賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成28年度問30(建物の維持管理)について、公式テキスト第3版で該当するページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
なお、公式テキスト第3版は平成28年度賃貸不動産経営管理士試験の翌年に出版されたため、必ずしも平成28年度試験に対応しているわけではありません。この点をご了承くださりますよう、お願いいたします。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成28年度問30
平成28年度
【問30】建物の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 特殊建築物等の所有者又は管理者は、定期的に、一級建築士等に調査させなければならない。
2 予防保全は、事故や不具合が生じる前に、あらかじめ適切な処置を施す保全である。
3 事後保全は、事故や不具合が生じてから、修繕等を行う保全である。
4 予防保全においても、事後保全においても、法定耐用年数どおりに機器を交換することが重要である。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成28年問30に該当する部分は主に公式テキスト第7編建物・設備の知識(第2章II建物の維持管理)に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストp.778には、「多数の人が利用する建築物のうち、政令及び特定行政庁が指定した特定建築物、昇降機、昇降機以外の建築設備および防火設備は、定期的にその状況を有資格者に調査・検査させて、その結果を決められた報告様式により特定行政庁報告することが義務づけられている」(原文のまま)とあります。
したがって、選択肢1は適切です。
定期報告については778〜782ページに記載されています。ただし、ここには「特殊建築物」「一級建築士等」とはどこにも書かれていないため、紛らわしさを感じざるをえない作問だと思いました。
ただし、この設問の根拠は建築基準法第12条第1項にあります。記載しておきます。
建築基準法第12条第1項
第6条第1項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者にその状況の調査(当該建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、当該建築物の建築設備についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
◆選択肢2について公式テキストp.772には、「建物の保全・維持管理は、問題が起きてから行うのではなく、問題が起きないよう、あらかじめ適切な処置を施すことが必要である。これを「予防保全」という」とあります。
したがって、選択肢2は適切です。
◆選択肢3について公式テキストp.772には、「事故や不具合が生じてから、修繕を行うことを事後保全という」とあります。
したがって、選択肢3は適切です。
◆選択肢4について公式テキストp.773には、「予防保全にあっても、法定耐用年数どおりに機器を交換することにとらわれることなく、現場の劣化状況と収支状況を考えあわせ、予防的に交換・保守・修繕することが管理業者には求められる」とあります。
したがって、「法定耐用年数どおりに機器を交換することが重要である」とする選択肢4は不適切です。
以上、不適切な選択肢は4、正解番号は4です。重要度★★。
重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』より
賃貸不動産経営管理士平成28年度過去問
倫理憲章、個人情報保護法、賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産管理の意義
問2:倫理憲章
問3:個人情報保護法
問4:登録規程9条
問5:重要事項説明
問6:賃貸住宅管理業者の遵守事項
問7:登録制度の登録
問8:登録制度の遵守事項
問9:管理受託契約
問10:管理受託契約
問11:借主の募集
問12:借主の募集
賃貸借契約
問13:建物賃貸借の特約の有効性
問14:定期建物賃貸借契約
問15:賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転
問16:賃貸借契約の保証
問17:賃貸借契約と使用貸借契約との異同
問18:書面による法律行為
問19:借主の義務と責任
問20:賃貸不動産の修繕
問21:敷金
問22:未収賃料の回収
問23:賃貸借契約の解除
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問24:ガイドライン
問25:借主の居住ルールと苦情処理
問26:鍵の管理
問27:アウトソーシング
問28:ガイドライン
問29:建ぺい率
問30:建物の維持管理
問31:消防用設備等
問32:昇降機設備・機械式駐車場設備
問33:賃貸不動産の企画提案の事業収支
問34:不動産証券化とプロパティマネジメント
問35:空き家と不動産管理
問36:不動産の税金
4問免除問題
問37:空き家と不動産
問38:建築構造
問39:換気設備
問40:保険
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
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