【2022年1月28日更新】
・令和2年度までの賃貸不動産経営管理士試験合格者は、実務経験がない/宅建士試験に合格していない方でもステップを踏んで要件を満たせば「国家資格の賃貸不動産経営管理士」の登録できます。ただし締め切りが迫っていますので早めに要件を満たしましょう。
賃貸不動産経営管理士は国家資格となりました。
この記事では国家資格の賃貸不動産経営管理士の登録についてお知らせします。
なお、この記事は当初は国家資格化への経緯についてが主題でしたので、記録として残しておきます。
- 賃貸不動産経営管理士の実務講習について
- 移行講習について
- 賃貸住宅管理業業務管理者講習について
- 賃貸不動産経営管理士の国家資格化はいつからなのか?
- 業務管理者の要件について【2021年2月5日追記】
- 業務管理者となるのは賃貸不動産経営管理士だけになる?
賃貸不動産経営管理士の実務講習について
◆令和2年度までの賃貸不動産経営管理士試験合格者で、実務経験がない/宅建士試験に合格していない方が「国家資格の賃貸不動産経営管理士」に登録するためには、「民間資格の賃貸不動産経営管理士の登録要件」を満たした上で「国家資格の賃貸不動産経営管理士の登録要件」を満たす必要があります。
◆具体的には次の4つのステップを踏みます。
- 実務経験がない/宅建士試験に合格していない方が「民間資格の賃貸不動産経営管理士の登録要件」を満たすには、「賃貸住宅管理業務に関する実務講習(実務講習)」を受講・修了しなければなりません。ただし、令和2年度までの賃貸不動産経営管理士試験合格者の申込み期限は令和4年3月31日です。
- 「賃貸住宅管理業務に関する実務講習(実務講習)」を修了したら「民間資格の賃貸不動産経営管理士」に登録します。
- 登録が済んだら「移行講習」を受講・修了します。移行講習の申込期限は令和4年5月15日、移行講習の実施期間は令和4年6月15日までです。
- 「移行講習」を修了したら「国家資格の賃貸不動産経営管理士」に登録します。
※令和3年度賃貸不動産経営管理士試験合格者で実務経験がない方は「賃貸住宅管理業務に関する実務講習(実務講習)」の受講・修了によって「国家資格の賃貸不動産経営管理士」の登録要件を満たします。
◆詳細は賃貸不動産経営管理士協議会HPの「賃貸住宅管理業務に関する実務講習(実務講習)」を参照してください。
→賃貸住宅管理業務に関する実務講習(実務講習)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)
移行講習について
◆業務管理者講習のご案内-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)をご参照ください。
◆業務管理移行講習は公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会が担います。申し込みはこちらからになります(日本賃貸住宅管理協会HPに飛びます)>>> 業務管理者移行講習のご案内
以下は日本賃貸住宅管理協会HP・業務管理者移行講習のご案内からの抜粋です。
注:移行講習は令和4年6月15日で終了します→お知らせ(【重要】「【民間資格】賃貸不動産経営管理士」(移行講習未修了)の終了のお知らせ)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)
- 実施期間:令和3年5月7日(金)~令和4年6月15日
- 申し込み期間:令和3年4月22日(木)~令和4年5月15日
- 受講時間:インターネット回線を使用したeラーニング講習となり、実施期間中は24時間受講可(メンテナンス時間を除く)
- 受講時間:60分×2回の講義
- 効果測定:あり(10分間、7割以上正答で修了)
- 受講料:¥7,700(税込、テキスト代、効果測定受験料・送料を含む)
- 受講要件:令和2年度までに賃貸不動産経営管理士に合格し、令和4年6月15日までに登録を受けた賃貸不動産経営管理士
- 対応ブラウザ:Google Chrome、Microsoft Edge(※管理人はMac OSのGoogle Chromeで受講しました)
※受講申し込みに際しては、メールアドレスと賃貸不動産経営管理士登録番号が必要となります。
移行講習の申込方法
①移行講習受講申込→マイページログインする:メールアドレスを所定欄に入力し、送信
②入力したメールアドレスに送られてきた「業務管理者移行講習受講申込 新規登録のお知らせ」で送られてきた「マイページにアクセスするためのURL」をクリックし、「ログインメールアドレス及び仮パスワードを入力して受講申請システムにログインし、受講申込処理」を続ける
③パスワードを再設定する
④「申込」を押して受講申込に進む
⑤個人情報および賃貸不動産経営管理士登録番号を入力
⑥「誓約事項に同意しました」のチェックボックスをチェック
⑦入力情報確認
⑧決済:クレジットカードまたはコンビニ決済、ペイジー決済のいずれか
⑨決済する
⑩申込完了
以上です。
移行講習の受講票・テキストの受け取り
①申込完了後、「本人限定受取郵便物(特例型)到着のお知らせ」が郵便で届きます。
②同封されている書類の指示に従い、受講票・テキストを受け取りの手続きをしてから受け取ります。管理人は最寄り郵便局がすぐ近くなので直接取ってきました。
受取時は本人確認書類が必要です。本人確認書類は住所氏名顔写真が記載されているもの、パスポート、運転免許証、マイナンバーカード、写真付き住基カードなどです(同封書類に指示があります)。郵便局での留置期間にも指示があります。期間内に受取ましょう。
③受講票とテキストはこの封筒に入っています。
④同封されているのは、1: 「業務管理者移行講習」受講に係る書類送付について、2:受講票(個人情報、受講認証キー、領収書が表面に、受講手順が裏面に記載)、3:【教務管理者以降講習用テキスト】です。
⑤受講手順に沿って受講を開始します。
業務管理者移行講習の内容
業務管理者移行講習の内容が気になる方はたくさんいると思います。
しかしながら、移行講習は、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」に基づいています。受講内容を第三者に知らせることはあってはなりません。受講票・テキストが本人限定受取となっているのもそのためです。
したがって、当記事では移行講習の内容については伏せさせていただきます。
なお、講習・効果測定・修了証の交付は、業務管理者移行講習のご案内に記載されている通りです。
- 事前学習(テキストを用いて予習しておく→一通りめくってどこに何が書いてあるかを把握しておきましょう)
- 講習の受講(約2時間)および効果測定:MacのGoogle Chromeを用い、問題無く修了しました。※これはお伝えしても問題無いと思われます
- 修了証の交付:修了証は必ずプリントアウトして保管しておきましょう。
移行講習のうち効果測定が不安な方もいらっしゃるかもしれませんが、テキストを見ながら講習動画をきちんを聞いていれば問題なく7割(10問中7問)取れます。もし1回目でクリアできなくても再度効果測定できます。
受講票・テキストを受け取ったら2時間ほどの時間を作り、さっさと移行講習を済ませてしまいましょう。始めさえすればすぐ終わります!
なお、あくまで個人の感想ですが、正直言って2時間で済んで良かったと思います。これが10時間となるとけっこうしんどいですね。賃貸不動産経営管理士試験に合格しておいて本当に良かったです。
賃貸住宅管理業業務管理者講習について
賃貸住宅管理業業務管理者講習(宅建士ルート)は次の2つの機関で受講できます。
- ハトマーク支援機構>>>宅建士向け賃貸住宅管理業業務管理講習 | 一般財団法人ハトマーク支援機構"
- 全国不動産協会>>>受講申込サイト
受講時間は効果測定を含む10時間、受講料は税込¥19,800です。
注:受講には宅建士証と実務経験証明書が必要です。
賃貸不動産経営管理士の国家資格化はいつからなのか?
【2022年1月26日追記】賃貸不動産経営管理士はすでに国家資格となっています。ただ、この記事を書いた当初(2020年10月)は国家資格化がいつになるのかすら知らされていませんでした。そんな中、情報を集めて書いたものが以下となります。国家資格化への経緯として記事を残しておきます。
◆賃貸不動産経営管理士はいつから国家資格化されるのでしょうか?
2020年9月時点での報道によると、それは2021年6月とのことでした。
それは「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、新法)」の施行がいつになるかによって決まります。
新法については、すでに
されています。
残るは施行です。
◆新法は2021年6月に施行される予定です。
賃貸不動産経営管理士は、政省令に明記され、国家資格となるのが確実となっている。国も政省令に載った時点で国家資格とみなすことを承認しており、2021年3月に政省令に記載され、法体系に組み込まれて来年6月の法の施行で国家資格とみなされる。(賃貸住宅管理業務、将来的に賃貸不動産経営管理士に一本化|不動産投資の健美家より引用、2020年9月9日配信)
賃貸不動産経営管理士は民間資格ですが、「新法成立により国家資格として位置づけられる予定(今後の省令により)」です。
※「」は公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 - 「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」成立より引用。
◆新法による管理業務の登録制度が施行されると
- 管理戸数が一定規模以上(200戸以上となるとのこと)以上の事業者による国土交通大臣への登録
- 「業務管理者」の設置
などが義務付けられます。
200戸以上の賃貸住宅を管理している会社に勤務している方は賃貸不動産経営管理士試験に合格しておいたほうが良いでしょう。
◆こう書いた4ヶ月後、国土交通省から業務管理者の要件について資料が公表されました。
業務管理者の要件について【2021年2月5日追記】
◆業務管理者については2021年2月5日に追記しました。国土交通省から業務管理者の要件についてアナウンスがあったのです。以下、※2までhttps://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001384019.pdfより引用します。
- 管理業務に関する2年以上の実務経験者(※1)+登録試験に合格した者
- 管理業務に関する2年以上の実務経験(※1)+宅建士+指定講習を修了した者
※令和2年度までに賃貸不動産経営管理士試験に合格し、令和4年6月(移行期間終了)までに登録を受けた賃貸不動産経営管理士で、施行後1年の間に、新法の知識についての講習(移行講習)を受講した者については、管理業務に関する2年以上の実務経験+登録試験に合格した者とみなす。
※1 管理業務の実務経験については、別途実務講習の修了をもって代えることも可とする。
※2(図中の「法施行後、一定期間」) 業務管理者の要件については、登録試験・指定講習の実施状況その他新法の施行・運用の状況を踏まえ、見直しを検討する。
◆2021年2月5日時点では、従来の賃貸不動産経営管理士試験と「登録試験」の関係性がまだわかっていませんでした。
そのため、2月5日に追記した際は以下のように書かざるをえませんでした。
→2020年9月時点の情報では、賃貸不動産経営管理士試験に合格し、登録した者が業務管理者となるにあたって新たに試験を受ける必要はない模様でした。
しかしながら、令和3年度以降の受験者が業務管理者となるには、新たに設けられる登録試験の受験が必須のようです(注:「登録試験」が賃貸不動産経営管理士試験に取って代わるのかどうか、それとも賃貸不動産経営管理士試験が「登録試験」となるのかについては、資料からは読み取れませんでした)。
※その後、賃貸不動産経営管理士が登録試験になることについては、Kenビジネススクールの田中先生が2021年3月14日のYoutubeに動画を上げていらっしゃいました(https://www.youtube.com/watch?v=fDTuswleL_o:当記事で掲載した国交省資料の図を用いながら説明し、動画の6分24秒から明言なさっています)。
賃貸不動産経営管理士は国家資格となりました
◆そして、2021年4月21日および22日を迎えます。両日は賃貸不動産経営管理士にとってとても大きな発表がありました。
2021年4月21日官報公告
◆2021年4月21日官報公告では、国土交通省告示第378号、379号、380号が公告されました。
https://kanpou.npb.go.jp/20210421/20210421g00092/20210421g000920050f.html
※告示第379号には、業務管理者移行講習が令和3年4月21日から令和3年6月14日までの間に実施されるものと書かれており、告示第380号には、移行講習の名称を「賃貸住宅管理業業務管理者講習」とし、賃貸不動産経営管理士協議会が実施機関と明記されています。
◆Kenビジネススクールの田中先生の2021年4月21日のツイートです。
賃貸不動産経営管理士の資格要件も定まってきました。
— 田中謙次 (@kenjitanaka2011) April 21, 2021
本日の告示で、正式に、賃貸不動産経営管理士試験に合格し登録を受けたものを、業務管理者とするように。
末永社長、塩見社長のご尽力の賜物です。
資格化まで25年を費やしたそうです。
おめでとうございます。 pic.twitter.com/YLZug3N2Mn
◆2021年4月21日の官報公告をうけてのKenビジネススクール・田中先生のYoutube動画です。
>>>https://www.youtube.com/watch?v=dX9NnZqkoqU
2021年4月22日賃貸不動産経営管理士協議会からの発表
◆翌2021年4月22日には賃貸不動産経営管理士協議会HPにて、賃貸不動産経営管理士が国家資格となったことについて公表されました。
賃貸不動産経営管理士協議会からのアナウンスを一部引用します。
(一社)賃貸不動産経営管理士協議会(会長:坂本 久、以下、協議会)が運営する資格である賃貸不動産経営管理士は、4月21日に発表された国土交通省令にて、国家資格となりました。
令和2年までの賃貸不動産経営管理士試験に合格し、令和4年6月までに資格者登録を行った賃貸不動産経営管理士は、法律が施行される6月15日から1年間の期間限定で行われる「業務管理者移行講習」を修了することで業務管理者の要件を満たし、現在、取得している賃貸不動産経営管理士資格が、法体系に基づく「国家資格」となります。
協議会は法律における登録証明事業実施機関について、6月15日の法律施行後に事業申請を予定しています。国土交通大臣の登録を受けた場合、賃貸不動産経営管理士の試験は本年度の試験から法律における「登録試験」となります。管理業務に関し2年以上の実務経験を有し、登録試験に合格して登録を受けた者は業務管理者の要件を満たし、法体系に基づく「国家資格」としての賃貸不動産経営管理士資格を取得します。
(お知らせ(賃貸不動産経営管理士が、法体系に基づく国家資格になります)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)より引用)
◆2021年4月22日は報道各社でも賃貸不動産経営管理士が国家資格になったことが大々的に取りあげられました。また、協議会では日経新聞令和3年4月22日付け朝刊に全面広告を掲載しています(お知らせ(日本経済新聞朝刊(4月22日)に広告を掲載しました)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格))。
◆賃貸不動産経営管理士試験の合格者および登録者、そして受験生にとっての最大の関心事は登録試験と業務管理者移行講習です。
まず、登録試験については、従来の賃貸不動産経営管理士試験が登録試験になることが明らかとなりました。
業務管理者移行講習についてもしっかりアナウンスされ、すでに講習の申込が始まっています。業務管理者講習のご案内-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)をご参照ください。
【2021年6月9日追記】
業務管理者移行講習の受講票等の発送時期が賃貸不動産経営管理士協議会HPに掲載されています。
- 5月22日までに申込した方→6月15日までに順次発送手続き
- 6月4日までに申込した方→6月18日までに順次発送手続き
- 以降に申込した方→発送まで2〜3週間程度かかる場合がある
>>>お知らせ(【更新】業務管理者移行講習 受講票等の発送時期について)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)より
業務管理者となるのは賃貸不動産経営管理士だけになる?
◆令和3年4月22日の段階では、業務管理者となれるのは「一定の講習を受けた」賃貸不動産経営管理士および宅建士です。前者の講習時間は2時間+効果測定20分、後者は講習10時間とされています。
どちらも受験して、合格・登録・士証交付済みの身としては、宅建試験では賃貸住宅管理についてほとんど出題されないのに業務管理者となれるのはどうなのかなと思っていました。
この点について、賃貸不動産経営管理士協議会が国交省に要望を提出していました。
一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会(東京都千代田区)は、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、新法)」における『賃貸不動産経営管理士(以下、管理士)』の積極活用に係る要望書を8月21日に国土交通省の青木由行不動産・建設経済局長へ提出した。署名には同協議会だけでなく、日本賃貸住宅管理協会(同)、全国宅地建物取引業協会連合会(同)、全日本不動産協会(同)も名を連ねた(賃貸不動産経営管理士協議会、新法に関する要望書を国に提出 :: 全国賃貸住宅新聞2020年9月8日より引用)
記事によると「賃貸不動産経営管理士の積極活用」への要望は次の2点です。
- 宅建士が業務管理者となる要件として2年の実務経験または同等以上の能力を有すると認められる講習を受講すること(2日間の講習と効果測定)、賃貸不動産経営管理士が受ける一定の講習については講習時間や内容を軽減するもしくは講習そのものを免除すること
- 5年を目途として管理業務者となれる者の要件から宅建士を外して賃貸不動産経営管理士に統一すること
◆これらの要望が実現されるかどうかはわかりませんが、宅建士ではあるけれど賃貸不動産経営管理士試験に受かっていない/受けていない方で賃貸住宅管理業に従事する方が5年後に業務管理者となれるかどうかは不透明です。賃貸不動産経営管理士試験に合格しておくにこしたことはない、と言えます。