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【購入レビュー】TACわかって合格る宅建士基本テキスト2024年度版

管理人が購入した『2024年度版わかって合格る宅建士基本テキスト』の表紙画像です。2024年版は表紙を完全刷新。中身も一部リニューアルされています。

わかって合格る宅建士基本テキスト2024年版

わかって合格る宅建士基本テキスト2024年版

宅建テキストは各出版社から毎年数多く発売されています。当ブログではそれらの中からいくつか厳選して個別にレビューし、『おすすめする/しない宅建テキスト・問題集・漫画2024全購入レビュー』にまとめました。

TAC『2024年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』(「合格る」は「うかる」と読みます)以外の宅建テキストも見ておきたい方はそちらもご一読ください。

2024年宅建試験合格を目指し、がんばりましょう!

TAC『2024年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』  基本データ

TAC『2024年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』 基本データです。

基本データ
書名 2024年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト
価格
¥3,300(税込)
Kindke版
分冊の有無
有 4分冊
ページ数
①権利関係270頁 ②宅建業法200頁
③法令上の制限192頁
④その他関連知識85頁、厳選過去問52頁
発行所
TAC出版
発行日
2023年11月26日
フルカラー
付録
赤シート
ネットサービス
著者名
木曽計行・木曽陽子


◆TAC『2024年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』 はテキスト部分747ページ+「厳選過去問プレミアム50」の52ページ。

◆本書は4分冊、フルカラーの宅建テキストです。4分冊になるので持ち運びが苦になることはないでしょう。各分冊の巻末には索引が付いてます。

◆電子書籍版はありません。

◆「厳選過去問プレミアム50」は宅建本試験を想定した問題数(統計含む50問)となっています。ただし問15から宅建業法が始まるため本試験とは出題順が違います。ご注意ください。

◆フルカラー印刷です。重要項目は黒太字と赤太字で印刷されています。赤太字は赤シートに対応しています。赤シートも付属しています。

TAC『2024年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』 レビューポイントチェック

リニューアルによってますます初学者におすすめできないテキストへと・・・

◆本書は条文番号(民法○○条)が付された宅建テキストです。

拙サイトでは、初学者が市販宅建テキストで学習する場合、条文番号は不要と考えています。

宅建合格の上で覚えておく条文番号は宅建業法34条2、35条、37条および農地法3条、4条、5条くらいです。それ以外の条文のインプットは不要です。

ただし、「条文番号も含めて宅建試験範囲の法律を学びたい方」はもちろん、「宅建はあくまでステップに過ぎず、より難易度の高い法律系資格試験の合格を目指す方」は条文も含めて学習するほうが良いです。

本書を宅建試験受験におけるメインテキストの候補に挙げる際は、自分の目標をどこに置くのかまず決めましょう。

「目標は宅建合格!」、という受験生には本書はオーバースペックです。

宅建合格は通過点、という方なら本書は選択肢に残ります。

◆拙記事でおすすめするのはあくまで「宅建合格を目標とする初学者」です。以下は、宅建初学者向けテキストにふさわしいかどうか、という観点からのレビューとなります。

<昨年版との大きな違い>

◆昨年版との大きな違いは「はじめて論点表」と「はじめてアイコン」が加わったことです。

これらは初学者が「まずどこから勉強すればよいか」(本書冒頭p.5)を伝えるための施策とのことです。

「はじめて論点表」は各Chapterの冒頭1-2ページに、「はじめてアイコン」は「基本的かつ必須の項目ばかり」(本書冒頭p.5)に付されています。

◆しかしながら、昨年版とのもっと大きな違いは他にあります。それは、ページ数が大幅に増えたことです。

例えば第1編(権利関係)Capter1のSection1「"契約"ってなんだろう〜契約の成立要件など〜」は、昨年版の内容に「申込みと承諾」「期間の計算」が加わり、3ページから5ページに増えました。

宅地造成等規制法は10ページから21ページ(盛土規制法)に増えました。

もちろん、必要な情報を伝えるための増量は当然です。とくに盛土規制法は法改正の重要ポイントです。

◆しかしながら、こうした「情報の追加」が積もり積もって昨年版より87ページも多くなっています。

本書は昨年版の時点でも初学者向けのスペックとは言えませんでしたが、今年度版の「初学者向けリニューアル」施策と相まってますます初学者が完走しにくいテキストになってしまいました。

◆当サイト独自の評価点にしている国土利用計画法についてもチェックしました。

p.587の「Introduction」に「宅建士試験での出題のほとんどを占める」と明記されてはいますが、p.596の「Introduction」に「国土利用計画法の中心テーマは、これまで学習した「事後」届出制です。しかし、「事前」届出制も、今後は要注目といえます。」とあり、受験生に事前届出制の学習を強いてます。宅建初学者にはおすすめできません

◆本書での学習に向いているのは、条文番号も含めて学習したい宅建受験生、そして宅建合格の先を目指す受験生です。宅建初学者には、もっと完走しやすい宅建テキストをおすすめします。

◆なお、本書は「過去問網羅率100%」(冒頭「はじめに」)を謳っていますが、令和4年問3肢1で出題された「後見監督人」が記載されていないことは伝えておきます。

ここまでおすすめできない理由ばかりをお伝えしましたが、本書にはもちろんメリットもあります。

図表は見やすい

◆図・表については、特に「理解しよう」と「試験に出る!POINT整理」は昨年同様見やすいです。

フルカラーの宅建テキストなかには、図表に大小・各色・各種フォントを散りばめたせいでかえって見難いものがあるのですが、本書はそんなことはありません。図表に関しては見やすくデザインされています。

テキストは、赤太字と黒太字に読みやすいフォントが使われています。このフォントでテキスト本文を統一してもらえるともっと読みやすくなります。

見やすさにはもちろん個人差がありますので確認することを強くおすすめします。

本文テキストに過去問出題年が表記されている点はGood

本書は初学者にはおすすめできないのですが、他の宅建テキストにはあまり見られない本書独自の長所があります。本文テキストに過去問出題年が表記されていることです。

過去問に出題された事項については、本文テキストに赤下線が引かれ、下線末端の下に「H○○、R○○」と書かれています。

本文テキストをぱっと見て、赤下線があるところ、しかも「H22・27・28」などと書かれていたら、そこが頻出箇所ということが一目でわかります。重点的に学習しましょう。

テキストに分野別問題集の該当番号が記載されている

テキスト各Section冒頭には分野別過去問題集の編・問題番号が記載されています。

宅建テキストと問題集の連携で多いのは「問題集にテキストの該当箇所を記載」しているパターン。これは問題集→テキストという方向のみとなります。

一方、本書はテキストと問題集が双方向に連携しています(分野別過去問題集には本書の編・Chapter・Section番号が記載されています)。これは大きなメリットです。

インターネットサービスあり

宅建テキストは、一度購入したらそれでOKというわけではありません。

とくに誤植等の正誤はどんなテキスト・問題集でもつきものです。TAC出版書籍通販サイトの正誤表ページを必ず確認してください。

また宅建は毎年4月時点の法改正が試験範囲に入ります。出版時期によってはそこをカバーしていないテキストがあるのはある程度やむを得ません。

この点をフォローするのがインターネットサービスです。

TAC『2024年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』には、法改正、統計情報等に加え、「最新本試験補充論点Webダウンロードサービス」が用意されています。テキスト冒頭はくまなく目を通し、使えるサービスはきっちり使いましょう。

長所・短所

  • 図表は見やすい
  • テキストに過去問出題年が表記されていて頻出箇所がすぐ判別できる
  • テキストに問題集の該当番号を掲載、問題集にアクセスしやすい
  • リニューアルによってページ数大幅増、より完走しにくくなったため宅建初学者にはおすすめできない

市販宅建テキストで最も情報量が多いのはLEC『2024年版 出る順宅建士 合格テキスト』ですが、そこまではいかないまでも本書TAC『2024年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』にも試験範囲を超えた情報が記載されています。初学者向きの宅建テキストではありません。

ただし、「分冊版・フルカラー」で「条文番号を含めた広範囲な学習をしたい受験生」には有力な選択肢となります。

とりわけ、テキストと分野別過去問題集・一問一答問題集・年度別問題集がそれぞれ連携しているのは管理人が知る限りでは本シリーズくらいです(注:テキストと双方向に連携しているのは分野別過去問題集のみとなり、一問一答問題集と年度別問題集は問題集→テキストの連携となります)。テキストと各問題集の連携を重視する方にとっても有力な選択肢となります。

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