【2024年9月7日】
FP3級はお金の知識入門に最適で、とても合格しやすい国家資格です。
この記事ではFP3級独学合格を目指す方へ、FP3級合格率・難易度・受験概要、次回試験日、体験に基づいた独学勉強方法について紹介します。
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- FP3級技能検定試験について
- FP3級は高合格率・低難度、お金の知識入門に最適な国家資格です!
- FP3級の合格率
- FP3級の難易度
- FP3級テキスト・問題集・電卓
- FP3級合格に向けて:得意分野を2つもしくは3つ作る
FP3級技能検定試験について
FP3級試験は2024年4月からCBT(Computer Based Testing)方式試験となりました。
※従来のマークシート方式および記述式のFP3級試験はきんざい実施2024年5月26日(日)を最後でした。
きんざいで受検する方はきんざいHPを、日本FP協会で受検する方は日本FP協会HPを必ずご確認ください。
・きんざいFP3級試験>>>ファイナンシャル・プランニング 技能検定 3級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
・日本FP協会FP3級試験>>>3級FP技能検定 申請・照会・変更 | 日本FP協会
FP3級は高合格率・低難度、お金の知識入門に最適な国家資格です!
FPとは
「FP」という用語もずいぶん定着してきたと思います。
FP、ファイナンシャルプランナーの正式名称はファイナンシャル・プランニング技能士。職業能力開発促進法により2002年4月に国家資格となりました。
ファイナンシャル・プランニングとは、「人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法」のこと(日本FP協会HPより)。
「資金計画」「経済的側面」とあるように、ファイナンシャル・プランニングにはお金の知識が不可欠です。
ファイナンシャル・プランニングで必要なお金の知識は次の6分野です。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
こう聞くと小難しく思えるかもしれませんが、ひらたく言えばこうなります。
- 誰もが避けて通れない年金、健康保険、生命保険・損害保険に税金関係
- お金を増やす上で気になる投資や不動産
- やがて直面する相続、経営者にとっては悩ましい事業継承
つまり、FPを学ぶことで、生きていく上で欠かせないお金の知識を身に付けることができるようになるのです。
FP試験とは
FPの資格を得るためにはファイナンシャル・プランニング技能検定(FP試験)を受験し、合格しなければなりません。
試験実施団体は、職業能力開発促進法第四十七条第一項に規定する指定試験機関の指定に関する省令によって特定非営利活動法人日本ファイナンシャルプランナーズ協会(日本FP協会)と一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)に定められています。
どちらの団体で実施されたFP技能検定を受験して合格してもファイナンシャル・プランニング技能士を名乗れます(職業能力開発促進法第50条)。
ファイナンシャル・プランニング技能士には3級、2級、1級があります。これらのうち、3級ファイナンシャルプランニング技能士=FP3級は入門編の資格となります。
前節では、「FPを学ぶことで、生きていく上で欠かせないお金の知識を身につけることができる」と述べました。
つまり、FP3級は「お金の知識入門に最適な国家資格なのです。
FP3級試験の受験資格
FP3級の受験資格は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」(きんざい・日本FP協会で共通)とはなっていますが、実際は誰でもFP3級を受験できます。
FP資格を仕事に生かすには最低でもFP2級は欲しいところですが、FP2級を受験するには次の4つのうちどれかが必要です。
- FP3級合格
- AFP認定研修修了
- 実務経験
- 厚労省認定金融渉外技能審査3級合格
これらのうち、もっとも手軽なのがFP3級合格です。
AFP認定研修修了するとFP3級合格せずともFP2級を受験できます。ただし、AFP認定研修は認定機関での研修が必須です。
AFP認定研修はたいていFP2級受験講座とセットになっています。
価格面で選ぶならAFP認定研修とFP2級講座のセットで2万3,000円ほどと最安のアーティスが良いです。
→AFP認定研修(基本課程)
◆合格者数400名超かつ合格率60%以上の講座(教育訓練給付制度厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム、令和3年データより)のほうが良いなら、フォーサイトかユーキャンとなります(どちらもAFP認定研修付き)。
- フォーサイト 2級FP技能士+AFP バリューセット2 (合格率88.3%、478名中422名合格)
- ユーキャンのファイナンシャルプランナー(FP)講座(合格率68.2%%、3066名中2090名合格)
FP3級試験の実施団体・試験方式・受験手数料
FP3級試験は一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会が実施しています。
FP3級試験は学科試験(90分)と実技試験(60分)の2つがあります。
試験方式は次の通りです。
- 学科試験は90分60問、多肢選択方式そのうち30問が正誤判定(○×)、30問が3肢択一方式。きんざい・日本FP協会で同一です。詳しくは「FP3級の難易度」のセクションをご覧ください。
- 実技試験はすべて60分3肢択一。ただし試験実施団体によって科目が異なります。
FP3級受験手数料はきんざい・日本FP協会ともに学科4,000円、実技4,000円(どちらも非課税)+事務手数料です。
以上をまとめます。
- 学科試験は90分60問、正誤判定30問、3肢択一30問
- 実技試験は60分3肢択一
- きんざいの実技試験には個人資産相談業務と保険顧客資産相談業務の2つがある
- 日本FP協会の実技試験は資産設計提案業務の1つだけ
- 受験手数料は学科4,000円、実技4,000円
FP3級の合格ライン
きんざい・日本FP協会ともにFP3級試験は6割とれれば合格します。
- 学科試験は60問出題され、6割の36点が合格ライン
- 実技試験は、きんざいだと50点中6割の30点、日本FP協会は100点中6割の60点が合格ライン
きんざいと日本FP協会のどちらを受験するか迷っている方に
FP3級受験にあたってきんざいと日本FP協会のどちらを受験しようか迷っている方がいらっしゃると思います。
学科試験についてはどちらも同じ問題が課されますので迷う必要はありません。
悩むのは実技試験です。両団体で実技試験の問題が異なります。
きんざいのFP3級実技試験は2種類あります。
- 個人資産相談業務
- 保険顧客資産相談業務
保険顧客資産相談業務には生命保険分野の大問1〜2題が課される一方で不動産分野は出題されません。
業務に必要な資格を取得する、あるいは得意分野での合格を考えているのであればきんざいでの受験が良いです。
一方、日本FP協会の実技試験は資産設計提案業務だけです。
受験を迷うとすれば、日本FP協会の資産設計提案業務にするか、きんざいの個人資産相談業務にするかでしょう。
どちらも選択肢から正解を選ぶ3肢択一式です。違いは、きんざいが15問、日本FP協会が20問です。
どちらもそう大差ありませんが、問題数が少ないきんざいのほうが1問のミスが大きく影響しやすいです。
きんざいのFP2級試験は実技試験が4つになります。特に保険顧客資産相談業務は生保と損保にわかれます。それらの受検を考えている方はきんざいが良いでしょう。
一方、FP2級を日本FP協会で受検しようと考えているならFP3級も日本FP協会で受検すると良いでしょう。
FP3級を受けると決めたら、申し込む前に実技試験の過去問を3回分見比べておくことをおすすめします。それだけでも出題パターンが見えてきます。あとは解答しやすいと感じたほうで受検しても良いかもしれません。
- きんざいのFP試験過去問題
→試験問題 | 一般社団法人 金融財政事情研究会 - 日本FP協会のFP3級試験過去問題
→試験問題・模範解答 | 日本FP協会
FP3級の合格率
FP3級試験は、学科と実技の2つの試験があります。両方に合格すると3級ファイナンシャルプランニング技能士になれます。
試験実施団体は「日本FP協会」と「きんざい」の2つです。
直近のFP3級試験の合格率(学科試験と実技試験)は次の通りです。
◆2024年1月日本FP協会実施FP3級試験合格率
- 学科試験 83.14%(32,732名合格)
- 実技試験 86.56%(33,351名合格)
2022年1月・5月・9月に実施された日本FP協会実施FP3級試験の受験者数の合計は、学科試験で113,342名、実技で112,380名。合格率は学科・実技ともにすべて80%以上でした(FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ | 日本FP協会より)。
したがって、日本FP協会で実施されたFP3級試験の合格率は80%以上、と言えます。
※CBT方式移行後の合格率データは公表されていない模様です。
一方、きんざい実施FP3級試験の結果は次の通りです。
◆2024年5月きんざい実施FP3級試験合格率
- 学科試験 52.55%(170名合格)
- 実技試験:個人資産相談業務 57.14%(12名合格)
- 実技試験:保険顧客資産相談業務 45.55%(41名合格)
2022年1月・5月・9月に実施されたきんざいの受験者数の合計は、FP3級試験学科試験で63,600名、実技2種合計で69,235名。学科・実技試験の合格率は39〜62%でした(試験結果 | 一般社団法人 金融財政事情研究会より)。
◆CBT試験合格率(2023年11月〜2024年2月実施)
- 学科試験 :72.92%(5,296名合格)
- 実技試験:個人資産相談業務 79.80%(3,993名合格)
- 実技試験:保険顧客資産相談業務 49.87%(995名合格)
◆きんざいと日本FP協会の合格率をくらべると日本FP協会のほうが高いです。
きんざい・日本FP協会ともに学科試験の問題は一緒なので、学科試験における両者の合格率の差は受験者の属性の違いが反映されていると考えられます。
というのは、日本FP協会にはFP3級・2級・1級の他にAFPとCFPという資格があるからです(FPの資格と検定の種類 | 日本FP協会を参照)。
日本FP協会の受験生には3級FP合格を皮切りにAFP→FP2級→CFPを上位資格を目指す方が少なくありません。日本FP協会実施FP3級試験の合格率が高いのは、それだけファイナンシャル・プランニング技能士という資格へのモチベーションが高いことを反映しているため、と思われます。
FP3級の難易度
FP3級の学科試験は60問出題されます。
このうち30問が2肢一択、つまり○×形式です。確率の上では勘でも30点中15点とれるのです。
残り30問が3肢一択です。FP2級も含めて資格試験の多くが4肢一択を課しているなか、○×よりは正解率が下がるものの、それでも正解しやすい出題形式になっています。こちらも確率の上では30点中10点とれます。
つまり、FP3級学科試験は、その出題形式のおかげで何も知らなくとも60点中25点もとれるのです。合格点は36点ですので、少ない労力でも合格点に達することが可能です。
一方の実技試験(と言っても、こちらもペーパーテストです)も基本的な問題しか出ません。すでに述べた通り、個人資産相談業務試験の合格率は学科試験よりも高いくらいです。
ひらたく言って、FP3級試験の難易度は資格試験としてはものすごく低いのです。国家資格としては破格の難易度の低さを誇るのがFP3級なのです。
※FPは2級まで取得しておきたい資格です。ただし、FP2級の合格率は学科20%・実技40%と難易度はFP3級と段違いに高くなります。
FP3級テキスト・問題集・電卓
電卓
CBT試験方式移行により、電卓の持ち込みはできなくなりました。試験画面上に表示される電卓の利用となります。
とはいえ、「電卓は試験勉強の必須アイテム」であることは変わりありません。
管理人は①千万単位機能、②12桁表示できて表示窓が大きい、③√(平方根)計算機能、④ソーラーが影になっても表示に影響しない、⑤試験規則に抵触しない、という条件でキャノンのHS-1220TUGを選びました。
とくに千万単位機能は相続分野の問題でよく使う億単位・千万単位・百万単位の入力が3回だけで済むのでとても重宝しています。この電卓(HS-1220TUG)のレビューはこちらに書きました。※Amazonより楽天のほうが購入しやすいようです。
FP3級テキスト・問題集
◆FP3級試験のテキスト・問題集は次の試験に対応したものを購入しましょう。今からだと2024年9月〜2025年5月試験まで対応するテキスト・問題集が必須です。
市販テキスト(2024年9月〜2025年5月試験対応)はLEC『FP3級合格のトリセツ速習テキスト』・『FP3級合格のトリセツ速習問題集』が良いでしょう。
Kindle版・楽天kobo版があること、全25回分の動画講義が付いてくること、CBT試験プログラム体験模試付帯が大きなメリットです。
リンクしている問題集はこちらです。Kindle版・楽天koboがあり、動画講義16回、学科問題が収録されたアプリ、こちらもCBT試験プログラム体験模試付帯まで付いてます。日本FP協会・きんざい両対応です。
模試はこちらです。学科3回分ときんざい・日本FP協会各2回分の模試を収録しています。
AFP認定研修(通信講座)
◆FP3級はFP2級受検のための通過点に過ぎません。ただし、FP3級を受けずにAFP認定研修+FP2級講座を受講すれば、FP3級に合格しなくともFP2級を受検できます。
AFP認定研修は認定機関で受講しなければなりません。
認定機関で受講料が安いのはアーティスのAFP認定研修+FP2級コースです。
→AFP認定研修(基本課程)
FP3級合格に向けて:得意分野を2つもしくは3つ作る
FP3級合格に向けての勉強法でアドバイスしたいことひとつあります。それは得意分野を必ず作ることです。
FP3級試験では得意分野が2つあれば、学科・実技とも20点近くの得点を見込めます。3つあれば30点近くの得点を見込めますそうできれば学科は残り4分野、実技は残り3分野で配点の半分を取れば合格できます。
これはFP2級でも同じことです。FP3級での得意分野をそのまま伸ばせば良いのです。
ブログ管理人は2015年10月の宅建試験を受けたあとで2016年1月FP3級試験を受検しました。実質勉強期間は3週間と準備不足のせいもあり、学科試験(画像左)のライフプランニング・リスク管理・金融資産運用の点数は酷かったので伏せさせて頂きます。
学科は46点でしたが、そのうち29点をタックスプランニング・不動産・相続で占めています。宅建のおかげで不動産と相続が得意分野で得点源となっています。
実技試験は得意分野の第4問不動産と第5問相続で1つずつ間違えてしまいました・・・。これは見直ししなかったせいです。
管理人の得点分布が示す通り、FP3級(FP2級も)はどの分野でどんなふうに点を取ろうと合格点に達しさえすれば合格できます。
FP2級合格を目指してFP3級を受験するなら、今から得意分野を作っておきましょう。
具体的な学習方法についてはこちらの記事をご参照ください。
>>>【FP3級一発合格!】独学・短期間でFP3級に合格する勉強方法