賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成29年度問6(登録制度)について、該当する公式テキストのページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
賃貸不動産経営管理士試験の過去問には『賃貸不動産管理の知識と実務 改訂3版:賃貸不動産経営管理士公式テキスト』そのままの文章が頻出しています。このため、賃貸不動産経営管理士試験の対策は公式テキストを中心に勉強する、というのが一つの方法です。
とはいえ、1,000ページもの分厚いテキストのどこに出題文がのっているのかを探すのも一手間かかってしまいます。このエントリーを賃貸不動産経営管理士試験合格に向けて参考にしてください。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成29年度問6
注:平成29年度問6は補正・改題に対応した教材で学習してください!
過去問集で最も使いやすいのはTACの『みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士』です。法改正等および割れ問対応が必要な問題すべてについて補正・改題されている上、各年度の問題すべてについて出題ページが掲載されています。
以下は平成29年度問6について出題されたままを記載しています。ご了承ください。
平成29年度
【問6】 賃貸住宅管理業者登録制度において、賃貸住宅管理業者が行ってはならない行為に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約において定めがあれば管理事務の再委託を行うことができるが、基幹事務については一括して再委託することはできない。
2 賃貸住宅管理業者は、その業務に関して広告を行う場合は、管理事務の内容について実際のものより著しく有利であると人を誤認させる表示又は説明をしてはならないが、業務に関して勧誘を行う場合は、そのような禁止はされていない。
3 賃貸住宅管理業者は、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないが、賃貸住宅管理業者でなくなった後は、そのような制約はない。
4 賃貸住宅を転貸する賃貸住宅管理業者(サブリース業者)は、転借人(入居者)との賃貸借契約において、敷引特約をすることは禁止されている。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成29年問6に該当する部分は公式テキスト第1編賃貸住宅管理業者登録制度第3章に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストp.108には、「賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に定めがあれば、管理事務を他の業者に再委託することができる(準則14条1項)」とあるので問題文の前半は正しいです。
さらに、公式テキストp.109には、「基幹事務を一括して他の者に再委託することは禁止される(一括再委託の禁止、準則14条2項)。基幹事務を一切行わないのは、基幹事務を含む管理事務を行う管理業者を登録し、賃貸住宅管理業の適正化を図るという登録制度の趣旨にそぐわないからである」とあるので問題文の後半も正しいです。
したがって、選択肢1は適切です。
◆選択肢2について公式テキストp.108には、「賃貸住宅管理業者は、その業務に関して広告または勧誘をするときは、受託方式の場合には管理事務に要する費用その他の管理事務の内容を、サブリース方式の場合は自らを借主とする場合の賃貸借契約の内容を、それぞれ著しく事実に相違する表示もしくは説明をし、または実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示もしくは説明をしてはならない(誇大広告禁止のルール)(準則4条)」とあります。
したがって、選択肢2は不適切です。
◆選択肢3について公式テキストp.112には、「賃貸住宅管理業者は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない(準則21条前段)。賃貸住宅管理業者でなくなった後においても同様である(準則21条後段)」とあります。
したがって、選択肢3は不適切です。
◆選択肢4について公式テキストp.149に敷引きが定義してあります。
「敷金の返還に際し、借主の債務の有無にかかわらず一定の金額を差し引くことをあらかじめ特約で定めておくという「敷金の一部の不返還特約」がなされることがあり、このような取扱いを一般的に「敷引き」と呼んでいる。」
そして、「敷引特約については、消費者契約法に反せず有効とした最高裁判決がある(最高裁平成23年3月24日判決、同年7月12日判決)」とあります。
敷引特約はサブリース業者の転借人との賃貸借契約においても禁止されていません。
したがって、選択肢4は不適切です。
なお、公式テキストp.491-494には2つ判例が記載されています。一読しておくことをおすすめします。
以上、適切な選択肢は1 、正解番号は1です。正答率94%。重要度★★★。
正答率はKenビジネススクール2017賃貸不動産経営管理士解答速報、重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』より
感想:選択肢4の敷引特約まで目配りしていなくとも、選択肢1さえ読めば正解とわかる問題です(選択肢2と3は論外)。
賃貸不動産経営管理士平成29年度過去問解説
賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産等統計
問2:賃貸不動産経営管理士の業務
問3:登録制度
問4:登録制度
問5:管理受託契約
問6:登録制度
問7:基幹事務
問8:サブリース方式による賃貸管理
問9:サブリース方式による賃貸管理
問10:借主の募集
問11:借主の募集・入居者決定
賃貸借契約
問12:定期建物賃貸借
問13:賃貸借契約・解約申入れ
問14:敷金の承継
問15:賃貸借契約の保証
問16:賃貸借契約の承継・共有
問17:賃貸建物の修繕
問18:賃貸借契約の解除
問19:契約書の記載
問20:賃貸借契約の更新
問21:賃料改定
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問22:内容証明郵便と公正証書の意義
問23:未収賃料の経理上の処理
問24:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
問25:住環境の整備
問26:ガイドライン
問27:ガイドライン
問28:共同住宅の避難施設等
問29:建物の耐震診断
問30:給水設備・給湯設備
問31:消防用設備
問32:賃貸用建物の企画提案
問33:PMとAM
問34:保険
問35:租税公課
問36:不動産賃貸経営の法人化
4問免除問題
問37:賃貸管理の意義
問38:倫理憲章
問39:屋根・外壁等
問40:換気設備
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
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