管理人が購入した『2023年度版わかって合格る宅建士基本テキスト』の表紙画像です。画像の転載・引用は一切禁止です。
宅建テキストは各出版社から毎年数多く発売されています。当ブログではそれらの中からいくつか厳選して個別にレビューし、『おすすめ宅建テキスト2023年版購入レビュー【独学向け】』にまとめました。
TAC『2023年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』(「合格る」は「うかる」と読みます)以外の宅建テキストも見ておきたい方はそちらもご一読ください。Amazonへのリンクから紙面デザインを確認できるものもあります。テキスト選びの参考になさってください。
2023年宅建試験合格を目指し、がんばりましょう!
TAC『2023年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』 基本データ
TAC『2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』 基本データです。
書名 | 2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト |
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Kindke版 | |
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◆TAC『2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』 はテキスト部分は661ページ+「厳選過去問プレミアム50」の51ページ。
後述しますが、全体的にフォントが小さいため実質700ページを超える分量とみたほうが良いでしょう。
◆本書は4分冊、フルカラーの宅建テキストです。4分冊になるので持ち運びが苦になることはないでしょう。各分冊の巻末には索引が付いてます。
◆Kindle版はありません。
◆「厳選過去問プレミアム50」は宅建本試験を想定した問題数(統計含む50問)となっています。ただし、問15から宅建業法が始まるため本試験とは出題の順番が違います。ご注意ください。
◆各項目の重要度はランク分けされず、「!重要」とマークされています。これは大きなマイナスポイントです。「!重要」だけではAランク項目(最優先必須項目)なのかBランク項目(優先必須項目)なのかがわかりません。改善を望みます。
◆フルカラー印刷です。重要項目は黒太字と赤太字で印刷されています。赤太字は赤シートに対応しています。赤シートも付属しています。
TAC『2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』 レビューポイントチェック
それではTAC『2023年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』について2つのレビューポイントをチェックしましょう。
宅建本試験に不要な情報まで書かれているため、初学者にはおすすめしない
宅建初学者にできないことの一つが、「これまでの宅建本試験にほとんど出題されない情報を見極めること」です。
信頼できる資格スクール・講師はこのことをきちんと教えてくれます。プロを利用する大きなメリットは無駄の少ない学習にあります。
初学者にもできる2つのポイントについてチェックします。
◆1つ目は「民法○○条」と条文番号が書かれているかどうかです。
民法○○条とか借地借家法第9条・第33条だのと書かれている宅建テキストもありますが、宅建本試験を解く上でそんなことを覚える必要はまったくありません。
しかしながら・・・本書ではこんな具合に条文名が付されています。
未成年者には、親権者、もしくは未成年後見人という保護者がつけられます。未成年後見人については、一定の者の請求により家庭裁判所が選任するほかに、遺言による場合もあります(839条、840条)。(本書p.10より引用)
すでに述べた通り、宅建本試験では条文番号まで暗記する必要はありません。
例えば、令和元年度宅建本試験の権利関係14問の中で条文番号が登場したのは問5の判決文問題と問12の借地借家法第39条だけです。
他の問題でも条文番号は出題されていますが、覚えておかなければいけないのは宅建業法34条の2・35条・37条と農地法3条・4条・5条くらいです。
受験生には宅建本試験でまず出題されない知識を頭に入れる暇などありません。時間は有限です。
不要な知識をインプットしないことはとても重要なのです。
とはいえ、条文番号もおさえておきたい受験生にはテキストの選択肢の一つとなるでしょう。
◆2つ目は国土利用計画法です。
p.534の「Introduction」に「宅建士試験での出題のほとんどを占める」と明記されてはいますが、p.543の「Introduction」に「国土利用計画法の中心テーマは、これまで学習した「事後」届出制です。しかし、「事前」届出制も、今後は要注目といえます。」とあり、受験生に事前届出制の学習を強いてます。
しかも国土法にまで「事後届出制の内容(23条〜27条の2)(本書p.520)」と条文番号が書かれています。
※本書には条文番号が権利関係のみならず、宅建業法・法令上の制限にまで付されています。
したがって、本書は宅建本試験の範囲を超えた情報まで記載されている宅建テキストと言わざるを得ません。
宅建本試験にまず出題されないことまでしっかり勉強したい方には向いているテキストではあります。ですが、宅建初学者にはおすすめできません。
ではデザインについてチェックしましょう。
図表は見やすい
図・表については、特に「理解しよう」と「試験に出る!POINT整理」は見やすいです。
フルカラーの宅建テキストなかには、図表に大小・各色・各種フォントを散りばめたせいでかえって見難いものがあるのですが、本書はそんなことはありません。図表に関しては見やすくデザインされています。
テキストは、赤太字と黒太字に読みやすいフォントが使われています。このフォントで統一してもらえるともっと読みやすくなります。
見やすさにはもちろん個人差がありますので確認することを強くおすすめします。
本文テキストに過去問出題年が表記されている点は評価できる
初学者向けテキストとして本書はおすすめできないのですが、他の宅建テキストにはあまり見られない本書独自の長所としてあげておきたいのが、本文テキストに過去問出題年が表記されていることです。
過去問に出題された事項については、本文テキストに赤下線が引かれ、下線末端の下に「H20」と書かれています。
本文テキストをぱっと見て、赤下線があるところ、しかも「H22・27・28」などと書かれていたら、そこが頻出箇所ということが一目でわかります。「H○○」のフォントこそかなり小さいものの、この点は評価できます。
ただし、この下線も人によっては目障りになりかねません。
本文テキストのアイデアは理解できるのですが、人によって意見が分かれるデザインと言えるでしょう。
インターネットアフターサービスあり
宅建テキストは、一度購入したらそれでOKというわけではありません。
とくに誤植等の正誤はどんなテキスト・問題集でもつきものです。TAC出版書籍通販サイトの正誤表ページを必ず確認してください。
また宅建は毎年4月時点の法改正が試験範囲に入ります。出版時期によってはそこをカバーしていないテキストがあるのはある程度やむを得ません。
この点をフォローするのがインターネットアフターサービスです。
TAC『2023年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』には、法改正、統計情報等のインターネットサービスが用意されています。テキストの「本書の利用方法」に目を通しましょう。
長所・短所
- 図表は見やすい
- テキストに過去問出題年が表記されていて、頻出箇所がすぐ判別できる
- 宅建合格に不要な情報(条文番号、国土法)も掲載されている
市販宅建テキストで最も情報量が多いのはLEC『2023年版 出る順宅建士 合格テキスト』ですが、そこまではいかないまでも本書TAC『2023年度版 わかって合格る宅建士 基本テキスト』にも試験範囲を超えた情報が記載されています。初学者向きの宅建テキストではありません。
ただし、「分冊版・フルカラー」で「条文番号を含めた広範囲な学習をしたい受験生」は選択肢にあがります。