建業法94問、法令上の制限70問、税・その他50問
- テキストとの連携の有無:有 『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』とリンク
◆収録問題数は320問。問題の学習優先度は高・注・低の3段階(本書の利用法より)。
320問中、高ランク(Aランク)が74.3%を占めています。
しかしながら、本書は「捨て肢」を含む問題を数多く収録しています。
とりわけ基礎固めの要である高ランク問題のうち45問に捨て肢が含まれていたのはいかがなものかと思います。
本試験対策として捨て肢を採り入れたものと思われますが、基礎知識で解ける基礎問題を確実に得点できるよう訓練する=基礎固め用問題集としては「やや難あり」と判断せざるを得ません。
本書を問題集として選ぶかどうかは『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』を使うかどうか次第です。問題集を先に選ぶのではなく、テキストをどれにするかについてまず熟考することを強くおすすめします。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 きほんの問題集
4.わかって合格る宅建士 分野別過去問題集
- ページ数:権利関係211頁、宅建業法182頁、法令上の制限148頁、その他76頁
- 分冊の有無:有 4分冊
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:権利関係105問、宅建業法90問、法令上の制限73問、その他関連知識37問
- テキストとの連携の有無:有 『わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンク
◆305問を収録。各選択肢に「頻出」「ひっかけ」「難」のアイコンが付されているものがあります。
◆問題の重要度は★★★〜★の3段階に分けられています。★★★が最重要です。「本書の特長」(ⅳページ)に「まずは最重要の★★★から解くなど、学習の進捗度に応じてチャレンジしましょう」とあります。
305問中、★★★(Aランク)が66.6%を占めています。すでに紹介した3冊(トリセツ・どこでも・ユーキャン)より低い割合となっています。
◆本書で気になるのは出題年度が他の分野別問題集よりも古いことです(目次には各問題の出題年度・問題番号・改題の有無が記載されているのでご確認ください)。
例えば8種制限12問の出題年度は、ページ順にH13、H9、H9,H13,H14、H17、H15、H22、H9、H14、H11。
改題しているとはいえ、近年の問題を中心に学習したい方には不向きと言わざるを得ません。
ただし、この編集方針は年度別問題集『2023年度版 わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS』との重複を避けるよう、受験生に配慮して編集した結果なのかもしれません。
そうであるならば年度別過去問とは違う問題を解いておきたい受験生に向いていると言えますが、本当のところはわかりません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】わかって合格る宅建士 分野別過去問題集
5.パーフェクト宅建士 分野別過去問題集
- ページ数:権利関係193頁、宅建業法205頁、法令上の制限115頁、税・その他91頁
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:権利関係96問、宅建業法102問、法令上の制限57問、その他関連知識45問
- テキストとの連携の有無:無
◆300問を収録。
◆本書の問題の難易度はA〜Cの3段階に分けられています。区分の根拠は「最も易しいのがA、最も難しいのがC」としかありません。A〜C各段階での学習目標をきちんと示して欲しいものです。
◆300問中、Aランク問題の割合は38%にすぎません。
Aランク問題よりBランク問題を多く収録していることは気になります。初学者が取り組みやすい問題集とは言い難いです。
◆本書最大の欠点はテキストとリンクしていないこと。購入する前にしっかり吟味することを強くおすすめします。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】パーフェクト宅建士 分野別過去問題集
6.みんなが欲しかった! 宅建士の問題集 本試験論点別
- ページ数:宅建業法219頁、権利関係192頁、法令上の制限・税・その他222頁頁
- 分冊の有無:有 3分冊
- 電子書籍の有無:有 Kindle版と楽天Kobo版
- 分野毎の収録問題数:宅建業法109問、権利関係95問、法令上の制限63問、税・その他46問
- テキストとの連携の有無:有 『みんなが欲しかった! 宅建士の教科書』とリンク
◆313問を収録。
◆本書の問題の難易度はA〜Cの3段階に分けられています。
- Aランク→「やさしめの問題(かならずマスターして!)」
- Bランク→「ふつう程度の問題(このレベルまでは頑張ってマスターしよう)」
- Cランク→「難しい問題(学習が進んでいない人は後回しでも・・・)」
◆313問中、Aランク問題の割合は49.2%。
初学者の基礎固め用としては不向きです。
◆本書は小さなフォントを多用しているため、読みにくい箇所がたくさんあります。この点を考慮しながら購入するかどうかご検討ください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった! 宅建士の問題集 本試験論点別
7.過去問宅建塾〔1〕権利関係、〔2〕宅建業法、〔3〕法令上の制限その他の分野
- ページ数:〔1〕権利関係458頁、〔2〕宅建業法192頁〔3〕法令上の制限その他の分野222頁頁
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:有 Kindle版
- 分野毎の収録問題数:〔1〕権利関係217問、〔2〕宅建業法234問、〔3〕法令上の制限その他の分野226問
- テキストとの連携の有無:有 『らくらく宅建塾』とリンク
※3冊まとめてのレビューとなります。
◆本書は権利関係、宅建業法、法令上の制限その他の分野の合計3冊による4肢択一式分野別問題集となっています。
◆3冊合計677問を収録。市販の宅建4肢択一式分野別問題集としては最大の問題数です。
◆問題の重要度は「カンターン」「普通」「難しい」「超難」の4段階に分けられています。「過去問宅建塾の特長と使い方」(vページ)に「初めて解くのに超難問を間違ったと悩む必要はないし、3回目なのにカンターンな問題を間違うようでは理解不足だ」とあります。
しかしながら難易度の説明はこれしかありません。
『出る順宅建士 ウォーク問過去問』には正答率が記載されているのでそれを目安にできますが、本書には正答率の記載もなし。受験生が難易度レベルをつかみにくい点は不親切と指摘せざるをえません。
◆677問のうち重要度表記付きは676問。そのうち「カンターン」「普通」問題(SAランク問題)の割合は75.4%。
SAランク問題の割合は初学者の基礎固めに適しています。
しかしながら677問という収録問題数の多さは基礎固めにはまったくもって不向きです。下手したら1回も完走できないかもしれません。
当記事には『過去問宅建塾』を選んでしまって途方にくれた受験生からご相談をお寄せいただいたこともあります。記事末コメント欄をご一読ください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】過去問宅建塾〔1〕権利関係、【購入レビュー】過去問宅建塾〔2〕宅建業法 、【購入レビュー】過去問宅建塾〔3〕法令上の制限その他の分野
8.スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集
- ページ数:宅建業法349頁、法令上の制限125頁、権利関係255頁、その他関連知識113頁頁
- 分冊の有無:有 4分冊
- 電子書籍の有無:無
- 分野毎の収録問題数:宅建業法109問、権利関係95問、法令上の制限63問、税・その他46問
- テキストとの連携の有無:有 『みんなが欲しかった! 宅建士の教科書』とリンク
◆『12年過去問題集』というタイトルから年度別問題集と間違うかもしれませんが、本書は4肢択一式分野別問題集です。
◆合計677問を収録。市販の宅建4肢択一式分野別問題集としては『過去問宅建塾』と並び最大の問題数です。
◆問題の重要度はA〜Pの4段階に分けられています(本書の利用法より)。
- A=「絶対やろう」!絶対にマスターしておくべき問題
- B=「できればやっておきたい!」:できればマスターしておくべき問題
- C=「時間に余裕があったら」:無理してマスターしなくてもよい問題
- P=「パス」:むしろ見てはいけない(こういう問題にこだわると合格が遠のく)
Pは「捨て問」に相当します。深入り厳禁です。
◆677問のうちABCランク問題は656問。このうちAランク問題の割合は42%。初学者の基礎固めには不向きです。
ただでさえ677問という収録問題数の多さは基礎固めにはまったくもって不向きな上、Aランク問題の割合も少ないです。
さらに言うと、本書は『2023年度版 スッキリわかる宅建士 中村式戦略テキスト』とはリンクしていません。おすすめできません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】スッキリとける宅建士 論点別12年過去問題集
9.出る順宅建士ウォーク問①権利関係、②宅建業法、③法令上の制限・税・その他
- ページ数:①権利関係342頁、〔2〕宅建業法364頁〔3〕法令上の制限・税・その他の分野410頁頁
- 分冊の有無:無
- 電子書籍の有無:有 Kindle版、楽天Kobo版
- 分野毎の収録問題数:〔1〕権利関係169問、〔2〕宅建業法180問、〔3〕法令上の制限その他の分野201問
- テキストとの連携の有無:有 『出る順宅建士 合格テキスト』とリンク
※3冊まとめてのレビューとなります。
◆本書は権利関係、宅建業法、法令上の制限その他の分野の合計3冊による4肢択一式分野別問題集となっています。
B6判と一般的な宅建テキスト・問題集のA5判より小さくコンパクトです。
◆3冊合計550問を収録。市販の宅建4肢択一式分野別問題集としては2番目に多い問題数です。
◆『ウォーク問』の特長は、収録問題集の多さのみならず、LECが長年蓄積している各問の正解率データ(合格者正解率と不合格者正解率)を各問に記載していることです。
宅建試験は合格者正解率60%以上の問題をきちんと得点できれば合格できます。合格者正解率60%以上の問題をしっかり解いておきましょう。
◆『ウォーク問』は、収録問題のレベルを次の4段階に分けています。これは第1〜3巻で共通しています。説明しておきます。
- 特Aランク:最も重要な問題
- Aランク:かなり重要な問題
- Bランク:まあまあ重要な問題
- Cランク:参考程度の問題
◆550問のうちSAランク問題の割合は72.9%です。
SAランク問題の割合は初学者の基礎固めに適しています。
しかしながら550問という収録問題数の多さは基礎固めには不向きです。
300問問題集もしくは次のセクションで紹介する一問一答問題集で基礎を固めた上で、本書で過去問を習熟する、という使い方をおすすめします。
なお、宅建本試験まで時間がないときは、本書に手を出すよりも基礎固め問題集のみを周回して基礎をがっちり固めるしかありません。
本書に取り組むのであれば、少なくとも6月までに基礎を固めておくことを強くおすすめします。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集1 権利関係 、【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集2宅建業法、【購入レビュー】出る順宅建士 ウォーク問過去問題集3 法令上の制限・税・その他
宅建問題集(一問一答形式)購入レビュー(9シリーズ9冊)
◆一問一答問題集は隙間時間の学習に用いられています。常に持ち歩けるよう、コンパクトサイズのものが多いです。
一方、最近(3年ほど)はテキストと同じサイズのものが増えてきました。
これは、一問一答問題集が300問4肢択一分野別問題集に移行する前段階、すなわち基礎の基礎を固める役割の重要性が認識されたことによるものと思われます。
◆分野別問題集と同じく、一問一答問題集もテキストとリンクしているものを選ぶのが鉄則です。
ただ、中にはテキストとリンクしていないものもあります。一問一答問題集を選ぶ際の参考になるよう、以下の3点とその他の特長についてお伝えします。
- サイズ(テキストと同じサイズかコンパクトサイズか)
- ページ数
- 分野毎の収録問題数
- テキストとの連携の有無
1.宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集
- サイズ:テキストと同じ
- ページ数:権利関係145頁、宅建業法110頁、法令上の制限85頁、税・その他55頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係266問、宅建業法232問、法令上の制限181問、税・その他121問
- テキストとの連携の有無:有 『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』とリンク
◆収録問題数は800問(800肢)。
問題(肢)に年・問題番号・肢番号が付されています。
問題は見開きの左ページに、解答・解説は右ページにあります。付録の「解答かくしシート」を右ページにかぶせながら問題を解くとよいでしょう。
解答・解説には「一言解説」が付されています。「一言解説」は「問題を解く上でのポイント」です。問題を解いたら必ず目を通しておきましょう。
◆問題は出題頻度によって★★★〜★マークあり。
- ★★★→「出題頻度が高い問題」
- ★★→「出題頻度がそこそこ高い合否を分ける問題」
- ★→「出題頻度が低い問題」
800問(肢)のうち★★★が92.3%。出題頻度の高い問題がほとんどを占めている一問一答問題集となっています。初学者向きと言えます。
◆本書は全部で403ページ。『トリセツ』の基本テキスト及び分野別過去問題集と同じ大きさ(A5版)です。
他社が出版している一問一答問題集はA5より小さなサイズのため携行性に優れています。
一方、本書はそれらに比べて大きく厚いです。携行性では劣ります。
この点を補うのが本書特典のアプリです。
※アプリの利用方法とアクティベーション方法は本書を購入して確認してください。
◆実際にアプリをダウンロード→アクティベーション→ユーザー登録して使ってみたところ・・・このアプリ、なんとスマホ画面に手書きできます!!iPhoneでもOKです!!
管理人のiPhone8 Plus画面のスクリーンショットです。
画面右上のペンマークが赤の書き込みです。iPhone画面に直接指で書き込めます。
ペンマークをタップすると消しゴムアイコンが現れ、線・文字・図を消せます。
とてもシンプルなペン機能ですが、解答時にポイントとなる箇所をマークできるだけでも学習効果がぐっと上がります。
1セクションを解き終えると正解率・理解度・誤り理由・解答時間の一覧が表示されます。
※スクリーンショット撮影のため、解答は全て○を選択してすぐ次の問題に移行しました。
間違えた問題には解説が表示されます。理解度と間違えた理由についても選択が表示されて記録できます。
正解した問題は理解度のみ表示され、こちらも選択して記録できます。理解度が完璧になるまで習熟しましょう。
◆本書の特典アプリは無料としてはとても便利です。
ただし電子書籍版にはアプリが付属していません。アプリ目当てで本書を購入する際は必ず紙書籍版を選択してください(Amazonの商品説明の「続きを読む」をクリックするとこのことが記載されています)。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集
2.どこでも宅建士 チャレンジ!重要一問一答
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係135頁、宅建業法135頁、法令上の制限85頁、税・価格の評定41頁、5問免除科目25頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係260問、宅建業法265問、法令上の制限179問、税・価格の評定78問、5問免除科目51問
- テキストとの連携の有無:有 『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンク
◆収録問題数は表紙に「820問」とありますが、数えたら833問(833肢)ありました。
解答・解説欄に年・問題番号・肢番号が付されています。問題の出典に当たりたいときに必須です。
問題は見開きの左ページに、解答・解説は右ページにあります。付録の赤シート対応です。赤シートを右ページにかぶせながら問題を解くとよいでしょう。
◆問題文のキーワードには赤のアンダーラインが引かれています。
また、「この問題の着目点」アイコンが付されているものもあります。アイコンは3種類あります。本書でご確認ください。
◆一部の問題だけですが、解答・解説に+α(プラスアルファ)=補足的な知識が付されているものがあります。読み飛ばすことなく必ずチェックしておきましょう。
◆問題には各項目毎に出題実績に応じた重要度別にS・A・B・Cが付されています(各項目冒頭ページに記載)。
問題は各項目毎にA〜Cの重要ランクが付されています。
- S→特に重要
- A→重要
- B→できればきちんと押さえたい
- C→余裕があったらチャレンジしたい
833問(肢)のうちS・Aランクが86.5%。重要度の高い問題が多くを占めている一問一答問題集となっています。初学者向きと言えます。
◆本書は全部で425ページ。B6判なのでコンパクトです。常に携行するのに邪魔にならないサイズです。
◆他社の一問一答集にはテキストとリンクしていないものや問題の出典がまったくわからないものがあります。
本書はテキストとリンクしており、さらに問題の出典も明記しています。しかも問題文と解答・解説にも一手間かけられています。学習しやすく編集されており、テキストと一緒に用いることで効率的に学習できる一問一答集と言えます。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答
3.ユーキャンの宅建士これだけ!一問一答集
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係158頁、宅建業法126頁、法令上の制限80頁、税・その他63頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係280問、宅建業法230問、法令上の制限170問、税・その他120問
- テキストとの連携の有無:無
◆収録問題数は800問(800肢)。収録問題の一部がオリジナル予想問題となっています。過去問のみの一問一答問題集で学習したい受験生は他のものを購入しましょう。
◆本書で収録している過去問については、問題番号の下に出題年のみが記載されています。いちいち探さないと実際の過去問にたどりつけないため、これはマイナスポイントです。
問題は見開きの左ページに、解答・解説は右ページにあります。付録の赤シート対応です。赤シートを右ページにかぶせながら問題を解くとよいでしょう。
◆問題には重要度別に★★★〜★が付されています。★★★が最重要問題です。
800問(肢)のうち★★★が67.9%。他の一問一答、とくにLEC『トリセツ』と日建学院『どこでも』に比べると重要度の高い問題の割合が少ないです。
◆本書は全部で439ページ。サイズは新書判。現在出版されている市販宅建一問一答問題集の中では『出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集』に次ぐ小ささ。
常に持ち歩いて隙間時間に問題を解くのに適しており、これが本書最大のメリットです。
◆一方、本書は『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんのテキスト』とリンクしていません。これが本書最大のデメリットです。テキストとのリンクを期待して購入すると当てが外れます。くれぐれもご注意ください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 これだけ!一問一答集
4.わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600
- サイズ:コンパクト
- ページ数:民法等171頁、宅建業法127頁、法令上の制限101頁、税・その他45頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係213問、宅建業法173問、法令上の制限155問、税・その他70問
- テキストとの連携の有無:有 『わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンク
◆収録問題数は表紙には600問(600肢)とありますが、実際は611問(611肢)でした。
本書は年・問題番号・肢番号が一切ありません。過去問そのものを確認したいときにはものすごく手間がかかります。これはデメリットです。
問題は見開きの左ページに、解答・解説は右ページにあります。付録の「こたえかくすシート」を右ページにかぶせながら問題を解くとよいでしょう。
◆左ページの問題文には下線が引かれています。この下線は「問題の正誤を判定する際、どこに注意して検討すべきなのか、そのヒントとして、鍵となる語句」に引かれています。
解説には4種類のアイコン(「覚える」、「理解」、「ひっかけ」、「比較」)が付されています。それぞれの意味は本書を購入してご確認ください。
◆問題には重要度別にA〜Cのランクが付されています。
611問(肢)のうちAランクが56%。他の一問一答、LEC『トリセツ』・日建学院『どこでも』・ユーキャン『これだけ』に比べると重要度の高い問題の割合が少ないです。
◆本書は全部で447ページ。B6判とコンパクトな部類の宅建一問一答集です。
◆本書のメリットは、①テキストとリンクしていること、②問題文および解答・解説に一手間を加えて学習できるよう丁寧に編集していること、の2点です。
しかしながら、この「丁寧さに」加えて条文番号が記載されているため情報量が多く、宅建初学者にはむしろ不向きな一問一答集となっています。
◆ただし、本書を含めたTAC『わかって合格る宅建士』シリーズは、テキストと本書の他にもテキストと問題集、テキストと年度別問題集がそれぞれリンクしています。
テキストと問題集・年度別問題集・一問一答集がリンクしている教材で学習したい場合は、今のところ唯一の選択肢となりますが・・・条文番号も含めて勉強したい受験生、時間に余裕のある受験生、そして宅建を足がかりに法律系上位資格取得を目指す受験生にのみおすすめします。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 チャレンジ!重要一問一答
5.パーフェクト宅建士一問一答Pocket
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係184頁、宅建業法198頁、法令上の制限92頁、税・その他55頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係348問、宅建業法364問、法令上の制限190問、税・その他101問
- テキストとの連携の有無:有 『パーフェクト宅建士 基本書』とリンク
◆収録問題数は表紙には1000問(1000肢)とありますが、実際は1003問(1003肢)でした。
本書は、見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。解答・解説には条文番号が付されています。
問題及び解説の要チェックポイントには赤の下線が付されています。
解答は赤字で○×のどちらかが書かれています。
赤の下線および解答の○×は赤シートをかぶせると見えなくなります。
さらに、解説の強調箇所は黒の太字で書かれています。
問題を解くときは右ページに赤シートをかぶせておくと良いです。
◆問題に年・問題番号が付されています。問題の出典に当たりたいときに必須です。
◆本書は、各問(肢)の解答に『2023年版パーフェクト宅建士 基本書』の該当ページが記載されています。一問一答問題集の中ではテキストの該当ページをもっとも探しやすいです。大きなメリットです。
◆問題には重要度別にRankA〜Cが付されています。Rank Aは「必ず解きたい問題を揃えました」(「本書の使い方」より)とのことです。
1003問(肢)のうちAランクが71.4%。他の一問一答、LEC『トリセツ』・日建学院『どこでも』よりは少ないですが、ユーキャン『これだけ』よりも重要度の高い問題の割合が多いです。初学者向け・・・と言いたいところですが、本書は条文番号を記載しています。
◆『パーフェクト宅建士 基本書』をメインテキストに選んだ方は本書を問題集として使わざるを得ません。『パーフェクト宅建士 分野別過去問題集』が基本書とリンクしていないからです。
解説には条文番号が付されているので、条文にあたって学習した方には役立ちます。条文まで学習したいかどうか、テキストおよび本書を購入する前にかならずご検討ください。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】パーフェクト宅建士 一問一答 Pocket
6.史上最強の宅建士問題集
- サイズ:テキストと同じ
- ページ数:宅建業法137頁、権利関係191頁、法令上の制限107頁、税・その他71頁、頻出TOP90宅建暗記カード153
- 分野毎の収録問題数:宅建業法399問、権利関係516問、法令上の制限331問、税・その他277問
- テキストとの連携の有無:有 『史上最強の宅建士テキスト』とリンク
◆収録問題数は1473問(肢)。
◆『史上最強の宅建士テキスト』と同じA5判。一問一答問題集としては大きく厚いです暗記カードのみ分冊可。分冊しても常時携行するには重いです。
◆二色刷でオレンジ気味の赤を強調色にしています。付録の赤シート対応です。
◆本書は、見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。
◆各問題には試験年度・問題番号・肢番号が記載されています。出典問題に当たりたいときに至極便利です。
法改正で改題した問題には肢番号の次に「改」と付されています。
問題には過去問以外にもオリジナル予想問題も含まれ、[予想問題]と付されています。
◆本書には問題の重要度ランキングはありません。
◆各項目の見出しには★なし〜★★★★★までの6段階で平成10年以降の宅建試験出題回数が示されています。ただ、見出しには「宅地建物取引士資格登録 ★」/宅地建物取引士資格登録簿 ★★★」などとあるため★毎の集計ができません。
もし、本書で宅建試験に挑むと決めた方は、頻出項目★★★★★〜★★★はかならず100%解けるように仕上げましょう。
◆◆本書は『史上最強の宅建士』シリーズ唯一の問題集。『史上最強の宅建士テキスト』をメインテキストに選んだ方は本書で学習することとなります。
また、収録問題数は市販宅建一問一答問題集では最多です。より多くの一問一答を解きたい方には選択肢となるかもしれません。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】史上最強の宅建士問題集 - 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ
7.みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集
- サイズ:コンパクト
- ページ数:宅建業法175頁、権利関係175頁、法令上の制限67頁、税・その他49頁、参考編23頁
- 分野毎の収録問題数:宅建業法303問、権利関係297問、法令上の制限126問、税・その他93問、参考編32問
- テキストとの連携の有無:有 『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』とリンク
◆収録問題数は851問(851肢)。
◆見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。
解答・解説ページには『2023年度版 みんなが欲しかった!宅建士の教科書』の該当箇所(例:「6 手付金の保全措置」)が記載されています。
◆分野毎に色が違います。宅建業法はオレンジ。フォントも小さく、はっきり言って読みにくいです。
◆問題は「基本」レベルと「応用」レベルがあり、「応用」レベルはグレーで表記されています。ただしレベル分けの説明は一切ありません。しかも応用レベル問題は全体の5.6%しか収録されておらず、何のためのレベル分けなのかわかりません。
◆本書は問題の出典が一切記載されていません。
問題についての説明は、「はしがき」に「合格に必要な最低限の内容を中心とした問題で構成されている」、「本書の特長と使い方」に「問題は「宅建士の教科書」に記載の基本的な知識を中心に出題されている」とあるのみです。このため、過去問をそのまま掲載しているのか、改題なのか、オリジナル問題なのかわかりません。
◆『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』をメインテキストに使っている方は本書で学習しても良いかもしれませんが、他のテキストを使っている方、とくに「過去問をベースとして出題されていることがわかる一問一答形式問題集」で学習したい方はそちらを選んだ方がよいです。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった!宅建士の一問一答問題集
8.○×宅建士塾
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係127頁、宅建業法118頁、法令上の制限73頁、その他29頁
- 分野毎の収録問題数:宅建業法303問、権利関係297問、法令上の制限126問、税・その他93問、参考編32問
- テキストとの連携の有無:有 『らくらく宅建塾』とリンク
◆本書は全部で349ページ。縦は四六判と同じですが、横は四六判より短く新書判より長い、独自の大きさの判となっています。
◆収録問題数は416問(416肢)。他社の一問一答問題集は少ないもので600問でしたので、それを下回る収録問題の少なさです。
◆見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。
「問題」および「解答・解説」にはそれぞれマンガ(もしくは図)が付されています。これが本書のセールスポイントです。
権利関係は図で整理することが鉄則なのでマンガを含むわかりやすい図はあったほうが良いです。しかしながら全ての問題にまで必要とは思えません。必要以上の装飾がほどこされていると、学習を進める上でむしろノイズになると言わざるを得ません。
◆問題の出典についての説明は一切ありません。過去問に遡ることは不可能です。
◆解答・解説ページには『2023年度版 らくらく宅建塾』および『2023年度版 マンガ宅建塾』の該当ページが記載されています。これは便利です。というか、便利なのはこれだけ。
本書冒頭p.iiiには「本書作成にあたっては、内容を十分に吟味しておりますが、マンが・イラストの部分において、必ずしも法律的に正確な表現になっていなかったり、また誇張した表現があります。受験に当たっては必ず弊社刊「らくらく宅建塾」、その他の参考書等を併用することをお勧めいたします」とあります。原則として「らくらく宅建塾」以外のテキストで学習している方には不要です。
個別レビューはこちらです>>>購入レビュー】○×宅建塾 - 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ
9.出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集
- サイズ:コンパクト
- ページ数:権利関係125頁、宅建業法165頁、法令上の制限・税・その他129頁
- 分野毎の収録問題数:権利関係280問、宅建業法400問、法令上の制限・税・その他320問
- テキストとの連携の有無:有 『出る順宅建士 合格テキスト』とリンク
◆2023年版 出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集』は横10.2cm×縦17cm。新書判の縦を1cmほど短くしたコンパクトサイズの一問一答形式問題集です。
見開きの左ページに「問題」が、右ページに「解答・解説」が記載されています。二色刷りで赤シート対応です。
◆収録問題数は1000問(1000肢)。
重要度別に★★★〜★が付されています。
★★★は「出題頻度が高く、多くの受験生が正解できる問題」、★★は「出題頻度はそこそこ高く、合格者であれば正解できる問題。合否を分ける問題です」、★は「出題頻度が低い問題、または合格者であっても正解できない問題。合否にあまり影響しない問題です」(「本書の効果的利用法」より)とのことです。
1000問(肢)のうち★★★が59.7%。他の一問一答、LEC『トリセツ』・日建学院『どこでも』・ユーキャン『これだけ』に比べると重要度の高い問題の割合が少ないですが、TAC『わかって合格る』よりは多いです。
◆ただし、本書の問題は「過去問ではなく、この問題集のためにLEC講師陣が作成したもの」(「はしがき」より)です。過去問の一問一答で学習したい受験生の選択肢からは外れます。
◆本書の特典はアプリです。
アプリのダウンロードおよびアクティベーション方法は本書に記載されています。本書を購入してから指示にしたがってください。
実際にアプリをダウンロード→アクティベーション→ユーザー登録してアプリ画面を確認しました。
管理人のiPhone8 Plus画面で問題を開いたときのスクリーンショットです。
この画面の右上にペンマークのアイコンがあります。次の画面のスクリーンショットの通り、画面に直接赤文字・線を指で書き込めます。
ペンマークをタップすると消しゴムアイコンが現れ、線・文字・図を消せます。
とてもシンプルなペン機能ですが、解答時にポイントとなる箇所をマークできるだけでも学習効果がぐっと上がります。
1セクションを解き終えると正解率・理解度・誤り理由・解答時間の一覧が表示されます。
※スクリーンショット撮影のため、解答は全て○を選択してすぐ次の問題に移行しました。
間違えた問題には解説が表示されます。理解度と間違えた理由についても選択が表示されて記録できます。
正解した問題は理解度のみ表示され、こちらも選択して記録できます。理解度が完璧になるまで習熟しましょう。
◆くれぐれも注意していただきたいのは、Kindle版にはアプリが付属していないことです。アプリ目当てで本書を購入する際は必ず紙書籍版を選択してください(Amazonの商品説明の「続きを読む」をクリックするとこのことが記載されています)。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集
宅建年度別問題集購入レビュー(5シリーズ5冊)
◆年度別問題集を利用する次第の目的は時間を計ってその年度の過去問50問を解くこと(注:問48統計の過去問を解く必要はありませんので、実際は49問)にあります。
◆ただし、年度別問題集は各年度50問(49問)を揃えているものとそうじゃないものがあります。
法改正問題への対応が違うからです。
◆宅建年度別問題集の法改正問題への対応は2通りあります。
- 改題
- 削除
改題された問題は、法改正に合わせて内容を変えて収録されています。
削除された問題は、問題が法改正によって成立しなくなったため収録から外されています。
当記事で紹介する年度別問題集は5冊ですが、改題のみで対応しているものと改題と削除で対応しているものがあります。
◆年度別問題集は必須の問題集ではありません。問題が各年度に分かれているため分野毎の学習には不向きだからです。
また、時間を計って問題を解く目的なら予想模試・模試型問題集も利用できます。ただし、予想模試・模試型問題集が収録・ダウンロードできる回数は多くても7回。
より多くの過去問を出題時と同じ形式で解いておきたい受験生は年度別過去問を利用しても良いでしょう。
◆分野別問題集、一問一答問題集と同じく、一問一答問題集もテキストとリンクしているものを選ぶのが鉄則です。
ただ、中にはテキストとリンクしていないものもあります。年度別問題集を選ぶ際の参考になるよう、以下の2点とその他の特長、とくに法改正への対応具合についてお伝えします。
- 収録問題回数
- テキストとの連携の有無
1.どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題
- 収録問題回数:12回
- テキストとの連携の有無:無
◆宅建年度別過去問を10年間・12回分を収録。
収録年度は平成25年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「削除と改題の両方で対応」しています。
平成24〜平成29年度に出題された民法条文規定についての問題は、改正民法が施行された令和2年度以降は出題されていません。改正民法施行によって役割を終えた問題ですので、こちらは削除での対応がベターでしょう。本書でも削除されています。
他の民法改正点については改題で対応しています。
ただし、中には改題したほうが良い問題を改題せずに掲載しているものもありました。令和4年度問28は宅建業法の重要事項説明についての出題でしたが、重要事項説明の交付については法改正によって電磁的方法による提供ができるようになりましたのでこの点をふまえて改題しておくほうが受験生にとって親切です。本書はそのまま掲載しています。※他社の年度別問題集では改題されていました。
本書における法改正問題への対応は削除と改題の両方が採用されているものの、改題した方が良いと思われる問題をそのまま掲載するなど、改題の基準が不明瞭でした。
◆本書には各問の正答率が記載されています。正答率が高い問題は多くの受験生が正答できた問題となります。
ただし、この正答率が受験生全体による正答率なのか、合格者による正答率なのかについて何も書かれていません。
本書と同シリーズの『2023年度版 どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問』には合格者正答率と不合格者正答率が記載されています。本書の正答率は、『テーマ別厳選過去問』の合格者正答率と不合格者正答率の間となっていますのでおそらく受験者正答率と思われますが、来年度版にはどちらの数値なのか明記してほしいです。
◆本書は『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンクしていません。
ただし、本書と同じ日建学院の『これで合格!宅建士 直前予想模試』(当記事にもレビューを掲載)は『どこでも学ぶ宅建士 基本テキスト』とリンクしています。
より多くの年度別過去問を解いておきたい受験生は本書も役立ちますが、『基本テキスト』を使っている受験生は直前予想模試で事足りるでしょう。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】どこでも学ぶ宅建士 10年間の本試験問題
2.ユーキャンの宅建士 過去12年問題集
- 収録問題回数:12回
- テキストとの連携の有無:有 『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』とリンク
◆宅建年度別過去問を12年間・12回分を収録。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は10月試験のみ収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「すべて改題で対応」しています。
◆本書の解答・解説には各問の正答率が記載されています。この正答率は合格者正答率です。合格者正答率が60%以上の問題は確実に取りましょう。
◆本書は『2023年版 ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』とリンクしています。
本書の解答・解説には、各問について『ユーキャンの宅建士 きほんの教科書』の該当箇所(例:業法L11)が記載されています。ただ、該当箇所をもっと明確にしてアクセスしやすくしたほうが受験生に親切です。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】ユーキャンの宅建士 過去12年問題集
3.わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS
- 収録問題回数:14回
- テキストとの連携の有無:有 『わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンク
◆宅建年度別過去問を12年間・14回分を収録。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「削除と改題の両方で対応」しています。
平成24〜平成29年度に出題された民法条文規定についての問題は、改正民法が施行された令和2年度以降は出題されていません。改正民法施行によって役割を終えた問題ですので、本書でも削除されています。
◆本書は『わかって合格る宅建士 基本テキスト』とリンクしています。
本書の解答・解説ページには、各問について『わかって合格る宅建士 基本テキスト』の該当箇所(編・Chapter・Section)が記載されています。『わかって合格る宅建士 基本テキスト』と一緒に学習すると効率的です。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS
4.パーフェクト宅建士 過去問12年
- 収録問題回数:14回
- テキストとの連携の有無:有 『パーフェクト宅建士 基本書』とリンク
◆宅建年度別過去問を12年間・14回分を収録。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「すべて改題で対応」しています。
◆本書は『パーフェクト宅建士 基本書』とリンクしています。
本書の解答・解説ページには、各問について『パーフェクト宅建士 基本書』の該当箇所が記載されています。『パーフェクト宅建士 基本書』と一緒に学習すると効率的です。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】パーフェクト宅建士 過去問12年間
5.みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集
- 収録問題回数:14回
- テキストとの連携の有無:無
◆宅建年度別過去問を12年間・14回分を収録。
収録年度は平成23年度〜令和4年度試験。令和2年度および令和3年度は12月試験も収録しています。
◆法改正によって成立しなくなった問題については「削除と改題で対応」しています。
◆本書は『みんなが欲しかった!宅建士の教科書』とリンクしていせん。リンクを当てにして購入しないよう、ご注意ください。
◆本書は合格点の高い年度・回から順に問題・解説を並べています。目当ての年度の問題を解きたい場合、探すのが少々めんどうです。
個別レビューはこちらです>>>【購入レビュー】みんなが欲しかった!宅建士の12年過去問題集
宅建試験に合格するために
◆宅建試験はその年度の合格点に達していれば合格できます。宅建が宅地建物取扱主任者から宅地建物取引士になった平成27年度以降の合格点は34〜38点です。
では、合格点を取るためにはどうすれば良いでしょうか?
◆管理人は各年度の「合格点」と「本試験問題」の正解率の関係を調べました。
すると、どの年度についても受験生の2人に1人が正解していた問題を確実に得点できれば合格点をクリアしていたのです。
◆「宅建試験で合格点を取るためにはどうすれば良いのか?」、という問に対する明確な答えは「受験者2人に1人が取れる問題を確実に得点すること」に他なりません。
◆では、受験者の2人に1人が解ける問題はどういう問題なのでしょうか?
はっきり言って「基礎レベル問題」です。どれもこれも基礎知識がしっかりしていれば正解できる問題です。
宅建試験合格に向けて最も大切なのは「基礎知識をしっかり習得」して「基礎レベル問題を確実に解けるようにすること」なのです。
管理人は宅建試験受験1年目にこのことを理解していませんでした。宅建試験は「難しい問題」を得点しても「かんたんな問題」を得点しても1点です。「じゃあどっちからでも点を取ればいいんじゃないの?」と思い、得点源の宅建業法をおろそかにして2点足りず不合格になってしまいました(近年では最も難しかった平成27年度ではありましたが・・・)。
◆では「基礎レベル問題を確実に解けるようにする」ためにはどんな学習をすれば良いでしょうか?
「基礎レベル問題を確実に得点する」ために必要なのは、基礎知識の徹底です。
基礎知識の徹底に必要なのは反復です。
繰り返し繰り返し、何度も何度も反復学習することが何より大切です。
したがって、宅建学習で何よりも大切なのは「反復学習に最適なテキスト・問題集で基礎を身につけること」なのです。
以上をまとめます。
- 宅建試験は受験者の2人に1人が正答できる基礎レベル問題を確実に得点できれば合格できる
- 基礎レベル問題を確実に得点→基礎知識の徹底が必要
- 基礎知識の徹底→反復学習
◆当記事では市販宅建問題集27冊について、実際に購入して紹介しました。
このうち、反復学習に向いているのは4肢択一形式問題集なら300問程度の問題集でAランク問題(もしくはSAランク問題)が多数を占めるものです。おすすめ1位は『宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集』、次点が2位の『どこでも学ぶ宅建士 テーマ別厳選過去問』です。
どちらもテキストと連携しており、さらに言えば当サイトでは初学者におすすめするテキストの1位と2位です。
宅建問題集は宅建テキストと連携しているものを選ぶのが鉄則です。
まずはテキストを絞り込み、そのテキストと連携している問題集を選んでください。
テキスト選びにはおすすめできる/できない宅建テキスト2024【主要10選購入レビュー】をぜひご参照ください。
なお、当記事では宅建3段階学習を提唱しています。ぜひ続けてお読みください。
宅建3段階学習について
◆当記事では、市販テキストで学習する独学・初学者向けに3段階の学習を提案しています。
- 試験全体を把握する第1段階
- 基礎を固める第2段階
- 過去問を習熟する第3段階
第1段階:『パーフェクト宅建士聞くだけ』を使って宅建試験全範囲を1週間〜10日間で把握する
◆宅建の試験範囲はとても広いです。本試験で出題される50問の内訳は「民法等」14問、「宅建業法」20問、「法令上の制限」8問、「その他関連知識」8問です。
出題される法律は、民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法、宅建業法、都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、所得税、印紙税、不動案取得税、固定資産税、不動産鑑定評価基準、不当景表法、住宅金融支援機構法などなど。
これらの法律からどんな問題が出題されるのか、すなわち出題範囲についてざっと把握しておかないと学習スケジュールの立てようもありません。
したがって、宅建学習の第1段階は「宅建試験全範囲をざっと把握すること」、となります。
宅建テキストを「とりあえず」、「なんとなく」購入する前に、1週間〜10日間で宅建試験全範囲をおおまかにつかんでおきましょう。
第1段階に最適な教材は、先に紹介した『パーフェクト宅建士聞くだけ』です。
最適である理由は次の3つ。
- 無料で利用できる(これが何より)
- 12時間29分(1.2倍速なら10時間24分)で宅建試験全範囲を把握できる
- 耳から聞くことで知らない法律用語がなじみやすくなる
いきなりテキストを読み始めると、読み方もわからない法律用語の連発に挫折しかねません。
宅建試験全範囲を一度耳から聞いておくとテキストでの学習をスムーズに進めやすくなります!
第2段階:周回しやすいメインテキストと300問分野別問題集を使って基礎を固める
第1段階を1週間ほどで終えたら第2段階の「基礎固め」に移行します。
市販宅建テキストと問題集のうち、基礎知識の徹底に適している600ページ未満の宅建テキストと、そのテキストとリンクしている300問程度の分野別問題集です。反復学習しやすいからです。
700〜1,000ページの宅建テキストは一見するとバランスが良さそうに思えますが、反復学習用としては600ページの宅建テキストに劣ります。情報量が多いとインプットに時間がかかります。当然、反復するのに時間がかかります。
1,000ページ超のテキストは宅建の学習範囲を超えています。初学者が手にするテキストではありません。
また、いきなり500問以上の4肢択一形式問題を使うのも初学者向きではありません。500問の問題集を6周するより、300問の問題集を10周するほうが効果的だからです。
まずは600ページ程度のテキストを1日20ページおよび300問分野別問題集を1日10問を目安に始めましょう。
その日学習した範囲は、夜寝る前にぱらぱらめくって見直します。翌朝にも前日学習した範囲をぱらぱらめくって見直し(5分でも10分でもかまいません)、それから新しい項目を学習しましょう。
この学習を30日間繰り返し、テキストと問題集を完走します。
分野別問題集の4肢択一形式問題を解くときは、4つの肢すべてについて根拠を明確にしながら正誤判定できるようにしましょう。問題集での勉強は正解を当てることが目的ではありません。解答番号を覚えて終わりでは何にもなりません。
最初は時間がかかってもかまいません。4つの肢すべてについて根拠を明確にしながら正誤判定する癖をつけてください。
それから第3段階に移行しましょう。
第3段階:法改正点をおさえながら過去問を習熟する
◆第3段階の学習は法改正点をきっちりおさえた上で数多くの過去問を習熟することです。
第2段階学習で300問を周回して基礎固めを終えたものの、質量ともにまだ足りません。
質の目標は法改正点の把握です。
宅地建物に関する法律は毎年のように改正されます。改正点をおさえないままだと実務に差し障ります。したがって宅建士がそれらの法改正点を熟知しておくのは当たり前のこと。だから宅建試験でも新たな法改正点を出題範囲に含んでいるのです。
そして、宅建試験は新たな法改正点から出題される傾向がとりわけ強い、という顕著な特徴があります。
法改正点は本試験までに絶対におさえておかなければいけないのです。これが質の目標です。
◆量の目標は500問+令和4年度宅建試験50問の合計550問です。問題数があまり多すぎると周回しにくくなります。周回数が少なくなると習熟が不十分になります。
学習の第3段階目で紹介するテキストは法改正点が明記されています。このテキストを一読して法改正点をチェックしたら550問に対応する問題集を解きます。
問題を解くときは全ての肢について第3段階目で用いる問題集を解く前にテキストを読み、550問全て(少なくともBランク問題まで)の肢問について根拠を明確にしながら正誤判定できるよう仕上げましょう。
以上、第3段階の学習は法改正点をきっちりおさえた上で数多くの過去問を習熟することです。
宅建3段階学習におすすめのオーディオブック・テキスト・問題集
◆宅建学習第1段階「1週間から10日間で宅建試験全範囲をざっと把握すること」に用いるのは『パーフェクト宅建士聞くだけ』です。
いきなりテキストを読むと読み方すらわからない法律用語の連発に挫折しかねません。
法律用語はもちろん、宅建試験全範囲を耳から聞いておくとテキストでの学習をスムーズに進めやすくなります!
◆宅建学習の第2段階「宅建試験の基礎を固める」に最適なのは、600ページ未満の宅建テキストのうち最もインプットしやすい『宅建士 合格のトリセツ基本テキスト』と最もアウトプットしやすい『宅建士 合格のトリセツ基本問題集』です。
『トリセツ基本問題集』はAランク問題が89%(300問中267問)を占めていて宅建初学者基礎知識で本試験問題を解く訓練をするのに一番良いです。
これら2冊(もしくは先にお伝えした宅建テキスト10シリーズのどれか)を使い、テキスト・問題集セットで1ヶ月以内に完走し、5月まで繰り返し学習しましょう。
◆第3段階に最適なのは『どこでも宅建士 とらの巻』と『出る順宅建士 ウォーク問過去問』です。
『とらの巻』で法改正点を確認し、『ウォーク問過去問』で数多くの過去問を習熟します。6月から第3段階に入りましょう。
『とらの巻』は例年5月下旬発売と市販テキストでは発売日がもっとも遅いですが、その分、法改正点が網羅されています。例年、テキストには最新改正点のみならず過年度改正点にもマークが施されています。
また、別冊付録の直前暗記集『どこでも宅建士 とらの子』がものすごく便利です。『とらの子』は宅建基本知識を切り離せる小冊子です。どこでも持ち歩き、ボロボロになるまで使い倒しましょう。
『とらの巻』も非常にコンパクトなテキストです。ただし『トリセツ』と違って余白はほとんどありません。みっちり詰まったテキストです。
その分、説明は『トリセツ』よりも丁寧です。
『トリセツ』で学習した知識を『とらの巻』で再インプットかつ補強しましょう。
『とらの巻』には『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』の該当ページが記載されています。『とらの巻』とリンクしている『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』でアウトプットし、過去問を習熟しましょう。
『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』は1巻〜3巻で合計550問を収録。重要度は特A・A・B・Cの4段階です。
最大のメリットは各問について合格者正解率(と不合格者正解率)を記載していることです。
繰り返しますが、宅建試験は合格者正解率66%以上の問題を確実に得点できれば合格します。『出る順宅建士 ウォーク問 過去問題集』の合格者正解率66%以上の問題は絶対得点できるようにしてください。
さらに、ウォーク問550問のうち、特A・A・Bの522問(550問のうち94.9%)も必ず得点できるように仕上げてください。
問題を解くときは、肢問ひとつひとつまで根拠を持って正誤判定できるようにします。「なんとなくこれが正解」「たぶんこれが違う」といった曖昧な知識のままでは合格できません。
◆『ウォーク問』でアウトプットを繰り返し、知識が定着して正答率が100%に近づいたら、『過去30年良問厳選問題集』を使って120分で50問を解いてみましょう。
この問題集は本試験で実際に出題された過去問を本試験形式(1回50問)に構成しています。
このため市販予想模試にありがちな奇問珍問(例えば「次のうち、どれが地目にあてはまるか」などという本試験では絶対に出ない問題)が収録されていません。2020年版から発売されて以来、毎年おすすめしています。
解けなかった問題は解説を読み、テキスト(『『トリセツ』及び『とらの巻』)でチェックし、3回、4回、5回と周回しておきましょう。
3段階学習の先へ
◆学習の3段階目でウォーク問の正解率が95%になったら「直前予想模試」に取りかかりましょう。
直前予想模試は収録回数や法改正情報がわかりやすく掲載されているものが良いでしょう。お使いのテキストと連携していればなお良しですが、ウォーク問を習熟している段階ならテキストとの連携を気にすることはありません。
◆おすすめするのは法改正情報がわかりやすく掲載されている日建学院の直前予想模試です。
収録模試は3回と少なめではありますが、やみくもに模試回数を増やすよりも解答・解説をしっかり読み、正解・不正解の根拠を明確にすることが先決です。
まずは直前予想模試1冊について、必ず「根拠を明らかにしながら100%正答できる」まで仕上げましょう。模試を増やすのはそれからで良いと思います。
◆ここまでお読み下さり、ありがとうございました!
当記事では10シリーズの宅建テキスト・問題集の購入レビューと3段階学習についてお伝えしました。
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2024年度宅建試験合格に向けてがんばりましょう!!
◆なお、宅建合格率は15〜18%ですが、市販テキストで受験した方の合格率は6〜8%程度と言われてます。
一方、通信講座の中には毎年高い合格率をキープしているものがあります。フォーサイト宅建講座の合格率は例年70%以上。市販宅建テキスト・問題集での学習が不安な方は検討してみても良いと思います。
当サイトでは出版社・著者・資格スクールからの無償提供・献本は一切受けておらず、宅建テキスト・参考書・問題集・通信講座教材をすべて自費で購入しています(なかなかの出費です・・・)。各出版社への忖度は一切ありません。