賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成29年度問22(内容証明郵便と公正証書の意義)について、該当する公式テキストのページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
賃貸不動産経営管理士試験の過去問には『賃貸不動産管理の知識と実務 改訂3版:賃貸不動産経営管理士公式テキスト』そのままの文章が頻出しています。このため、賃貸不動産経営管理士試験の対策は公式テキストを中心に勉強する、というのが一つの方法です。
とはいえ、1,000ページもの分厚いテキストのどこに出題文がのっているのかを探すのも一手間かかってしまいます。このエントリーを賃貸不動産経営管理士試験合格に向けて参考にしてください。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成29年度問22
平成29年度
【問22】 内容証明郵便と公正証書に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 賃貸借契約を解除する場合、内容証明郵便で解除通知を送付しなければ効力が生じない。
2 内容証明郵便は、いつ、どのような内容の郵便を誰が誰に宛てて出したかを郵便局(日本郵便株式会社)が証明する制度であり、文書の内容の真実性を証明するものではない。
3 賃貸借契約を公正証書で作成すると、借主の賃料不払を理由に建物の明渡しを求める場合、公正証書を債務名義として強制執行の手続をすることが可能となる。
4 公正証書が作成されると、証書の原本は郵便局(日本郵便株式会社)に送られ、内容証明郵便とともに郵便局において保管される。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成29年問22に該当する部分は主に公式テキスト第6編管理実務(IV未収賃料の回収)に書かれています(一部は第5編)。
◆選択肢1について公式テキストp.542-543には、「契約解除は、相手方に対する意思表示を要し(民法第540条第1項)、意思表示が相手方に到達した時点で効力が生ずる(形成権)。解除権の意思表示は、撤回することができない。
解除の意思表示は、口頭で行うことも可能であるが、相手方に到達しないと効力が生じない以上、相手方への到達を明確にする必要がある。明確にする方法として、一般に、配達証明付内容証明郵便による方法がある」とあります。
配達証明付内容証明郵便はあくまで方法の一つにすぎません。したがって、選択肢1は不適切です。
◆選択肢2について公式テキストp.673には、「内容証明郵便は、いつ、いかなる内容の郵便物を、誰が誰に宛てて差し出したかを郵便局(日本郵便株式会社)が証明する制度である(郵便法第48条)。(中略)内容証明郵便は、郵便物の通知内容の証明にすぎない」とあります。
内容証明郵便は「郵便物の通知内容の証明」にすぎないため、文書の内容の真実性を証明するものではありません。したがって、選択肢2は適切です。
◆選択肢3について公式テキストp.675には、「公正証書により強制執行できるのは、金銭の支払いなどを求める請求に限定されるから、不動産の明渡請求については、賃貸借契約の公正証書があったとしても、公正証書に基づく強制執行はできない」とあります。
したがって、選択肢3は不適切です。
◆選択肢4について公式テキストp.674には、「公正証書の原本は、原則として20年間保管されることになっている(公証人法施行規則第27条)」とありますが、「郵便局に送られ、郵便局において保管」とは一切書かれていません。
したがって、選択肢4は不適切です。
なお、公証人法施行規則第26条には、「公証人は、その役場に附属する倉庫又は堅ろうな建物内に書類を保管して置かなければならない。」とあります。
以上、適切な選択肢は2、正解番号は2です。正答率は84%。重要度★★。
正答率はKenビジネススクール2017賃貸不動産経営管理士解答速報、重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』より
賃貸不動産経営管理士平成29年度過去問解説
賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産等統計
問2:賃貸不動産経営管理士の業務
問3:登録制度
問4:登録制度
問5:管理受託契約
問6:登録制度
問7:基幹事務
問8:サブリース方式による賃貸管理
問9:サブリース方式による賃貸管理
問10:借主の募集
問11:借主の募集・入居者決定
賃貸借契約
問12:定期建物賃貸借
問13:賃貸借契約・解約申入れ
問14:敷金の承継
問15:賃貸借契約の保証
問16:賃貸借契約の承継・共有
問17:賃貸建物の修繕
問18:賃貸借契約の解除
問19:契約書の記載
問20:賃貸借契約の更新
問21:賃料改定
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問22:内容証明郵便と公正証書の意義
問23:未収賃料の経理上の処理
問24:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
問25:住環境の整備
問26:ガイドライン
問27:ガイドライン
問28:共同住宅の避難施設等
問29:建物の耐震診断
問30:給水設備・給湯設備
問31:消防用設備
問32:賃貸用建物の企画提案
問33:PMとAM
問34:保険
問35:租税公課
問36:不動産賃貸経営の法人化
4問免除問題
問37:賃貸管理の意義
問38:倫理憲章
問39:屋根・外壁等
問40:換気設備
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
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