賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成28年度問9(管理受託契約)について、公式テキスト第3版で該当するページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
なお、公式テキスト第3版は平成28年度賃貸不動産経営管理士試験の翌年に出版されたため、必ずしも平成28年度試験に対応しているわけではありません。この点をご了承くださりますよう、お願いいたします。
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賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成28年度問9
平成28年度
【問9】「住宅の標準賃貸借代理及び管理委託契約書」(平成6年4月8日建設省経動発第56号建設省建設経済局長通達)又は「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」(平成13年9月国土交通省住宅局作成・公表。以下、各問において「建設省・国交省標準契約書」と総称する。)による管理受託契約に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、管理受託契約に特約はないものとする。
1 管理受託方式の賃貸管理とサブリース方式の賃貸管理が、賃貸住宅管理業者登録制度の対象である。
2 管理受託契約の賃貸管理は、仕事の完成を目的とした契約類型である、民法上の請負契約に分類される。
3 管理業者は、委託者である建物所有者に対し、各契約で定める予告期間をもって申し入れることにより、管理受託契約を解除することができる。
4 管理業者は、集金した賃料から利息が発生した場合、この利息も委託者である建物所有者に引き渡さなければならない。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成28年問9に該当する部分は主に公式テキスト第3編管理業務の受託(第1章・第2章・第3章)に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストpp.269-270には、「賃貸住宅の管理業務には、管理受託方式の管理とサブリース方式の管理がある。管理受託方式の管理は、貸主から委託を受けて行う賃貸住宅の管理に関する事務であり、サブリース方式の管理は、住宅を転貸する者(以下「サブリース業者」という)が行う住宅の管理である。登録制度においても、管理受託方式の管理とサブリース方式の管理との両方が、制度の対象となっている(規程2条2項・3項、3条)」とあります。
したがって、選択肢1は正しいです。
◆選択肢2について公式テキストp.272には、「賃貸管理における委託業務の主な内容は、賃貸借契約締結後の入居者との関係や会計処理についての管理、建物設備の維持管理などの「事実行為」である。委任者が「法律行為」をすることを受任者に委託し、受任者がこれを承諾することによって成立する契約「委任」といい(民法第643条)、委託の内容が、法律行為ではない事務の委託(事実行為)である場合を「準委任」という(民法第656条)」とあります。
したがって、選択肢2は誤りです。
◆選択肢3について、公式テキストp.289に「住宅の標準賃貸借代理及び管理委託契約書(国交省標準 一括委託型)」第25条1項に「甲又は乙は、その相手方に対して、少なくとも3ヶ月前に文書よより解約の申入れを行うことにより、この契約を終了させることができます」、また「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」p.320には「乙は、甲に対して少なくとも6月前に解約の申入れを行うことにより、本契約を解約することができる」とあります。
したがって、選択肢3は正しいです。
◆選択肢4について公式テキストpp.274には、「委任者は、委任事務を処理するにあたって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならず、果実を収受したる場合も同様である(民法第646条)。賃貸管理では、集金した賃料を貸主に引き渡す義務がこれに該当する。集金した賃料から利息が発生した場合、この利息は果実にあたるため、利息の引渡しも要す」とあります。
したがって、選択肢4は正しいです。
以上、誤っている選択肢は2、正解番号は2です。重要度★★★。
重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』より
賃貸不動産経営管理士平成28年度過去問
倫理憲章、個人情報保護法、賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産管理の意義
問2:倫理憲章
問3:個人情報保護法
問4:登録規程9条
問5:重要事項説明
問6:賃貸住宅管理業者の遵守事項
問7:登録制度の登録
問8:登録制度の遵守事項
問9:管理受託契約
問10:管理受託契約
問11:借主の募集
問12:借主の募集
賃貸借契約
問13:建物賃貸借の特約の有効性
問14:定期建物賃貸借契約
問15:賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転
問16:賃貸借契約の保証
問17:賃貸借契約と使用貸借契約との異同
問18:書面による法律行為
問19:借主の義務と責任
問20:賃貸不動産の修繕
問21:敷金
問22:未収賃料の回収
問23:賃貸借契約の解除
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問24:ガイドライン
問25:借主の居住ルールと苦情処理
問26:鍵の管理
問27:アウトソーシング
問28:ガイドライン
問29:建ぺい率
問30:建物の維持管理
問31:消防用設備等
問32:昇降機設備・機械式駐車場設備
問33:賃貸不動産の企画提案の事業収支
問34:不動産証券化とプロパティマネジメント
問35:空き家と不動産管理
問36:不動産の税金
4問免除問題
問37:空き家と不動産
問38:建築構造
問39:換気設備
問40:保険
賃貸不動産経営管理士試験過去問、関連記事
◆賃貸不動産経営管理士試験過去問平成30年度・平成29年度・平成28年度問1〜問40の解説はこちらのページにリンクしてあります(※平成29年度はこのページです)。
【過去問】平成30年度賃貸不動産経営管理士試験問1〜問40
【過去問】平成29年度賃貸不動産経営管理士試験問1〜問40
【過去問】平成28年度賃貸不動産経営管理士試験問1〜問40
◆賃貸不動産経営管理士試験の合格率は4問免除講習受講生のほうが高いです。データはこちらです。
賃貸不動産経営管理士試験の合格率は?講習修了者と非受講者の違いは?
◆賃貸不動産経営管理士試験は試験範囲がもっとも重なっている宅地建物取引士資格試験と比べると出題文の字数・構造とも難易度が低いです。とはいえ、2018年度試験の合格点は過去最高の29点。正答率72.5%が要求されました。しっかり準備しておきましょう。
◆令和元年度(2019)賃貸不動産経営管理士試験の申し込みは2019年8月16日から始まります。申し込み手続きは簡単ですので、早めに済ませましょう。〆切は9月26日です(当日消印有効)。
◆当ブログでは、本試験日(2019年11月17日)の夕方から賃貸不動産経営管理士試験解答速報および合格点・合格ライン予想情報をお届けします。自己採点にお役立てください。
賃貸不動産経営管理士試験のおすすめテキスト・問題集・直前予想問題集(2019年版)
2019年版おすすめテキスト・問題集です。購入したら正誤表をご確認ください。
おすすめの理由はこちらの記事をご参照ください。
【賃貸不動産経営管理士試験】おすすめテキスト・問題集 - 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ
賃貸不動産経営管理士試験は令和2年度から50問120分になります。40問90分での試験は今年が最後です。
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『賃貸不動産経営管理士過去問題集(2019年度版)』
賃貸不動産経営管理士試験のほとんどは公式テキストから出題されます。
ちなみに平成29年度試験は公式テキストの範囲内から98.1%が出題されていました。
賃貸不動産経営管理士試験:公式テキストからの出題率(平成29年度)
しかも公式テキストの文言をちょっと変えただけの問題が多数でした。
今年もそうなることが予想されます。公式テキストには目を通しておいたほうが良いでしょう。
『賃貸不動産管理の知識と実務 改訂4版:賃貸不動産経営管理士公式テキスト』
『賃貸不動産経営管理士直前予想問題集(2019年度版)』予想問題は弱点のあぶり出しと補強に使うのが良いと思います。付録の重要数字攻略ドリルは試験直前の基本事項チェックにもってこいです。
ドリルとありますが一問一答です。
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