当記事は『改訂版 ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』の購入レビューです。宅建テキスト・入門書選びの参考になれば幸いです。
『改訂版 ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』 基本データ
『改訂版 ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』基本データです。
書名 | 改訂版 ゼロからスタート! 水野健の宅建士1冊目の教科書 |
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電子書籍版 | 楽天Kobo版 ¥1,760(税込) |
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発行 | 監修:LEC東京リーガルマインド |
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◆『改訂版 ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』は発行が2023年10月13日。昨年2021年版は12月発売でしたが2022年版から発売が10月になっています。
著者は資格スクールの雄・LECのエース講師である水野健先生(TVチャンピオン 第1回温泉王で優勝)。
◆本書の特徴は「最後まで短時間で読み切りやすいこと」です。
◆読みやすさの理由は3つあります。
①ボリュームが絞られている
②見開き2ページで1単元、文章は左ページのみ800字弱だけ
③文章が秀逸
これら3点について見ていきましょう。
『改訂版 ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書』はとても読みやすい宅建入門書
◆『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書 改訂版』出版のねらいは「なるべく早く通読して全体像をつかみ」やすい宅建入門書を提供することです(本書p.4より)。
なるべく早く通読するにはどういう本を作ればいいでしょうか?
何よりもページ数を少なくすることが第一です。
本書はページ数を「コンパクトにまとまった600ページクラス宅建テキスト」の半分以下、230ページに削りました。それだけ情報量を絞っています。
◆全体のページ数を増やしても、1ページに小さいフォントをぎっしり使って字を詰め込んだら読みにくいことこの上ありません。
本書は基本的に1単元が見開き2ページ。文章は左の1ページだけに留め、右側1ページに重要ポイントをまとめています。
しかも左ページの文字数は約800字。
文章部分の文字数をできるだけ少なくする努力がうかがえます。
約800字なら一般の方でも3分、ちょっとゆっくりめでも5分かからずに読める文字量。
本書の「はじめに」や目次を除いた単元部分は約200ページなので、見開き2ページにかかる時間を5分としても500分程度で完走できます(10時間あれば十分でしょう)。※右ページの重要ポイントや慣れない法律用語は一読しただけじゃ覚えきれませんので、初回はどんどん読み飛ばしてかまわないでしょう。
◆しかも文章が秀逸です。
見開き2ページの左側、800字以内の少ない字数という制約のなかで厳選した情報を伝えるべく、文章を練っていることがうかがえます。
例えばゴルフコース。
開発許可でかならず覚えるのが特定工作物です。いくつかある第二種特定工作物にゴルフコースが入っています。
でもゴルフコースにある建物はクラブハウスくらいなのに、なぜゴルフコースが特定工作物に入っているのでしょう?
たいていの宅建テキストはもちろんのこと、3冊合計約1200ページと市販宅建テキスト最大頁数を誇るLEC『出る順宅建士合格テキスト』にもその理由は書かれていません(3巻pp.66-67 注:2024年版調べ)。
それに対し、本書p.60にはその理由が明確に記されています。※知りたい方は購入してお読みください。わずか1行ではありますが、その1行が重要なのです。
開発許可が苦手な方は本書のpp.60-63をぜひお読み下さい。
◆宅建テキストの多くは権利関係→宅建業法→法令上の制限・税その他という構成になっています。
一方、本書は宅建業法の一部)→権利関係の一部→法令上の制限の一部→権利関係の一部→法令上の制限の一部→宅建業法→権利関係という構成。
目次はこうなっています。
- 第1章 宅建業を始める
- 第2章 物件を調査する
- 第3章 媒介契約を締結する
- 第4章 営業活動
- 第5章 重要事項説明書
- 第6章 売買契約
- 第7章 契約上の重要知識
なぜこんな順番になっているかというと、本書が「宅建士試験の全体像をつかみやすくする」ことに主眼を置いているからです。
本書のp.4にはこう書かれてます。
「ほかのテキストと異なる点は、通常の取引の流れに従って試験の知識の全体像をつかめるように構成している点です。
法律という学問と実務は異なることが多いため、実際の仕事の流れになるべく沿って作成してみました。これは、仕事のどの場面で必要な話なのかを理解しながら勉強したほうが、イメージをもちやすいからです。」
一般的な宅建テキストに慣れている受験生は面食らうかもしれませんが、これから宅建合格を目指す方、とりわけ宅建業を目指す初学者にとってはむしろ好都合でしょう。
◆以上、『ゼロからスタート!水野健の宅建士1冊目の教科書 改訂版』は宅建試験の全体を早々につかむことを目的とした宅建入門書です。
なお、本書は「本番直前のまとめ」(本書p.6より)としても十分活用できます。
カラー図表は本番直前じゃなくても繰り返し目にすると良いです。電子書籍版を購入してスマホでいつでも閲覧できるようにしておくとなお良いでしょう。