賃貸不動産経営管理士試験過去問:平成28年度問1(賃貸不動産管理の意義)について、公式テキスト第3版で該当するページを記載するとともに要点を簡潔に解説します。
なお、公式テキスト第3版は平成28年度賃貸不動産経営管理士試験の翌年に出版されたため、必ずしも平成28年度試験に対応しているわけではありません。この点をご了承くださりますよう、お願いいたします。
※賃貸不動産経営管理士試験の平成27〜令和2年度過去問には賃貸住宅管理業法の成立・施行のため不成立となったものが多数あります。必ず最新の教材を用いて学習してください。
賃貸不動産経営管理士試験過去問解答解説 平成28年度問1
平成28年度
【問1】賃貸不動産管理の意義に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 今日、あらゆる分野において消費者保護の要請が高まっているが、個人である借主を消費者と位置づけて、消費者保護の観点から不動産賃貸借をとらえようとする動きは、まだ活発化していない。
2 賃貸不動産の管理を行う上で配慮すべき入居者、利用者とは、当該賃貸不動産の借主であり、貸主との契約関係にある者に限られる。
3 優良な借主に長く契約を継続してもらうというニーズが大きくなっており、借主の立場を重視した賃貸不動案の管理のあり方が要請されている。
4 コンプライアンスの観点から見ると、管理業者は、貸主や借主との関係において、もっぱら契約に明示的に規程された事項を遵守することに務めるべきである。
賃貸不動産経営管理士公式テキスト掲載ページ
平成28年問1に該当する部分は主に公式テキスト序編賃貸管理総論(第1章)に書かれています。
◆選択肢1について公式テキストp.22には、「住宅賃貸借を中心に、個人である借主を消費者と位置づけて、消費者保護的観点から不動産賃貸借関係をとらえようとする動きも活発化してきている」とあります。
したがって、選択肢1は不適切です。
◆選択肢2について、公式テキスト序編第1章に該当箇所は見当たりませんでした。しかしながら、肢2の「賃貸不動産の管理を行う上で配慮すべき入居者」は、「当該賃貸不動産の借主であり、貸主との契約関係にある者に限られる」わけではありません。『平成29年度賃貸不動産経営管理士試験対策問題集』p.274には「入居者や利用者には、契約当事者とともに居住する家族等や、将来の入居者も含まれると考えるべきである」とあります。
したがって、選択肢2は不適切です。
◆選択肢3について公式テキストp.22には、「既存物件の所有者の賃貸経営的観点からは、優良な借主に長く契約を継続してもらうというニーズも大きくなり、借主の立場を重視した管理のあり方が要請されている」とあります。
したがって、選択肢3は適切です。
◆選択肢4について公式テキストp.23には、「管理業者は、法令等のコンプライアンスを重視するとともに、貸主や借主との信頼関係を築き、これを維持することに最大限の配慮をしなければならない。貸主や借主との関係において、契約で禁じられた行為をしたり、契約に定められた、なすべき行為をしないといった契約違反があってはいけないことはもちろんであり、加えて直接の契約違反にはあたらないけれども、契約の趣旨からみて不適切な行為をしないような管理業務の遂行が望まれるところである」とあります。肢4の「もっぱら契約に明示的に規程された事項を遵守することに務めるべき」だけではないと考えられます。
なお『平成29年度賃貸不動産経営管理士試験対策問題集』p.274には、「管理業者は、契約書に明示されなくとも、社会常識や契約の趣旨から導かれる事項などを遵守するよう務めなければならない」とあります。
したがって、選択肢4は不適切です。
以上、不適切な選択肢は4、正解番号は4です。重要度★★。
重要度は『賃貸不動産経営管理士過去&予想問題集』
賃貸不動産経営管理士平成28年度過去問
倫理憲章、個人情報保護法、賃貸住宅管理業者登録制度、賃貸不動産経営管理士、管理業務の受託、借主の募集
問1:賃貸不動産管理の意義
問2:倫理憲章
問3:個人情報保護法
問4:登録規程9条
問5:重要事項説明
問6:賃貸住宅管理業者の遵守事項
問7:登録制度の登録
問8:登録制度の遵守事項
問9:管理受託契約
問10:管理受託契約
問11:借主の募集
問12:借主の募集
賃貸借契約
問13:建物賃貸借の特約の有効性
問14:定期建物賃貸借契約
問15:賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転
問16:賃貸借契約の保証
問17:賃貸借契約と使用貸借契約との異同
問18:書面による法律行為
問19:借主の義務と責任
問20:賃貸不動産の修繕
問21:敷金
問22:未収賃料の回収
問23:賃貸借契約の解除
管理実務、建物・設備の知識、賃貸業への支援業務等
問24:ガイドライン
問25:借主の居住ルールと苦情処理
問26:鍵の管理
問27:アウトソーシング
問28:ガイドライン
問29:建ぺい率
問30:建物の維持管理
問31:消防用設備等
問32:昇降機設備・機械式駐車場設備
問33:賃貸不動産の企画提案の事業収支
問34:不動産証券化とプロパティマネジメント
問35:空き家と不動産管理
問36:不動産の税金
4問免除問題
問37:空き家と不動産
問38:建築構造
問39:換気設備
問40:保険
注:法改正・新法施行などによって成立しなくなった問題があります。必ず最新の教材で学習してください。
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