賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成28年度問16(賃貸借契約の保証)について、公式テキスト第3版で該当するページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
なお、公式テキスト第3版は平成28年度賃貸不動産経営管理士試験の翌年に出版されたため、必ずしも平成28年度試験に対応しているわけではありません。この点をご了承くださりますよう、お願いいたします。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成28年度問16
注:平成28年度問16は補正・改題に対応した教材で学習してください!
過去問集で最も使いやすいのはTACの『みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士』です。法改正等および割れ問対応が必要な問題すべてについて補正・改題されている上、各年度の問題すべてについて出題ページが掲載されています。
以下は平成28年度問16について出題されたままを記載しています。ご了承ください。
平成28年度
【問16】賃貸借契約の保証に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 保証人は、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる借主の債務についても保証の責めを負い、貸主において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除き、更新後の賃貸借から生ずる借主の債務についても保証の責めを免れない。
2 保証契約は書面でしなければ効力を生じないから、賃貸借契約書中に保証の規程及び保証人の署名押印があったとしても、新たに保証契約書を作成しなければ、保証契約は無効である。
3 保証人は、借主が賃貸借契約の解除後に明渡しを遅滞したことによって生じた賃料相当損害金について、保証債務を負う。
4 保証人は、借主が死亡して、その相続人が借主の地位を相続した後に発生する賃料債務について、保証債務を負う。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成28年問16に該当する部分は主に公式テキスト第5編賃貸借契約(第10章)に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストp.577には、「期間の定めのある建物の賃貸借において、借主のために保証人が貸主との間で保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情がない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる借主の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意されたものと解するのが相当であり、保証人は、貸主において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除き、更新後の賃貸借契約から生ずる借主の債務についても保証の責めを免れない」とあります。
したがって、選択肢1は適切です。
◆選択肢2について公式テキストp.574には、「賃貸借契約書中に連帯保証契約部分(連帯保証の規程および連帯保証人の署名押印等)がない場合には別途「連帯保証契約書」等を作成しなければならないことに注意が必要である」とあります。
肢2では「賃貸借契約書中に保証の規程及び保証人の署名押印があった」とあるので、新たな保証契約書は不要です。
したがって、選択肢2は不適切です。
◆選択肢3について公式テキストpp.573には、「保証債務は、主たる債務に附従するものであり、その範囲も「主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。」(民法第447条)。また、契約が解除された場合の損害賠償債務、不当利得返還債務等も、従前の債務と同一性を有するものとして保証の対象となる」とあります。また、p.587【復習39】には「賃貸借契約解除後の損害賠償請求は、保証される債務の範囲に含まれない」という設問がありますが、解答は「誤り。賃貸借契約解除後の損害賠償債務も、保証される債務の範囲に含まれる」とあります。
したがって、選択肢3は適切です。
◆選択肢4について公式テキストpp.573には、「保証債務は、主たる債務に附従するものであり、・・・(肢3と同じため以下割愛)」とあります。借主が死亡しても債務は相続人が承継します。よって、「保証人は、借主が死亡して、その相続人が借主の地位を相続した後に発生する賃料債務について、保証債務を負う」ことになります。
したがって、選択肢4は適切です。
以上、不適切な選択肢は2、正解番号は2です。重要度★★★。
重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』より
賃貸不動産経営管理士平成28年度過去問
倫理憲章、個人情報保護法、賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産管理の意義
問2:倫理憲章
問3:個人情報保護法
問4:登録規程9条
問5:重要事項説明
問6:賃貸住宅管理業者の遵守事項
問7:登録制度の登録
問8:登録制度の遵守事項
問9:管理受託契約
問10:管理受託契約
問11:借主の募集
問12:借主の募集
賃貸借契約
問13:建物賃貸借の特約の有効性
問14:定期建物賃貸借契約
問15:賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転
問16:賃貸借契約の保証
問17:賃貸借契約と使用貸借契約との異同
問18:書面による法律行為
問19:借主の義務と責任
問20:賃貸不動産の修繕
問21:敷金
問22:未収賃料の回収
問23:賃貸借契約の解除
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問24:ガイドライン
問25:借主の居住ルールと苦情処理
問26:鍵の管理
問27:アウトソーシング
問28:ガイドライン
問29:建ぺい率
問30:建物の維持管理
問31:消防用設備等
問32:昇降機設備・機械式駐車場設備
問33:賃貸不動産の企画提案の事業収支
問34:不動産証券化とプロパティマネジメント
問35:空き家と不動産管理
問36:不動産の税金
4問免除問題
問37:空き家と不動産
問38:建築構造
問39:換気設備
問40:保険
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
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