賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成30年度問20(書面によらずに行った法律行為の効力)について、該当する公式テキストのページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
賃貸不動産経営管理士試験には『賃貸不動産管理の知識と実務 改訂3版:賃貸不動産経営管理士公式テキスト』そのままの文章が頻出しています。このため、賃貸不動産経営管理士試験対策の一つは公式テキストを中心に勉強すること、と言えます。
とはいえ、1,000ページもの分厚いテキストのどこに出題文がのっているのかを探すのは一手間かかってしまいます。このエントリーを賃貸不動産経営管理士試験合格に向けて参考にしてください。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成30年度問20
平成30年度
【問20】書面によらずに行った法律行為の効力に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
1 書面によらずに定期建物賃貸借契約を締結した場合、普通建物賃貸借契約としての効力を有する。
2 書面によらずに連帯保証契約を締結した場合、保証契約としての効力を有する。
3 書面によらずに賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした場合、契約解除の意思表示としての効力を有する。
4 書面によらずに賃料減額に合意した場合、賃料減額としての効力を有する。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成30年度賃貸不動産経営管理士試験問20に該当する部分は主に公式テキスト第5編賃貸借契約第5章(肢1)、第10章(肢2)、第6章(肢3)、第6編管理実務第2章(肢4)に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストp.504には、「書面によらずに定期建物賃貸借契約を締結しても契約は成立せず、この場合は、更新が予定されている通常の建物賃貸借契約が成立するものと解されている」とあります。
したがって選択肢1は適切です。
◆選択肢2について公式テキストp.574には、「平成17年4月1日の改正民法の施行により、軽率に保証契約を締結することを防ぐために、連帯保証契約は書面でなされなければ効力を生じないこととなった(民法第446条第2項)」とあります。
これだけを読むと、一見、書面で契約するのは連帯保証契約だけと思うかもしれませんが、それは大きな誤りです。テキストp.574の冒頭には「不動産賃貸借の場合、通常の保証よりも連帯保証が用いられることが多いため、以下では、連帯保証契約の締結の要件を説明する。もっとも、連帯保証と通常の保証の相違点は、上記のように催告の抗弁権と検索の抗弁権の有無に過ぎず、成立要件に差違はない」とあります。
したがって選択肢2は不適切です。
◆選択肢3について公式テキストpp.542-543には、「契約解除は、相手方に対する意思表示を要し(民法第540条第1項)、意思表示が相手方に到達した時点で効力が生ずる(形成権)」とあります。
したがって選択肢3は適切です。
この箇所は、平成28年問18、平成28年問23、平成29年問22でも出題されました。
◆選択肢4について公式テキストp.657には、「(3)借地借家法第32条の賃料増減額請求権を行使する場合の留意点 当事者の一方は、賃料が、①土地または建物に対する租税その他の負担の増減により不相当となった場合 ②土地または建物の価格の上昇または低下その他の経済事情の変動により不相当になった場合 ③近傍同種の建物の賃料と比較して不相当となった場合 には、賃料の増減を請求することができる。これは形成権と解されている。
相手方が請求額で了承すれば新賃料がその額で決まるが、相手方が納得しない場合は、まず交渉を行い、交渉が成立しなければ、調停を申し立て、調停でも協議が調わなければ訴訟により、新賃料が決定される」とあります。
「形成権」とは単独の意思表示のみによって法律効果を生じさせることのできる権利とされています。肢4の通り、書面によらずに賃料減額に合意した場合、賃料減額としての効力を有することになります。
したがって選択肢4は適切です。
以上、不適切な選択肢は2、正解番号は2です。
次の問題は賃貸不動産経営管理士試験平成30年度問21です。
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
>>>賃貸不動産経営管理士試験2021:おすすめテキスト・問題集【購入・詳細レビュー】
賃貸不動産経営管理士試験に本気で合格したい方へ
◆賃貸不動産経営管理士は、国家資格化に伴って仕事上必要になる方や就職・転職のために必要とする方が今後大幅に増えると思われます。
しかしながら、賃貸不動産経営管理士試験は「受験生の7割が不合格となる試験」になってしまいました。
本気で賃貸不動産経営管理士試験に合格したいのであれば、もはや「簡単に合格できる資格試験ではなくなった」ことをぜひ自覚してください。
◆賃貸不動産経営管理士試験合格に必要な勉強時間は100〜150時間とされています。当ブログでは125時間としていますが、それはあくまで最低限必要な時間です。
特に、これまで資格試験を受験をしたことがない方や、宅建になかなか合格できない方は200時間以上必要かもしれません。早め早めに勉強し始めることをおすすめします。
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- 何から勉強したらいいのか考えあぐねている方
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すでに申し込んで学習している方もいらっしゃいます。早くから学習を始めた受験生ととそうでない受験生との差は大きいでしょう。
アガルートの賃貸不動産経営管理士...サクサク進む。
— ゆっこ (@yukko0571) April 1, 2021
工藤美香先生がサラッと講義するからなのか、聞くだけで合格できる?と錯覚😳‼️
受かるよね、きっと✨
◆テキストには、図ひとつとっても工藤講師の細かい指示が入っています。
テキストはこうして作るよ
— 工藤美香(アガルート) (@mikakudo_ag) March 14, 2020
入れ込んである図は、制作の方が私のこうしたい!ってメモ程度からここまでにしてくれます✨
水の位置もう少し高くねとかすごい細かい注文をしても完璧にしてくれる
私1人で出来る事は限られてるから、
仕事でも、やって貰って当たり前じゃない事は忘れずにいたい pic.twitter.com/DaCc4Zsian
ちなみに、昨年度試験の問49は解答速報の正解肢が各社で2と3に別れました。資格スクール・講師の中には当初2にしていたのを3に変更したり、3を2に変更したりしていた所もありましたが、試験日当日から解答を2とし、その後一切変更しなかったのは工藤講師だけでした。
◆実際に管理人も総合カリキュラムを購入してみたところ(自腹です・・・)、昨年度版テキスト・問題集が先行で発送されてきました。まずはこれを使って賃貸不動産経営管理士試験での最重要ポイントのひとつである賃貸借契約をひととおり学習し、同時に動画講義の視聴やFacebookグループでの質問に慣れておくことをおすすめします(Facebookグループではグループ内の他の方による質問と、その質問への工藤講師からの返信も閲覧できます)。
賃貸借契約は、初めて学習する方にとってかなり時間がかかりますので、ここさえきっちりおさえておけば後の学習がぐっと楽になります。今から学習し始めれば時間の使い方に余裕ができます。毎日少しずつでも良いので、1ヶ月で一通り終えられるようがんばりましょう!
※なお、今年度は初めて「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」から出題されます。よって、これまで出題されてきた賃貸住宅管理業者登録制度からは出題されなくなります。
したがって、2020年版総合講義第2編賃貸住宅管理業者登録制度および2021過去問解析講座上巻問4〜問31については「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」に準拠した改訂版が届いてから学習しましょう。
◆改訂版テキスト・問題集は6月末に発送予定です。こちらが届いたら 今年の最重点ポイントである「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」から学習し始めましょう。