賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成29年度問20(賃貸借契約の更新)について、該当する公式テキストのページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
賃貸不動産経営管理士試験の過去問には『賃貸不動産管理の知識と実務 改訂3版:賃貸不動産経営管理士公式テキスト』そのままの文章が頻出しています。このため、賃貸不動産経営管理士試験の対策は公式テキストを中心に勉強する、というのが一つの方法です。
とはいえ、1,000ページもの分厚いテキストのどこに出題文がのっているのかを探すのも一手間かかってしまいます。このエントリーを賃貸不動産経営管理士試験合格に向けて参考にしてください。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成29年度問20
平成29年度
【問20】 賃貸借契約の更新に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、有効である。
2 賃貸借契約の借主が、期間満了後に建物の使用を継続する場合において、 貸主が遅滞なく異議を述べなかったとしても、貸主が期間満了の1年前から 6ヵ月前までの間に借主に対して更新をしない旨の通知をしていた場合には、 更新拒絶に正当事由が認められる限り、賃貸借契約は期間満了により終了する。
3 賃貸借契約が法定更新された場合、当事者間で別途、契約期間の定めをしない限り、期間の定めのない賃貸借になる。
4 建物が存しない駐車場として使用する目的の土地の賃貸借契約において貸主が更新を拒絶するためには、正当事由は不要である。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成29年問20に該当する部分は公式テキスト第5編賃貸借契約に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストp.501には、「更新料の支払義務は、法令上何ら根拠がなく、当事者間の合意に基づき発生する」とあります。また、更新料特約について、「最高裁は、平成23年7月15日(判タ1361号89頁)、(中略)「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、(中略)、更新料特約が有効であることを認めた」とあります。
したがって、選択肢1は適切です。
◆選択肢2について公式テキストp.499には、「更新しない旨の通知をした場合でも、期間満了後に借主が物件をそのまま継続して使用し、それに対して貸主が遅滞なく意義を唱えなかった場合には、契約は更新されたものとみなされる(同法第26条第2項)」とあります。
したがって、選択肢2は不適切です。
「同法」とは借地借家法です。公式テキストp.498には借地借家法第26条第1項についても書かれています。法定更新はとても大切な事項です。公式テキストp.498-500には必ず目を通しておきましょう。
◆選択肢3について公式テキストp.500には、「建物賃貸借契約が法定更新されると、契約期間を除き、契約の同一性が維持される。契約期間は、期間の定めのない賃貸借契約となる(借地借家法第26条第1項ただし書)」とあります。
したがって、選択肢3は適切です。
◆選択肢4について公式テキストp.502には、「平面駐車場または建物にあたらない立体駐車場であれば、建物賃貸借または建物所有目的での土地賃貸借契約とはならないため、借地借家法の適用がないことが多い。借地借家法の適用がなければ、更新拒否の際には正当事由の存在は不要とされ(以下略)」とあります。
したがって、選択肢4は適切です。
以上、不適切な選択肢は2、正解番号は2です。正答率は70%。重要度★★。
正答率はKenビジネススクール2017賃貸不動産経営管理士解答速報、重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』より
賃貸不動産経営管理士平成29年度過去問解説
賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産等統計
問2:賃貸不動産経営管理士の業務
問3:登録制度
問4:登録制度
問5:管理受託契約
問6:登録制度
問7:基幹事務
問8:サブリース方式による賃貸管理
問9:サブリース方式による賃貸管理
問10:借主の募集
問11:借主の募集・入居者決定
賃貸借契約
問12:定期建物賃貸借
問13:賃貸借契約・解約申入れ
問14:敷金の承継
問15:賃貸借契約の保証
問16:賃貸借契約の承継・共有
問17:賃貸建物の修繕
問18:賃貸借契約の解除
問19:契約書の記載
問20:賃貸借契約の更新
問21:賃料改定
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問22:内容証明郵便と公正証書の意義
問23:未収賃料の経理上の処理
問24:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
問25:住環境の整備
問26:ガイドライン
問27:ガイドライン
問28:共同住宅の避難施設等
問29:建物の耐震診断
問30:給水設備・給湯設備
問31:消防用設備
問32:賃貸用建物の企画提案
問33:PMとAM
問34:保険
問35:租税公課
問36:不動産賃貸経営の法人化
4問免除問題
問37:賃貸管理の意義
問38:倫理憲章
問39:屋根・外壁等
問40:換気設備
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
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