賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成29年度問23(未収賃料の経理上の処理)について、該当する公式テキストのページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
賃貸不動産経営管理士試験の過去問には『賃貸不動産管理の知識と実務 改訂3版:賃貸不動産経営管理士公式テキスト』そのままの文章が頻出しています。このため、賃貸不動産経営管理士試験の対策は公式テキストを中心に勉強する、というのが一つの方法です。
とはいえ、1,000ページもの分厚いテキストのどこに出題文がのっているのかを探すのも一手間かかってしまいます。このエントリーを賃貸不動産経営管理士試験合格に向けて参考にしてください。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成29年度問23
平成29年度
【問23】 未収賃料の経理上の処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 賃料の支払がなければ、税務上、収入として扱う必要はなく、貸借対照表への計上も不要である。
2 金銭の授受の名目が敷金であれば、返還しないことが確定している場合でも、収入金額への計上を要しない。
3 回収不能の未収賃料は、個人貸主にあっては、損失が生じた日の属する年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるのが原則である。
4 滞納期間が長い未収賃料は、回収不能と判断されて必要経費に算入される。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成29年問23に該当する部分は主に公式テキスト第6編管理実務(第2章IV未収賃料の回収)に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストp.684には、「仮に入金が無くてもその時期が来たら収入として計上することになる。契約の解除や貸倒が確定するまでは、入金がなくても収入として取り扱い、未収賃料として賃借対照表に計上する」とあります。
したがって、選択肢1は不適切です。
◆選択肢2について公式テキストp.685には、「本来敷金・保証金は不動産の明渡しの時に返還されるものであるが、名目が敷金・保証金となっていても返還しないことが確定しているものについてはその確定した都度収入金額に計上する」とあります。
したがって、選択肢2は不適切です。
◆選択肢3について公式テキストp.685には、「賃料の回収不能による損失の金額は、原則としてその損失が生じた日の属する年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入する」とあります。
したがって、選択肢3は適切です。
◆選択肢4について公式テキストp.686-687には、「回収不能の未収賃料は、滞納期間が短期長期にかかわらず、ただ滞納状況であるだけでは必要経費にはならない。
まず、賃貸状況の解除が必要である。裁判所の判決・和解・調停等により賃貸借契約を終了して、その未収家賃の金額の確定が必要である。
その判決等により支払い猶予の金額または分割により返済される部分は、必要経費とはならず、未収賃料の減額に応じた金額だけを必要経費とする」とあります。
したがって、選択肢4は不適切です。
以上、適切な選択肢は3、正解番号は3です。正答率は70%。重要度★★。
正答率はKenビジネススクール2017賃貸不動産経営管理士解答速報、重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』より
賃貸不動産経営管理士平成29年度過去問解説
賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産等統計
問2:賃貸不動産経営管理士の業務
問3:登録制度
問4:登録制度
問5:管理受託契約
問6:登録制度
問7:基幹事務
問8:サブリース方式による賃貸管理
問9:サブリース方式による賃貸管理
問10:借主の募集
問11:借主の募集・入居者決定
賃貸借契約
問12:定期建物賃貸借
問13:賃貸借契約・解約申入れ
問14:敷金の承継
問15:賃貸借契約の保証
問16:賃貸借契約の承継・共有
問17:賃貸建物の修繕
問18:賃貸借契約の解除
問19:契約書の記載
問20:賃貸借契約の更新
問21:賃料改定
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問22:内容証明郵便と公正証書の意義
問23:未収賃料の経理上の処理
問24:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
問25:住環境の整備
問26:ガイドライン
問27:ガイドライン
問28:共同住宅の避難施設等
問29:建物の耐震診断
問30:給水設備・給湯設備
問31:消防用設備
問32:賃貸用建物の企画提案
問33:PMとAM
問34:保険
問35:租税公課
問36:不動産賃貸経営の法人化
4問免除問題
問37:賃貸管理の意義
問38:倫理憲章
問39:屋根・外壁等
問40:換気設備
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
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