賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成29年度問30(給水設備・給湯設備)について、該当する公式テキストのページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
賃貸不動産経営管理士試験の過去問には『賃貸不動産管理の知識と実務 改訂3版:賃貸不動産経営管理士公式テキスト』そのままの文章が頻出しています。このため、賃貸不動産経営管理士試験の対策は公式テキストを中心に勉強する、というのが一つの方法です。
とはいえ、1,000ページもの分厚いテキストのどこに出題文がのっているのかを探すのも一手間かかってしまいます。このエントリーを賃貸不動産経営管理士試験合格に向けて参考にしてください。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成29年度問30
平成29年度
【問30】 給水設備・給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 給湯設備における局所式は、建物の屋上や地下の機械室に熱源機器と貯湯タンクを設け、建物各所へ配管して給湯する方式である。
2 増圧直結方式は、水道本管から分岐して引き込んだ上水を増圧給水ポンプで各住戸へ直接給水する方式であり、中規模以下のマンションやビルを対象とする方式である。
3 給水設備の水槽内にあるボールタップや電極棒が故障すると、水がオーバーフローとなり放水状態に陥って、常に給水ポンプが作動し、騒音の発生だけでなく、余分な電気代がかかることがある。
4 塩ビ管は、強靭性、耐衝撃性、耐火性で鋼管より劣るが、軽量で耐食性に優れている。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成29年問30は賃貸不動産経営管理士協議会による公式正解番号表に選択肢1および選択肢3が正解(どちらも不適切)とされています(http://www.chintaikanrishi.jp/assets/common/else/past_anser_2017.pdf)。このような「割れ問」はこの問30のみならず、問31もそうでした。
平成29年問30に該当する部分は主に公式テキスト第7編建物・設備の知識(第3章IおよびII)に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストp.818に、局所式は、「給湯の必要箇所にそれぞれ給湯器を設置する方式で、台所流しにガス瞬間湯沸器を置くのがその代表例である」とあります。
選択肢1は中央式について書かれています。したがって、選択肢1は不適切です。
◆選択肢2について公式テキストp.811に、増圧直結方式は、「水道本管から分岐して引き込んだ上水を増圧給水ポンプで各住戸へ直接給水する方式で、中規模までのマンションやビルが対象である」とあります(建築物の耐震改修の促進に関する法律第14条)。
したがって、選択肢2は適切です。
◆選択肢3は割れ問です。公式テキストp.816には給水設備等の管理について記載されており、給水設備の「水槽内には、ボールタップまたは電極棒がついている。これらは、水槽内の水位を調整する大切な器具で、このボールタップや電極棒が故障すると、水がオーバーフローとなり放水状態に陥って、常に給水ポンプが作動することになり、騒音の発生だけでなく、余分な電気代がかかることとなる」とあります(下線は筆者による)。
この文章は選択肢3と合致しているのですが、一方で公式テキストp.817には「水槽内の満減水警報センサー(電極棒)の故障によりポンプが稼働しない場合」とあります(下線は筆者による)。
これらから、電極棒の故障には常に給水ポンプが稼働する場合としない場合があることがわかります。
このため、選択肢3は正解とも不正解ともとれます。このため、割れ問になったものと思われます。(『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』p.31を参考にしました。)
◆選択肢4について公式テキストp.807には、「塩ビ管は、強靭性、耐衝撃性、耐火性で鋼管より劣るが、軽量で耐食性に優れている」とあります。
したがって、選択肢4は適切です。
以上、最も不適切な選択肢は1ですが、3も不適切ととれるため、正解番号は1と3です。割れ問のため正答率は採用不可。重要度★★。
正答率はKenビジネススクール2017賃貸不動産経営管理士解答速報、重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』より
賃貸不動産経営管理士平成29年度過去問解説
賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産等統計
問2:賃貸不動産経営管理士の業務
問3:登録制度
問4:登録制度
問5:管理受託契約
問6:登録制度
問7:基幹事務
問8:サブリース方式による賃貸管理
問9:サブリース方式による賃貸管理
問10:借主の募集
問11:借主の募集・入居者決定
賃貸借契約
問12:定期建物賃貸借
問13:賃貸借契約・解約申入れ
問14:敷金の承継
問15:賃貸借契約の保証
問16:賃貸借契約の承継・共有
問17:賃貸建物の修繕
問18:賃貸借契約の解除
問19:契約書の記載
問20:賃貸借契約の更新
問21:賃料改定
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問22:内容証明郵便と公正証書の意義
問23:未収賃料の経理上の処理
問24:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
問25:住環境の整備
問26:ガイドライン
問27:ガイドライン
問28:共同住宅の避難施設等
問29:建物の耐震診断
問30:給水設備・給湯設備
問31:消防用設備
問32:賃貸用建物の企画提案
問33:PMとAM
問34:保険
問35:租税公課
問36:不動産賃貸経営の法人化
4問免除問題
問37:賃貸管理の意義
問38:倫理憲章
問39:屋根・外壁等
問40:換気設備
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
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