管理人が購入した『』・『2022年度版わかって合格る宅建士分野別過去問題集』の表紙画像です。画像の転載・引用は一切禁止です。
宅建テキストは各出版社から毎年数多く発売されています。当ブログではそれらの中からいくつか厳選して個別にレビューし、『宅建テキスト2022【独学者向け厳選おすすめ詳細レビュー】 - 賃貸不動産経営管理士合格応援ブログ』にまとめました。
TAC『2022年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』(「合格る」は「うかる」と読みます)以外の宅建テキストも見ておきたい方はそちらもご一読ください。Amazonへのリンクから紙面デザインを確認できるものもあります。テキスト選びの参考になさってください。
2022年宅建試験合格を目指し、がんばりましょう!
【誰にもおすすめできる宅建教材案内】
◆宅建学習の第1段階は「1週間で宅建試験全範囲をざっと把握すること」から始めると良いと思います。試験範囲を知らないまま、見たこともない文言を読み始めても途方にくれてしまいかねないからです。
◆実質無料で宅建学習を始められる教材としておすすめできるのは、『2022年版 パーフェクト宅建士聞くだけ (全3巻)』(全12時間26分)を聞いて宅建試験全範囲を一周することです。
◆『パーフェクト宅建士聞くだけ (2022年版・全3巻)』はAmazonのAudible(オーディブル)というサービスによるオーディオブックです。ちなみに管理人は¥1,500払って聞いてます・・・
『パーフェクト宅建士聞くだけ (2022年版・全3巻)』の販売価格は¥12,500と高価です(購入しなくても良いと思います!誤って購入した場合は開封しないで返品手続きを!)が、AmazonのAudibleサービスに初めて登録する方は30日間無料で利用できます。
全12時間26分ですので、1日108分聞けば1週間で一周できます。もちろん2回目以降は好みの速度で聞いてもかまいません。倍速を活用できるのもオーディオブックのメリットです。
管理人の知る限り、実質無料かつこれほど手軽に宅建試験全範囲を1周できる製品版教材はこれだけです。
◆『パーフェクト宅建士聞くだけ (2022年版・全3巻)』を1週間で1周したあと、30日以内で隙間時間に繰り返し聴きましょう。耳からのインプットは記憶の定着にとても役立ちます。
『パーフェクト宅建士聞くだけ』のナレーションは日建学院の教材でおなじみの佐藤まり江さんが毎年担当しています。とても聴きやすいです。スマホ・タブレットの音声読み上げ機能とは比べものになりません。
※ただし、図表等まではカバーしていませんし、テキストを隅から隅まで説明しているわけではありませんので、これだけで宅建試験に挑むことはできません。
どの宅建テキストを使っている方でも、「無料で使える方にとっては」とても有用な教材です。
◆宅建試験を「受けてみたい」と考えている方もたくさんいらっしゃると思います。私自身、「あの資格を取ってみようかな」と思ってテキストを買って開いたところ、どうにも相性が悪くて・・・せっかく買ったテキスト・問題集が無駄になったことが何回かありました。
そんなことにならないよう、まずは『パーフェクト宅建士聞くだけ』を聞いて、自分が宅建に挑戦できそうかどうか品定めをしてみてください。
聞いてみて「いけそうかな」と思ったら次のステップのテキスト・問題集での基礎固めにうつりましょう。
注:Audibleが不要な方は無料体験期間30日以内に退会してください。退会しないままだと月額¥1,500かかってしまいます。不要なサービスに課金する必要はありません。
TAC『2022年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』 基本データ
TAC『2022年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』 基本データです。
書名 | 2022年度版 出る順宅建士 合格テキスト |
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◆TAC『2022年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』 は4分冊です。
テキスト部分は642ページ+「厳選過去問プレミアム50」の52ページ、計694ページが分冊可です(索引および余白ページを除く)。4分冊になるので持ち運びが苦になることはないでしょう。
◆Kindle版はありません。
◆「厳選過去問プレミアム50」は宅建本試験を想定した問題数(統計含む50問)となっていますが、本試験とは出題の順番が違っていることに注意してください。
◆各項目の重要度はランク分けされず、「!重要」とマークされています。これは大きなマイナスポイントです。「!重要」だけではAランク項目(最優先必須項目)なのかBランク項目(優先必須項目)なのかがわかりません。来年度版での改善を望みます。
◆フルカラー印刷です。重要項目は黒太字と赤太字で印刷されています。赤太字は赤シートに対応しています。赤シートも付属しています。
◆本書は全体的にフォントが小さめです。さらに、黒太字と赤太字の強調箇所は本文テキストと違うフォントになっています。管理人には読みにくく感じられました。
◆ページ数こそテキスト部分642ページですが、フォントが小さいため実質700ページを超える分量とみたほうが良いでしょう。
TAC『2022年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』 レビューポイントチェック
それではTAC『2022年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』について2つのレビューポイントをチェックしましょう。
宅建本試験に不要な情報まで書かれているため、初学者にはおすすめしない
宅建初学者にできないことの一つが、「これまでの宅建本試験にほとんど出題されない情報を見極めること」です。
信頼できる資格スクール・講師はこのことをきちんと教えてくれます。プロを利用する大きなメリットは無駄の少ない学習にあります。
初学者にもできる2つのポイントについてチェックします。
◆1つ目は「民法○○条」と条文番号が書かれているかどうかです。
民法○○条とか借地借家法第9条・第33条だのと書かれている宅建テキストもありますが、宅建本試験を解く上でそんなことを覚える必要はまったくありません。
しかしながら・・・
本書ではこんな具合に条文名が付されています。
未成年者には、親権者、もしくは未成年後見人という保護者がつけられます。未成年後見人については、一定の者の請求により家庭裁判所が選任するほかに、遺言による場合もあります(839条、840条)。(本書p.10より引用)
すでに述べた通り、宅建本試験では条文番号まで暗記する必要はありません。
例えば、令和元年度宅建本試験の権利関係14問で○○法○○条が登場したのは問5の判決文問題と問12の借地借家法第39条だけです。
他の問題でも○○法○○条は出題されていますが、覚えておかなければいけないのは宅建業法34条・35条・37条と農地法3条・4条・5条くらいです。
受験生には宅建本試験でまず出題されない知識を頭に入れる暇などありません。時間は有限です。
不要な知識をインプットしないことはとても重要なのです。
とはいえ、条文番号もおさえておきたい受験生にはテキストの選択肢の一つとなるでしょう。
◆2つ目は国土利用計画法です。『らくらく宅建塾』のレビューでも書きましたが、宅建本試験では国土利用計画法の監視区域・注視区域・規制区域についてはほぼ出題されていません(監視区域内の事前届出についてのみ出題されています)。
本書では国土法に19ページも割いています。そこまでの分量は宅建本試験では不要なのです。しかも国土法にまで「事後届出制の内容(23条〜27条の2)(本書p.520)」と条文番号が書かれています。
※本書には条文番号が権利関係・法令上の制限のみならず宅建業法にまで付されています。
したがって、本書は宅建本試験の範囲を超えた情報まで記載されている宅建テキストと言わざるを得ません。
宅建本試験にまず出題されないことまでしっかり勉強したい方はそこまで暗記しておいてもかまわないでしょう。ですが、宅建初学者にはおすすめできません。
ではデザインについてチェックしましょう。
テキスト本文は読みにくいが図表は見やすい
すでに述べた通り、テキストの強調箇所には黒太字と赤太字が用いられており、しかも本文と強調箇所のフォントが違います。
より強調したい編集意図のあらわれとは思いますが、本文テキストを読んでいると目が疲れてきます。もちろん個人差はありますので、購入前に確認することを強くおすすめします。
一方、図・表、特に「理解しよう」と「試験に出る!POINT整理」は見やすいです。
フルカラーの宅建テキストなかには、図表に大小・各色・各種フォントを散りばめたせいでかえって見難いものがあるのですが、本書はそんなことはありません。図表に関しては見やすくデザインされています。
本文テキストに過去問出題年が表記されている点は評価できる
初学者向けテキストとして本書はおすすめできないのですが、他の宅建テキストにはあまり見られない本書独自の長所としてあげておきたいのが、本文テキストに過去問出題年が表記されていることです。
過去問に出題された事項については、本文テキストに赤下線が引かれ、下線末端の下に「H20」と書かれています。
本文テキストをぱっと見て、赤下線があるところ、しかも「H22・27・28」などと書かれていたら、そこが頻出箇所ということが一目でわかります。「H○○」のフォントこそかなり小さいものの、この点は評価できます。
ただし、この下線も人によっては目障りになりかねません。
本文テキストのアイデアは理解できるのですが、人によって意見が分かれるデザインと言えるでしょう。
インターネットアフターサービスあり
宅建テキストは、一度購入したらそれでOKというわけではありません。
とくに誤植等の正誤はどんなテキスト・問題集でもつきものです。TAC出版書籍通販サイトの正誤表ページを必ず確認してください。
また宅建は毎年4月時点の法改正が試験範囲に入ります。出版時期によってはそこをカバーしていないテキストがあるのはある程度やむを得ません。
この点をフォローするのがインターネットアフターサービスです。
TAC『2022年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』には、法改正、統計情報等のインターネットサービスが用意されています。テキストの「本書の利用方法」に目を通しましょう。
長所・短所
- 図表は見やすい
- テキストに過去問出題年が表記されていて、頻出箇所がすぐ判別できる
- インターネットアフターサービスあり
- 本文テキストに複数種のフォントが混在しているため、目が疲れやすい(人によりけりなので要確認)
- 宅建合格に不要な情報が含まれているため、初学者がさくさく読み進められるテキストとは言えない
市販宅建テキストで最も情報量が多いのはLEC『2022年版 出る順宅建士 合格テキスト』ですが、そこまではいかないまでも本書TAC『2022年度版 わかって合格る 宅建士基本テキスト』にも試験範囲を超えた情報が記載されています。このため、「初学者がさくさくと繰り返し読みこなしてどんどんインプットする」タイプの宅建テキストではありません。
ただし、「分冊版」で「条文番号を含めた広範囲な学習をしたい受験生」には向いているかもしれません。
なお、本書にはリンクしている問題集と、同じくリンクしているDVDがあります。DVDでは本書の内容を約20時間で一通り学習できるとのことです。